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はじまる冬
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「はぁあ!? オードが牧場に二日間泊まるって……はぁあああ!?」
「大きい! 声大きいから抑えてお願いグロウ!!!」
酒場に帰ってきたグロウを捕まえて、事の顛末を話すとそれはもう驚かれた。
そんなの僕だってびっくりだけど下に聞こえちゃうから! オードちゃんに聞こえちゃうからぁ!!!
あれから放心したままカノン農場に行って大雪への備え方を教わって、準備を行った。
それから振り始めた雪を心配して食事を取りがてら酒場へ戻ってきたんだけど……。
「どうしよう、グロウ。ねぇ、僕どうしたら良いの!?」
「どうしようもなにも……どうにかするしかないだろ」
「どうにかって何をー!?」
「何をってナニ――」
「待ってそれ以上言わないで!!!」
全力でグロウの口を抑えて、そこから先の言葉を封じ込める。
「そっちじゃなくて! そうならないためにはって意味だよ!」
「そうか……お前、俺より先に階段登っちゃうのか……」
「そうじゃないってば! 人の話を聞いてよぉ!」
どこか遠い目をするグロウをガクガクと揺さぶって、こちらの世界に戻ってきてもらうと、グロウは口を開く。
「まああれだ……幸いベッドはオンボロ含めて二つある。一緒に寝なくていいだけでハードルは下がるだろう? あと家の中にはチーかまがいる。見張られてると思うんだ」
「うん」
「あと一応これを持っていけ」
「これ?」
手渡されたのはなにかの四角い包。
「エチケットだ」
「だからそっちじゃないって言ってるでしょー!」
グロウはどこまでいってもグロウだった。
酒場からの帰り道。
少し大きめのバッグを持ったオードちゃんが隣に並んでいる。
手を繋いで一つの傘を二人でさして、雪が強まらない前に家につくように少し急ぎ足で二人で歩く。
いつもとは逆の道。
そう思うともうドキドキが止まらなくて、どうして良いかわからなくなる。
時々右足と右手が一緒に出たりするくらいに僕は正直緊張しまくっているのに、オードちゃんは普段と変わらず、はじめてのお泊りと喜んでさえ居るような雰囲気だ。
「大雪の時はテレビも映らないから、本当にやることないんだよね。だからいっぱい雑誌持ってきたよ。一緒に読もうね」
「うん」
「あ、チーかまと遊ぶのも良いかも。でもチーかまの大好きなボール遊びは出来ないね。残念だよ」
「うん」
こういった感じである。
窓を木材でばってんに覆った自分の家が見えてきて、ますます緊張は高まっていく。
チーかまはもう家の中だし、厩舎の中もバッチリ準備した。
「お邪魔しまーす!」
「はい、いらっしゃい」
そう言って迎え入れるけれど、僕の声はどこか固く。
オードちゃんも首を傾げてなにか変だなぁと気づき始めている。
そうは言っても家に二人きりなのだ。夜の家に二人きりなのだ。
こんなのどう考えても普通緊張するし、色々アレコレ考えるのが青少年なのだ。
「えーっと……荷物、とりあえずココらへんに置いていいかな?」
「うん、適当に好きなところに置いて大丈夫だよ」
「ありがとう」
「お茶淹れてくるよ」
「あ、じゃあ私が……」
「いや、お客様は座っててください」
そう、オードちゃんはただのお客様。
ただのお客様なんだ!
台所でお茶を淹れていると、すっと後ろから手が回ってきて。
「……迷惑だった?」
背中でオードちゃんが、そう呟く。
「迷惑だなんて!」
「だって、さっきからノルズくん変なんだもん」
「へ、変じゃないよ!」
「嘘だ。さっきここに来るまでも生返事ばっかりだったし、今もなんか緊張してるし……二人っきりで過ごせるからって思ってはしゃいじゃって迷惑だったかなぁって」
「ち、違うよ! ただちょっと、緊張してるだけで! ……あ」
「緊張? なんで?」
「いや、だってそれは……」
その先は言葉にできなくて、言いよどむ。
それを待つかのようにオードちゃんは背中でうりうりと頭を振って答えを促すし、正直もうそれだけでも心房たまらないのですが。
「お、オードちゃんは……」
「うん?」
「オードちゃんは僕の家で、しかも密室状態で二人っきりって緊張しない?」
「……っ!」
ガバっとオードちゃんは僕の背中から離れて、今理解したと言わんばかりに顔を真っ赤にする。
そうか、意識されてなかっただけなのか。良かった、安心しきられてるとかだったらちょっと流石に凹むところだった。
「ち、違うよ! へ、変な事考えてここにきたわけじゃ!」
「わかってる、わかってるから。オードちゃんは純粋に僕を心配してここにきてくれたんでしょ? ちゃんとわかってるから」
あ、片方が慌てると妙に落ち着けるもんだなぁとか思いながら、僕はお茶を淹れ終えてテーブルに向かう。
それにひょこひょことついてきたオードちゃんは、それでも僕の隣に座ってくれた。
「まあお茶でも飲んで落ち着こうよ、お互い」
「……うん」
そうして二人で一口お茶を飲んで、ふぅと一息つく。
「その、そんなつもりは本当になくて」
その言葉地味に傷つきますけど知ってましたので大丈夫です、ハイ。
「ただはじめての大雪でノルズくんが心細くないかなーとか、そういうのを考えて」
うん、最初からそれ言ってたもんね。一番の理由だよね、うん。
「……でも明日は会えないのかぁってノルズくんが言ってくれたのが正直一番理由としては大きくて」
僕の自爆だったかぁ! そっかぁ! そうだよね、それから泊まろうかの話になったもんねぇ!
「……正直、嬉しかったよ?」
そう言って僕を上目遣いで見つめてくる僕の彼女さんは、大変に無自覚で。
思わず僕は、その無自覚に甘えてその唇にキスを一つ落としてしまう。
ハッと我に返ったのはもうキスをした後で、オードちゃんはぽかんとしていて。
僕も一瞬ぽかんとしてから、ばっと立ち上がって走り出す。
「も、もう一回鶏小屋と厩舎確認してくる!」
「え。え!?」
そう言った僕にどうにか我に返ったらしいオードちゃんはこちらに手を伸ばすけれども、もちろん届くわけもなく。
そのまま僕は外に出て、雪の降る中を走り回って頭を冷やすのであった。
「大きい! 声大きいから抑えてお願いグロウ!!!」
酒場に帰ってきたグロウを捕まえて、事の顛末を話すとそれはもう驚かれた。
そんなの僕だってびっくりだけど下に聞こえちゃうから! オードちゃんに聞こえちゃうからぁ!!!
あれから放心したままカノン農場に行って大雪への備え方を教わって、準備を行った。
それから振り始めた雪を心配して食事を取りがてら酒場へ戻ってきたんだけど……。
「どうしよう、グロウ。ねぇ、僕どうしたら良いの!?」
「どうしようもなにも……どうにかするしかないだろ」
「どうにかって何をー!?」
「何をってナニ――」
「待ってそれ以上言わないで!!!」
全力でグロウの口を抑えて、そこから先の言葉を封じ込める。
「そっちじゃなくて! そうならないためにはって意味だよ!」
「そうか……お前、俺より先に階段登っちゃうのか……」
「そうじゃないってば! 人の話を聞いてよぉ!」
どこか遠い目をするグロウをガクガクと揺さぶって、こちらの世界に戻ってきてもらうと、グロウは口を開く。
「まああれだ……幸いベッドはオンボロ含めて二つある。一緒に寝なくていいだけでハードルは下がるだろう? あと家の中にはチーかまがいる。見張られてると思うんだ」
「うん」
「あと一応これを持っていけ」
「これ?」
手渡されたのはなにかの四角い包。
「エチケットだ」
「だからそっちじゃないって言ってるでしょー!」
グロウはどこまでいってもグロウだった。
酒場からの帰り道。
少し大きめのバッグを持ったオードちゃんが隣に並んでいる。
手を繋いで一つの傘を二人でさして、雪が強まらない前に家につくように少し急ぎ足で二人で歩く。
いつもとは逆の道。
そう思うともうドキドキが止まらなくて、どうして良いかわからなくなる。
時々右足と右手が一緒に出たりするくらいに僕は正直緊張しまくっているのに、オードちゃんは普段と変わらず、はじめてのお泊りと喜んでさえ居るような雰囲気だ。
「大雪の時はテレビも映らないから、本当にやることないんだよね。だからいっぱい雑誌持ってきたよ。一緒に読もうね」
「うん」
「あ、チーかまと遊ぶのも良いかも。でもチーかまの大好きなボール遊びは出来ないね。残念だよ」
「うん」
こういった感じである。
窓を木材でばってんに覆った自分の家が見えてきて、ますます緊張は高まっていく。
チーかまはもう家の中だし、厩舎の中もバッチリ準備した。
「お邪魔しまーす!」
「はい、いらっしゃい」
そう言って迎え入れるけれど、僕の声はどこか固く。
オードちゃんも首を傾げてなにか変だなぁと気づき始めている。
そうは言っても家に二人きりなのだ。夜の家に二人きりなのだ。
こんなのどう考えても普通緊張するし、色々アレコレ考えるのが青少年なのだ。
「えーっと……荷物、とりあえずココらへんに置いていいかな?」
「うん、適当に好きなところに置いて大丈夫だよ」
「ありがとう」
「お茶淹れてくるよ」
「あ、じゃあ私が……」
「いや、お客様は座っててください」
そう、オードちゃんはただのお客様。
ただのお客様なんだ!
台所でお茶を淹れていると、すっと後ろから手が回ってきて。
「……迷惑だった?」
背中でオードちゃんが、そう呟く。
「迷惑だなんて!」
「だって、さっきからノルズくん変なんだもん」
「へ、変じゃないよ!」
「嘘だ。さっきここに来るまでも生返事ばっかりだったし、今もなんか緊張してるし……二人っきりで過ごせるからって思ってはしゃいじゃって迷惑だったかなぁって」
「ち、違うよ! ただちょっと、緊張してるだけで! ……あ」
「緊張? なんで?」
「いや、だってそれは……」
その先は言葉にできなくて、言いよどむ。
それを待つかのようにオードちゃんは背中でうりうりと頭を振って答えを促すし、正直もうそれだけでも心房たまらないのですが。
「お、オードちゃんは……」
「うん?」
「オードちゃんは僕の家で、しかも密室状態で二人っきりって緊張しない?」
「……っ!」
ガバっとオードちゃんは僕の背中から離れて、今理解したと言わんばかりに顔を真っ赤にする。
そうか、意識されてなかっただけなのか。良かった、安心しきられてるとかだったらちょっと流石に凹むところだった。
「ち、違うよ! へ、変な事考えてここにきたわけじゃ!」
「わかってる、わかってるから。オードちゃんは純粋に僕を心配してここにきてくれたんでしょ? ちゃんとわかってるから」
あ、片方が慌てると妙に落ち着けるもんだなぁとか思いながら、僕はお茶を淹れ終えてテーブルに向かう。
それにひょこひょことついてきたオードちゃんは、それでも僕の隣に座ってくれた。
「まあお茶でも飲んで落ち着こうよ、お互い」
「……うん」
そうして二人で一口お茶を飲んで、ふぅと一息つく。
「その、そんなつもりは本当になくて」
その言葉地味に傷つきますけど知ってましたので大丈夫です、ハイ。
「ただはじめての大雪でノルズくんが心細くないかなーとか、そういうのを考えて」
うん、最初からそれ言ってたもんね。一番の理由だよね、うん。
「……でも明日は会えないのかぁってノルズくんが言ってくれたのが正直一番理由としては大きくて」
僕の自爆だったかぁ! そっかぁ! そうだよね、それから泊まろうかの話になったもんねぇ!
「……正直、嬉しかったよ?」
そう言って僕を上目遣いで見つめてくる僕の彼女さんは、大変に無自覚で。
思わず僕は、その無自覚に甘えてその唇にキスを一つ落としてしまう。
ハッと我に返ったのはもうキスをした後で、オードちゃんはぽかんとしていて。
僕も一瞬ぽかんとしてから、ばっと立ち上がって走り出す。
「も、もう一回鶏小屋と厩舎確認してくる!」
「え。え!?」
そう言った僕にどうにか我に返ったらしいオードちゃんはこちらに手を伸ばすけれども、もちろん届くわけもなく。
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