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幼少期編
モブ王子魔法を覚える
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僕が5歳になった頃、いよいよ王子としての教育が始まった。
まずは王族としての言葉遣い、所作などマナーの教育からはじめることになった。
そしてそのための家庭教師がやってきた。
名前はアバウト・センシス。
三十代前半の男、眼鏡をつけて茶色の長い髪は後ろで結んでいる。
細い面長な顔で少し釣り上がった目はキツそうな感じだった。
ちょっと口を尖らせてプライドの高そうな印象だ。名前とは全然違って色々と細かい。
所作などは王族なのですからと非常に細かいところばかり指摘してくる。
「アレク様、良いですか?王子としての品格を落とさぬよう、威厳を保たねばなりません。顎を引き、背筋を伸ばしたままの姿勢で椅子に座ってください」
「・・・・・・はぁい」
「はぁいではありません!アレク様!返事は『はい!』もしくは『わかった』でお願いします!」
「・・・・・・わかった」
「それでは授業を始めます」
(早くおわらないかな・・・・・・・)
所作の授業が終わった後、アバウトは何冊か本を持ってきていて俺に簡単な文字、数字を覚えさせた。
前世の知識もあり、文字を覚えるのには苦労しなかったが、文字さえ覚えてしまえばある程度の文法や短文は非常に簡単な内容だったため、多少分厚い本でも読むこともできた。
知らない言葉は先生に聞けば教えてくれるので、この世界の歴史、成り立ちや王宮での儀式、魔法の本など片っ端から読んでいった。
魔法の本を読んだところですぐに魔法が使えるわけではないが、魔法を使うための方法がなんとなくわかった。
やっぱり異世界といえば魔法だよね。
魔法の原理は、想像力と体内にあるマナと呼ばれる魔力を感じ取りながら具体化させるというもの。
できるかどうかはやってみなくてはわからない。
授業では座学のみでまだ教えてくれなかったので、とりあえず夜中に一人で寝室で試してみた。
試しによくメイドや調理場でやる魔法で、生活魔法と呼ばれる水を出す魔法をやってみた。
まず手のひらから水が出てくるイメージをする。
そして体内のマナを感じ取りながら水をイメージする箇所にマナのエネルギーを注いでいく感じだ。
魔法を使うときには皆魔法の呪文?を詠唱するのだが、俺にはよくわからなかったので、異世界転生ものによくある無詠唱をやってみた。
体内のマナを感じ取るところがなかなかうまくいかない。
う◯ちをするように踏ん張ったところでオナラ以外出るわけもない。
一応王子だしね。あまり下品な表現はやめた方が良いな。下品な男はモテないしね。
感覚的に筋肉以外の力を使うことがまだわからない。
仕方ないので今度は自分のおへそあたりにマナという力がないか、あればそれを蓄えてみようと思った。
しかしマナといってもなかなかイメージできない。どうしようかと考えていたら前世の知識でイメージ的なものがピーンときた。
(そうだ!手で回す懐中電灯のようにぐるぐるまわしながらライトを灯す感じでやってみよう。)
しばらく自分の体内で特におへそのあたりにぐるぐるとゼンマイを巻きながら充電していくイメージをしてみた。
そしておへそあたりにマナが光輝くようにイメージしてみた。
体感時間で一時間ほどした時だ。
「ん?」
なんかお腹あたりがムズムズする。
お腹のガスではないよ?
なんかモヤモヤというか、温かいものがおへそあたりに感じるようになった。
「ひょっとしてこれ?」
試しにこれをマナだと仮定してお腹から右手の方に温かいものを移動させられるか試してみた。
少しずつ少しずつ・・・・・・、
慎重に、確かな感覚でお腹から神経を通して右手に力を移動させる。
最初はなんとも反応しなかったが、少しずつだが、お腹あたりから胸の方に上がってくる感じ。
2分で約1センチほど移動する感じだ。
なんか掘削工事みたいだ。ずーっとその力をイメージしてみたらなんとか右の肘あたりまできた。
もうすぐ夜明けだ。だいぶ外が明るくなってきた。
あとちょっと・・・・・・、
約1時間ほどだろうか、ようやく手のひらが温かくなってきた。
いよいよだ。
さっそく水の魔法をやってみたい。
前世の知識を利用してみる。水の魔法でイメージするのはやはり水鉄砲だろう。
人差し指を出して手を銃のようにしてみる。
そしてイメージと温かい感覚を繋ぎ合わせていく。
「水よ!出ろ!」
急に指先がしびれて熱くなってくる。
すると、
ぴゅーーーちょろちょろ。
「で、出た・・・・・・」
なんと指先から水が出たのだ。
「やったーーー!!」
もう徹夜でハイテンションになった俺は思わず立ち上がってガッツポーズをした。
しかし、
「あ、アレ?」
立ち上がった途端目の前が真っ暗になった。
後で知ったことだが、どうやら魔力切れで倒れたらしい。
朝になるとメイドが起こしに来てくれた。
そこにはベッドの一部が濡れており、意識を失った俺がちょうど良いそのポジションに合わせて寝ていたので、メイドは俺がお漏らししたと勘違いしてしまった。
【アレク王子、5歳にしておねしょ事件】
その後、いくらメイドに事情を説明し、事実を否定しても「はい、わかっておりますわ」と優しく言ってくれるだけで全然信じてくれなかった。(涙)
結局冤罪を正すことはできなかった。
しかし!
とにかく僕はやり遂げた!
魔法使いデビューを成したのだ!!
おねしょの事はもう諦めよう。
ま、まだ5歳だしね。
次やったら弟のせいにすれば良いかも。
弟の部屋で練習しても良いな。
よし!そうしよう。
そういえば、母さまがそろそろ出産するみたいだ。今度は女の子だったら良いな。妹だったら可愛くて美少女になるに違いない。
そうしたらお兄ちゃん娘にしよう。
結婚するならお兄ちゃんと・・・・・・なぁんて!
いやあ、そしたらどうしようかしら。
えへへ。
アレクの気持ち悪い妄想は続く。
まずは王族としての言葉遣い、所作などマナーの教育からはじめることになった。
そしてそのための家庭教師がやってきた。
名前はアバウト・センシス。
三十代前半の男、眼鏡をつけて茶色の長い髪は後ろで結んでいる。
細い面長な顔で少し釣り上がった目はキツそうな感じだった。
ちょっと口を尖らせてプライドの高そうな印象だ。名前とは全然違って色々と細かい。
所作などは王族なのですからと非常に細かいところばかり指摘してくる。
「アレク様、良いですか?王子としての品格を落とさぬよう、威厳を保たねばなりません。顎を引き、背筋を伸ばしたままの姿勢で椅子に座ってください」
「・・・・・・はぁい」
「はぁいではありません!アレク様!返事は『はい!』もしくは『わかった』でお願いします!」
「・・・・・・わかった」
「それでは授業を始めます」
(早くおわらないかな・・・・・・・)
所作の授業が終わった後、アバウトは何冊か本を持ってきていて俺に簡単な文字、数字を覚えさせた。
前世の知識もあり、文字を覚えるのには苦労しなかったが、文字さえ覚えてしまえばある程度の文法や短文は非常に簡単な内容だったため、多少分厚い本でも読むこともできた。
知らない言葉は先生に聞けば教えてくれるので、この世界の歴史、成り立ちや王宮での儀式、魔法の本など片っ端から読んでいった。
魔法の本を読んだところですぐに魔法が使えるわけではないが、魔法を使うための方法がなんとなくわかった。
やっぱり異世界といえば魔法だよね。
魔法の原理は、想像力と体内にあるマナと呼ばれる魔力を感じ取りながら具体化させるというもの。
できるかどうかはやってみなくてはわからない。
授業では座学のみでまだ教えてくれなかったので、とりあえず夜中に一人で寝室で試してみた。
試しによくメイドや調理場でやる魔法で、生活魔法と呼ばれる水を出す魔法をやってみた。
まず手のひらから水が出てくるイメージをする。
そして体内のマナを感じ取りながら水をイメージする箇所にマナのエネルギーを注いでいく感じだ。
魔法を使うときには皆魔法の呪文?を詠唱するのだが、俺にはよくわからなかったので、異世界転生ものによくある無詠唱をやってみた。
体内のマナを感じ取るところがなかなかうまくいかない。
う◯ちをするように踏ん張ったところでオナラ以外出るわけもない。
一応王子だしね。あまり下品な表現はやめた方が良いな。下品な男はモテないしね。
感覚的に筋肉以外の力を使うことがまだわからない。
仕方ないので今度は自分のおへそあたりにマナという力がないか、あればそれを蓄えてみようと思った。
しかしマナといってもなかなかイメージできない。どうしようかと考えていたら前世の知識でイメージ的なものがピーンときた。
(そうだ!手で回す懐中電灯のようにぐるぐるまわしながらライトを灯す感じでやってみよう。)
しばらく自分の体内で特におへそのあたりにぐるぐるとゼンマイを巻きながら充電していくイメージをしてみた。
そしておへそあたりにマナが光輝くようにイメージしてみた。
体感時間で一時間ほどした時だ。
「ん?」
なんかお腹あたりがムズムズする。
お腹のガスではないよ?
なんかモヤモヤというか、温かいものがおへそあたりに感じるようになった。
「ひょっとしてこれ?」
試しにこれをマナだと仮定してお腹から右手の方に温かいものを移動させられるか試してみた。
少しずつ少しずつ・・・・・・、
慎重に、確かな感覚でお腹から神経を通して右手に力を移動させる。
最初はなんとも反応しなかったが、少しずつだが、お腹あたりから胸の方に上がってくる感じ。
2分で約1センチほど移動する感じだ。
なんか掘削工事みたいだ。ずーっとその力をイメージしてみたらなんとか右の肘あたりまできた。
もうすぐ夜明けだ。だいぶ外が明るくなってきた。
あとちょっと・・・・・・、
約1時間ほどだろうか、ようやく手のひらが温かくなってきた。
いよいよだ。
さっそく水の魔法をやってみたい。
前世の知識を利用してみる。水の魔法でイメージするのはやはり水鉄砲だろう。
人差し指を出して手を銃のようにしてみる。
そしてイメージと温かい感覚を繋ぎ合わせていく。
「水よ!出ろ!」
急に指先がしびれて熱くなってくる。
すると、
ぴゅーーーちょろちょろ。
「で、出た・・・・・・」
なんと指先から水が出たのだ。
「やったーーー!!」
もう徹夜でハイテンションになった俺は思わず立ち上がってガッツポーズをした。
しかし、
「あ、アレ?」
立ち上がった途端目の前が真っ暗になった。
後で知ったことだが、どうやら魔力切れで倒れたらしい。
朝になるとメイドが起こしに来てくれた。
そこにはベッドの一部が濡れており、意識を失った俺がちょうど良いそのポジションに合わせて寝ていたので、メイドは俺がお漏らししたと勘違いしてしまった。
【アレク王子、5歳にしておねしょ事件】
その後、いくらメイドに事情を説明し、事実を否定しても「はい、わかっておりますわ」と優しく言ってくれるだけで全然信じてくれなかった。(涙)
結局冤罪を正すことはできなかった。
しかし!
とにかく僕はやり遂げた!
魔法使いデビューを成したのだ!!
おねしょの事はもう諦めよう。
ま、まだ5歳だしね。
次やったら弟のせいにすれば良いかも。
弟の部屋で練習しても良いな。
よし!そうしよう。
そういえば、母さまがそろそろ出産するみたいだ。今度は女の子だったら良いな。妹だったら可愛くて美少女になるに違いない。
そうしたらお兄ちゃん娘にしよう。
結婚するならお兄ちゃんと・・・・・・なぁんて!
いやあ、そしたらどうしようかしら。
えへへ。
アレクの気持ち悪い妄想は続く。
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