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はじめての秋
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さて、そんなわけで僕とオードちゃんのお付き合いが始まったわけですが。
「おはよう、ノルズくん」
「おはよう、オードちゃん」
僕らは相変わらず、温泉卵を作っては二人で話して、お昼に卵を納品しに行く日々を過ごしております。
つまり、特段変わったことはないわけです。
「ねぇ、グロウ」
「あーん?」
ちなみにグロウは自宅の改装が終わっても、結局牧場で働いてくれています。
主に農作業的な意味で。
只今うちの農場はバタタール(前世で言うとさつまいも)の大量作付け中で、そのその手伝いをしてもらっている最中。
それというのもなぜかうちの野菜が高品質だと噂になって、注文がどんどん増えているせいでして。
こんなことよりオードちゃんに会いに行きたいなーなんて思っている時に、ふと思いついた。
「付き合うって何すれば良いのかな?」
「何すればって……色々だろうがよ」
お互い泥だらけになりながらそんな会話をしつつ、一つ一つ苗を植えていく。
この苗はカノン農場から大量に購入したもので、カノンさんは大助かりだと喜んでくれていた。
「色々って?」
「そりゃお前……手をつなぐとか、キスするとか……あ、それ以上とか」
「そのタイミングって?」
「そりゃ雰囲気で……ってお前は俺に何を言わせたいんだ!?」
「いや、だってなんかそういうタイミングが全然わかんなくって……」
「……お前たちって、ふたりそろってほのぼのしてるもんなー」
「そっちだってマリンさんはほのぼのしてるじゃん」
「ばっか! ああ見えてマリンのやつはすごい……って、だからお前は俺に何を言わせようとしてるんだよおおお!」
グロウはその勢いで立ち上がると握りしめていた土を思い切り彼方へ投げ飛ばす。
それを遊んでくれると勘違いしたのか、チーかまがそれをわんわんっと追っていった。
「もー、土に当たらないでよ」
「お前が変なこと聞くからだろうが!」
「いやー……だって本当にわからなくて」
手をつなぐタイミングとか、そういうのってなんなんだろう?
雰囲気って言われても、いつもと変わらないからよくわからないわけで……。
「お前がしたいなって思った時に、タイミングが合えばそう言うことになるもんだよ」
「そうなの?」
「そうだよ! ああもう、金輪際この手の話は禁止な!」
そう言ってグロウはもくもくと作業に戻っていったので、僕も仕方な黙々と作業に移ることにする。
無心でそれを繰り返していたら、いつの間にか空が赤くなって。
今日はもう終わりということで、一応牧場の横にある川で一通り泥を落として終了となる。
「で、今日も来るのか?」
「あ、うん。今日も酒場に行くよ」
僕らが付き合い始めて始めたことと言えば、そういえばこれくらいだ。
酒場で働くオードちゃんを眺めつつ、グロウと夕食をとって帰る。それくらい。
それでも一歩くらいは進んでるのかな? と思いつつ、今日も酒場へと道を急ぐのであった。
「おはよう、ノルズくん」
「おはよう、オードちゃん」
僕らは相変わらず、温泉卵を作っては二人で話して、お昼に卵を納品しに行く日々を過ごしております。
つまり、特段変わったことはないわけです。
「ねぇ、グロウ」
「あーん?」
ちなみにグロウは自宅の改装が終わっても、結局牧場で働いてくれています。
主に農作業的な意味で。
只今うちの農場はバタタール(前世で言うとさつまいも)の大量作付け中で、そのその手伝いをしてもらっている最中。
それというのもなぜかうちの野菜が高品質だと噂になって、注文がどんどん増えているせいでして。
こんなことよりオードちゃんに会いに行きたいなーなんて思っている時に、ふと思いついた。
「付き合うって何すれば良いのかな?」
「何すればって……色々だろうがよ」
お互い泥だらけになりながらそんな会話をしつつ、一つ一つ苗を植えていく。
この苗はカノン農場から大量に購入したもので、カノンさんは大助かりだと喜んでくれていた。
「色々って?」
「そりゃお前……手をつなぐとか、キスするとか……あ、それ以上とか」
「そのタイミングって?」
「そりゃ雰囲気で……ってお前は俺に何を言わせたいんだ!?」
「いや、だってなんかそういうタイミングが全然わかんなくって……」
「……お前たちって、ふたりそろってほのぼのしてるもんなー」
「そっちだってマリンさんはほのぼのしてるじゃん」
「ばっか! ああ見えてマリンのやつはすごい……って、だからお前は俺に何を言わせようとしてるんだよおおお!」
グロウはその勢いで立ち上がると握りしめていた土を思い切り彼方へ投げ飛ばす。
それを遊んでくれると勘違いしたのか、チーかまがそれをわんわんっと追っていった。
「もー、土に当たらないでよ」
「お前が変なこと聞くからだろうが!」
「いやー……だって本当にわからなくて」
手をつなぐタイミングとか、そういうのってなんなんだろう?
雰囲気って言われても、いつもと変わらないからよくわからないわけで……。
「お前がしたいなって思った時に、タイミングが合えばそう言うことになるもんだよ」
「そうなの?」
「そうだよ! ああもう、金輪際この手の話は禁止な!」
そう言ってグロウはもくもくと作業に戻っていったので、僕も仕方な黙々と作業に移ることにする。
無心でそれを繰り返していたら、いつの間にか空が赤くなって。
今日はもう終わりということで、一応牧場の横にある川で一通り泥を落として終了となる。
「で、今日も来るのか?」
「あ、うん。今日も酒場に行くよ」
僕らが付き合い始めて始めたことと言えば、そういえばこれくらいだ。
酒場で働くオードちゃんを眺めつつ、グロウと夕食をとって帰る。それくらい。
それでも一歩くらいは進んでるのかな? と思いつつ、今日も酒場へと道を急ぐのであった。
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