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幼少期編
犯人は宇宙人
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私の名はアマリア。
地球では鷲座α星、通称「アルタイル」と呼ばれる惑星から仲間と共に宇宙船に乗って遥々地球へとやって来た。
我ら探索チームの今回の主な任務内容は地球の文明と歴史を調査することだ。
事前資料によると地球文明は核技術の開発に成功し、それをエネルギー供給するどころか軍事利用するところまでに至ったらしい。
これを機に他の惑星からも地球への調査が進められており、地球が他の惑星と交流できる文明レベルに達することができるか、また核兵器によって自分達の星を滅ぼさないかという懸念もあって今地球という星は注目を集めている。
他の惑星の人々から得た情報は入手できないため、自分たちの力で独自に情報収集しなくてはならないのだ。
今後数百年、数千年、時空を超えながら地球文明の推移に参考になるような出来事を記録することになっている。
こうして私たち探索チームは本部の指示に従って、地球付近にある「月」と呼ばれる星へと移動した。ここには母星の拠点がある。
太陽の当たらない月の裏側には数多くの基地があり、他の惑星からも数多く宇宙船が飛来している。
我々の宇宙船は月の内部へと入る。
月内部にある基地からの誘導に従い、その内部にある居住区域へと移動した。
この場所を利用して、今後定期的に地球の探索を行うこととなっている。
こうして私の地球探索生活が始まった。
最初は文明だけでなく、地球人の価値観の違いに戸惑っていたが、時間と共に受け入れられるようになり、やがて地球の文化を学ぶ意欲が湧くまでになった。
ちなみに私の担当地域は日本と呼ばれる島国だ。
今日は東京という都市を調査することになっており、宇宙船に乗って東京湾から少し離れた海岸沿いを飛行している。
今回本部からの命令でとある海域に我らの居住エリアをつくることになったのだ。
私はその候補地の下見へとやって来た。
いくつかの候補地を調査した結果、日本で1番発展している東京という都市に近い房総半島と呼ばれる地域が最適であると結論付けた私は周辺の海岸沿いの調査をすることにした。
そして私は視察の途中で海面に浮かぶ地球人をモニター越しで発見してしまった。
「あれは、地球人だな。・・・・・・んー、あれは何をしているだろう」
気になった私はしばらく宇宙船を静止させ、海に浮かんでいた地球人を観察する事にした。しかし、海面に漂うその地球人は数分もしないうちに波に呑まれて沈んでいったようだ。
モニターには赤い枠で示された地球人が少しずつ海流に運ばれて沈んでいる様子が表示されている。
「あれ?あの地球人、長時間海に入ったままで大丈夫なのかしら。地球人が海底に住んでいるとは調査結果には無かったはずだけど」
海流に流される赤い枠は少しずつ遠ざかっており、枠も赤色から白色へと変化していた。
アマリアは黙考する。
あの地球人は海流に身を任せて移動しているのかもしれない。
「んー、ひょっとして、すでに地球人たちの海中都市が海面にあるのかもしれないわね。私たちの調査漏れがあったのかも、少し調べてみようか」
波に呑まれた地球人の行方が気になったため宇宙船を移動させることにした。
宇宙船の高度を下げて着水、その後潜水モードに切り替えて点滅する白い枠を追って海の中を探索する。
しばらくして、先ほど沈んでいた地球人を発見した。どうやら地球人はすでに死んでしまったようだ。
「この地球人、ただの溺死のようだ。念のため、この付近の海底も探索したけど、海底都市どころか住居らしきものも何もないみたいだし、んー、どうしようか。あ!そうだ!いい事考えた!」
アマリアは閃きとともに手を打った。
溺死した地球人に下手に干渉せずにこのまま見捨てようかと思ったが、少し考えてせっかくの機会だから助けてみようと思うに至ったのだ。アマリアは最近日本の文化資料としてこの国のごく一部の人間たちに流行っているとされる異世界への転生経験を題材にした物語のことを思い出した。
「調査のために読んでみたけど、結構面白かったよね」
アマリアは考える。
もし地球人がその物語の様に異世界に転生し、経験するとしたらどのような反応をし、魂の経験を積むのか。
「昔の夏休みの課題を思い出すわね。昔飼っていたペットも世話するの忘れてお兄ちゃんとお母さんに怒られたっけ」
アルタイル星の学校にも夏休みがあるらしい。昔飼っていたペットとは当時流行っていた小さなグレイと呼ばれる人造生命体の事だ。あまり外見は可愛くはないが、非常におとなしく、また賢いので育成ゲームとして子供達の間で流行していた。
アマリアは円筒形のガラス容器に入っていたリトルグレイに餌も与えず死なせてしまった経験がある。
痩せこけたペットの死骸を捨てようとしたところに母親に見つかって、その後こっぴどく怒られてしまった。
アマリアは逡巡する。
「久しぶりに何かやってみたいと思っていたのよね。せっかく地球の探索チームに入ったのだし、少し個人的な課題でもしようかしら」
地球人の異世界転生とその観察記録。
そう考えただけでアマリアの胸の内にある好奇心が満開と咲く花が舞い上がるような気分で満たされていく。しかし、その後すぐに冷静を取り戻し、アマリアは再考する。
「でも、勝手に地球人への過度な干渉を行えば、あとで上司に怒られるかもしれないわ」
アマリアはしばらくの間、逡巡するも、どうやら最終的に好奇心の方が勝ってしまったらしい。
ガラスの反射に映る自分の顔を見ると、いつのまにか表情はニヤけており、口角が上がってしまっている。
好奇心が旺盛なアルタイル星人の性なのだろう。この地球にも猫と呼ばれる我らの同胞が存在しているが、ルーツが同じなのか好奇心が旺盛な種族なのは間違いない。
「よし!決めたわ!この溺死した地球人を蘇生させ、他の惑星に移住させる。そして他の惑星で経験したものをモニタリングして、それらを記録することにしましょう!」
こうしてアマリアはさっそく計画を実行に移すのであった。
アレク(佐藤明)の異世界転生。
その犯人はなんと宇宙人だったのである。
地球では鷲座α星、通称「アルタイル」と呼ばれる惑星から仲間と共に宇宙船に乗って遥々地球へとやって来た。
我ら探索チームの今回の主な任務内容は地球の文明と歴史を調査することだ。
事前資料によると地球文明は核技術の開発に成功し、それをエネルギー供給するどころか軍事利用するところまでに至ったらしい。
これを機に他の惑星からも地球への調査が進められており、地球が他の惑星と交流できる文明レベルに達することができるか、また核兵器によって自分達の星を滅ぼさないかという懸念もあって今地球という星は注目を集めている。
他の惑星の人々から得た情報は入手できないため、自分たちの力で独自に情報収集しなくてはならないのだ。
今後数百年、数千年、時空を超えながら地球文明の推移に参考になるような出来事を記録することになっている。
こうして私たち探索チームは本部の指示に従って、地球付近にある「月」と呼ばれる星へと移動した。ここには母星の拠点がある。
太陽の当たらない月の裏側には数多くの基地があり、他の惑星からも数多く宇宙船が飛来している。
我々の宇宙船は月の内部へと入る。
月内部にある基地からの誘導に従い、その内部にある居住区域へと移動した。
この場所を利用して、今後定期的に地球の探索を行うこととなっている。
こうして私の地球探索生活が始まった。
最初は文明だけでなく、地球人の価値観の違いに戸惑っていたが、時間と共に受け入れられるようになり、やがて地球の文化を学ぶ意欲が湧くまでになった。
ちなみに私の担当地域は日本と呼ばれる島国だ。
今日は東京という都市を調査することになっており、宇宙船に乗って東京湾から少し離れた海岸沿いを飛行している。
今回本部からの命令でとある海域に我らの居住エリアをつくることになったのだ。
私はその候補地の下見へとやって来た。
いくつかの候補地を調査した結果、日本で1番発展している東京という都市に近い房総半島と呼ばれる地域が最適であると結論付けた私は周辺の海岸沿いの調査をすることにした。
そして私は視察の途中で海面に浮かぶ地球人をモニター越しで発見してしまった。
「あれは、地球人だな。・・・・・・んー、あれは何をしているだろう」
気になった私はしばらく宇宙船を静止させ、海に浮かんでいた地球人を観察する事にした。しかし、海面に漂うその地球人は数分もしないうちに波に呑まれて沈んでいったようだ。
モニターには赤い枠で示された地球人が少しずつ海流に運ばれて沈んでいる様子が表示されている。
「あれ?あの地球人、長時間海に入ったままで大丈夫なのかしら。地球人が海底に住んでいるとは調査結果には無かったはずだけど」
海流に流される赤い枠は少しずつ遠ざかっており、枠も赤色から白色へと変化していた。
アマリアは黙考する。
あの地球人は海流に身を任せて移動しているのかもしれない。
「んー、ひょっとして、すでに地球人たちの海中都市が海面にあるのかもしれないわね。私たちの調査漏れがあったのかも、少し調べてみようか」
波に呑まれた地球人の行方が気になったため宇宙船を移動させることにした。
宇宙船の高度を下げて着水、その後潜水モードに切り替えて点滅する白い枠を追って海の中を探索する。
しばらくして、先ほど沈んでいた地球人を発見した。どうやら地球人はすでに死んでしまったようだ。
「この地球人、ただの溺死のようだ。念のため、この付近の海底も探索したけど、海底都市どころか住居らしきものも何もないみたいだし、んー、どうしようか。あ!そうだ!いい事考えた!」
アマリアは閃きとともに手を打った。
溺死した地球人に下手に干渉せずにこのまま見捨てようかと思ったが、少し考えてせっかくの機会だから助けてみようと思うに至ったのだ。アマリアは最近日本の文化資料としてこの国のごく一部の人間たちに流行っているとされる異世界への転生経験を題材にした物語のことを思い出した。
「調査のために読んでみたけど、結構面白かったよね」
アマリアは考える。
もし地球人がその物語の様に異世界に転生し、経験するとしたらどのような反応をし、魂の経験を積むのか。
「昔の夏休みの課題を思い出すわね。昔飼っていたペットも世話するの忘れてお兄ちゃんとお母さんに怒られたっけ」
アルタイル星の学校にも夏休みがあるらしい。昔飼っていたペットとは当時流行っていた小さなグレイと呼ばれる人造生命体の事だ。あまり外見は可愛くはないが、非常におとなしく、また賢いので育成ゲームとして子供達の間で流行していた。
アマリアは円筒形のガラス容器に入っていたリトルグレイに餌も与えず死なせてしまった経験がある。
痩せこけたペットの死骸を捨てようとしたところに母親に見つかって、その後こっぴどく怒られてしまった。
アマリアは逡巡する。
「久しぶりに何かやってみたいと思っていたのよね。せっかく地球の探索チームに入ったのだし、少し個人的な課題でもしようかしら」
地球人の異世界転生とその観察記録。
そう考えただけでアマリアの胸の内にある好奇心が満開と咲く花が舞い上がるような気分で満たされていく。しかし、その後すぐに冷静を取り戻し、アマリアは再考する。
「でも、勝手に地球人への過度な干渉を行えば、あとで上司に怒られるかもしれないわ」
アマリアはしばらくの間、逡巡するも、どうやら最終的に好奇心の方が勝ってしまったらしい。
ガラスの反射に映る自分の顔を見ると、いつのまにか表情はニヤけており、口角が上がってしまっている。
好奇心が旺盛なアルタイル星人の性なのだろう。この地球にも猫と呼ばれる我らの同胞が存在しているが、ルーツが同じなのか好奇心が旺盛な種族なのは間違いない。
「よし!決めたわ!この溺死した地球人を蘇生させ、他の惑星に移住させる。そして他の惑星で経験したものをモニタリングして、それらを記録することにしましょう!」
こうしてアマリアはさっそく計画を実行に移すのであった。
アレク(佐藤明)の異世界転生。
その犯人はなんと宇宙人だったのである。
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