5 / 18
邂逅
五話
しおりを挟む
カチャ・・カチャ・・・
シマトネ「お~い着替え終わったかぁ?」
椿「うっさいなぁ!あんまこっち来ないでよね!」
次郎「あっちで待ってようぜ」
川辺に辿り着いた俺達は早速着替えて
遊ぶことにした
俺達は最初から下は水着で来ていたので
上を脱ぐだけで良かったが、
女性陣はまだ時間がかかりそうだった
シマトネ「先に川に入っちまうか!
・・・・冷っっった‼︎」
次郎「あんまり急に入ると心臓麻痺するぞ。準備体操もしっかりやっとけよ」
まぁそうは言っても人型植物の心臓が
どうなっているのか詳しく知らないけどな
そんな事を言いながら足先を川の中に浸けてみると暖かい気温に反して
水温はたしかに想像より冷たかった。
次郎「まじで冷てーな。あんまり入る気にならないんだが」
ふとシマトネの方を見るとさっきまで
冷たいとか言って足先をチョンチョン
していただけのくせに
しっかり泳いでいた。
シマトネ「お~い!早く来いよ~」
あれだけ泳げているところを見ると
見た目より意外と水深は深そうだ
次郎「俺は川辺で遊ぶくらいでいいよ!」
椿「お待たせ~!どうどう?」
フェイ「私の水着を見れるだなんて光栄に思いなさい!私の水着姿は金の延べ棒100本分の価値はありますわ!」
シマトネ「ぉおお」
次郎「ゴクッッゥ」
2人ともあんまり綺麗だったもんだから
つい生唾を飲み込んでしまった。
というか施設では人間に限らず女性の
水着姿なんて見た事がなかったもんだからこの光景は健全な少年の目にはあまりに毒であった
椿「ちょっとぉ!なんかいいなさいよ!」
次郎「あっぁあ!2人ともすごく綺麗だ」
フェイ「当たり前ね!今度はもう少し気を利かせたセリフを考えておきなさい!」
椿「私達は持ってきたビーチチェアでゆっくりしてるわ!」
フェイ「日焼け止めは持ってきた?」
椿「あ~!忘れちゃったぁ!」
フェイ「私のを貸してあげますわ!」
椿「ありがとう!フェイちゃん!」
シマトネ「なんだお前ら入らねーのか?」
フェイ「貴方みたいにはしゃぐ程子供じゃありませんの!それに今そんなに遊んだら帰りがクタクタですわ。」
シマトネ「なんだよ~」
次郎「まぁおれもちょっと入る程度かな?そんなに泳げないし・・・」
シマトネ「なんだ次郎カナヅチか?」
次郎「施設で泳ぎなんてしたことないんだよ」
シマトネ「それもそうかぁ」
バシャバシャ・・・バチャ・・バシャバシャバシャ・・・
椿「あいつホント体力あるわねぇ
いつまで泳いでんのかしら」
フェイ「馬鹿なだけですわ」
シマトネ「・・・・あ、れなんだ?
お~い!お~い!なんかアッチに見えないか?」
次郎「はぁ?あっち?」
シマトネが指を刺すを方向を見てみる
次郎「何もないじゃん」
シマトネ「いやもっと良く見てみろよ!」
再度シマトネが指を刺す方向を目を凝らして見てみる
ん・・・・?
建・・物・・?
ゾク・・ゾクゾク・・・・
ブワァァァァァ
それが視界に入った瞬間
身体中に鳥肌がたった・・
ホラー映画にある様な
山陰の中にある小屋だろうか?
周辺の景色に若干溶け込みかけていたがやはり建築物のように見える・・・
壁面を蔦が覆い過ぎていて一瞬わからなくなるが自然の景色に完全には溶け込みきれていない違和感を誰に伝えるでもなく異様に放っていた。
胸の中心を風が通り抜けていくようなゾワッとする悪寒。
瞬間周囲の音が凪いだ気がして
この場から逃げ出したくなる
そんな感覚に強烈に襲われる。
次郎「あれは廃墟か何かか?・・」
椿「えぇ~どれどれ?わかんなくない?」
フェイ「椿さん多分あそこですわ。
ぱっと見だと分かりづらいですけど・・確かに古い廃墟に見えますわね。」
シマトネ「こんな山の中に誰か住んでるってのか?」
次郎「それにしちゃ誰かが暮らしている形跡がなさすぎる」
椿「こんな山の中でわざわざ暮らす人いないんじゃない?昔は使われていたのかもしれないけど・・・」
鳥肌が引かない・・
先程までの楽しかった気分が吹き飛んでしまったかのようだ
みんなは何も感じないのだろうか
椿「次郎くん大丈夫?
顔色悪いよ?もしかしてああいうの苦手なの?」
次郎「いや、なんとなく近づきたくない雰囲気なんだ。」
シマトネ「気持ちはわからんでもないなぁ~・・・でもせっかくだしちょっと行ってみない?早めの肝試しというか」
椿「誰か居たらどうすんのよ?
ここじゃなにかあっても助け呼べないわよ!」
シマトネ「ヤバそうだったら直ぐ引き揚げるからさ!」
フェイ「私は怖いものなんてありませんから構いませんわ!」
椿「えぇ~フェイちゃん本気~?
嫌だよね?次郎君?」
次郎「あ、あぁ。出来れば」
シマトネ「大丈夫大丈夫!ホントちょっとだけだから!」
なんとなく身体中の感覚が「帰れ!」と言っている気がする。
だがそれと同時に怖いもの見たさの
好奇心と周りの雰囲気が既に行くムードになってしまっている。
時刻は午後3時を周るかどうかぐらいの時間だろうか・・・
陽は真上から傾き始めた頃で、一定の明るさが油絵の様に固まった情景の異様さを助長させている。
バシャバシャ
シマトネ「こっちは向こう岸まで浅いから歩いて渡れるぞ!」
次郎「マジで行くの?」
シマトネ「まぁまぁ、ヤバそうだったらすぐ戻ればいいんじゃね?」
椿「しょうがないなぁ、ちょっとだけ行ってみる?」
俺達は川の浅い所を縦一列で渡る事にした
こちらの川辺と違い、向こう岸はすぐに
せり上がる様な土砂で出来ていて
足元が滑る
シマトネ「冷て~足元滑りやすいから気を付けろよー」
椿「きゃ!ホントに滑る!」
フェイ「椿さん気をつけて。1人がコケたらみんな倒れちゃうわ。」
木々がまばらにある林の少し奧、
不気味な存在感を放ちながらも周囲だけ木陰だからかこの時間帯なのに
なんだか薄暗さを感じる。
シマトネ「近づいてみると思ったより大きいな」
次郎「不気味だな・・・」
椿「ねぇ誰から入る?」
フェイ「そもそも入り口の蔦がすごいからまずこれを取らなきゃ入れなさそうですわ」
壁面やドアを覆う蔦はしばらくの間
ここが誰かの居住地ではなかった事を
表している
建物の入り口の蔦を取るだけでも骨が折れそうだ
ガサッッガサガサ
シマトネ「っしょっと・・これなら大丈夫だろ。てゆーかお前らも手伝えよ!」
椿「言い出しっぺはアンタでしょ?」
フェイ「私がそんな事やるわけがありませんわ。」
次郎「にしても正直やっぱ怖いな」
シマトネ「しょーがねーから俺が最初に行くぜ!ちゃんと付いてこいよ」
キィィイイィ・・・ギィ
扉が立てる音は長い間油を注されていないことを感じさせ、中の空気はどんよりと澱んでいる様な気がした
シマトネ「お~怖!てか埃くせ~」
椿「うわ~中こんな感じなんだ~これって民家なのかなぁ?あんまり生活感がない様な」
シマトネ「そりゃこんだけ古けりゃ生活感なんてないだろ!」
フェイ「そもそもいつの建物なのか分かりませんわ、もしかしたら歴史的建造物かも」
シマトネ「まさか~そんな大したものなさそうだぜ?」
次郎「いや外壁がコンクリートっぽいから昔の人間時代の建物の可能性は高いな」
フェイ「見た目より奥行きがありそうね・・・きゃ!」
サッササァ・・ガサ
椿「うわぁ!ねずみやばい!」
シマトネ「やばっまじここ衛生面悪過ぎじゃね?」
次郎「誰も住まなくなって相当時間経ってそうだしこうなるよな」
フェイ「最悪ですわ。」
ファッサァア
椿「ぎゃーー!・・・なんだぁ蜘蛛の巣かぁ」
ビククゥ‼︎‼︎
シマトネ「びっくりさせんなよ!気失うかと思ったわ!」
コンッッ
フェイ「いったぁ」
ガッ
キィー・・・・・・ギィー
次郎「ん?・・なんだこれ?」
椿「えぇ・・何よこれ・・」
シマトネ「地下・・なのか?」
フェイがつまずいた床の木目がそのまま持ち上がり、人一人分が通れる地下への通路が現れた・・
暗い地下への通路は光が届いてなく酸素も薄いのだろう。
劣化があまりなく地上とのチグハグさが奇妙に感じられる。
シマトネ「・・・行ってみるか?」
次郎「えぇ」
フェイ「少しだけ興味が出てきましたわ」
次郎「あまり気は進まないけど・・
気味悪くないか?」
椿「それは確かに!・・
レジャーなんて気分じゃなくなっちゃった」
シマトネ「まぁまぁちょっと行ってみてヤバそうだったら引き返そうぜ」
フェイ「せっかくですから
草フォンで動画を撮って後でsnsに投稿するのも面白そうじゃありません?」
シマトネ「え・・フェイの癖に・・・
ナイスアイデアじゃ~んん!!!」
フェイ「うざいからその口閉じてくださる?」
椿「しょうがないから取り敢えず入ってみる?ていうか誰か明かり持ってる?」
次郎「草フォンのライトでいいんじゃない?」
椿「確かに!」
フェイ「ほら早く撮りなさいよ」
シマトネ「俺かよ。いいけどさ」
ギィ・・ギィ・ギィ・・・
次郎「うっ・・けむいな」
シマトネ「以外と奥行きがありそうだぞ」
フェイ「ねぇ、上より地下の方が生活感があると思わない?」
椿「あー確かに!埃を被ってるけど誰かがいたっぽいね」
シマトネ「こんな所にか?」
椿「それはなんでかわからないけど・・」
次郎「いや怖っ。本当に先に進むのか?」
フェイ「そうねぇ、空気もよろしくないし行けるとこまで行ってさっさと帰りましょうか」
シマトネ「まだ撮り始めたばかりだぜ?」
椿「まぁ今の時点で結構遅い時間だしね」
キィ・・キィ・・キィ・
シマトネ「おいおい、こんなに奥が続くのか?」
カタっ
フェイ「待って、この壁扉じゃない?」
次郎「本当だ・・壁にカモフラージュしているけど埃のせいで逆にくっきり浮き出ているな」
シマトネ「なぁこれ動画撮るよりLiveの方が良かったんじゃね?」
椿「もぉシマトネうるさい!」
シマトネ「・・扱い悪くねぇか」
ギィー・・・
次郎「ここは特に暗いな・・」
フェイ「あら、今光が当たった場所何かありませんでした?」
シマトネ「どれどれ」
椿「ひっ!!」
次郎「どうした!?」
椿「あっあれ見て!」
シマトネ「なんだぁ?」
悪寒の正体がわかった気がした
そんなものある方だと思ったことはないが第六感だったのだろうか?
それは物も言わずにこちらを見据えていて
見ようによっては誰かを待っていたかの様にさえ感じさせた・
シマトネ「お~い着替え終わったかぁ?」
椿「うっさいなぁ!あんまこっち来ないでよね!」
次郎「あっちで待ってようぜ」
川辺に辿り着いた俺達は早速着替えて
遊ぶことにした
俺達は最初から下は水着で来ていたので
上を脱ぐだけで良かったが、
女性陣はまだ時間がかかりそうだった
シマトネ「先に川に入っちまうか!
・・・・冷っっった‼︎」
次郎「あんまり急に入ると心臓麻痺するぞ。準備体操もしっかりやっとけよ」
まぁそうは言っても人型植物の心臓が
どうなっているのか詳しく知らないけどな
そんな事を言いながら足先を川の中に浸けてみると暖かい気温に反して
水温はたしかに想像より冷たかった。
次郎「まじで冷てーな。あんまり入る気にならないんだが」
ふとシマトネの方を見るとさっきまで
冷たいとか言って足先をチョンチョン
していただけのくせに
しっかり泳いでいた。
シマトネ「お~い!早く来いよ~」
あれだけ泳げているところを見ると
見た目より意外と水深は深そうだ
次郎「俺は川辺で遊ぶくらいでいいよ!」
椿「お待たせ~!どうどう?」
フェイ「私の水着を見れるだなんて光栄に思いなさい!私の水着姿は金の延べ棒100本分の価値はありますわ!」
シマトネ「ぉおお」
次郎「ゴクッッゥ」
2人ともあんまり綺麗だったもんだから
つい生唾を飲み込んでしまった。
というか施設では人間に限らず女性の
水着姿なんて見た事がなかったもんだからこの光景は健全な少年の目にはあまりに毒であった
椿「ちょっとぉ!なんかいいなさいよ!」
次郎「あっぁあ!2人ともすごく綺麗だ」
フェイ「当たり前ね!今度はもう少し気を利かせたセリフを考えておきなさい!」
椿「私達は持ってきたビーチチェアでゆっくりしてるわ!」
フェイ「日焼け止めは持ってきた?」
椿「あ~!忘れちゃったぁ!」
フェイ「私のを貸してあげますわ!」
椿「ありがとう!フェイちゃん!」
シマトネ「なんだお前ら入らねーのか?」
フェイ「貴方みたいにはしゃぐ程子供じゃありませんの!それに今そんなに遊んだら帰りがクタクタですわ。」
シマトネ「なんだよ~」
次郎「まぁおれもちょっと入る程度かな?そんなに泳げないし・・・」
シマトネ「なんだ次郎カナヅチか?」
次郎「施設で泳ぎなんてしたことないんだよ」
シマトネ「それもそうかぁ」
バシャバシャ・・・バチャ・・バシャバシャバシャ・・・
椿「あいつホント体力あるわねぇ
いつまで泳いでんのかしら」
フェイ「馬鹿なだけですわ」
シマトネ「・・・・あ、れなんだ?
お~い!お~い!なんかアッチに見えないか?」
次郎「はぁ?あっち?」
シマトネが指を刺すを方向を見てみる
次郎「何もないじゃん」
シマトネ「いやもっと良く見てみろよ!」
再度シマトネが指を刺す方向を目を凝らして見てみる
ん・・・・?
建・・物・・?
ゾク・・ゾクゾク・・・・
ブワァァァァァ
それが視界に入った瞬間
身体中に鳥肌がたった・・
ホラー映画にある様な
山陰の中にある小屋だろうか?
周辺の景色に若干溶け込みかけていたがやはり建築物のように見える・・・
壁面を蔦が覆い過ぎていて一瞬わからなくなるが自然の景色に完全には溶け込みきれていない違和感を誰に伝えるでもなく異様に放っていた。
胸の中心を風が通り抜けていくようなゾワッとする悪寒。
瞬間周囲の音が凪いだ気がして
この場から逃げ出したくなる
そんな感覚に強烈に襲われる。
次郎「あれは廃墟か何かか?・・」
椿「えぇ~どれどれ?わかんなくない?」
フェイ「椿さん多分あそこですわ。
ぱっと見だと分かりづらいですけど・・確かに古い廃墟に見えますわね。」
シマトネ「こんな山の中に誰か住んでるってのか?」
次郎「それにしちゃ誰かが暮らしている形跡がなさすぎる」
椿「こんな山の中でわざわざ暮らす人いないんじゃない?昔は使われていたのかもしれないけど・・・」
鳥肌が引かない・・
先程までの楽しかった気分が吹き飛んでしまったかのようだ
みんなは何も感じないのだろうか
椿「次郎くん大丈夫?
顔色悪いよ?もしかしてああいうの苦手なの?」
次郎「いや、なんとなく近づきたくない雰囲気なんだ。」
シマトネ「気持ちはわからんでもないなぁ~・・・でもせっかくだしちょっと行ってみない?早めの肝試しというか」
椿「誰か居たらどうすんのよ?
ここじゃなにかあっても助け呼べないわよ!」
シマトネ「ヤバそうだったら直ぐ引き揚げるからさ!」
フェイ「私は怖いものなんてありませんから構いませんわ!」
椿「えぇ~フェイちゃん本気~?
嫌だよね?次郎君?」
次郎「あ、あぁ。出来れば」
シマトネ「大丈夫大丈夫!ホントちょっとだけだから!」
なんとなく身体中の感覚が「帰れ!」と言っている気がする。
だがそれと同時に怖いもの見たさの
好奇心と周りの雰囲気が既に行くムードになってしまっている。
時刻は午後3時を周るかどうかぐらいの時間だろうか・・・
陽は真上から傾き始めた頃で、一定の明るさが油絵の様に固まった情景の異様さを助長させている。
バシャバシャ
シマトネ「こっちは向こう岸まで浅いから歩いて渡れるぞ!」
次郎「マジで行くの?」
シマトネ「まぁまぁ、ヤバそうだったらすぐ戻ればいいんじゃね?」
椿「しょうがないなぁ、ちょっとだけ行ってみる?」
俺達は川の浅い所を縦一列で渡る事にした
こちらの川辺と違い、向こう岸はすぐに
せり上がる様な土砂で出来ていて
足元が滑る
シマトネ「冷て~足元滑りやすいから気を付けろよー」
椿「きゃ!ホントに滑る!」
フェイ「椿さん気をつけて。1人がコケたらみんな倒れちゃうわ。」
木々がまばらにある林の少し奧、
不気味な存在感を放ちながらも周囲だけ木陰だからかこの時間帯なのに
なんだか薄暗さを感じる。
シマトネ「近づいてみると思ったより大きいな」
次郎「不気味だな・・・」
椿「ねぇ誰から入る?」
フェイ「そもそも入り口の蔦がすごいからまずこれを取らなきゃ入れなさそうですわ」
壁面やドアを覆う蔦はしばらくの間
ここが誰かの居住地ではなかった事を
表している
建物の入り口の蔦を取るだけでも骨が折れそうだ
ガサッッガサガサ
シマトネ「っしょっと・・これなら大丈夫だろ。てゆーかお前らも手伝えよ!」
椿「言い出しっぺはアンタでしょ?」
フェイ「私がそんな事やるわけがありませんわ。」
次郎「にしても正直やっぱ怖いな」
シマトネ「しょーがねーから俺が最初に行くぜ!ちゃんと付いてこいよ」
キィィイイィ・・・ギィ
扉が立てる音は長い間油を注されていないことを感じさせ、中の空気はどんよりと澱んでいる様な気がした
シマトネ「お~怖!てか埃くせ~」
椿「うわ~中こんな感じなんだ~これって民家なのかなぁ?あんまり生活感がない様な」
シマトネ「そりゃこんだけ古けりゃ生活感なんてないだろ!」
フェイ「そもそもいつの建物なのか分かりませんわ、もしかしたら歴史的建造物かも」
シマトネ「まさか~そんな大したものなさそうだぜ?」
次郎「いや外壁がコンクリートっぽいから昔の人間時代の建物の可能性は高いな」
フェイ「見た目より奥行きがありそうね・・・きゃ!」
サッササァ・・ガサ
椿「うわぁ!ねずみやばい!」
シマトネ「やばっまじここ衛生面悪過ぎじゃね?」
次郎「誰も住まなくなって相当時間経ってそうだしこうなるよな」
フェイ「最悪ですわ。」
ファッサァア
椿「ぎゃーー!・・・なんだぁ蜘蛛の巣かぁ」
ビククゥ‼︎‼︎
シマトネ「びっくりさせんなよ!気失うかと思ったわ!」
コンッッ
フェイ「いったぁ」
ガッ
キィー・・・・・・ギィー
次郎「ん?・・なんだこれ?」
椿「えぇ・・何よこれ・・」
シマトネ「地下・・なのか?」
フェイがつまずいた床の木目がそのまま持ち上がり、人一人分が通れる地下への通路が現れた・・
暗い地下への通路は光が届いてなく酸素も薄いのだろう。
劣化があまりなく地上とのチグハグさが奇妙に感じられる。
シマトネ「・・・行ってみるか?」
次郎「えぇ」
フェイ「少しだけ興味が出てきましたわ」
次郎「あまり気は進まないけど・・
気味悪くないか?」
椿「それは確かに!・・
レジャーなんて気分じゃなくなっちゃった」
シマトネ「まぁまぁちょっと行ってみてヤバそうだったら引き返そうぜ」
フェイ「せっかくですから
草フォンで動画を撮って後でsnsに投稿するのも面白そうじゃありません?」
シマトネ「え・・フェイの癖に・・・
ナイスアイデアじゃ~んん!!!」
フェイ「うざいからその口閉じてくださる?」
椿「しょうがないから取り敢えず入ってみる?ていうか誰か明かり持ってる?」
次郎「草フォンのライトでいいんじゃない?」
椿「確かに!」
フェイ「ほら早く撮りなさいよ」
シマトネ「俺かよ。いいけどさ」
ギィ・・ギィ・ギィ・・・
次郎「うっ・・けむいな」
シマトネ「以外と奥行きがありそうだぞ」
フェイ「ねぇ、上より地下の方が生活感があると思わない?」
椿「あー確かに!埃を被ってるけど誰かがいたっぽいね」
シマトネ「こんな所にか?」
椿「それはなんでかわからないけど・・」
次郎「いや怖っ。本当に先に進むのか?」
フェイ「そうねぇ、空気もよろしくないし行けるとこまで行ってさっさと帰りましょうか」
シマトネ「まだ撮り始めたばかりだぜ?」
椿「まぁ今の時点で結構遅い時間だしね」
キィ・・キィ・・キィ・
シマトネ「おいおい、こんなに奥が続くのか?」
カタっ
フェイ「待って、この壁扉じゃない?」
次郎「本当だ・・壁にカモフラージュしているけど埃のせいで逆にくっきり浮き出ているな」
シマトネ「なぁこれ動画撮るよりLiveの方が良かったんじゃね?」
椿「もぉシマトネうるさい!」
シマトネ「・・扱い悪くねぇか」
ギィー・・・
次郎「ここは特に暗いな・・」
フェイ「あら、今光が当たった場所何かありませんでした?」
シマトネ「どれどれ」
椿「ひっ!!」
次郎「どうした!?」
椿「あっあれ見て!」
シマトネ「なんだぁ?」
悪寒の正体がわかった気がした
そんなものある方だと思ったことはないが第六感だったのだろうか?
それは物も言わずにこちらを見据えていて
見ようによっては誰かを待っていたかの様にさえ感じさせた・
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら
リヒト
ファンタジー
現代日本。人々が平和な日常を享受するその世界の裏側では、常に陰陽師と人類の敵である妖魔による激しい戦いが繰り広げられていた。
そんな世界において、クラスで友達のいない冴えない陰キャの少年である有馬優斗は、その陰陽師としての絶大な才能を持っていた。陰陽師としてのセンスはもちろん。特別な神具を振るう適性まであり、彼は現代最強の陰陽師に成れるだけの才能を有していた。
その少年が願うのはただ一つ。病気で寝たきりのお姉ちゃんを回復させること。
お姉ちゃんを病気から救うのに必要なのは陰陽師の中でも本当にトップにならなくては扱えない特別な道具を使うこと。
ならば、有馬優斗は望む。己が最強になることを。
お姉ちゃんの為に最強を目指す有馬優斗の周りには気づけば、何故か各名門の陰陽師家のご令嬢の姿があって……っ!?
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる