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第2章
12話~決意~
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亜麻音グループビルの前に寺崎親子が乗ってる車が止まった。
「着きました。敢美様、誠様。」
「ありがとう。誠、降りるわよ。
...あなた、今日やることは分かっているわね。」
誠は敢美の顔を一切見ずに車を出た。
「...分かってる。」
「分かってるならいいわ。
くれぐれも下手な真似はしないで頂戴。」
敢美は黒い毛皮のコートを今宮に羽織らされたら、ヒールをカツカツと響かせて一人で歩いて行ってしまった。
寺崎親子が亜麻音グループビルの玄関に着くと、龍仁朗が玄関先に立っているのが見えた。
龍仁朗は親子に気づくと礼儀正しくお辞儀をした。
「遠いところお疲れ様です。寺崎敢美様、誠様。」
誠はジッと龍仁朗を見つめていた。
(龍仁朗...。)
敢美は龍仁朗を目の前にして困惑している誠には目もくれずに穏やかな笑顔を龍仁朗に向けた。
「お気遣いありがとう。貴方は本当に礼儀をわきまえている方ね。尊敬するわ。」
龍仁朗は微笑んだが、どこか固かった。
「ありがとうございます。
...では、ご案内いたします。」
龍仁朗は寺崎親子を会場まで案内している間、太蔵が龍仁朗に言った言葉が頭の中をグルグルと回っていた。
『それは"もしかして"じゃなく、確実な意思だよ。
君は誠くんのことを好きになってしまったんだよ。』
(私が、誠様のことが...好き、か。
このようなことは本来は絶対にあり得ないことだ。
...しかし、誠様には好意を持つときに抱く感情なのかもしれない。お嬢様も、太蔵様もそう仰った。
確かに今誠様がいる状況の私は鼓動も早い、体温も少し上昇している...。)
龍仁朗は誰にも聞かれない位の小さなため息をついた。
(やはり太蔵様の言う通りなのだ...。
だとしたら...。)
そう考えているうちに龍仁朗一行は会場に着いた。
「こちらが交流会の会場となります。どうぞ。」
龍仁朗がドアを開くと、天井に大きなシャンデリアが吊られており、奥にあるステージにはミニ楽団が演奏をしていた。
いつも会食等を行なっているホールとは比べ物にならないほど華やかで広いダンスホールだった。
敢美は感動した。
「まぁ...とても綺麗なダンスホールだこと...!
こんな大規模なホール、私のビルにはないわ!」
「こちらのダンスホールは我がグループが誇る日本最大級のダンスホールでございます。
今日は会食ではなく、交流会でございます。会場作りにはいつもよりクオリティを高くしました。
ご満足いただけましたでしょうか。」
敢美は即答する。
「満足という言葉では言い表せないくらいよ!龍仁朗さん、私たちのためにこんな会場を作ってくれてありがとうね。」
「ありがとうございます。」
敢美は笑顔で頷きながら龍仁朗を見つめる。
(この龍仁朗って子...太蔵さんから誠のことは釘を刺しておいたと聞いたけど、あまり落ち込んでいないようね。
なかなか潔い子で良かったわ。これで結婚は成功したも同然ね。)
敢美がそう考えている一方、龍仁朗は自分の思いに必死に開き直ろうとしていた。
(私は誠様に好意を持ってしまった。それは揺るがない事実であり、決して許されない事実...
ならば、この気持ちは心の底に封印せねば。
...。
それが私のお嬢様の側近としてしなければならないこと...。)
寺崎親子がホールに入ると、桜色のドレスを着た歌羽とスーツ姿の太蔵が親子を迎えた。
歌羽は龍仁朗による大人びたメイクでいつもよりも気品溢れる雰囲気を出していた。
歌羽は上品にお辞儀をした。
「こんばんわ。今夜はよろしくお願い致します。」
「よろしくね。歌羽さん、今日は一段と綺麗だわぁ。」
歌羽は透き通った頬をすこし赤くして照れた。
「そ、そうですか?ありがとうございます。龍仁朗がメイクをしてくれたんです。あ、あとこのドレスも龍仁朗が選んでくれたんです。」
「まぁそうなの?龍仁朗さんのセンスにはますます尊敬するわ!」
「そう言って頂けて光栄です。」
和やかな雰囲気の中、誠は龍仁朗だけをずっと見つめていた。
龍仁朗は誠の視線に気づき、誠の顔を覗き込んだ。
「誠様?いかがなさいました?」
誠は上の空のような声を出した。
「...お前、薄く化粧してる?
いつもと違う。」
誠の突然の発言に一同は頭の上にハテナを浮かべた。
敢美は誠に尋ねる。
「...あなた、何言ってるの?龍仁朗さんがメイク?」
すると、歌羽がアッと声を上げた。
「はい!龍仁朗は今日は薄くメイクしてますよ。
私がメイクしたんです。」
龍仁朗はモジモジと体を動かした。
「私はお断りしたのですが...。
まさかバレるなんて思ってもいませんでした。」
太蔵、敢美、今宮は納得するような声を漏らした。
太蔵は感心したように話した。
「確かによく見ればメイクされているね。
何か雰囲気が違うなぁと思ったのはこれだったのか!」
「凄い...私よりも上手だわ。それと、龍仁朗さんにあっているメイクね。とても似合ってるわぁ。」
「そんな...似合ってるだなんて...。」
歌羽は龍仁朗が褒められて嬉しくなり、メイクに気づいた誠に話を振った。
「薄いメイクに気づくなんて凄いですね!誠さん!龍仁朗、似合ってますよね!」
(....え。)
歌羽は目を輝かせて誠を見たが、その笑顔は一瞬にして消えた。
「そうか...やっぱり。
化粧してたんだな...。」
誠の顔は歌羽が見たことないとても優しい笑顔だった。
龍仁朗を見つめる目とその言葉は明らかにただの側近に向けるものではないことは歌羽はすぐ分かった。
(...あれ?
なんでそんな目を龍仁朗に向けてるの?)
「誠...さん?」
歌羽が再び呼びかけると、誠は我に返ったような顔をして、歌羽に目を向けた。
その目は歌羽が知ってる普通の目だった。
「ん...?
あ、ああ。そうだな。」
「は、はい...。
(...これって、もしかして...。
いや、そんなことないよね。大丈夫、大丈夫...。)」
交流会が始まって10分、歌羽は誠と少しでも仲が深まるように一緒にバイキング式のディナーを食べたり、音楽を聞いたりしていた。
「わぁっ!このサーモンのカルパッチョ美味しいですよ!誠さんもいかがですか?」
歌羽がそう話しかけても誠は自分の皿にある料理をいじってるだけで歌羽を見ていなかった。
「...あぁ、食べてみる。」
「えぇ...。
あの、誠さん。」
「なに?」
「今日は具合が悪いのですか?悪いのなら医療室へ...。」
誠は歌羽が言い終わらないうちに口を開いた。
「いや、具合は悪くない。普通だ。
...気にするな。」
「なら...
私にも龍仁朗に向けるような笑顔をくれませんか?」
「え...?」
誠は目を開いて歌羽を見た。
「は...?
なにが言いたい?」
「...あ。
(言っちゃった...私、なに言ってるの...!?)」
歌羽は心の底に押し込んでおいた気持ちを無意識に発してしまい、羞恥心と罪悪感で胸がいっぱいになった。
その時、龍仁朗はバイキングの料理の替えを運んで来たら、歌羽が顔を真っ青にして視線を下に落とし、硬直している姿が目に入り、他の係員に料理の替えを渡した。
「すまん、これを頼む。
お嬢様、気分が悪いのですか?」
「りゅ、龍仁朗...。
だ、大丈夫!全然平気だよ!気にしなくてもいいよ...。」
歌羽が平然を装っていると、誠は龍仁朗に話しかけた。
「龍仁朗。
さっきから様子が変なんだ。念のために医療室へ連れて言った方がいい。」
「そうですか...畏まりました。
ではお嬢様、参りましょう。」
「う、うん...。
(私の名前は一言も呼んでくれなかった...。)」
龍仁朗と歌羽がホールを出て行くのを見送った後も、誠はずっと龍仁朗のことについて考えていた。
(俺は今日...龍仁朗にこれからのことを話さなければならない。
本当は...距離なんて置きたくない。でも、俺は婚約者が...。)
「クソ...。」
(御曹司なんかに生まれてこなきゃ良かった。)
誠は自分の気持ちが整理ができないまま、時間がゆっくりと過ぎていった。
龍仁朗と歌羽は医療室に着いたが、誰もいなかった。
「可笑しいですね、誰もいないなんて。
しょうがないですね、私が診察しましょう。」
歌羽は椅子に座ったまま動かなかった。
歌羽の様子に龍仁朗は心配した。
「お嬢様...顔が真っ青です!
病院行きますか...?」
歌羽は小さな口を小刻みに震わせながら弱々しい声を出した。
「龍仁朗...ごめんなさい。
私...いけない感情が...出ちゃった。
私...どうしたら...。」
「お、お嬢...様?」
「着きました。敢美様、誠様。」
「ありがとう。誠、降りるわよ。
...あなた、今日やることは分かっているわね。」
誠は敢美の顔を一切見ずに車を出た。
「...分かってる。」
「分かってるならいいわ。
くれぐれも下手な真似はしないで頂戴。」
敢美は黒い毛皮のコートを今宮に羽織らされたら、ヒールをカツカツと響かせて一人で歩いて行ってしまった。
寺崎親子が亜麻音グループビルの玄関に着くと、龍仁朗が玄関先に立っているのが見えた。
龍仁朗は親子に気づくと礼儀正しくお辞儀をした。
「遠いところお疲れ様です。寺崎敢美様、誠様。」
誠はジッと龍仁朗を見つめていた。
(龍仁朗...。)
敢美は龍仁朗を目の前にして困惑している誠には目もくれずに穏やかな笑顔を龍仁朗に向けた。
「お気遣いありがとう。貴方は本当に礼儀をわきまえている方ね。尊敬するわ。」
龍仁朗は微笑んだが、どこか固かった。
「ありがとうございます。
...では、ご案内いたします。」
龍仁朗は寺崎親子を会場まで案内している間、太蔵が龍仁朗に言った言葉が頭の中をグルグルと回っていた。
『それは"もしかして"じゃなく、確実な意思だよ。
君は誠くんのことを好きになってしまったんだよ。』
(私が、誠様のことが...好き、か。
このようなことは本来は絶対にあり得ないことだ。
...しかし、誠様には好意を持つときに抱く感情なのかもしれない。お嬢様も、太蔵様もそう仰った。
確かに今誠様がいる状況の私は鼓動も早い、体温も少し上昇している...。)
龍仁朗は誰にも聞かれない位の小さなため息をついた。
(やはり太蔵様の言う通りなのだ...。
だとしたら...。)
そう考えているうちに龍仁朗一行は会場に着いた。
「こちらが交流会の会場となります。どうぞ。」
龍仁朗がドアを開くと、天井に大きなシャンデリアが吊られており、奥にあるステージにはミニ楽団が演奏をしていた。
いつも会食等を行なっているホールとは比べ物にならないほど華やかで広いダンスホールだった。
敢美は感動した。
「まぁ...とても綺麗なダンスホールだこと...!
こんな大規模なホール、私のビルにはないわ!」
「こちらのダンスホールは我がグループが誇る日本最大級のダンスホールでございます。
今日は会食ではなく、交流会でございます。会場作りにはいつもよりクオリティを高くしました。
ご満足いただけましたでしょうか。」
敢美は即答する。
「満足という言葉では言い表せないくらいよ!龍仁朗さん、私たちのためにこんな会場を作ってくれてありがとうね。」
「ありがとうございます。」
敢美は笑顔で頷きながら龍仁朗を見つめる。
(この龍仁朗って子...太蔵さんから誠のことは釘を刺しておいたと聞いたけど、あまり落ち込んでいないようね。
なかなか潔い子で良かったわ。これで結婚は成功したも同然ね。)
敢美がそう考えている一方、龍仁朗は自分の思いに必死に開き直ろうとしていた。
(私は誠様に好意を持ってしまった。それは揺るがない事実であり、決して許されない事実...
ならば、この気持ちは心の底に封印せねば。
...。
それが私のお嬢様の側近としてしなければならないこと...。)
寺崎親子がホールに入ると、桜色のドレスを着た歌羽とスーツ姿の太蔵が親子を迎えた。
歌羽は龍仁朗による大人びたメイクでいつもよりも気品溢れる雰囲気を出していた。
歌羽は上品にお辞儀をした。
「こんばんわ。今夜はよろしくお願い致します。」
「よろしくね。歌羽さん、今日は一段と綺麗だわぁ。」
歌羽は透き通った頬をすこし赤くして照れた。
「そ、そうですか?ありがとうございます。龍仁朗がメイクをしてくれたんです。あ、あとこのドレスも龍仁朗が選んでくれたんです。」
「まぁそうなの?龍仁朗さんのセンスにはますます尊敬するわ!」
「そう言って頂けて光栄です。」
和やかな雰囲気の中、誠は龍仁朗だけをずっと見つめていた。
龍仁朗は誠の視線に気づき、誠の顔を覗き込んだ。
「誠様?いかがなさいました?」
誠は上の空のような声を出した。
「...お前、薄く化粧してる?
いつもと違う。」
誠の突然の発言に一同は頭の上にハテナを浮かべた。
敢美は誠に尋ねる。
「...あなた、何言ってるの?龍仁朗さんがメイク?」
すると、歌羽がアッと声を上げた。
「はい!龍仁朗は今日は薄くメイクしてますよ。
私がメイクしたんです。」
龍仁朗はモジモジと体を動かした。
「私はお断りしたのですが...。
まさかバレるなんて思ってもいませんでした。」
太蔵、敢美、今宮は納得するような声を漏らした。
太蔵は感心したように話した。
「確かによく見ればメイクされているね。
何か雰囲気が違うなぁと思ったのはこれだったのか!」
「凄い...私よりも上手だわ。それと、龍仁朗さんにあっているメイクね。とても似合ってるわぁ。」
「そんな...似合ってるだなんて...。」
歌羽は龍仁朗が褒められて嬉しくなり、メイクに気づいた誠に話を振った。
「薄いメイクに気づくなんて凄いですね!誠さん!龍仁朗、似合ってますよね!」
(....え。)
歌羽は目を輝かせて誠を見たが、その笑顔は一瞬にして消えた。
「そうか...やっぱり。
化粧してたんだな...。」
誠の顔は歌羽が見たことないとても優しい笑顔だった。
龍仁朗を見つめる目とその言葉は明らかにただの側近に向けるものではないことは歌羽はすぐ分かった。
(...あれ?
なんでそんな目を龍仁朗に向けてるの?)
「誠...さん?」
歌羽が再び呼びかけると、誠は我に返ったような顔をして、歌羽に目を向けた。
その目は歌羽が知ってる普通の目だった。
「ん...?
あ、ああ。そうだな。」
「は、はい...。
(...これって、もしかして...。
いや、そんなことないよね。大丈夫、大丈夫...。)」
交流会が始まって10分、歌羽は誠と少しでも仲が深まるように一緒にバイキング式のディナーを食べたり、音楽を聞いたりしていた。
「わぁっ!このサーモンのカルパッチョ美味しいですよ!誠さんもいかがですか?」
歌羽がそう話しかけても誠は自分の皿にある料理をいじってるだけで歌羽を見ていなかった。
「...あぁ、食べてみる。」
「えぇ...。
あの、誠さん。」
「なに?」
「今日は具合が悪いのですか?悪いのなら医療室へ...。」
誠は歌羽が言い終わらないうちに口を開いた。
「いや、具合は悪くない。普通だ。
...気にするな。」
「なら...
私にも龍仁朗に向けるような笑顔をくれませんか?」
「え...?」
誠は目を開いて歌羽を見た。
「は...?
なにが言いたい?」
「...あ。
(言っちゃった...私、なに言ってるの...!?)」
歌羽は心の底に押し込んでおいた気持ちを無意識に発してしまい、羞恥心と罪悪感で胸がいっぱいになった。
その時、龍仁朗はバイキングの料理の替えを運んで来たら、歌羽が顔を真っ青にして視線を下に落とし、硬直している姿が目に入り、他の係員に料理の替えを渡した。
「すまん、これを頼む。
お嬢様、気分が悪いのですか?」
「りゅ、龍仁朗...。
だ、大丈夫!全然平気だよ!気にしなくてもいいよ...。」
歌羽が平然を装っていると、誠は龍仁朗に話しかけた。
「龍仁朗。
さっきから様子が変なんだ。念のために医療室へ連れて言った方がいい。」
「そうですか...畏まりました。
ではお嬢様、参りましょう。」
「う、うん...。
(私の名前は一言も呼んでくれなかった...。)」
龍仁朗と歌羽がホールを出て行くのを見送った後も、誠はずっと龍仁朗のことについて考えていた。
(俺は今日...龍仁朗にこれからのことを話さなければならない。
本当は...距離なんて置きたくない。でも、俺は婚約者が...。)
「クソ...。」
(御曹司なんかに生まれてこなきゃ良かった。)
誠は自分の気持ちが整理ができないまま、時間がゆっくりと過ぎていった。
龍仁朗と歌羽は医療室に着いたが、誰もいなかった。
「可笑しいですね、誰もいないなんて。
しょうがないですね、私が診察しましょう。」
歌羽は椅子に座ったまま動かなかった。
歌羽の様子に龍仁朗は心配した。
「お嬢様...顔が真っ青です!
病院行きますか...?」
歌羽は小さな口を小刻みに震わせながら弱々しい声を出した。
「龍仁朗...ごめんなさい。
私...いけない感情が...出ちゃった。
私...どうしたら...。」
「お、お嬢...様?」
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