【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ

文字の大きさ
173 / 430
第一部 異世界王族からの依頼

現-8. 現世界23日目 両親と

しおりを挟む
 今日は平日なんだが、両親にも話をして学校は休むことにした。学校には両親から説明してもらう。平日なので制服で移動するのはまずいと思い、ジャケットなどを着ていくことにした。伊達眼鏡も外して若干見た目も変えておく。


 今日の待ち合わせは朝の10時だ。時間に遅れないように早めに移動してから10時ちょっと前にマンションへ。案内されて部屋へ向かいうと、ジェンがドアで出迎えてくれた。
 部屋に案内されて中に入るとかなり大柄な男性とジェンに似た感じの女性が座っていた。とりあえず英語で挨拶をすることにした。

『おはようございます。大岡純一郎と言います。』

『おはよう。まあ座りたまえ。』

 ソファーの向かい合わせに座ると、ジェンが横に座ってきた。目の前にお茶が出されたところで話始めた。

『あらためて、私はドビット・クーコ、隣が妻のキャロラインだ。』

『よろしくね。』

『さっそく本題に入らせてもらうが、君はジェニファーと結婚したいと言うことでいいのかな?』

『はい。』

『君はまだ高校生だ。人生経験もまだ少ないと思う。ジェニファーのことをどこまで理解しているかはわからないが、結婚して幸せになると言い切る覚悟はできているのかな?』

『はい。彼女のことはおそらく誰よりも理解していると思っています。そして自分のことを誰よりも理解してくれているのがジェニファーです。彼女以外には付き合う相手は考えられません。どんなことがあろうと必ず彼女を守り切って見せます。』

『どんなことがあろうとか・・・。』

 あたりにいやな視線を感じる。

『どういうつもりかわかりませんが、こちらも手加減はしなくていいと言うことでいいですかね?8人もいると正直なところ手加減はできませんよ。』

 両親の後ろに控えている二人のボディーガードのような人に視線を送り威圧する。申し訳ないけど、威圧できた時点で勝負はついているよ。

『う・・・あ・・・』

 いくら鍛えていると言ってもスキルとしてある威圧に対してはよっぽどじゃなければ対抗はできないと思うよ。
 ボディーガードの二人はかなりの汗をかき始めた。他に隠れている6人の動向も注意しながら威圧を強めていく。

『はい、そこまで!
 お父さんもいい加減にして!イチにそんなことをしても無駄よ。』

 二人の護衛は威圧を解除したところでヘタリ込んでいた。
 その前にいた父も少し威圧の影響を受けていたようだ。

『ジェニファー・・・父さんは心配なんだよ。』

 ジェンは大丈夫と言っていたが、やっぱり両親としてはよくわからない日本人に娘を預けるというのはかなり心配しているようだ。

『はい、あなたももう十分でしょ?ジェニファーのことをもっと信用してあげなさい。変な人にひっかからないようにちゃんと育ててきたでしょ?特に今年になってからのジェニファーは目を見張るものがあったじゃない。
 ジュンイチさん、ごめんなさいね。財産目当てに娘に近寄ってくる人間も多かったからちょっと過敏になっているのよ。』

『そういえば、ジェンの家は金持ちって言っていたね。まあこんなマンションに住んでいるくらいだからなあ。』

『君はうちの家のことは知らなかったのか?これでも世界で有数の財閥なんだが・・・。』

『すみません。ジェン本人のことしか見ていなかったのでまだ家族のことくらいしか聞いていませんでした。』

『だから、イチは財産目当てとかじゃないって言っていたでしょ。私自身を見てくれているの。それにそんなことをしなくても十分な資産を持っているからね。』

 結局この後、ジェンの家のことを聞いてちょっと驚いてしまった。金持ちだと思っていたけど、そこまでとは・・・。アメリカの富豪恐るべしだな。

 最終的には自分たちのことを認めてくれたんだが、結婚については高校卒業を待ってからと言うことになる。



 話がひと段落したところで一緒に食事をすることになったんだが、ジェンが用意してくれた食事となった。朝から張り切って作っていたらしい。
 食事をしながらいろいろと自分たちのことや家族のことなどの話をして、食事の後は今後のことについて話をした。
 今考えている商売についても協力してくれることとなり、ほっとしている。とりあえずこちらでの経済基盤はなんとかなるかな?まあ持っているアクセサリー類とか貴金属とかだけでも十分な価値はあるんだけどね。


 話が一段落したところでうちの家に向かうこととなり、一緒の車に乗って行くことになった。
 玲奈は学校だったが両親は家にいたので今回のことを話す。両親も結婚のことは納得していたが、本当にいいのかだけ確認していた。
 ジェンの実家が金持ちと言うことは薄々わかっていたようなんだが、予想通りあまり気にしていなかったらしい。ジェンの両親もちょっと驚いていたのでやっぱりうちの両親も普通じゃないのかもしれない。



~あとがき~
 これで第一部を完結とさせていただきます。え~~~、という意見もあるかもしれませんが、自分の力量だとこれが精一杯でした。

 最初にあった設定から大筋は変わっていないのですが、出会いや各イベントなどについてはかなり変更になっています。まあ元々がかなり雑な設定集だったので原案と言っていいのか微妙な感じでしたけどね。
 恋愛要素は当初からの設定通りという感じです。ハーレム要素は元々考えていませんでしたので、こういう風になりました。

 小説の書き方もよくわからないまま書き始め、勢いのまま書いた感じです。おかしなところは多々あるかと思いますが、ここまで読んで下さってありがとうございます。

 前の文章を見直すといろいろと設定がおかしなところもあったため、第2部を始める前に若干修正を行っています。大筋は変わりませんが、改編の要約は近況報告にアップしていますのでご参照下さい。(2020年 09月26日分)

 このあと情報集と登場人物紹介をアップして第一部を完了といたします。

 第2部の開始は1週間後くらいからと思っています。今のところ従来の火木土でのアップとなるかと思います。いまのところ第2部で完結する予定です。
しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』

アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた 【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。 カクヨム版の 分割投稿となりますので 一話が長かったり短かったりしています。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ

壬黎ハルキ
ファンタジー
それは、少年が高校を卒業した直後のことだった。 幼なじみでお嬢様な少女から、夕暮れの公園のど真ん中で叫ばれた。 「知らない御曹司と結婚するなんて絶対イヤ! このまま世界の果てまで逃げたいわ!」 泣きじゃくる彼女に、彼は言った。 「俺、これから異世界に移住するんだけど、良かったら一緒に来る?」 「行くわ! ついでに私の全部をアンタにあげる! 一生大事にしなさいよね!」 そんな感じで駆け落ちした二人が、異世界でのんびりと暮らしていく物語。 ※2019年10月、完結しました。 ※小説家になろう、カクヨムにも公開しています。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~

サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。 ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。 木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。 そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。 もう一度言う。 手違いだったのだ。もしくは事故。 出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた! そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて―― ※本作は他サイトでも掲載しています

スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜

もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。 ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を! 目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。 スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。 何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。 やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。 「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ! ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。 ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。   2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

処理中です...