えっ、母娘丼じゃん!タカシは彼女とその母親を知らずに 二股してた...

MisakiNonagase

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④雪解けの真実(承前)

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③から続く
相関整理
タカシ(22歳)とシオリ(22歳)は交際中
タカシ(22歳)とミキ(49歳)も交際中※不倫
シオリ(22歳)とミキ(49歳)は実の母娘
※健一(53歳)はミキの夫でありシオリの父親
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タカシが口を開く前に、ミキが一歩前に出た。

顔には決意と絶望が入り混じっていた。

「私から話すわ、シオリ」

ミキの声は震えていたが、はっきりとしていた。長い間、胸にしまい込んでいた重荷を、今ようやく降ろそうとしているようだった。

「タカシくんと私とは、一年以上前から会っていた…」

シオリの目が大きく見開かれた。しかし、彼女は何も言わず、ただ母親の言葉を待った。

「ファミレスのバイトで出会って、自然と仲がよくなっていったの…」

あなたがタカシくんと付き合い始めてすぐの頃から…次第に深まっていったの…」

ミキは言葉を詰まらせ、タカシに助けを求めるように視線を向けた。

タカシが続けた。

「僕が悪い。全部僕の責任だ。君のお母さんに会うたびに、これは間違っているとわかっていた。でも…」

「でもやめられなかった」

ミキが小さな声で呟いた。

「私の人生には、長い間、温もりがなかった。あなたの父とは…もう何年も、ただ同じ屋根の下で暮らしているだけだった。タカシが私に、忘れていた感情を思い出させてくれた」

シオリはゆっくりと首を振った。

「私の恋人と?ママ、私の恋人と?」

その声には、怒りよりも深い悲しみがにじんでいた。

「ごめんなさい」

ミキの涙が止めどなく流れた。

「何度も終わらせようとした。でも、あなたがタカシのことをどれだけ愛しているか話すたびに、言い出せなくなって…」

「だからプロポーズしたんだ」

シオリはタカシを見つめた。

「早く結婚したいって言ったのは、ママとの関係を終わらせるため?」

タカシはうつむいた。

「そうだ。結婚すれば、自然に距離ができると思った。でも…」

「でもできなかった」

シオリが代わりに言葉を続けた。

「クリスマスのとき、二人の様子がおかしかった。あの時はっきりとわからなかったけど、今ならわかる。あの緊張感…恋人同士が人前で必死に平静を装う時の、あの不自然な空気」

三人の間に重い沈黙が流れた。

「どれくらい?」

シオリが尋ねた。

「どれくらい続いていたの?」

「一年四ヶ月」タカシが答えた。

シオリは息を呑んだ。

彼女とタカシが付き合ってから、一年六ヶ月。つまり、彼らの関係が始まってわずか二ヶ月後には、この裏切りが始まっていたのだ。

「信じられない」

シオリが呟いた。

「私の人生で最も大切な二人が…」

その時、ドアが開き、健一が帰宅した。
出張から一日早く戻ってきたのだ。

「おや…」健一は明るく声をかけたが、すぐに室内の異様な空気に気づいた。

「どうした?何かあったのか?」

四人が立ち尽くすリビング。窓の外では、雪が激しく舞い始めていた。

ミキが夫を見つめ、深く息を吸い込んだ。

「健一さん…話があるの。私とタカシくんのことについて」

健一の表情が硬直した。妻の目に、これまで見たことのない決意が宿っているのを見て取った。

「何だ?どういうことだ?」

タカシがシオリの手を握ろうとしたが、彼女はさっと手を引いた。

「触らないで」

その一言に、すべてが決定的になった。

タカシの目に、初めて本物の後悔の色が浮かんだ。これまでこの関係がシオリを傷つけるとは頭では理解していたが、今、実際に彼女の目の前に立ち、その痛みを目の当たりにして、初めて自分たちが何をしてきたのかを実感した。

「出て行って」
シオリの声は冷たかった。

「今すぐ」

「シオリ、ごめん…」

「出て行って!」

タカシはうつむき、ゆっくりとドアの方へ歩き出した。振り返ることなく、その場を去った。

ドアが閉まる音が、部屋中に響き渡った。

健一はまだ状況を理解できていないようだった。「いったい何が?ミキ、タカシくんと何があったんだ?」

ミキは夫の前にひざまずいた。

「ごめんなさい。私、タカシくんと…関係を持っていました」

時間が止まったように感じられた。健一の顔から血の気が引き、ゆっくりとソファに腰を下ろした。

「冗談だろう」
彼の声はかすれていた。

「俺の妻が…娘の恋人が…」

「本当よ。一年以上も」

健一はシオリを見た。娘の頬を伝う涙を見て、それが真実だと悟った。

「なぜだ?」

健一の声には怒りがこもり始めていた。

「なぜそんなことを?」

「私だって知りたい」シオリが言った。

「なぜ、ママ?なぜ、私をこんなに傷つけるようなことを?」

ミキは二人の間を見つめ、自分がどれだけ深い闇に足を踏み入れていたかを理解した。一時の温もり、寂しさからの逃避が、家族全体を崩壊させるほどの代償を伴うとは夢にも思わなかった。

「すべて私のせい…」ミキが泣きながら言った。

「私がタカシくんを誘惑したようなものだから…」

「それは違う」

突然、ドアが再び開き、タカシが戻ってきた。彼の目も赤く、頬には涙の跡があった。

「僕も同じくらい悪い。シオリを愛していると言いながら、お母さんとも関係を続けた。僕は…自分が何をしたいのか、わからなくなっていた」

タカシはシオリの方に向き直った。

「君を愛している。それは本当だ。でも…君のお母さんにも惹かれていた。二つの愛の間で、僕はぐらついていた。弱くて、愚かで…」

「愛?」シオリの声には初めて怒りがこもった。

「それを愛と呼ぶの?私を騙し、パパを騙し、家族を壊すことを?」

「違う!そうじゃ…」

「黙って!」シオリが叫んだ。

「もう何も聞きたくない。二人とも、私の人生から消えて!」

シオリはコートも取らずに家を飛び出した。

外は吹雪になり始めており、彼女の姿はすぐに雪に飲み込まれた。

「シオリ!」タカシが追いかけようとしたが、健一に止められた。

「お前はもうここに来るな」

健一の声は冷たく、鋭かった。

「二度と俺の家族に近づくな」

タカシはその場に立ち尽くし、自分がすべてを失ったことを悟った。恋人も、ミキとの関係も、そしておそらく自分自身の尊厳も。

家の中では、ミキと健一が向き合っていた。

「離婚しよう」健一が静かに言った。

「これ以上、一緒にいられない」

ミキはうなずくしかなかった。どんな言い訳も、この状況では無意味だった。

「シオリには…私から話す」ミキが涙ながらに言った。「彼女を傷つけた責任は、私が取る」

「遅すぎる」健一が窓の外を見つめながら言った。「もう傷は深すぎる」

その夜、シオリは友人の家に身を寄せた。スマホの電源を切り、誰とも話したくなかった。ただ、窓の外で降り積もる雪を見つめながら、自分の中に広がる虚無感と向き合っていた。

彼女の人生は、たった一日で完全に変わってしまった。最も信頼していた二人からの裏切りは、彼女の世界の基盤を根底から揺るがした。

一方、タカシは自宅で、シオリとミキの両方に送ったメッセージが既読されないままであることを確認していた。彼の行動は、取り返しのつかない結果を招いた。二つの関係を同時に維持しようとした愚かさが、すべてを台無しにした。

ミキは一人、暗いリビングに座り、過去一年を振り返っていた。タカシとの関係は、最初は寂しさからの逃避だった。しかし次第に、それは彼女にとって唯一の生きがいになっていた。娘の恋人という禁忌を犯しているという罪悪感さえ、その関係をより刺激的に感じさせた。

しかし今、その代償が目の前にあった。家族を失い、娘からの信頼を失い、自分自身への尊敬も失った。

次の朝、雪は止み、太陽が顔を出していた。しかし、三人の心にはまだ深い冬が続いていた。

シオリはようやくスマホの電源を入れ、数十件の着信とメッセージを確認した。ほとんどがタカシとミキからのものだった。しかし、一通だけ、父・健一からのメッセージが目に入った。

「シオリ、どこにいるか教えてくれ。お前だけは失いたくない。会おう。話そう」

そのメッセージを見て、シオリは初めてその朝、泣いた。すべてを失ったわけではない。少なくとも父は、彼女の味方でいてくれる。

彼女は返信を打った。

「パパ、会いたい。でも、今は一人になりたい。時間をください」

雪解けが始まると、長い間隠されていたものが姿を現す。この家族にも、真実という名の雪解けの季節が訪れた。それがどんなに痛みを伴うものであっても、春が来る前に通らなければならない道だった。

三人それぞれが、これからどう生き直すのか。壊れた信頼は、再び築くことができるのか。それとも、この傷は永遠に癒えないままなのか。

雪は解け始めたが、心の冬はまだ長く続きそうだった。

(完)
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