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はじめての秋
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次の日は、見事な秋晴れだった。
つまり今日は約束の日ということになる。
「ノルズくん」
「うえ!?」
さていつも通りの仕事をこなすかと家を出たところで、オードちゃんから声をかけられた。
流石にこんなに早くから来るなんて思いもしなかったから、思い切り心臓がバクバク言ってる。
「お、オードちゃん早いね」
「ノルズくんの仕事、手伝おうと思って。そしたら早く山に登れるでしょ?」
「そ、それはそうだけど……」
「だから手伝わせてほしいんだけど……ダメかな?」
「いや、それはもちろん助かるけど……テッドさんには?」
「許可はとったよ。今日は一日中休み。卵の納品も今日はお休みでいいって」
デートの許可は僕からって約束があったのに、早速破るとか。
そんな気落ちにも気づかないまま、オードちゃんは作業の準備を始めた。
若干の気まずさが残る中、二人で作業をする。
オードちゃんには収穫をお願いして、僕は作物の手入れのあとに酪農の方へ。
別れて作業を出来るのは、正直少し僕には気が楽だった。
今日どんな話をされるのか、怖くって。
それでも聞きたいと思うんだから、自分でも笑えてくる。
別れ話にはならないとは思うけれども、別れたい話になってしまったら嫌だな。
でも、僕からオードちゃんと別れたいなんてことあり得るなんだろうか?
運命の人だと、出会った瞬間から思って。
一目惚れで、そのまま突き進んで今がある。
そんな今が奇跡なのに、このまま別れる?
そんなの、ありえないじゃないか。
そんな事を考えながらはなちゃんのブラッシングと搾乳を終えて、そのまま外に出る。
そこには一生懸命に泥だらけになりながら収穫をしてくれている愛しい人の姿があって。
ああ、やっぱり好きだなって、そう思う。
この人のことが好きで好きでたまらないんだなって、そう思った。
「ごめん、まだ半分も終わってなくて……」
「なれてないんだもん、仕方ないよ。大丈夫、あとは僕がやるから休んでて。今から山に登るんだし、オードちゃんは少しでも体力温存しててよ」
そう言ってオードちゃんをいつもの木陰に押しやると、僕はかご車で一気に収穫していく。
この人のために頑張るんだと思えば力が入って、いつも以上に早く終わったかもしれない。
そうして午前中の早いうちに仕事は終わったんだけれども、慣れない作業をしたせいかオードちゃんは木陰ですーすーと寝息を立てていて。
三十分だけと思って、その横に座って僕も休憩をする。
オードちゃんが持ってきているバスケットには多分、お昼ご飯が入っているのだろう。
どれだけ早く起きて頑張ってくれたのかと思ったら、胸が熱くなった。
オードちゃんの気持ちを疑ってなんかいないよ。
僕の気持ちも、ちっとも変わってないよ。
だから安心して、二人でピクニックにいこう。
そうしてゆっくりお互いのことを話して、二人でデートを楽しむんだ。
つまり今日は約束の日ということになる。
「ノルズくん」
「うえ!?」
さていつも通りの仕事をこなすかと家を出たところで、オードちゃんから声をかけられた。
流石にこんなに早くから来るなんて思いもしなかったから、思い切り心臓がバクバク言ってる。
「お、オードちゃん早いね」
「ノルズくんの仕事、手伝おうと思って。そしたら早く山に登れるでしょ?」
「そ、それはそうだけど……」
「だから手伝わせてほしいんだけど……ダメかな?」
「いや、それはもちろん助かるけど……テッドさんには?」
「許可はとったよ。今日は一日中休み。卵の納品も今日はお休みでいいって」
デートの許可は僕からって約束があったのに、早速破るとか。
そんな気落ちにも気づかないまま、オードちゃんは作業の準備を始めた。
若干の気まずさが残る中、二人で作業をする。
オードちゃんには収穫をお願いして、僕は作物の手入れのあとに酪農の方へ。
別れて作業を出来るのは、正直少し僕には気が楽だった。
今日どんな話をされるのか、怖くって。
それでも聞きたいと思うんだから、自分でも笑えてくる。
別れ話にはならないとは思うけれども、別れたい話になってしまったら嫌だな。
でも、僕からオードちゃんと別れたいなんてことあり得るなんだろうか?
運命の人だと、出会った瞬間から思って。
一目惚れで、そのまま突き進んで今がある。
そんな今が奇跡なのに、このまま別れる?
そんなの、ありえないじゃないか。
そんな事を考えながらはなちゃんのブラッシングと搾乳を終えて、そのまま外に出る。
そこには一生懸命に泥だらけになりながら収穫をしてくれている愛しい人の姿があって。
ああ、やっぱり好きだなって、そう思う。
この人のことが好きで好きでたまらないんだなって、そう思った。
「ごめん、まだ半分も終わってなくて……」
「なれてないんだもん、仕方ないよ。大丈夫、あとは僕がやるから休んでて。今から山に登るんだし、オードちゃんは少しでも体力温存しててよ」
そう言ってオードちゃんをいつもの木陰に押しやると、僕はかご車で一気に収穫していく。
この人のために頑張るんだと思えば力が入って、いつも以上に早く終わったかもしれない。
そうして午前中の早いうちに仕事は終わったんだけれども、慣れない作業をしたせいかオードちゃんは木陰ですーすーと寝息を立てていて。
三十分だけと思って、その横に座って僕も休憩をする。
オードちゃんが持ってきているバスケットには多分、お昼ご飯が入っているのだろう。
どれだけ早く起きて頑張ってくれたのかと思ったら、胸が熱くなった。
オードちゃんの気持ちを疑ってなんかいないよ。
僕の気持ちも、ちっとも変わってないよ。
だから安心して、二人でピクニックにいこう。
そうしてゆっくりお互いのことを話して、二人でデートを楽しむんだ。
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