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学園編
アマリアの観察日誌③
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アレクが転生して12年経った。
その原因ともなったアルタイル星の猫人アマリアであるが、最近彼女はとても忙しく、異世界に送り込んだアレクの状況を観察する余裕など全く無かった。
「あーもう!忙しい!!なんで私ばっかり仕事が増えるのさ!!」
そう愚痴を言いながらもアマリアはポリポリとポテチを食べる。
地球に来てコーラとポテチにハマったアマリアは最近になって腹部が少し丸みを帯び、顔もツヤツヤというよりもテカテカとしている。
そしてそんなアマリアは最近ハマった食べ物を出し始める。
「ふふーん♪やっと癒しの時間だわー」
アマリアが保存用のボックスから取り出したものは
パラッパパーン!
「チョコアイスー!」
パカっ(蓋をあける音)
「えへへ♪おいしー♪」
でっかいチョコアイスを取り出し、スプーンでペロペロと舐め始めるアマリア。
地球より何百年も進化した知的生命体である猫型宇宙人のアマリアも最近やや語彙が退化しており、それに伴って残念な言動も多いようだ。それでもつい最近までハマっていた猫語も少し落ち着いてきたのか元の話し方に戻っている。
またアマリアは最近やけに忙しいと言っているのだが、ちゃんと原因はある。
アマリアは日本の文化を理解したいと言いながらも実はその仕事の内容のほとんどが食べ物、映画やゲーム、漫画などにハマっただけであった。
それを上司に見抜かれたのか、以降、上司からの直接指導のもと現地視察や書類作成、さらには報告業務の数がブラック企業さながら今までになく増えてしまったのだ。
どうやら異星人の社会もなかなか世知辛いようだ。
もちろんアマリアは上司に逆らえるはずもなく、ただただ指示にしたがって仕事することになる。
因果応報である。
しかし多忙のはずのアマリアは自分のやりたいことを我慢することも出来ずに仕事の合間に時間をつくっては息抜きと称して漫画、小説、アニメにも時間を費やしていた。
結果、過労死までいかなかとも二徹三徹するほど忙しくなった。
またストレス発散と称してはコーラやポテチ、ピザやラーメン、アイスなどに食指を延ばすのであった。
彼女の体型の変化は当然、いや必然の結果である。いまや彼女の姿は日本で最も有名な猫型ロボットの体型に近づいている。
そのうち「どら焼き」にもハマるに違いない。
まさに因果応報。
そんなアマリアだが、今は久しぶりの休日とあって久方ぶりの自由を満喫していた。
いつものストレス発散のバカ喰いを終え、読みたかった新作の漫画を読み終えたアマリアはふとアレクの事を思い出す。
「あ、そういえばあの少年どうなったかニャ」
最近多忙だったがゆえにすっかりアレクの事を忘れていたアマリアは久しぶりにアレクの異世界生活を観察することにした。
「へー、学園に入ったのねー。おっ!魔法だけじゃなく剣もつかえるんだ。なかなか頑張ってるじゃない」
チョコアイスを食べながらポテチに手を伸ばすアマリア。
「だいぶ強くなってるニャー。やっぱり異世界って面白いわ。環境が変わると皆強くなるなんてにゃあ、地球とそんなにも違うのかなあー、なんでだろー」
アレクが学園でやらかした映像を見て笑い転げるアマリア。
「うけるわー、叱られてるし、でも可愛い子と婚約できてよかったねー♡まあ婚約者破棄されないように頑張ってほしいものねー」
なんで異世界モノって婚約破棄の話ばかりあるのかしら。あんなに婚約破棄ばかりしたら王族も貴族もメンツ丸潰れだろうにねえ。面白いからいいんだけど。
「ま、現実はこのアイスほど甘くない。この私でさえこんなにも忙しくてさあ大変で苦労してるんだもん。この子だけ異世界転生してハッピー!・・・だなんてこの私が許さないニャ!」
そう言ってアマリアはアイスをガツガツ食べる。
続いてアレクがエリクサーを作り出したところを見たアマリアは意表をつかれたかのように驚いた。
「え!?万能薬?なんでそんなものが作れるの?」
因果を超えた力。
万能薬は神の奇跡の証明として存在が許されている。
そんなものをこの異世界転生した普通?の男の子が作り出してしまうなんて理解を超えている。
「な、なんで!?こんなものがあの星で作れるのかしら。理解できない。そんな、私にも理解できないなんて・・・ありえないわ!」
文明や科学技術は地球よりも、またアレクの星よりもアルタイル人の方が圧倒的に進化している。
その星の一応エリートであるアマリアでさえ万能薬の存在に対して解明できず理解不能であった。また驚きすぎたのか猫語を忘れて素の話し方に戻ってしまっている。
「な、なんでなんだろ。やっぱり剣と魔法の世界って凄いわね。私にも理解できない物があるなんて素晴らしい発見だわ!やっぱりこの子を異世界転生させたのは正解だったわね!」
さっきまで理解不能と狼狽えていたアマリアだが、万能薬を作るアレクを転生させたのは自分、だから万能薬はその自分の手柄だと主張し始めた。
彼女の論理は地動説ならぬ天動説。
全て自分中心なのだ。
「よし、万能薬をコピーをしてこっちに転送させておこっと。ウフフ!大発見よ!この万能薬さえあれば私でもあの爬虫類型宇宙人とも戦えそうね」
アマリアのいう爬虫類型宇宙人とは凶暴で戦闘に強い種族であり、よく他の星を侵略している悪質な宇宙人たちである。
異星人であるアマリアたちも一応レプタリアンたちから地球を護るための警備の仕事も担当しており、怪しい宇宙人を乗せたUFOや爬虫類型宇宙人のUFOを発見した場合は即座に本部に報告する義務があった。
「そういえばあの星って、だいぶ大昔に爬虫類型宇宙人に滅ぼされたんだった」
アレクの転生先は太古に滅ぼされた星だった。もしアレクに知れたらそんなところに勝手に転生させないでほしいと思ったことだろう。
「うーん、万能薬かぁ。レプタリアンには知られたくないわね。あの薬の存在が知れたら間違いなく奪いに来るわ」
そうなったらあの星は間違いなく滅ぶ。
「まさか転生先が滅びゆく世界だなんて、あの子にはちょっと可哀想だったかな」
うーん。
ま、いっか。
「仕方ないわよね。まあ万能薬がレプタリアンの手に入らないようにだけ祈るしかないわね」
無責任な猫型宇宙人はそう言って(アイスの)匙を(ゴミ箱に)投げた。
その原因ともなったアルタイル星の猫人アマリアであるが、最近彼女はとても忙しく、異世界に送り込んだアレクの状況を観察する余裕など全く無かった。
「あーもう!忙しい!!なんで私ばっかり仕事が増えるのさ!!」
そう愚痴を言いながらもアマリアはポリポリとポテチを食べる。
地球に来てコーラとポテチにハマったアマリアは最近になって腹部が少し丸みを帯び、顔もツヤツヤというよりもテカテカとしている。
そしてそんなアマリアは最近ハマった食べ物を出し始める。
「ふふーん♪やっと癒しの時間だわー」
アマリアが保存用のボックスから取り出したものは
パラッパパーン!
「チョコアイスー!」
パカっ(蓋をあける音)
「えへへ♪おいしー♪」
でっかいチョコアイスを取り出し、スプーンでペロペロと舐め始めるアマリア。
地球より何百年も進化した知的生命体である猫型宇宙人のアマリアも最近やや語彙が退化しており、それに伴って残念な言動も多いようだ。それでもつい最近までハマっていた猫語も少し落ち着いてきたのか元の話し方に戻っている。
またアマリアは最近やけに忙しいと言っているのだが、ちゃんと原因はある。
アマリアは日本の文化を理解したいと言いながらも実はその仕事の内容のほとんどが食べ物、映画やゲーム、漫画などにハマっただけであった。
それを上司に見抜かれたのか、以降、上司からの直接指導のもと現地視察や書類作成、さらには報告業務の数がブラック企業さながら今までになく増えてしまったのだ。
どうやら異星人の社会もなかなか世知辛いようだ。
もちろんアマリアは上司に逆らえるはずもなく、ただただ指示にしたがって仕事することになる。
因果応報である。
しかし多忙のはずのアマリアは自分のやりたいことを我慢することも出来ずに仕事の合間に時間をつくっては息抜きと称して漫画、小説、アニメにも時間を費やしていた。
結果、過労死までいかなかとも二徹三徹するほど忙しくなった。
またストレス発散と称してはコーラやポテチ、ピザやラーメン、アイスなどに食指を延ばすのであった。
彼女の体型の変化は当然、いや必然の結果である。いまや彼女の姿は日本で最も有名な猫型ロボットの体型に近づいている。
そのうち「どら焼き」にもハマるに違いない。
まさに因果応報。
そんなアマリアだが、今は久しぶりの休日とあって久方ぶりの自由を満喫していた。
いつものストレス発散のバカ喰いを終え、読みたかった新作の漫画を読み終えたアマリアはふとアレクの事を思い出す。
「あ、そういえばあの少年どうなったかニャ」
最近多忙だったがゆえにすっかりアレクの事を忘れていたアマリアは久しぶりにアレクの異世界生活を観察することにした。
「へー、学園に入ったのねー。おっ!魔法だけじゃなく剣もつかえるんだ。なかなか頑張ってるじゃない」
チョコアイスを食べながらポテチに手を伸ばすアマリア。
「だいぶ強くなってるニャー。やっぱり異世界って面白いわ。環境が変わると皆強くなるなんてにゃあ、地球とそんなにも違うのかなあー、なんでだろー」
アレクが学園でやらかした映像を見て笑い転げるアマリア。
「うけるわー、叱られてるし、でも可愛い子と婚約できてよかったねー♡まあ婚約者破棄されないように頑張ってほしいものねー」
なんで異世界モノって婚約破棄の話ばかりあるのかしら。あんなに婚約破棄ばかりしたら王族も貴族もメンツ丸潰れだろうにねえ。面白いからいいんだけど。
「ま、現実はこのアイスほど甘くない。この私でさえこんなにも忙しくてさあ大変で苦労してるんだもん。この子だけ異世界転生してハッピー!・・・だなんてこの私が許さないニャ!」
そう言ってアマリアはアイスをガツガツ食べる。
続いてアレクがエリクサーを作り出したところを見たアマリアは意表をつかれたかのように驚いた。
「え!?万能薬?なんでそんなものが作れるの?」
因果を超えた力。
万能薬は神の奇跡の証明として存在が許されている。
そんなものをこの異世界転生した普通?の男の子が作り出してしまうなんて理解を超えている。
「な、なんで!?こんなものがあの星で作れるのかしら。理解できない。そんな、私にも理解できないなんて・・・ありえないわ!」
文明や科学技術は地球よりも、またアレクの星よりもアルタイル人の方が圧倒的に進化している。
その星の一応エリートであるアマリアでさえ万能薬の存在に対して解明できず理解不能であった。また驚きすぎたのか猫語を忘れて素の話し方に戻ってしまっている。
「な、なんでなんだろ。やっぱり剣と魔法の世界って凄いわね。私にも理解できない物があるなんて素晴らしい発見だわ!やっぱりこの子を異世界転生させたのは正解だったわね!」
さっきまで理解不能と狼狽えていたアマリアだが、万能薬を作るアレクを転生させたのは自分、だから万能薬はその自分の手柄だと主張し始めた。
彼女の論理は地動説ならぬ天動説。
全て自分中心なのだ。
「よし、万能薬をコピーをしてこっちに転送させておこっと。ウフフ!大発見よ!この万能薬さえあれば私でもあの爬虫類型宇宙人とも戦えそうね」
アマリアのいう爬虫類型宇宙人とは凶暴で戦闘に強い種族であり、よく他の星を侵略している悪質な宇宙人たちである。
異星人であるアマリアたちも一応レプタリアンたちから地球を護るための警備の仕事も担当しており、怪しい宇宙人を乗せたUFOや爬虫類型宇宙人のUFOを発見した場合は即座に本部に報告する義務があった。
「そういえばあの星って、だいぶ大昔に爬虫類型宇宙人に滅ぼされたんだった」
アレクの転生先は太古に滅ぼされた星だった。もしアレクに知れたらそんなところに勝手に転生させないでほしいと思ったことだろう。
「うーん、万能薬かぁ。レプタリアンには知られたくないわね。あの薬の存在が知れたら間違いなく奪いに来るわ」
そうなったらあの星は間違いなく滅ぶ。
「まさか転生先が滅びゆく世界だなんて、あの子にはちょっと可哀想だったかな」
うーん。
ま、いっか。
「仕方ないわよね。まあ万能薬がレプタリアンの手に入らないようにだけ祈るしかないわね」
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