世界緑化大戦

百舌鳥

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不穏

十一話

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ブルルォォォオン・・・カッカッカッ

ブルルルルゥゥーー

樫「次郎くん起きてますか?施設の方に家を留守にする連絡は済ませてますからもう行きますよ!」

次郎「ちょっと待ってくれ!今行く!」

カチャァ

樫「遅いですよ次郎くん。待ち合わせ場所は初めて行く所なんですから。」

次郎「悪かったって」

ザッザッザ・・・

ージョアールグループ ヘリポートー

次郎「お待たせ。で、この人は樫さん
俺はカッさんて呼んでる。」

樫「おはようございます。いつも次郎くんがお世話になっております。
ご友人同士で旅行のところ申し訳ないのですが同行させて頂きますのでよろしくお願いします。
気軽にカッさんと呼んでもらってもいいですし、呼び方はお任せします。」

シマトネ「おはようございます!
俺はシマトネ!じゃあカッさんて呼ばせてもらうっす!
次郎ってあだ名は浸透してるみたいっすね!」

次郎「語呂がよかったらしい・・・」

椿「おはようございます~
私は椿です!樫さんよろしくお願いします!」

フェイ「私はフェイですわ!
樫さんよろしくお願いしますわ!」

・・・

フェイ「では早速行きましょう!今パイロットが、フライトプランを出しに行ってますので搭乗口で待ちますわ!」

樫「それにしても本当にこんな所にヘリポートがあったんですね。
流石、ジョアールグループ・・・」

フェイ「あら、ウチの事をご存知でしたの?
ここは普段別の施設ですが、事前に申請しておけば地下からヘリポートがせりあがってくる仕組みになってますの。」

樫「えぇもちろん。ジョアールグループは人間管理研究施設との繋がりが強いですし、私はそこの職員ですからフェイさんの事は当然存じ上げています。」

フェイ「そうですの?とは言っても凄いのは私ではなくてお父様ですけど・・」

いや、フェイ自体も中々アクが強くて凄いとは思うが・・・

フェイ「あら?私の顔に何かついてますか?次郎。」

次郎「いや、なんでもないよ。」

椿「なんか凄いいっぱい木がいるね!
この人達は何をしてる人達なの?」

フェイ「この方達はヘリの整備士の方々ですわ!」

ゴォォォオオオオオ

シマトネ「うわぁ!今度は何が出てきたんだ?」

樫「あれは・・・管制塔ですか?」

フェイ「正解ですわ!あそこには管制官や、気象予報士、通信関係の整備をする方がいますの。パイロットはその日の天気予報を事前に確認し、飛行法を決めますわ!今日なんかは天気が快晴ですので、有視界飛行ですわね!」

椿「あぁ!あれが私達が乗るヘリ⁇」

フェイ「そうですわ!パイロットが戻ってきましたので、もう少し待てばプロペラが回り始めますわ!」

ブロンブロンブロン・・・
ブブブブブ・・・ォォォオオオオオオオ

シマトネ「元々輸送する予定の荷物はもう積んであるのか?」

フェイ「それは前日のうちに積んでありますので私達は乗るだけですわ・・・
さぁ後ろが開きましたので乗りましょう!
頭は下げて進んでください!」

樫「凄い・・・・まさか仕事の延長線でこんな良いものに乗れる日がくるとは」

次郎「そういや、カッさん乗り物好きだもんな」

シマトネ「そうなんすか?なんか顔に似合わないっすね!」

ケラケラケラ

椿「たしかに樫さん強面だから印象違うかも!」

樫「そ、そんなことないと思うのですが・・・」

カッカッカッカ・・・

椿「この左右に分かれている席に座ればいいの?」

フェイ「そうですわ!ベルトをしっかり締めて下さいね!ちなみに輸送機なんで乗り心地は別に良くありませんわぁ‼︎」

次郎「よしっと。なんだか飛び立つまでそわそわするなぁ。」

シマトネ「確かに、初めて乗るもんだから落ち着かねぇよ。フェイこれって落ちたりしないよな?」

フェイ「そんな自体まずありえませんわ!仮にもしそんな状況になったらパラシュート降下するしかありませんわね!」

樫「まぁそうそうないと思いますよ。」

ブルルルルルルルルルルルル・・・・

フェイ「さぁ‼︎行きますわよ‼︎」

そうフェイが言うとスッと浮遊感を感じた
小さな窓ガラスを見ると既に10m程浮いており、そこから更に少し上昇すると
しばらくホバリングという状態で体勢を立て直し、高く高く上昇した

次郎「うわぁ・・・高い。」

樫「なんとも月並みな感想ですね。」

椿「わぁ!さっきまで居た所がもうあんなに小さく見える‼︎」

シマトネ「おっかねぇな。俺もしかしたら高い所苦手かも・・・」

この大きな鉄の塊がこんなに軽やかに宙に浮かんでいるのはなんだか不思議な
状態に思える

見たこともない高所は本能からくる
恐怖心を煽る

こんなに高い所から落下すれば飛べる
生き物を除けば助かる生き物などいないだろう

フェイ「しばらくかかりますし、私は少し寝ますわ。」

フェイはこういった乗り物に普段から
乗る機会が多いのだろう・・
慣れた様子で目を閉じ、眠ってしまった

樫「・・・・・」

カッさんは乗り物好きという事もあり、
口には出さないが未だに興味津々
といった様子で辺りを隈なく見渡していた

椿「私も朝早かったから眠くなってきちゃった~・・・・・zzz zzz」

椿は恐らくどこでも寝られるのだろう
口を開いたかと思うと次の瞬間には
可愛いイビキを立てていた

シマトネ「俺はまだ寝られないなぁ、
こいつらよく寝られるよ。」

シマトネはまだ恐怖心が少し勝っている
様子で恐々と外の景色を見ては視線を逸らしている

そんな風に周囲の面々を観察していたら
乗り物特有の心地の良い揺れに
いつの間にか自分も瞼が重くなっていた

ブルルルルルゥゥウ・・・・・・・


次郎「ん・・」

・・・・・・どの程度寝ただろうか
目を擦りながら窓の外に視線を落とす

外の景色は濃い青に包まれ始めた所で
ちょうど日本海に出た様だ

樫「・・・起きたんですか?ちょうど海に出たようですよ。」

次郎「みたいだね。凄い景色だな・・・海は話には聞いていたけど、本当に広いんだな。先が全然見えないよ。」

樫「世界は広いですからね。もっと先には広大な大陸があるんですよ。」

次郎「いつか行けたらいいけどな・・」

樫「・・・・・そうですね。」

長い沈黙は俺にそんな機会は訪れないと
暗に言っている様で
なんとくなく口に出した事を後悔した


・・・・・ビー・ビー・ビー‼︎‼︎


急にアラームの様な音がヘリ内に響く

フェイはそれまで起きてたかの様に
目を覚まし、状況を確認している

それまで寝ていた面々は目を覚まし、
怯えた様子でフェイの方を見ている


シマトネ「おい!どうしたんだよ?」

椿「フェイちゃんどうしたの⁈」

樫「・・・・」

フェイ「皆さん落ち着いて下さい。
今確認していますわ‼︎」


そうフェイが言い終わったかと思うと
それまで一定のリズムで鳴り響いていた
2つある内の1つのローターの音が不規則なリズムを刻み始めた

フェイ「マズイですわね・・・
みなさんまずは落ち着いて、今から言うことをよく聞いて下さい。
みなさんの近くに念のためパラシュートを個々に用意しておきました。
今から言う手順で準備だけしておいて下さい。
ギリギリまで粘りますが、いざという時はここから飛びますわ‼︎」

フェイの言葉に緊張が走る・・・

シマトネはなかば半べそ状態で準備を進め、椿は叫んでいる

カッさんは大人なだけあり、冷静に準備をしつつ周囲のシマトネや椿を気遣った言葉をかけていた

次郎「クソ!流石に洒落にならねぇ。」

パイロット「こちらJA123・・管制塔応答願います・・」

管制塔「こちら管制塔・・JA123・・
聴こえています」

パイロット「こちらJA123・・・
エンジントラブルによる
エマージェンシー発生の為、緊急着陸を要請します。」

管制塔「こちら管制塔・・・了解しました。・・・すぐに滑走路を空けるので
到着予定時刻を教えて下さい。」

パイロット「こちらJA123・・・
arrival time17の予定です。」

管制塔「こちら管制塔・・・了解しました。逐一状況を知らせて下さい。」


・・・・・・・

フェイ「今かなり離島に近い所まで来ていますので、このまま離島の滑走路に
緊急着陸を要請しました!・・・
パラシュートで飛べる限界の高度までに機体がダメそうな場合は飛びますわ!
持ちそうな場合そのまま耐ショック姿勢を取ります!」

みんなの表情が更に怖ばり、緊張感が増していく・・・・

ドクン・・ドクン・・ドクン・・・

ローターがけたたましい音を立てている
にも関わらず、脈拍の音が聞こえてくる

ドクンドクン・・ドクン・・・・

パイロット「こちらJA123・・・
滑走路を目視で確認・・・
現在高度1200ft・・・」

管制塔「こちら管制塔・・・
そのまま高度を下げながらrunway18に着陸して下さい。」

フェイ「みなさん耐ショック姿勢を取って下さい‼︎‼︎」

椿「・・・・!」

シマトネ「クソぉ!」

窓の外を見る暇なんてなく、すぐさま
言われた姿勢をとって目を瞑った

目を瞑っていても身体にかかる感覚で
高度がみるみる下がっていくのがわかる

それでもどうやら落下の様な勢いではなく、不規則ながらもローターは回り続けているようだ

ブルルルルルゥゥウ・・ブルン・・・

いざとなるとどうやら人は声も出なくなるらしい
身体の筋肉が緊張してつい力が入り
口を閉じたままにしながら
こんな死に方はしたくない

それだけを何度も頭の中で反芻し続けた


ガンッッッッ‼︎   ゴォオン‼︎ッッッッ‼︎


ブルルルルゥゥ・・・ブルルゥゥ・・・

グワァングワァングワァン・・・


瞬間衝撃が身体を襲い、固定していた
荷物も崩れはしなかったが大きく揺れた

ローターは先程までの余韻を残しながら
徐々にその動きを止め始めた

椿「たっ助かったのぉ?」

シマトネ「・・・・・」

樫「みなさん怪我はありませんか?」

次郎「はぁ・・・・・」

フェイ「身体のどこかに異常がある人はすぐに言ってください!」

パイロット「こちらJA123・・・
無事着陸しました・・・
助かったぁ・・・」

管制塔「こちら管制塔・・・
搭乗者は無事ですか?・・・」

パイロット「こちらJA123・・・
全員無事です!・・・
ローターの動きが止まり次第降ります
ありがとうございました!」

パイロットがそう言うと、ようやくこの緊急事態はひとまず収束したのだと安堵した

幸い誰にも怪我はなく、椿は少し泣き出しそうになっていたので頭を撫で安心させたが誰かに触れて安心したかったのは自分の方だったのかもしれない・・・

急にローターが不規則な動きをし始めたのには何か原因があるのだろうか

そんな考えが頭の隅をよぎるがひとまずみんなの命が無事かつ誰にも怪我がなかったこの状況を喜びたいと思った・・・
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