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はじまる冬
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「ノールオルド様? それは収穫の神様のことだね。ほら、あの教会にある像の人」
次の日の朝のデートでオードちゃんに聞いてみれば、案外すんなり答えがもらえた。
「この町の守り神って言われてて、八合目の湖に住んでるって言われてるの。だからこの町の水は綺麗で、農業にむいてるんだって。小さな時に教えられる、御伽話みたいなものかなぁ?」
「そうなんだ……」
「どうしたの、急にそんな事聞き出して? なにか気になることでもあったの?」
「え? あ、いや、この間名前を聞いて誰のことだろうって思ってね」
ちなみに昨日僕とグロウが二人で湖の洞窟に行ったのは秘密ということにしてある。
お互いプレゼントをあげる時は喜んでもらいたいからっていう理由だけなんだけども。
「そういえばノールオルド様って女神様って言われてるんだよね。あんなに綺麗なんだから、それはそうなんだろうけれど。一度お会いしてみたいなぁ」
「神様に?」
「うん。だって美人さんはそこに居るだけで目の保養になるでしょ? キョウとか」
「キョウちゃんより僕はオードちゃんのほうが目の保養になるけども」
「もー、またそういうこと言ってからかう……」
ぽこりと弱く胸を叩かれて、照れるオードちゃんを鑑賞する。
うん、やっぱりこっちのほうが断然目の保養になるよ。
「……ノルズくんってどこまで本気で言ってるかわからないから困るなぁ」
そう言ってぽすんとオードちゃんが胸の中に身を預けてくる。
「全部本気なんだけどなぁ」
そう言いながらオードちゃんの肩に顔を乗せて、スリスリとしてみたらくすぐったがられた。
「もう! ノルズくんがどんどん甘えん坊になっていくみたい」
「そうかな? 僕は普通にしてるつもりなんだけど」
「前はもっと照れがあったのに最近は全然ないし。私の方ばっかり照れてずるい」
「じゃあオードちゃんも照れなきゃ良いのに」
「それが出来たら苦労しないの!」
ぽすんぽすんと胸をたたかれて、抗議を受けるけれども全然痛くなくて。
可愛いなぁと思うばかりで、特になんともない。
最近ではこういうちょっとした触れ合いが多くなってきて、僕も慣れてきたんだと思う。
「あ、そろそろ温泉卵も出来る時間だね。家に帰って仕事しなくっちゃ」
「僕も仕事しなくちゃ。やだなー、もっとこうしていちゃいちゃしてたいや」
「そんなこと言ってるとはなちゃんたちが拗ねちゃうよ? さ、戻って仕事しよ?」
「うん。じゃあまたお昼に酒場に行くよ」
「はーい、じゃあ待ってるね」
最近では完全に雪深くなり、僕の農業は休業状態だ。
酪農を終えてチーかまと遊びという名の訓練をしたら酒場に卵を納品して、それからは酒場で過ごすのが日課になっていた。
そうして僕ははなちゃんたちの世話を終えて、酒場へ向かう。
すると、酒場前はなぜかバタバタしていて。
「どうしたの?」
オードちゃんを見つけて声を掛けると、驚いたようにこちらを見る。
「ノルズくん、もしかして今日天気予報見てない!?」
「え、うん。あのまま帰って作業をしてからまっすぐこっちに来たから……」
「えぇ! 大変だよ、明日は大雪になるって! だから牧場の方も準備しなきゃ!」
「準備?」
「いつもより多めにご飯をあげておいたり、窓に木を貼り付けたりって作業しておかないと、大変なことになるよ!? ああでも昼食は取ってないんだよね、とりあえずお店に入ってご飯にしよ。それからカノンさんのところに行って、色々聞いたほうが良いと思うよ?」
「そうなんだ、わかったよ。とりあえず中で話そう?」
そうして二人で中に入って卵の納品を終えて、昼食を取る。
今日はお客さんがまばらで、オードちゃんとふたりで食べれた。
「大雪って、そんなに酷いの?」
「酷いなんてもんじゃないよ! あれはもう猛吹雪! 明日は外に出ちゃダメだからね!」
「え、そうなの?! そんなに大変な大雪?」
「だから、猛吹雪だよ! 台風みたいなもんかなぁ? でも今年は台風が来なかったから、ノルズくんは経験がないのか。うーん、大丈夫かなぁ?」
「……じゃあ明日はオードちゃんに会えないのかぁ」
「へ?」
「あ、いや。なんでも」
思わず心の声が漏れ出てしまって、キョトンとされる。
いや、だってオードちゃんに会えなかった日って実は今までなかったし。
そう思うとなんだかこう、寂しいなって思うわけでして。
「……じゃあ、私が泊まりに行こうか?」
「へ?」
「ノルズくん、初めての大雪で心配だし」
「いや、別にそんなに心配されなくても大丈夫だよ!?」
「でも……」
「さ、流石にそれはダメだよ! テッドさんにも心配かけるし!」
うーんと考え始めるオードちゃんに、流石にそれはダメだと必死に説得しているのに。
カウンターに座っていたので聞こえていたのか、テッドさんがそこで口を挟む。
「いいぞ」
あっさり許可出すんですよね、この人! 知ってましたー!
次の日の朝のデートでオードちゃんに聞いてみれば、案外すんなり答えがもらえた。
「この町の守り神って言われてて、八合目の湖に住んでるって言われてるの。だからこの町の水は綺麗で、農業にむいてるんだって。小さな時に教えられる、御伽話みたいなものかなぁ?」
「そうなんだ……」
「どうしたの、急にそんな事聞き出して? なにか気になることでもあったの?」
「え? あ、いや、この間名前を聞いて誰のことだろうって思ってね」
ちなみに昨日僕とグロウが二人で湖の洞窟に行ったのは秘密ということにしてある。
お互いプレゼントをあげる時は喜んでもらいたいからっていう理由だけなんだけども。
「そういえばノールオルド様って女神様って言われてるんだよね。あんなに綺麗なんだから、それはそうなんだろうけれど。一度お会いしてみたいなぁ」
「神様に?」
「うん。だって美人さんはそこに居るだけで目の保養になるでしょ? キョウとか」
「キョウちゃんより僕はオードちゃんのほうが目の保養になるけども」
「もー、またそういうこと言ってからかう……」
ぽこりと弱く胸を叩かれて、照れるオードちゃんを鑑賞する。
うん、やっぱりこっちのほうが断然目の保養になるよ。
「……ノルズくんってどこまで本気で言ってるかわからないから困るなぁ」
そう言ってぽすんとオードちゃんが胸の中に身を預けてくる。
「全部本気なんだけどなぁ」
そう言いながらオードちゃんの肩に顔を乗せて、スリスリとしてみたらくすぐったがられた。
「もう! ノルズくんがどんどん甘えん坊になっていくみたい」
「そうかな? 僕は普通にしてるつもりなんだけど」
「前はもっと照れがあったのに最近は全然ないし。私の方ばっかり照れてずるい」
「じゃあオードちゃんも照れなきゃ良いのに」
「それが出来たら苦労しないの!」
ぽすんぽすんと胸をたたかれて、抗議を受けるけれども全然痛くなくて。
可愛いなぁと思うばかりで、特になんともない。
最近ではこういうちょっとした触れ合いが多くなってきて、僕も慣れてきたんだと思う。
「あ、そろそろ温泉卵も出来る時間だね。家に帰って仕事しなくっちゃ」
「僕も仕事しなくちゃ。やだなー、もっとこうしていちゃいちゃしてたいや」
「そんなこと言ってるとはなちゃんたちが拗ねちゃうよ? さ、戻って仕事しよ?」
「うん。じゃあまたお昼に酒場に行くよ」
「はーい、じゃあ待ってるね」
最近では完全に雪深くなり、僕の農業は休業状態だ。
酪農を終えてチーかまと遊びという名の訓練をしたら酒場に卵を納品して、それからは酒場で過ごすのが日課になっていた。
そうして僕ははなちゃんたちの世話を終えて、酒場へ向かう。
すると、酒場前はなぜかバタバタしていて。
「どうしたの?」
オードちゃんを見つけて声を掛けると、驚いたようにこちらを見る。
「ノルズくん、もしかして今日天気予報見てない!?」
「え、うん。あのまま帰って作業をしてからまっすぐこっちに来たから……」
「えぇ! 大変だよ、明日は大雪になるって! だから牧場の方も準備しなきゃ!」
「準備?」
「いつもより多めにご飯をあげておいたり、窓に木を貼り付けたりって作業しておかないと、大変なことになるよ!? ああでも昼食は取ってないんだよね、とりあえずお店に入ってご飯にしよ。それからカノンさんのところに行って、色々聞いたほうが良いと思うよ?」
「そうなんだ、わかったよ。とりあえず中で話そう?」
そうして二人で中に入って卵の納品を終えて、昼食を取る。
今日はお客さんがまばらで、オードちゃんとふたりで食べれた。
「大雪って、そんなに酷いの?」
「酷いなんてもんじゃないよ! あれはもう猛吹雪! 明日は外に出ちゃダメだからね!」
「え、そうなの?! そんなに大変な大雪?」
「だから、猛吹雪だよ! 台風みたいなもんかなぁ? でも今年は台風が来なかったから、ノルズくんは経験がないのか。うーん、大丈夫かなぁ?」
「……じゃあ明日はオードちゃんに会えないのかぁ」
「へ?」
「あ、いや。なんでも」
思わず心の声が漏れ出てしまって、キョトンとされる。
いや、だってオードちゃんに会えなかった日って実は今までなかったし。
そう思うとなんだかこう、寂しいなって思うわけでして。
「……じゃあ、私が泊まりに行こうか?」
「へ?」
「ノルズくん、初めての大雪で心配だし」
「いや、別にそんなに心配されなくても大丈夫だよ!?」
「でも……」
「さ、流石にそれはダメだよ! テッドさんにも心配かけるし!」
うーんと考え始めるオードちゃんに、流石にそれはダメだと必死に説得しているのに。
カウンターに座っていたので聞こえていたのか、テッドさんがそこで口を挟む。
「いいぞ」
あっさり許可出すんですよね、この人! 知ってましたー!
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