【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ

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第一部 異世界ものの定番の人たち

82. 異世界377日目 車の免許を取りに行く。

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 車の運転については一応免許という制度があるのでそれを取得することが義務づけられているようだ。
 何かあったときに免許がなかった場合、かなりの処罰が下されるみたいで、町中での無免許運転はまずないらしい。郊外とかの人がいないところではあまり関係ないようだけどね。
 車を持つこと自体が維持費を含めてかなり大変なので、無免許運転することがそもそもないことではある。


 講習代は結構高いが、3日間で終わるらしいので日本の免許と比べるとかなり簡単だ。原チャだとすぐなのに、うちの家では原チャは危ないからといわれて二輪免許じゃないと取らせてくれなかったけど。

 役場で予約を取って空いていたら受講できるんだが、それほど受ける人もいないので今日からでもできるようだ。3日間だけなんだが、なんと講習代が一人1万ドールである。
 車を持つのがお金持ちだけで、その運転手も雇い入れてからとらせることも多いため、この値段のようだ。取ると他国でもそのまま有効らしい。


 講習の初日は学識関係で、2日目は郊外、3日目は町中での練習となるが、その日の最後に試験があって落ちると追試となるが一回5000ドールかかってしまう。合格率はかなり高いようだけどね。


 早速講習となるが、受けるのは自分たちだけだ。町の中や走る時のルール、標識についての勉強となる。町の中は一方通行が基本なんだが、すれ違いの時は左側を走るらしい。日本と同じだな。ジェンは「なんで左?」とちょっと怒っている。
 その他簡単な車の構造についても説明がある。やはり構造はモーターのような感じで、ただそれ以外にも冷却器や車輪などの説明だ。
 その日の最後に簡単な試験もあるのでそれに合格しなければならない。まあ、さすがに合格できたけどね。

 翌日から実技となるんだが、まずは郊外に出てから車の運転についての練習だ。車にあるのはアクセルとブレーキだけで、感覚的にはゴーカートというイメージだ。

 ジェンは地球でも運転はしたことがあるみたいでかなり慣れている感じだ。ただ、右側通行に慣れているせいか、反対に走りそうになってしまうのが問題だ。

 郊外での運転で大丈夫となったところで町中での練習となる。町中に造られた細い道やスペースへの停車の練習だ。2日間の研修を終えて終了となる。
 実技は特に試験もなく、課題をクリアしていけばいいみたいで、自分もジェンも無事に免許を取ることができた。



 終了後は役場に戻って車の免許を追記してもらうだけだ。

身分証明証はいまはこんな感じである。

名前:ジュンイチ
生年月日:998年10月30日
年齢:18歳
職業:冒険者(上階位・アース)
賞罰:なし
資格:車運転
クラス:戦士、魔法使い、治癒士、学者、神の祝福

名前:ジェニファー
生年月日:998年12月15日
年齢:18歳
職業:冒険者(上階位・アース)
賞罰:なし
資格:車運転
クラス:戦士、魔法使い、治癒士、学者、神の祝福

 クラスが結構ついているのであまり見せない方が良さそうな感じになってきた。まあ普通だったら器用貧乏と見られてしまうかもしれないけど、年齢を考えるとなあ。
 普通は賞罰までしか表示しないからいいんだけどね。それ以外は任意に表示することができる。



 夕食は急遽スレインさん達と一緒に外で食べることになったんだが、いざ食べようとしたところでクリスさんが大慌てでやってきた。

「ひどいじゃないか。私に声をかけないなんて。」

「いやいや、思いつきで誘っただけなのにクリスさんまでに声はかけられないですよ。」

「そんなあ。除け者にしないで誘ってくれよ。」

「わかりました、わかりましたから。次からはちゃんと声をかけますよ。」

 どうやらスレインさん達の誰かがクリスさんに連絡したんだろう。最近はだいぶ砕けた感じで話すようになってきている。さすがに普通の席というわけにはいかないので個室を準備してもらって食事をとることになった。
 どうやら王族の人達は車の運転を禁止されているらしく、免許は取れなかったらしい。まあ何かあったときのためなんだろうけどね。それでかなりうらやましがっていた。王族を離れたらとるつもり満々みたいだけどね。

 夕食は割り勘にすることにしているのである意味楽だ。これは最初に決めたことで、最初はクリスさんが全て払うと言ってきていたんだが、それだと一緒に食事はしないと言って割り勘にすることになったのである。
 ちなみにこちらの世界では上司や裕福な人がおごることはあるが、友人などでは割り勘にするのは普通である。クリスさんは最初割り勘という言葉自体が分からなくて説明しなければならなかったけどね。
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