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邂逅
七話
しおりを挟むチュン・・チュンチュン
朝か、昨日は色々あって疲れたし
学校行きたくないな・・・
休んじゃダメかなー
休日を挟んじゃうと学校行くのダルくなるなぁ
ていうか結局宿題やんなかったし・・
樫「次郎君起きてください。朝ですよ。さっさと準備しないと遅刻します。」
次郎「あぁ!起きてるよ。でも学校行くのダルい・・」
樫「・・体調でも悪いんですか?」
次郎「いや・・・宿題やってない・・」
樫「馬鹿なんですか?税金で学校行ってるんですからアホな事言ってないで
さっさと行って下さい。」
次郎「ですよね。・・行ってきます。」
ガチャ
シマトネ「よぉ次郎!おはよう!」
次郎「うぁっ!」
ガタッ!
次郎「またかよ。お前心臓に悪いんだよ」
シマトネ「そんなことねーだろ!
今日はたまたまだよ!そんな事より早く学校行こーぜ!」
朝からほんとにうるさい・・
昨日の疲れとかないんだろうか
ザッザッ
シマトネ「てかさ、おっさんには昨日の話はしたんか?」
次郎「あぁしたよ。ひとまずあの辺りは一時封鎖になるかもしれないってさ
あと、やっぱり他言しない方が良いってさ。」
シマトネ「そっかー。まぁ気味悪いし早いとこ忘れとこ!
それよか宿題はやったか?
俺昨日疲れて寝ちゃったんだよなぁ」
次郎「お前宿題やってないのか?」
シマトネ「おっ!やってんのか⁈
後で見せてくんねーか?」
次郎「いややってねーよ。逆にお前やってたら見せてくんねーかなって・・」
シマトネ「はぁ?やってねーのにそんな偉そうだったのかよ!」
次郎「そしたら教室で誰かに見せてもらうしかないなぁ」
ザッザッ・・
カラカラカラ
「うぃ~っす」
「おはよー」
次郎「おはよ~」
ガヤッ ガヤ ガヤッ
先生「はーいみんなおはよう!席ついてー。」
「先生今日は酔ってないんですねー」
ゲラゲラゲラ
先生「もぉーうるさいわねぇ!いつも酔ってるわけじゃないのよ?
そんな事よりみんな宿題はちゃんと
やってきたの?やってきてなかったら許さないんだからね!」
シマトネ「えぇー。」
先生「えぇじゃありません~
次郎くんはちゃんとやってきたよね?
次郎くんは先生の味方なんだから!」
次郎「・・・」
先生「えっ」
次郎「すみません。俺もやってません‼︎」
先生「えぇ!次郎くんまでシマトネくんみたいにならないでよぉ~」
次郎「それは本当にすみません」
シマトネ「あれ・・なんか俺に飛び火してない?」
ガッシャァァァァアアアアアアンン
椿「ギリッギリセーフゥゥウウウ‼︎」
先生「椿貴女今学期ほぼ遅刻じゃない!完全にアウトよ!」
椿「えぇぇええええ!」
先生「ええじゃありません!時間見なさい時間!まさか貴女まで宿題やってきてないなんて言わないでしょうね?」
椿「ちょっと昨日はぁ、止むに止まれぬ事情があって時間なかったっていうかぁ」
フェイ「ボンジュール!みなさんおはようございます!」
先生「フェイ貴女も遅刻よ!今日は届出も出していないでしょ?」
フェイ「仕方がありませんわぁ‼︎眠かったんですもの‼︎‼︎」
先生「はぁ・・・本当教師としての自信無くすわぁ」
フェイ「気にしてはいけませんわ。
先生の授業はとても優秀よ!」
先生「・・貴女どの立場から言ってるのよぉ」
自分も宿題を忘れた張本人ではあるが、
この状況はあまりにも先生が不憫だ
教師という仕事は想像より大変そうで
俺はこの先職に就くということはまずないのだが少なくとも教師を選びたいとは思えなかった
先生「今回はいくらなんでも酷いわ
宿題忘れた子達はバケツ持って廊下に立ってなさい!」
フェイ「私もですの?」
先生「当たり前よ!先生はエコ贔屓しません!」
フェイ「仕方がありませんわね~」
シマトネ「先生バケツ持って廊下なんて時代錯誤ですよ。」
椿「せっかく走ってきたのにぃ。こうなるなら歩けば良かった。」
先生「まったく!」
ガララララ・・・
次郎「はぁ・・」
そんなこんなで4人とも廊下に立たされ
ヒソヒソと談笑し始めるわけだが
話題は昨日の事だった。
次郎「てわけで、とりあえずこの話は広めないでおいてくれ・・・・
フェイ・・・・聞いてるか?」
フェイ「・・えぇっ!・・・・聞いて・・・いるっわっ!」
フン・・フン・・・・ハッ!
椿「それなにやってるの?」
フェイ「何って・・・サイドレイズに決まってますわ!」
シマトネ「はぁ?」
フェイ「今三角筋を鍛えてますの!」
次郎「へぇ・・」
シマトネ「はぁ・・・これいつまで持ってりゃいいんだー
もう置いちゃってもいいんじゃねーか?」
椿「そうねー私置いちゃう。」
ハッ・・・リャ!・・
次郎「そうだなぁ。俺ちょっとお手洗い行ってくるわ。」
シマトネ「うぃ」
タッタッタッタ・・
少し不潔な話になるが、人型植物達が
摂取する物はその殆どが水になる為、
タンパク質を分解する必要がなく、
結果として尿素が発生しないため
排尿後も細菌の繁殖による
動物や人間の様なアンモニア臭はない。
つまり排出と言ってもほぼ水が出るだけなのでお手洗いは常に清潔なのである。
ガチャア
次郎「ふぅー」
いじめっ子「あ?お前誰だ?」
次郎「ん⁇」
声がする方を振り返ると
そこには先日カツアゲをしていた男が
いわゆるヤンキー座りとも言える様な
格好でこちらにメンチを切っていた。
古今東西何故かヤンキーはトイレに集まるというデータが国家植物総務省統計局の調べによりわかっている。
こちらは物陰から彼を見ていたので知っているが、向こうは人間という事もあり
こちらを物珍しそうな目で見てきている。
次郎「あっいじめっ子・・・」
いじめっ子「あぁぁああぁぁあん⁇⁈」
不味い・・・ついいじめっ子などと口走ってしまった・・
いじめっ子「てめぇえ誰がいじめっ子だぁ⁇ていうかなんで人間がこの学園にいんだよぉ?」
次郎「いやぁ・・諸事情があってこの学園に先日転入してきたんです。」
いじめっ子「なんだそうなんか・・・
で⁇・・なんで俺がいじめっ子なんだよ?」
次郎「いや・・」
いじめっ子「いいから言えや‼︎どつき回すぞコラァ⁇⁈」
次郎「カツアゲの現場を見たもんで・・・」
いじめっ子「そういう事か・・なら話ははぇーな⁇」
次郎「??」
いじめっ子「持ってるもん全部置いてけやぁ‼︎」
次郎「えぇ」
いじめっ子「人間だろうとなんだろうと関係ぇねぇよ!身ぐるみ全部剥がしてやる!」
次郎「いやそれは勘弁してもらいたいんですけど・・」
いじめっ子「つべこべうるせぇ‼︎」
いじめっ子はそう言うとトイレの対角線上から一足飛びに殴り掛かってきた
用を足し終えていた俺は既にジリジリと後退して出入り口付近まで近付いてはいたがこの状況では逃げ切れなさそうだ
誰かがトイレに来てくれれば先生を呼びに行ってもらえるが、今は授業の真っ最中であり、誰かが来ることは期待出来ない
クソっやるしかないのか
振りかぶり気味に殴ってきた右手を
前に出した左手で内から外へ最小限に払い、右手で相手の溝落ちを殴った
シュッッッッ
入ったかと思われたボディが空を切った
いじめっ子は右手が払われたと同時に
流れた身体をそのままに身体を半身にする事で溝落ち打ちを回避した
そのままお互い身体を入れ替え
そこまで広くないトイレ内で1m強程度
距離を取った
いじめっ子「てめぇ。なんかやってたのか?」
次郎「本当は事を荒立てたくなんてないんだよ。こんなのやめませんか?」
いじめっ子「しゃらくせぇえ‼︎」
施設に居た頃・・・
当然ながら一定以上の知性がある人間は
最低限の教育の機会と、運動を義務付けられていた
中でも運動に関して言うならば自重トレーニングをはじめとした武道、格闘技、
球技等幅広い運動を行なっており
重心移動、歩法、呼吸法に至るまで
一定の基準を満たす事を目指さなければ
ならなかった
あくまで目標なので基準値は目安だが
俺は施設外での研究に抜擢される程度には全分野に於いて優秀な成績を収められる様自分の為に努力してきた
つまり対人戦を趣向として好む好まないはまた別として、得手か不得手でいうならば圧倒的に得手であった
ガッ‼︎ バァン! ドカァア‼︎
いじめっ子「はぁ・・はぁ・・てめぇ
かなりやる方だな?」
クソッッッッ
油断した・・・・
雑魚かと思ってペース配分を考えていなかった・・・
仕方がねぇ・・・コイツは中々やる様だし少し本気だすか
次郎「⁇」
近くにあるモップの柄を持って
彼の構えが変わった⁇
ゾクぅぅぅぅぅぅ‼︎
次郎「不味い‼︎」
いじめっ子「しゃあっっっ!」
ガッシャァァアン‼︎
パラパラパラ・・・・・
いじめっ子「てめぇよく避けれたな」
次郎「・・・」
まじかよ・・・壁が少量ではあるが
欠ける程の威力・・・
あの構えは武道か?
昔文献で読んだ事がある銃剣道の構えに
似ている。
刺突という観点で見るならば槍術ともとれる
やはりこいつかなりやるぞ・・
得物アリと無しじゃあリーチが違いすぎる
モップの柄のインに入るしかないか・・・
シマトネ「ふぁ~あ・・・そういや次郎遅くねぇーか?」
椿「たしかにねぇ・・お腹痛かったんじゃない?」
フン・・・・フン・・・・
シマトネ「お前今度は何やってんの?」
フェイ「ステップランジに決まってますわ!そんなの見てわかりませんの?」
シマトネ「いや、わかるかい」
いじめっ子「これで最後にしてやるよぉ‼︎」
そう言うと彼はモップの切っ先を目線
程の位置まで上げ左手を前、右手で
柄の端付近を握り、右腰骨付近に付けた
重心を低くしたかと思った次の瞬間
爆発的な突進で切っ先の位置を変えずに
真っ直ぐ綺麗な突きを放ってきた
切っ先の位置がブレない刺突はブレる
刺突よりも距離の遠近感が分かりづらく
この男がかなりの実力を持っていることがわかる
次郎「クソッッッッ」
下がっても追い足で捕まる‼︎
やはり前身する以外ない‼︎
次郎「ちぇぇえああああ‼︎」
明らかに正中線を狙った真っ直ぐな突き
チッッッッ‼︎
次郎「ッッ!」
辛うじて左前方に前傾姿勢で避けたが
余りの速さに右頬から出血する・・・
それと同時に身体に染み付いた動きが
オートモーションで繰り出される
モップに対してクロスカウンターになる
形で俺の右フックは彼の顔面を捉えた
いじめっ子「クソ・・・・がぁ・・」
男は意識を失い、俺はその場にへたり込んだ・・・・
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