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第二部 異世界の古代文明
182. 異世界1168日目 遺跡調査の同行者
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夕べはデリアンさんたちと結構遅くまで話していたので朝は遅めに起きることにした。ジェンは結構飲んでいたんだけど、治癒魔法をかけてすっきりしたようだ。もう魔法がなくなったらしゃれにならないだろうね。
今回泊まった宿は一泊1000ドールのところで食事は付いていないので朝に焦る必要も無い。シャワーやトイレは共用だが、ベッドなど部屋の設備はいいところだと聞いていたとおりで快適だったのはよかった。
部屋でサンドイッチで簡単に朝食をとり、準備してから出かけることにする。もうすでに1時を回っているので人通りはだいぶ少ない。まあ平日だからね。
貴族エリアの役場に行って調査許可証を受け取ると、身分証明証よりも少し小さく、地球でよくあるポイントカードくらいの大きさのカードのようなものを渡される。そこには「特級調査許可証」という文字と国の名前と誰かのサイン、そして自分の名前が書かれていた。
他には使用方法についての注意書きなどが書かれており、その説明の一つに3級~特級遺跡の調査ができると書かれていた。
「すみません。この特級調査許可証というのはどの程度のものなのでしょうか?どうやらかなりランクの高い許可証みたいですが・・・。」
「はい、ジョニーファン様からの紹介状もあり、1級ではなく特級の調査許可証を発行することとなりました。国が調査を禁止しているところ以外の遺跡はすべては入れると考えて問題ありません。
ただし遺跡の調査で新たな発見があった場合は報告をお願いします。必須というわけではありませんが、できるだけご協力をお願いします。」
このあと細かく説明を聞いたところ、かなり特別な許可証と言うことでちょっと驚いた。
許可証は3級、2級、1級、特級となっていて遺跡の重要度によって許可証の等級が決まっているようだ。遺跡自体は1級、2級、その他という形でランク付けされており、遺跡の重要度により等級が決められている。もちろん遺跡の調査内容によりこの等級は入れ替わるみたい。
3級の調査許可証だと警備もされていないほとんど価値のない遺跡くらいしかはいれないので許可証の意味があまりないものだ。まあ調査を行っているという最低限のライセンスと言うものだ。2級と1級はそれぞれの遺跡の調査ができるものだが、遺跡の場所によって入れないところもあるらしい。
1級だと2級遺跡のすべて、特級だと1級遺跡のすべてを調査が可能となるため、特級許可証は基本的にすべての遺跡の調査が可能になると言うことになる。国が禁止している遺跡というのはヤーマンでクリスさんが入った遺跡とかいうレベルだろう。
今日のお昼にデリアンさん達と待ち合わせをしていたのでそれまでは適当に買い物をしながら町をぶらつく。せっかくなので貴族エリアの店にいくつか入ってみたが、そこまで興味を引かれるものはなかった。
お昼に待ち合わせのお店に行くと二人が表で待っていてくれたので一緒にお店に入る。いろいろと込み入った話もあるので個室のようになっている部屋を用意してもらった。
「無事に許可証は手に入りました。遺跡の調査はいつから行かれるつもりでしょうか?」
「よかったです。一応しばらく仕事は出られないと職場には説明してきたのですが、3日後の4/18に出発しようと思います。テルクまではバスで5日ほどかかりますので4/22にテルクの町で待ち合わせでどうでしょうか?一緒に行ってもいいですが、どうしますか?」
バスで5日と言うことは車だったら3日くらいで到着できるだろう。乗せていくこともできるけど、いろいろと不都合なこともあるので現地集合の方がいいだろう。
「わかりました。せっかくなので町を見て回りたいこともあるので自分たちは先に移動しておこうと思います。4/22にテルクの町で待ち合わせましょう。現地についたら連絡をしてください。」
「わかりました。」
「調査は5~10日間と言うことですが日程は確定ではないんですね?」
「そうですね。調査の状況によって日程は変わると思いますが、現地での調査は最長で10日くらい予定しています。あと、遺跡は2級遺跡なので許可証は少なくとも2級以上必要ですが大丈夫ですよね?1級だとかなりうれしいですけど。」
「ええ、これです。特級の調査許可証を発行してもらうことができました。」
もらった調査許可証を見せる。
「「えっ!!!???」」
なぜかかなり驚いている。
「と、特級の調査許可証・・・。初めて見た。」
「ほんとに発行されるものなんだ・・・。」
このあとどうやってこれを手に入れたのかと二人に質問攻めにされるが、あまり詳しくは言えないのでそこは勘弁してもらった。
「あと、結局はばれると思いますので先に言っておきますが、一応こういう身分もあるのでそれも影響していると思います。」
持っている黄色のペンダントを見せると、二人とも固まってしまった。
「「申し訳ありません!!」」
椅子から降りて床に膝をついて頭を下げてきた。日本で言う土下座に当たる行為なんだが、頭を下げたまま黙ってしまった。ジェンも二人の行動に固まってしまっている。
「あ、あの・・・」
「デリアンさん、カルアさん、顔を上げてください。私たちはこの国の貴族ではありませんし、正式な貴族でもありません。今までと同じように接していただいてかまいません。いえ、今までと同じように接してください。お願いします。」
しばらくすると二人は顔を見合わせてからこちらを見上げてきた。
「い、いいのですか・・・」
「はい、とりあえず座ってください。」
まさかここまでおびえられるとは思っていなかったのでかなり驚いてしまった。カステルさんたちはまだここまでなかったんだけど、貴族に対してこんな反応をする人もいるんだな。
とりあえず自分たちのことをもう少し説明してからやっと納得してもらった。どうやらデリアンさんは下位平民、カルアさんは上位平民なんだが、以前は下位平民だったらしい。
二人とも下位平民だった学校に行っていたときにいろいろとあったらしい。まあ小さい頃から色々と迫害を受けていたらこんな対応にもなるのかな?遺跡調査の話をした時は遺跡に入れると言うことで浮かれていて身分について確認することが完全に飛んでいたようだ。
このあとは言葉遣いなどがやっと元に戻ったんだけど、やはりかなり緊張していたのは間違いないだろう。貴族の子女ではなく、貴族本人だからなおさらなんだろうね。
打ち合わせの後、このまま仕事に行くというので働いているお店にも顔を出していくことにした。どうやら昼休みに抜け出てきていたらしい。
これでカサス商会だったらびっくりだと思ったんだが、さすがにそんなことはなかった。ただ置いているお店の商品が似通っていたので聞いて見ると、カサス商会と縁があるらしく、ヤーマンからの商品の一部を融通してもらっているらしい。
重量軽減バッグの宣伝が貼られていて、どうですかと薦められる。なんかこうやって自分の魔道具が宣伝されているとこそばゆいな。
~デリアンSide~
小さな頃に読んだ本で古代文明に魅せられて少しでもその文化に触れたくて勉強をした。家が下位平民で裕福でもなかったので勉強にかけるお金もなかったが、頑張って勉強をしたおかげで授業料免除で上のクラスの学校にも通うことができた。
学校では常に上位の成績を確保しておかなければ授業料免除の特典が得られないので頑張った。そのせいもあって貴族の子女からいじめを受けることがあったが、無事に卒業をすることができた。
残念ながら研究だけでは生活できないので働かなければならなかったが、学校を出たと言ってもいい就職があるわけではない。しかも遺跡の研究をしたいので長期の休暇を取れる仕事でなくてはならない。このためしばらくは短期の仕事をやっては研究をすることを繰り返していたため、さすがに生活はかなり厳しかった。
そのときに助けてくれたのがカルアだ。商店を経営しており、そこで働けるように口添えしてくれたのだ。遺跡調査のために長期の休暇を認めてくれたので、その分できるだけ仕事は頑張った。
学生時代にはまだ遺跡の調査に行くことができていたが、卒業してから遺跡調査の許可証が必要となってしまったためなかなか遺跡の調査をすることができなくなってしまった。学生の引率として調査に参加したりといろいろと手を回し調査を行ったが、それ以外はほとんど価値のない遺跡のみとなり、過去の報告書や資料を基に研究する日が多くなった。
貴族の連中は許可証を持っているくせにほとんど調査を実行していないというのが悔しかった。せっかく古代ライハン語の解読の糸口が見つかったのにちゃんと調査結果が報告されていないのだ。
もう諦めなければならないのかと思っていたんだが、わずかな望みをかけて出していた冒険者への依頼を受ける人がいたという連絡を受けて驚いた。ほんとに?
会ってみると若い二人だったが、テルクの遺跡に入れる許可証を発行してもらえる予定だと言われた。二人も遺跡に興味があるらしく、あくまで自分たちの遺跡調査のサポートをお願いしたいと言うことだった。
このため、遺跡や古代文明に対する知識について確認されることとなった。こちらの説明に対してかなり的確な指摘が入ったりするので正直驚いた。特に古代ライハン語の解読については正直自分よりも上と感じた。
頑張って自分の研究してきた内容を説明したところ同行することを認めてくれた。護衛を考えるともう一人であれば一緒に行ってもかまわないと言うのでカルアにも声をかけることにした。カルアも学生時代には一緒に勉強した同士であり、今も研究を手伝ってくれているので知識としては大丈夫だと言って了承してもらえた。
翌日許可証が発行されたというので話を聞きに行くとなんと特級の遺跡調査許可証を持ってきた。特級許可証って実物を持っている人に会ったのは始めてだ。たしかに許可証は存在していたが、普通は持っていても一級だ。
どういう伝で手に入れたのか気になったんだが、残念ながらそれは教えてくれなかった。どうやらそういう方面で有名な人と縁があったらしく、紹介状を書いてもらったらしい。その人ってジョニーファン様くらい有名なのかな?
そのあと見せてもらったのが黄色のペンダントだった。カルアと二人で跪いてしまった。そのあと二人に謝られて話を聞いたところ、正式な貴族ではないと説明された。それでもハクセンとヤーマンで下位爵をもらえるってすごいことだ。
貴族エリアはどうも水が合わないらしく、普段は平民エリアで生活しているらしい。ヤーマンでは貴族と言ってもそんなに特権があるわけでもないし、少し前までは貴族という肩書きもなかったと言うことでなんとか納得した。それでもやはり緊張してしまう。
話を終えたあと、仕事に戻るという話をすると一緒に行くと言われてちょっと焦ってしまった。お店を案内すると、ヤーマンからの商品に興味を持っていた。カサス商会のことを説明するとやはり知っていたらしく、そこから少し融通してもらっていると話すと納得していた。重量軽減バッグのことを話すともう持っているから大丈夫と言われていた。まあヤーマン国産だからね。
いろいろと見て回ったあと、結構な商品を購入していってくれた。買っていった額も結構な額になるのでさすが貴族と言ったところだろうか?
今回泊まった宿は一泊1000ドールのところで食事は付いていないので朝に焦る必要も無い。シャワーやトイレは共用だが、ベッドなど部屋の設備はいいところだと聞いていたとおりで快適だったのはよかった。
部屋でサンドイッチで簡単に朝食をとり、準備してから出かけることにする。もうすでに1時を回っているので人通りはだいぶ少ない。まあ平日だからね。
貴族エリアの役場に行って調査許可証を受け取ると、身分証明証よりも少し小さく、地球でよくあるポイントカードくらいの大きさのカードのようなものを渡される。そこには「特級調査許可証」という文字と国の名前と誰かのサイン、そして自分の名前が書かれていた。
他には使用方法についての注意書きなどが書かれており、その説明の一つに3級~特級遺跡の調査ができると書かれていた。
「すみません。この特級調査許可証というのはどの程度のものなのでしょうか?どうやらかなりランクの高い許可証みたいですが・・・。」
「はい、ジョニーファン様からの紹介状もあり、1級ではなく特級の調査許可証を発行することとなりました。国が調査を禁止しているところ以外の遺跡はすべては入れると考えて問題ありません。
ただし遺跡の調査で新たな発見があった場合は報告をお願いします。必須というわけではありませんが、できるだけご協力をお願いします。」
このあと細かく説明を聞いたところ、かなり特別な許可証と言うことでちょっと驚いた。
許可証は3級、2級、1級、特級となっていて遺跡の重要度によって許可証の等級が決まっているようだ。遺跡自体は1級、2級、その他という形でランク付けされており、遺跡の重要度により等級が決められている。もちろん遺跡の調査内容によりこの等級は入れ替わるみたい。
3級の調査許可証だと警備もされていないほとんど価値のない遺跡くらいしかはいれないので許可証の意味があまりないものだ。まあ調査を行っているという最低限のライセンスと言うものだ。2級と1級はそれぞれの遺跡の調査ができるものだが、遺跡の場所によって入れないところもあるらしい。
1級だと2級遺跡のすべて、特級だと1級遺跡のすべてを調査が可能となるため、特級許可証は基本的にすべての遺跡の調査が可能になると言うことになる。国が禁止している遺跡というのはヤーマンでクリスさんが入った遺跡とかいうレベルだろう。
今日のお昼にデリアンさん達と待ち合わせをしていたのでそれまでは適当に買い物をしながら町をぶらつく。せっかくなので貴族エリアの店にいくつか入ってみたが、そこまで興味を引かれるものはなかった。
お昼に待ち合わせのお店に行くと二人が表で待っていてくれたので一緒にお店に入る。いろいろと込み入った話もあるので個室のようになっている部屋を用意してもらった。
「無事に許可証は手に入りました。遺跡の調査はいつから行かれるつもりでしょうか?」
「よかったです。一応しばらく仕事は出られないと職場には説明してきたのですが、3日後の4/18に出発しようと思います。テルクまではバスで5日ほどかかりますので4/22にテルクの町で待ち合わせでどうでしょうか?一緒に行ってもいいですが、どうしますか?」
バスで5日と言うことは車だったら3日くらいで到着できるだろう。乗せていくこともできるけど、いろいろと不都合なこともあるので現地集合の方がいいだろう。
「わかりました。せっかくなので町を見て回りたいこともあるので自分たちは先に移動しておこうと思います。4/22にテルクの町で待ち合わせましょう。現地についたら連絡をしてください。」
「わかりました。」
「調査は5~10日間と言うことですが日程は確定ではないんですね?」
「そうですね。調査の状況によって日程は変わると思いますが、現地での調査は最長で10日くらい予定しています。あと、遺跡は2級遺跡なので許可証は少なくとも2級以上必要ですが大丈夫ですよね?1級だとかなりうれしいですけど。」
「ええ、これです。特級の調査許可証を発行してもらうことができました。」
もらった調査許可証を見せる。
「「えっ!!!???」」
なぜかかなり驚いている。
「と、特級の調査許可証・・・。初めて見た。」
「ほんとに発行されるものなんだ・・・。」
このあとどうやってこれを手に入れたのかと二人に質問攻めにされるが、あまり詳しくは言えないのでそこは勘弁してもらった。
「あと、結局はばれると思いますので先に言っておきますが、一応こういう身分もあるのでそれも影響していると思います。」
持っている黄色のペンダントを見せると、二人とも固まってしまった。
「「申し訳ありません!!」」
椅子から降りて床に膝をついて頭を下げてきた。日本で言う土下座に当たる行為なんだが、頭を下げたまま黙ってしまった。ジェンも二人の行動に固まってしまっている。
「あ、あの・・・」
「デリアンさん、カルアさん、顔を上げてください。私たちはこの国の貴族ではありませんし、正式な貴族でもありません。今までと同じように接していただいてかまいません。いえ、今までと同じように接してください。お願いします。」
しばらくすると二人は顔を見合わせてからこちらを見上げてきた。
「い、いいのですか・・・」
「はい、とりあえず座ってください。」
まさかここまでおびえられるとは思っていなかったのでかなり驚いてしまった。カステルさんたちはまだここまでなかったんだけど、貴族に対してこんな反応をする人もいるんだな。
とりあえず自分たちのことをもう少し説明してからやっと納得してもらった。どうやらデリアンさんは下位平民、カルアさんは上位平民なんだが、以前は下位平民だったらしい。
二人とも下位平民だった学校に行っていたときにいろいろとあったらしい。まあ小さい頃から色々と迫害を受けていたらこんな対応にもなるのかな?遺跡調査の話をした時は遺跡に入れると言うことで浮かれていて身分について確認することが完全に飛んでいたようだ。
このあとは言葉遣いなどがやっと元に戻ったんだけど、やはりかなり緊張していたのは間違いないだろう。貴族の子女ではなく、貴族本人だからなおさらなんだろうね。
打ち合わせの後、このまま仕事に行くというので働いているお店にも顔を出していくことにした。どうやら昼休みに抜け出てきていたらしい。
これでカサス商会だったらびっくりだと思ったんだが、さすがにそんなことはなかった。ただ置いているお店の商品が似通っていたので聞いて見ると、カサス商会と縁があるらしく、ヤーマンからの商品の一部を融通してもらっているらしい。
重量軽減バッグの宣伝が貼られていて、どうですかと薦められる。なんかこうやって自分の魔道具が宣伝されているとこそばゆいな。
~デリアンSide~
小さな頃に読んだ本で古代文明に魅せられて少しでもその文化に触れたくて勉強をした。家が下位平民で裕福でもなかったので勉強にかけるお金もなかったが、頑張って勉強をしたおかげで授業料免除で上のクラスの学校にも通うことができた。
学校では常に上位の成績を確保しておかなければ授業料免除の特典が得られないので頑張った。そのせいもあって貴族の子女からいじめを受けることがあったが、無事に卒業をすることができた。
残念ながら研究だけでは生活できないので働かなければならなかったが、学校を出たと言ってもいい就職があるわけではない。しかも遺跡の研究をしたいので長期の休暇を取れる仕事でなくてはならない。このためしばらくは短期の仕事をやっては研究をすることを繰り返していたため、さすがに生活はかなり厳しかった。
そのときに助けてくれたのがカルアだ。商店を経営しており、そこで働けるように口添えしてくれたのだ。遺跡調査のために長期の休暇を認めてくれたので、その分できるだけ仕事は頑張った。
学生時代にはまだ遺跡の調査に行くことができていたが、卒業してから遺跡調査の許可証が必要となってしまったためなかなか遺跡の調査をすることができなくなってしまった。学生の引率として調査に参加したりといろいろと手を回し調査を行ったが、それ以外はほとんど価値のない遺跡のみとなり、過去の報告書や資料を基に研究する日が多くなった。
貴族の連中は許可証を持っているくせにほとんど調査を実行していないというのが悔しかった。せっかく古代ライハン語の解読の糸口が見つかったのにちゃんと調査結果が報告されていないのだ。
もう諦めなければならないのかと思っていたんだが、わずかな望みをかけて出していた冒険者への依頼を受ける人がいたという連絡を受けて驚いた。ほんとに?
会ってみると若い二人だったが、テルクの遺跡に入れる許可証を発行してもらえる予定だと言われた。二人も遺跡に興味があるらしく、あくまで自分たちの遺跡調査のサポートをお願いしたいと言うことだった。
このため、遺跡や古代文明に対する知識について確認されることとなった。こちらの説明に対してかなり的確な指摘が入ったりするので正直驚いた。特に古代ライハン語の解読については正直自分よりも上と感じた。
頑張って自分の研究してきた内容を説明したところ同行することを認めてくれた。護衛を考えるともう一人であれば一緒に行ってもかまわないと言うのでカルアにも声をかけることにした。カルアも学生時代には一緒に勉強した同士であり、今も研究を手伝ってくれているので知識としては大丈夫だと言って了承してもらえた。
翌日許可証が発行されたというので話を聞きに行くとなんと特級の遺跡調査許可証を持ってきた。特級許可証って実物を持っている人に会ったのは始めてだ。たしかに許可証は存在していたが、普通は持っていても一級だ。
どういう伝で手に入れたのか気になったんだが、残念ながらそれは教えてくれなかった。どうやらそういう方面で有名な人と縁があったらしく、紹介状を書いてもらったらしい。その人ってジョニーファン様くらい有名なのかな?
そのあと見せてもらったのが黄色のペンダントだった。カルアと二人で跪いてしまった。そのあと二人に謝られて話を聞いたところ、正式な貴族ではないと説明された。それでもハクセンとヤーマンで下位爵をもらえるってすごいことだ。
貴族エリアはどうも水が合わないらしく、普段は平民エリアで生活しているらしい。ヤーマンでは貴族と言ってもそんなに特権があるわけでもないし、少し前までは貴族という肩書きもなかったと言うことでなんとか納得した。それでもやはり緊張してしまう。
話を終えたあと、仕事に戻るという話をすると一緒に行くと言われてちょっと焦ってしまった。お店を案内すると、ヤーマンからの商品に興味を持っていた。カサス商会のことを説明するとやはり知っていたらしく、そこから少し融通してもらっていると話すと納得していた。重量軽減バッグのことを話すともう持っているから大丈夫と言われていた。まあヤーマン国産だからね。
いろいろと見て回ったあと、結構な商品を購入していってくれた。買っていった額も結構な額になるのでさすが貴族と言ったところだろうか?
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