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第1章
第10話~混乱~
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誠が入って来ると、視線を外の風景から誠に移した。
「歌羽さんとは順調なの?」
「...ああ。」
「頼むわよ。亜麻音グループとは強いつながりを持っていたいの。宜しくね。
......嘘ね。あなた、歌羽さんのこと考えていないわね。」
突然自分の心の中を読まれたので、誠は動揺した。
「...はっ?何故そのようなことを言われなければならない。」
「あなたはね、嘘を言う時は前置きが長いのよ。」
誠は目を見開き、拳を強く握りしめた。
「....お前、何故わかった。」
その言葉を聞くと、敢美はニヤリと笑った。
「うふふ、騙されたわね。いまのは嘘よ。」
「はっ!?」
「やっぱりね。あなたは龍仁朗さんに夢中ってワケね。」
「テメェ....ハメやがったな!」
敢美は誠を鼻で笑いながらも話を続けた。
「あなたがバカ正直な子でよかったわ。
これでハッキリと釘を刺すことがお互いに出来る。」
敢美の意味ありげな言葉に、誠は眉を上げる。
「どういうことだ。」
敢美は誠を真っ直ぐ見つめ直し、威厳のある口調で話し始めた。
「あなたは分かっていると思うけど、婚約者は歌羽さんであり、結ばれる運命なの。
龍仁朗さんとは関係を持たないで。」
誠は淡々と告げられる言葉に我慢できずに反論をした。
「だけどっ、俺は!!」
誠に逆らう時間を与えずに、敢美は話を続けた。
「あなたは寺崎財閥の御曹司であり後継者ということを....
忘れていないでしょうね。」
敢美のその言葉が誠の胸に強く突き刺さる。
誠は改めてこの場で自分は寺崎財閥の最も重要な人材だということを敢美に思い知らされた。
「.....そんなことは、
分かってる。」
誠は逆らう余地もないことを悟り、ゆっくりと部屋を出て行った。
途端に弱々しくなった誠が部屋から出て行くのを見届けたら、敢美は余裕の面持ちで受話器を取った。
「.....もしもし、大蔵さん?私の息子は脈ありでした。恐らくそちらの側近の龍仁朗さんもお訪ねになった方が宜しいと思います。
...はい。はい。宜しいお願いします。」
敢美は受話器を置くと、力強いため息をついた。
「はあっ....。余計な感情を増やすなんて...。」
ーダアンッッッ!!!ー
誠は自分の部屋に入ったら、壁に拳を強く打ち付けた。
「....クソッ、いつバレた。
何故だ。」
いきなりの騒音に今宮が誠の元へと駆けつけた。
「誠様!どうかなさいましたか!?」
誠は静かに今宮を見据えた。
「お前か。」
「はい?」
「お前が龍仁朗に対しての感情をあいつに密告したのか。」
今宮はわけが分からなかった。
「何を仰っているのですか?」
「あいつに龍仁朗と関係を持つなと突然言われたんだ!このビル内に内通者がいるから俺が龍仁朗に抱いている気持ちが分かったんだろ!!その内通者がお前かと聞いているんだ!!!」
今宮は誠がここまで荒れたところを見たことがなかった。
(誠様...相当まいっておられる。
まず落ち着かせなければ。)
今宮は落ち着かせるように一つ一つの言葉を丁寧に話した。
「誠様。私は内通者ではありませんし、私自身も誠様が龍仁朗様にどのような感情を抱いているのかは知りません。」
誠は何も言わずに今宮を睨み続けた。
「私は誠様は龍仁朗様にはあまり良い感情をお持ちになっていないと思っているのですが。そうではないのですか?」
誠は息を少し荒げながら話し始めた。
「もういい。
....お前じゃないんだな。」
「はい。勿論です。私は誠様の側近ですので。」
誠はその言葉を聞くと、ゆっくりと息を吐いた。
「...はぁぁ...。
分かった。いきなり叫んで悪かった。戻っていいぞ。」
「分かりました。では、そろそろ3時なので心が落ち着くハーブティーとラスクを持ってきますね。」
「ああ、感謝する。」
ーバタンー
誠は1人になると頭を抱えた。
(俺は龍仁朗が好きだ。でも、これは好ましいことじゃない。俺の婚約者は
亜麻音歌羽
...で。)
「でも、この気持ちは...もう...。抑えることは...。」
そう考えていたら、ふと敢美の言葉が頭に浮かぶ。
『あなたは寺崎財閥の御曹司で後継者ということを、忘れていないでしょうね。』
誠はガリガリと頭にを掻き回し始める。
「...畜生、畜生畜生畜生!!!
(俺は...龍仁朗を諦めるしか、ないのか...。)」
「歌羽さんとは順調なの?」
「...ああ。」
「頼むわよ。亜麻音グループとは強いつながりを持っていたいの。宜しくね。
......嘘ね。あなた、歌羽さんのこと考えていないわね。」
突然自分の心の中を読まれたので、誠は動揺した。
「...はっ?何故そのようなことを言われなければならない。」
「あなたはね、嘘を言う時は前置きが長いのよ。」
誠は目を見開き、拳を強く握りしめた。
「....お前、何故わかった。」
その言葉を聞くと、敢美はニヤリと笑った。
「うふふ、騙されたわね。いまのは嘘よ。」
「はっ!?」
「やっぱりね。あなたは龍仁朗さんに夢中ってワケね。」
「テメェ....ハメやがったな!」
敢美は誠を鼻で笑いながらも話を続けた。
「あなたがバカ正直な子でよかったわ。
これでハッキリと釘を刺すことがお互いに出来る。」
敢美の意味ありげな言葉に、誠は眉を上げる。
「どういうことだ。」
敢美は誠を真っ直ぐ見つめ直し、威厳のある口調で話し始めた。
「あなたは分かっていると思うけど、婚約者は歌羽さんであり、結ばれる運命なの。
龍仁朗さんとは関係を持たないで。」
誠は淡々と告げられる言葉に我慢できずに反論をした。
「だけどっ、俺は!!」
誠に逆らう時間を与えずに、敢美は話を続けた。
「あなたは寺崎財閥の御曹司であり後継者ということを....
忘れていないでしょうね。」
敢美のその言葉が誠の胸に強く突き刺さる。
誠は改めてこの場で自分は寺崎財閥の最も重要な人材だということを敢美に思い知らされた。
「.....そんなことは、
分かってる。」
誠は逆らう余地もないことを悟り、ゆっくりと部屋を出て行った。
途端に弱々しくなった誠が部屋から出て行くのを見届けたら、敢美は余裕の面持ちで受話器を取った。
「.....もしもし、大蔵さん?私の息子は脈ありでした。恐らくそちらの側近の龍仁朗さんもお訪ねになった方が宜しいと思います。
...はい。はい。宜しいお願いします。」
敢美は受話器を置くと、力強いため息をついた。
「はあっ....。余計な感情を増やすなんて...。」
ーダアンッッッ!!!ー
誠は自分の部屋に入ったら、壁に拳を強く打ち付けた。
「....クソッ、いつバレた。
何故だ。」
いきなりの騒音に今宮が誠の元へと駆けつけた。
「誠様!どうかなさいましたか!?」
誠は静かに今宮を見据えた。
「お前か。」
「はい?」
「お前が龍仁朗に対しての感情をあいつに密告したのか。」
今宮はわけが分からなかった。
「何を仰っているのですか?」
「あいつに龍仁朗と関係を持つなと突然言われたんだ!このビル内に内通者がいるから俺が龍仁朗に抱いている気持ちが分かったんだろ!!その内通者がお前かと聞いているんだ!!!」
今宮は誠がここまで荒れたところを見たことがなかった。
(誠様...相当まいっておられる。
まず落ち着かせなければ。)
今宮は落ち着かせるように一つ一つの言葉を丁寧に話した。
「誠様。私は内通者ではありませんし、私自身も誠様が龍仁朗様にどのような感情を抱いているのかは知りません。」
誠は何も言わずに今宮を睨み続けた。
「私は誠様は龍仁朗様にはあまり良い感情をお持ちになっていないと思っているのですが。そうではないのですか?」
誠は息を少し荒げながら話し始めた。
「もういい。
....お前じゃないんだな。」
「はい。勿論です。私は誠様の側近ですので。」
誠はその言葉を聞くと、ゆっくりと息を吐いた。
「...はぁぁ...。
分かった。いきなり叫んで悪かった。戻っていいぞ。」
「分かりました。では、そろそろ3時なので心が落ち着くハーブティーとラスクを持ってきますね。」
「ああ、感謝する。」
ーバタンー
誠は1人になると頭を抱えた。
(俺は龍仁朗が好きだ。でも、これは好ましいことじゃない。俺の婚約者は
亜麻音歌羽
...で。)
「でも、この気持ちは...もう...。抑えることは...。」
そう考えていたら、ふと敢美の言葉が頭に浮かぶ。
『あなたは寺崎財閥の御曹司で後継者ということを、忘れていないでしょうね。』
誠はガリガリと頭にを掻き回し始める。
「...畜生、畜生畜生畜生!!!
(俺は...龍仁朗を諦めるしか、ないのか...。)」
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