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第9章 受験とプロポーズ
第29話 受験当日
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「一面雪景色、か……」
いよいよ今日と明日は本命の国立大の前期日程。
足首程まで積もった雪を長靴で踏みしめながら百合の家を目指す。
雪景色の中での入試というのも少しいいかもしれない。
百合は例によって起こしに行くまで寝てるだろうけど。
(本当にお気楽な事で)
なんていいつつも俺もそんな百合の気楽さが微笑ましい。
滑り止めに受かったから大丈夫。
身も蓋もない言い分だけど、百合が気負っていないからこそ、
俺も気負わずに普段のように居られる面もある。
(なんていうか付き合う前は想像も出来なかったな)
サク、サク、と一歩一歩踏みしめながら一年数ヶ月前を振り返る。
あの時は百合とこれ以上距離が近くなることなんてないと思っていた。
今で十分なのだと。笑ってしまう。
今日の俺はあの時より数段階以上距離が近くなってるのだから。
好きなだけ俺に甘えてくる一面も。
時折思いついたように顔を出す甲斐甲斐しい面も。
スキンシップが大好きな一面も。
でも、俺を困らせないように絶妙に加減をしてくるところとか。
自堕落さが付き合う前より増してるのはちょっとだけ心配かもしれない。
本来なら特別なはずの一日がこんなにも普段通りで。
あるいは、普段通りの一日が特別なのかもしれない。
インターフォンを押しながらそんな事を考える。
「おはよー。修ちゃん」
インターフォン越しに出てきたのは元気のいい声。
今日は雹でも降るだろうかとビックリしてしまう。
「さすがに受験当日なら起きてるか」
「そうそう。褒めて褒めて?」
調子に乗ってるなあ。
「むしろ起きてるのが普通だからな?」
「褒めてくれないとまた寝るから」
「ああ、はいはい。偉い偉い」
「気持ちが籠もってないけど……まあいっか」
たわいないやり取りをして、いつものように階段を昇る。
「どう?どう?」
いそいそと食事の準備をしているのは愛しい彼女。
なんだけど、服装が何やら気合入りまくり。
「えーとさ、今日は試験当日……だよな?」
真新しいブラウンのセーターに下は白のプリーツスカート。
落ち着いた雰囲気だけど、試験当日の服装というよりは。
「もちろん!試験当日だから気合い入れてみたんだけど?」
百合は本当に相変わらずだ。
受験はデートじゃないんだけどな。
でも、期待に込めた視線を送られたら言ってあげないとな。
「うん。すっごく似合ってるぞ」
元々、実年齢より多少子どもぽく見られがちな容姿だけど。
ちょっと大人っぽさを意識したのがよくわかる。
「んふふー。ありがと!」
気がつけば食事の準備は出来ていて。
納豆ご飯、焼き魚、味噌汁といった「和」な朝食が並んでいた。
「おばさんは?」
いつもは一緒に出迎えてくれるのに。
「たまには、二人きりの朝餉も良くない?」
「つまり、引っ込んでくれていると」
「そゆこと」
いただきますをしてパクパクと食べ始めてるけど。
「なんで今日は普通に納豆ご飯?」
百合と言えば納豆トーストというくらい定番だったのに。
「んー。ちょっと気分を変えてみようと思って?」
その様子に少しだけ違和感を覚える。
百合はマイペースだけど、だからこそ理由なしに生活習慣を変えたりしない。
その証拠に何やら俺の方をじっと見つめている。
「嘘だろ。なんか理由あるんじゃないか?」
確信を持って問いかける。
「ちょっとしたクイズ。なんで私は納豆トーストが主食になったのでしょう?」
「いや、それは昔から……」
と答えそうになって何かが脳裏をよぎる。
確か、百合の家に迎えに行くようになったばかりの頃は……。
そうだ。昔は納豆ご飯を普通に食べていたのだ。
「あれ?昔は納豆ご飯だったよな。どういうことだ?」
しかし、中学以降は納豆トーストが基本だったはず。
「覚えてない?」
「俺が何かしたか?」
状況的にはそれしか考えられないけど思い出せない。
「そう。まさに修ちゃんのせいだったんだよ」
「俺が納豆トースト推しでもしたと?」
記憶を遡ると、あれ?
確かに、
「納豆トーストってのやってみたんだけど、凄い美味かったぞ!」
幼い百合の前でそんな事を言った気がして来た。
「あー、そういえば、そんなこともあったなー」
すっかり忘れてた。
「なんだかんだ言ってたけど、修ちゃんに影響されてだったんだよ」
「俺がそんな罪作りなことをしてたとは……」
本当に驚きだ。
「今日に限ってこんなことをした理由は?」
「彼女を自分色に染めた彼氏へのアピール?」
「つまり責任取ってくれということか」
なんとなく言いたいことがわかった。
わかってしまった。
「そういうこと。受験終わったら期待してるからね?」
「はいはい」
もう、今日が受験当日なことを忘れそうになる。
◇◇◇◇
「なあ、一つ聞いていいか?」
優と宗吾の二人と合流しての道すがら。
二人がとても微妙そうな表情をして見つめてくる。
「言いたいことはなんかわかる気がするが」
「うん?」
自然と渋い表情になる俺としらばっくれる百合。
「「今日は受験当日(だろ|でしょ)!?」」
予想通りのツッコミが来た。
それもそのはず。百合は俺と腕を組んで歩いているのだ。
デートか何かのつもりだろうかと思いたくなる。
というか、半分くらいそうなんだろう。
「でも、だよ?受験当日なんて人生に二度はないんだよ?」
「まあ、そういう感じで押し切られた」
家を出てやっぱり甘えてくる百合に。
「今日は受験当日なんだが?」
と当然ツッコミを入れた俺。しかし。
「だから、特別な日でしょ?」
ああ、そういえば、記念日が大好きな百合の事だ。
受験ですらちょっと特別なイベントに過ぎないんだろう。
「今はまだいいけど。受験会場入ったら自重しろよ?」
「それはさすがに。わかってるよな?」
今日と明日で将来の運命が決まる。
そう緊張感を持って来てる他の受験生さんが大層気分を害するのは間違いない。
「わかってる。それくらいの配慮はあるよー」
「もうどこから突っ込めばいいのやら」
「修二君も苦労するわね」
「まあ、一応、最低限はわきまえてる……はずだし」
こうして、少しだけ引き気味な二人と。
やっぱり緊張感の無い百合と。連れ立って入試会場に向かったのだった。
「じゃあ、皆。がんばりましょう!」
士気をあげようということだろう。
四人で拳を付き合わせるちょっとした儀式。
「こういうのもいい思い出になりそうだね?」
「そこ。水差さない」
受験当日という日にここまで揺れないのはもはや才能。
ただ、俺としてはツッコミを入れておきたかった。
「いい感じで力が抜けていいのかもな」
「そうね。私も、少し力が抜けちゃった」
「ふっふー。私はこれを狙ったのです」
嘘こけ。
こうして、分かれて受験会場に入る俺たち。
百合に毒されたのか俺も緊張感がすっかり抜けている。
良い意味でいつも通りで試験に挑めそうだ。
◇◇◇◇
「あっという間に受験終わっちゃったね」
「そのイベント扱いは本当なんなんだよ」
二日間に渡る受験はあっという間に終わりを告げ。
俺と百合は二人でやっぱり部屋でゲームをしていた。
「だって、結構、ゲーム感覚で楽しかったし」
「普通の受験生さんに恨まれるからほどほどにな」
楽勝、楽勝といったムードの百合。
俺もたぶん受かっているだろうという手応えはあったけど。
それ以上に百合は合格を確信してるらしい。
まさに天賦の才というか中々真似出来ない。
「あとは合格発表を待つのみだな」
今日は少し趣旨を変えて牧場スローライフゲームをプレイ中だ。
Switchで人気の「あつまれ動物の森」。普段はそこまでやらない。
ただ、何も考えずにプレイ出来るこのゲーム。
頭を休めたい俺にとってはちょうどよかった。
「うん。そしたら、私達ももうすぐ大学生」
もうすっかり合格気分でいるのか。
あるいは最悪でも滑り止めに行けばいいと開き直ってるのか。
たぶん両方だろう。
「なんかサークルでも入るか?」
ぼーっとゲーム内で釣りをしながら聞いてみる。
「自堕落部に入りたいなー」
「俺の前でさんざんやってるだろ。もうちょいまともなのを」
「パソコン関係のサークルはどう?」
「悪くないけどそのこころは?」
「ゲームとか好き勝手出来そうじゃない?あとは、プログラミングとかやってるなら、就職に役立つかもだし」
なるほど。なかなかどうしてちゃっかりしてる。
「百合にしてはまともだな。百合にしては」
「修ちゃん。その扱いはひどいと思う!」
「この体勢で言っても説得力ないんだが」
そう。今は百合がお気に入りの体勢。
膝の上に百合が乗って、俺が後ろから抱きしめるような。
「だって、これ落ち着くんだもん」
「ま、いいけどな」
俺だってこんな風にしていちゃつくのは好きだ。
「ねえ、修ちゃん」
「ん?」
一瞬、振り向いたかと思えば。
「最高のプロポーズ、期待してるからね?」
何やら目を輝かせていらっしゃる。
「むやみにハードルあげないでくれ」
「修ちゃんだから言ってるんだよ」
「期待に答えられるように考えとくよ」
そう言いつつも既にシチュエーションも台詞もある程度決めてある。
結局、アドリブになるだろうけど。
しかし、本当に合格発表当日はどうなることやら。
いよいよ今日と明日は本命の国立大の前期日程。
足首程まで積もった雪を長靴で踏みしめながら百合の家を目指す。
雪景色の中での入試というのも少しいいかもしれない。
百合は例によって起こしに行くまで寝てるだろうけど。
(本当にお気楽な事で)
なんていいつつも俺もそんな百合の気楽さが微笑ましい。
滑り止めに受かったから大丈夫。
身も蓋もない言い分だけど、百合が気負っていないからこそ、
俺も気負わずに普段のように居られる面もある。
(なんていうか付き合う前は想像も出来なかったな)
サク、サク、と一歩一歩踏みしめながら一年数ヶ月前を振り返る。
あの時は百合とこれ以上距離が近くなることなんてないと思っていた。
今で十分なのだと。笑ってしまう。
今日の俺はあの時より数段階以上距離が近くなってるのだから。
好きなだけ俺に甘えてくる一面も。
時折思いついたように顔を出す甲斐甲斐しい面も。
スキンシップが大好きな一面も。
でも、俺を困らせないように絶妙に加減をしてくるところとか。
自堕落さが付き合う前より増してるのはちょっとだけ心配かもしれない。
本来なら特別なはずの一日がこんなにも普段通りで。
あるいは、普段通りの一日が特別なのかもしれない。
インターフォンを押しながらそんな事を考える。
「おはよー。修ちゃん」
インターフォン越しに出てきたのは元気のいい声。
今日は雹でも降るだろうかとビックリしてしまう。
「さすがに受験当日なら起きてるか」
「そうそう。褒めて褒めて?」
調子に乗ってるなあ。
「むしろ起きてるのが普通だからな?」
「褒めてくれないとまた寝るから」
「ああ、はいはい。偉い偉い」
「気持ちが籠もってないけど……まあいっか」
たわいないやり取りをして、いつものように階段を昇る。
「どう?どう?」
いそいそと食事の準備をしているのは愛しい彼女。
なんだけど、服装が何やら気合入りまくり。
「えーとさ、今日は試験当日……だよな?」
真新しいブラウンのセーターに下は白のプリーツスカート。
落ち着いた雰囲気だけど、試験当日の服装というよりは。
「もちろん!試験当日だから気合い入れてみたんだけど?」
百合は本当に相変わらずだ。
受験はデートじゃないんだけどな。
でも、期待に込めた視線を送られたら言ってあげないとな。
「うん。すっごく似合ってるぞ」
元々、実年齢より多少子どもぽく見られがちな容姿だけど。
ちょっと大人っぽさを意識したのがよくわかる。
「んふふー。ありがと!」
気がつけば食事の準備は出来ていて。
納豆ご飯、焼き魚、味噌汁といった「和」な朝食が並んでいた。
「おばさんは?」
いつもは一緒に出迎えてくれるのに。
「たまには、二人きりの朝餉も良くない?」
「つまり、引っ込んでくれていると」
「そゆこと」
いただきますをしてパクパクと食べ始めてるけど。
「なんで今日は普通に納豆ご飯?」
百合と言えば納豆トーストというくらい定番だったのに。
「んー。ちょっと気分を変えてみようと思って?」
その様子に少しだけ違和感を覚える。
百合はマイペースだけど、だからこそ理由なしに生活習慣を変えたりしない。
その証拠に何やら俺の方をじっと見つめている。
「嘘だろ。なんか理由あるんじゃないか?」
確信を持って問いかける。
「ちょっとしたクイズ。なんで私は納豆トーストが主食になったのでしょう?」
「いや、それは昔から……」
と答えそうになって何かが脳裏をよぎる。
確か、百合の家に迎えに行くようになったばかりの頃は……。
そうだ。昔は納豆ご飯を普通に食べていたのだ。
「あれ?昔は納豆ご飯だったよな。どういうことだ?」
しかし、中学以降は納豆トーストが基本だったはず。
「覚えてない?」
「俺が何かしたか?」
状況的にはそれしか考えられないけど思い出せない。
「そう。まさに修ちゃんのせいだったんだよ」
「俺が納豆トースト推しでもしたと?」
記憶を遡ると、あれ?
確かに、
「納豆トーストってのやってみたんだけど、凄い美味かったぞ!」
幼い百合の前でそんな事を言った気がして来た。
「あー、そういえば、そんなこともあったなー」
すっかり忘れてた。
「なんだかんだ言ってたけど、修ちゃんに影響されてだったんだよ」
「俺がそんな罪作りなことをしてたとは……」
本当に驚きだ。
「今日に限ってこんなことをした理由は?」
「彼女を自分色に染めた彼氏へのアピール?」
「つまり責任取ってくれということか」
なんとなく言いたいことがわかった。
わかってしまった。
「そういうこと。受験終わったら期待してるからね?」
「はいはい」
もう、今日が受験当日なことを忘れそうになる。
◇◇◇◇
「なあ、一つ聞いていいか?」
優と宗吾の二人と合流しての道すがら。
二人がとても微妙そうな表情をして見つめてくる。
「言いたいことはなんかわかる気がするが」
「うん?」
自然と渋い表情になる俺としらばっくれる百合。
「「今日は受験当日(だろ|でしょ)!?」」
予想通りのツッコミが来た。
それもそのはず。百合は俺と腕を組んで歩いているのだ。
デートか何かのつもりだろうかと思いたくなる。
というか、半分くらいそうなんだろう。
「でも、だよ?受験当日なんて人生に二度はないんだよ?」
「まあ、そういう感じで押し切られた」
家を出てやっぱり甘えてくる百合に。
「今日は受験当日なんだが?」
と当然ツッコミを入れた俺。しかし。
「だから、特別な日でしょ?」
ああ、そういえば、記念日が大好きな百合の事だ。
受験ですらちょっと特別なイベントに過ぎないんだろう。
「今はまだいいけど。受験会場入ったら自重しろよ?」
「それはさすがに。わかってるよな?」
今日と明日で将来の運命が決まる。
そう緊張感を持って来てる他の受験生さんが大層気分を害するのは間違いない。
「わかってる。それくらいの配慮はあるよー」
「もうどこから突っ込めばいいのやら」
「修二君も苦労するわね」
「まあ、一応、最低限はわきまえてる……はずだし」
こうして、少しだけ引き気味な二人と。
やっぱり緊張感の無い百合と。連れ立って入試会場に向かったのだった。
「じゃあ、皆。がんばりましょう!」
士気をあげようということだろう。
四人で拳を付き合わせるちょっとした儀式。
「こういうのもいい思い出になりそうだね?」
「そこ。水差さない」
受験当日という日にここまで揺れないのはもはや才能。
ただ、俺としてはツッコミを入れておきたかった。
「いい感じで力が抜けていいのかもな」
「そうね。私も、少し力が抜けちゃった」
「ふっふー。私はこれを狙ったのです」
嘘こけ。
こうして、分かれて受験会場に入る俺たち。
百合に毒されたのか俺も緊張感がすっかり抜けている。
良い意味でいつも通りで試験に挑めそうだ。
◇◇◇◇
「あっという間に受験終わっちゃったね」
「そのイベント扱いは本当なんなんだよ」
二日間に渡る受験はあっという間に終わりを告げ。
俺と百合は二人でやっぱり部屋でゲームをしていた。
「だって、結構、ゲーム感覚で楽しかったし」
「普通の受験生さんに恨まれるからほどほどにな」
楽勝、楽勝といったムードの百合。
俺もたぶん受かっているだろうという手応えはあったけど。
それ以上に百合は合格を確信してるらしい。
まさに天賦の才というか中々真似出来ない。
「あとは合格発表を待つのみだな」
今日は少し趣旨を変えて牧場スローライフゲームをプレイ中だ。
Switchで人気の「あつまれ動物の森」。普段はそこまでやらない。
ただ、何も考えずにプレイ出来るこのゲーム。
頭を休めたい俺にとってはちょうどよかった。
「うん。そしたら、私達ももうすぐ大学生」
もうすっかり合格気分でいるのか。
あるいは最悪でも滑り止めに行けばいいと開き直ってるのか。
たぶん両方だろう。
「なんかサークルでも入るか?」
ぼーっとゲーム内で釣りをしながら聞いてみる。
「自堕落部に入りたいなー」
「俺の前でさんざんやってるだろ。もうちょいまともなのを」
「パソコン関係のサークルはどう?」
「悪くないけどそのこころは?」
「ゲームとか好き勝手出来そうじゃない?あとは、プログラミングとかやってるなら、就職に役立つかもだし」
なるほど。なかなかどうしてちゃっかりしてる。
「百合にしてはまともだな。百合にしては」
「修ちゃん。その扱いはひどいと思う!」
「この体勢で言っても説得力ないんだが」
そう。今は百合がお気に入りの体勢。
膝の上に百合が乗って、俺が後ろから抱きしめるような。
「だって、これ落ち着くんだもん」
「ま、いいけどな」
俺だってこんな風にしていちゃつくのは好きだ。
「ねえ、修ちゃん」
「ん?」
一瞬、振り向いたかと思えば。
「最高のプロポーズ、期待してるからね?」
何やら目を輝かせていらっしゃる。
「むやみにハードルあげないでくれ」
「修ちゃんだから言ってるんだよ」
「期待に答えられるように考えとくよ」
そう言いつつも既にシチュエーションも台詞もある程度決めてある。
結局、アドリブになるだろうけど。
しかし、本当に合格発表当日はどうなることやら。
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