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4、居場所
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昼下がりのブックカフェは、柔らかな陽射しに包まれていた。
棚に並ぶ本の香りと、焼き菓子の甘い匂いが混ざり合い、静かなざわめきが店内を満たしている。
「サラさん、このケーキ、本当においしいです!」
若い女性客が笑顔を浮かべて皿を掲げた。
「本を読みながら食べると、時間を忘れてしまいそう」
「ありがとうございます」
私は少し照れながら微笑み、子どもたちの方に目をやった。
「でしょー!」
ヒナが両手を広げて胸を張る。
「サラおねえちゃんのケーキ、世界一なんだから!」
「あ、ヒナ、味見ばっかり貰わないで!」
お客さんから味見と称してナッツを貰ったヒナを、テルが慌てて注意する。
それを見ていた女性客がくすっと笑った。
「ふふ、仲のいい兄妹ですね」
その様子に店内の空気が和み、笑い声が広がった。
カウンターに座るカイルさんは、二人の様子を見て静かに微笑んでいる。
「どうぞ、こちらは本日のおすすめです。甘いケーキと一緒にどうぞ」
差し出したカップから、香ばしい香りが立ち上る。
女性客は目を輝かせ、「わぁ……ここに来ると、つい長居しちゃいます」と言葉をこぼした。
私はその横顔を見つめながら、胸の奥でじんわりと温かさが広がっていくのを感じた。
ここには子どもたちの笑い声と、お客さんの笑顔、そして安心できる居場所がある。
「……サラ」
低く、けれど優しい声。
「これからも、ここで暮らしていくんだろう?」
私はゆっくり頷いた。
「はい。もう、どこにも行きません。この子たちと、そして……皆と一緒に暮らしていきます」
カイルさんはしばし黙っていたが、ふっと笑みを浮かべた。
「……そうか。なら、俺も隣で守り続けよう」
その言葉に胸が熱くなる。
けれど次の瞬間――彼はいたずらっぽく片眉を上げた。
「そういえば……コリスに告白されたって聞いたな」
「っ……!」
思わず顔が熱くなる。
「な、なんでその話を……!」
カイルさんは肩を揺らして笑っている。
「まさかコリスが、と驚いたが……」
そういって真っ直ぐにこちらを見た。
「コリスには悪いが、俺は、残りの人生を預けたいのはサラしかいないと思っている。これから先、どんな困難が降りかかろうとも、守って見せる。だから……どうか俺と結婚してくれないか」
「――――」
胸が大きく跳ね、言葉を失ったその瞬間。
「えーーーーっ!!」
背後から甲高い声。振り返ると、ヒナが目を丸くして飛び跳ねていた。
「サラおねえちゃんがカイルおにいちゃんのお嫁さん!? ほんとに!?」
一瞬、店内が静まり返った。
パンをかじっていた客の手が止まり、コーヒーを飲んでいた女性が目を丸くする。
「な、ななっ……!?」
私は真っ赤になり、慌てふためいた。
テルは顔を真っ赤にして、思わず叫んでいる。
「や、やっぱりだめだ! サラおねえちゃんは僕達のおねえちゃんなのに……! まだだめ!」
「あ、ヒ、ヒナも!」
飛び跳ねていたヒナも、テルの言葉に負けじと両手を広げて私の前に立つ。
「サラおねえちゃんは、ヒナのおねえちゃんなんだから!」
「ははっ」
カイルさんは困惑する私と、騒ぎ立てる子どもたちを見ていたずらっぽく笑った。
「答えは急がなくていい。でも前にも伝えたが、俺は本気だ」
――その一言に、止まっていた店内の空気が動き出した。
「えっ……今、結婚って……」
「騎士団のカイル様が……サラさんに?」
ざわざわと驚きが広がり、子どもたちの声と混じって店内が大きく揺れる。
「うそ……ほんとに?」
「いやでも、なんだかお似合いかも……」
驚きと戸惑い。
しかし気が付くと、そこに笑いが混じり始めていた。
「まあ、いいじゃないか! カイルさんなら安心だ!」
「カイルさんもようやく落ち着く相手ができたんだな」
その言葉を突き破るように、ヒナは両手をぶんぶん振り回し、顔を真っ赤にして叫んだ。
「だめー! サラおねえちゃんはヒナのおねえちゃんなのーー!!」
驚き混じりの客たちの笑い声、そして本の香りに包まれながら――
ヒナの叫びがブックカフェに響いていた。
棚に並ぶ本の香りと、焼き菓子の甘い匂いが混ざり合い、静かなざわめきが店内を満たしている。
「サラさん、このケーキ、本当においしいです!」
若い女性客が笑顔を浮かべて皿を掲げた。
「本を読みながら食べると、時間を忘れてしまいそう」
「ありがとうございます」
私は少し照れながら微笑み、子どもたちの方に目をやった。
「でしょー!」
ヒナが両手を広げて胸を張る。
「サラおねえちゃんのケーキ、世界一なんだから!」
「あ、ヒナ、味見ばっかり貰わないで!」
お客さんから味見と称してナッツを貰ったヒナを、テルが慌てて注意する。
それを見ていた女性客がくすっと笑った。
「ふふ、仲のいい兄妹ですね」
その様子に店内の空気が和み、笑い声が広がった。
カウンターに座るカイルさんは、二人の様子を見て静かに微笑んでいる。
「どうぞ、こちらは本日のおすすめです。甘いケーキと一緒にどうぞ」
差し出したカップから、香ばしい香りが立ち上る。
女性客は目を輝かせ、「わぁ……ここに来ると、つい長居しちゃいます」と言葉をこぼした。
私はその横顔を見つめながら、胸の奥でじんわりと温かさが広がっていくのを感じた。
ここには子どもたちの笑い声と、お客さんの笑顔、そして安心できる居場所がある。
「……サラ」
低く、けれど優しい声。
「これからも、ここで暮らしていくんだろう?」
私はゆっくり頷いた。
「はい。もう、どこにも行きません。この子たちと、そして……皆と一緒に暮らしていきます」
カイルさんはしばし黙っていたが、ふっと笑みを浮かべた。
「……そうか。なら、俺も隣で守り続けよう」
その言葉に胸が熱くなる。
けれど次の瞬間――彼はいたずらっぽく片眉を上げた。
「そういえば……コリスに告白されたって聞いたな」
「っ……!」
思わず顔が熱くなる。
「な、なんでその話を……!」
カイルさんは肩を揺らして笑っている。
「まさかコリスが、と驚いたが……」
そういって真っ直ぐにこちらを見た。
「コリスには悪いが、俺は、残りの人生を預けたいのはサラしかいないと思っている。これから先、どんな困難が降りかかろうとも、守って見せる。だから……どうか俺と結婚してくれないか」
「――――」
胸が大きく跳ね、言葉を失ったその瞬間。
「えーーーーっ!!」
背後から甲高い声。振り返ると、ヒナが目を丸くして飛び跳ねていた。
「サラおねえちゃんがカイルおにいちゃんのお嫁さん!? ほんとに!?」
一瞬、店内が静まり返った。
パンをかじっていた客の手が止まり、コーヒーを飲んでいた女性が目を丸くする。
「な、ななっ……!?」
私は真っ赤になり、慌てふためいた。
テルは顔を真っ赤にして、思わず叫んでいる。
「や、やっぱりだめだ! サラおねえちゃんは僕達のおねえちゃんなのに……! まだだめ!」
「あ、ヒ、ヒナも!」
飛び跳ねていたヒナも、テルの言葉に負けじと両手を広げて私の前に立つ。
「サラおねえちゃんは、ヒナのおねえちゃんなんだから!」
「ははっ」
カイルさんは困惑する私と、騒ぎ立てる子どもたちを見ていたずらっぽく笑った。
「答えは急がなくていい。でも前にも伝えたが、俺は本気だ」
――その一言に、止まっていた店内の空気が動き出した。
「えっ……今、結婚って……」
「騎士団のカイル様が……サラさんに?」
ざわざわと驚きが広がり、子どもたちの声と混じって店内が大きく揺れる。
「うそ……ほんとに?」
「いやでも、なんだかお似合いかも……」
驚きと戸惑い。
しかし気が付くと、そこに笑いが混じり始めていた。
「まあ、いいじゃないか! カイルさんなら安心だ!」
「カイルさんもようやく落ち着く相手ができたんだな」
その言葉を突き破るように、ヒナは両手をぶんぶん振り回し、顔を真っ赤にして叫んだ。
「だめー! サラおねえちゃんはヒナのおねえちゃんなのーー!!」
驚き混じりの客たちの笑い声、そして本の香りに包まれながら――
ヒナの叫びがブックカフェに響いていた。
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