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第二部 異世界の争い
215. 異世界1429日目 優階位の魔獣
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朝早くに出発して山の方へと向かう。このあたりには車の走れる道はないので走って行くしかない。さすがに年始のせいか他の冒険者の姿がないので気にしなくていけるのがいいところだ。
「町を出たときには後ろをつけてくるような気配があったけど、さすがに追いつけなかったかな?」
「ええ、そうかもしれないわね。索敵を警戒してかなり離れていたみたいだけど、おそらく付いてこられなかったと思うわ。よほど隠密能力が高い人だったらわからないけど、最初に気配を感じられたからそれはないと思うけどね。」
「かなり迂回したルートを通ったから、最初の方向で進んでいっても見つかることはないとは思うけどね。」
町を出てから目的よりも南側の方向に進んでから徐々に北側にルートを変えていった。おそらくこれである程度ごまかせると思う。
「どっちにしろ優階位の魔獣がでるエリアまでは付いてこなかったとは思うけどね。それとも優階位の実力がある人が追いかけてくるつもりだったのかな?」
途中から木々も茂ってきて進むペースも落ちてきた。あとで案内することも考えて途中は魔法で道を造っていくが、すぐにわからないように一定おきに飛んだりしてごまかしている。まあもしこの跡を見つけたとしても最終的な遺跡を見つけられるかは別だろうから大丈夫だろう。
さすがに一日で到着はできないので途中は拠点に泊まっていくしかない。拠点と言っても大きなものは出せないので交代で眠る用の小さなものだ。
二日目からは良階位の魔獣も現れ始めた。今回初めて遭遇するのは灰牙豹だ。他にも猛毒スライムや巨大蜘蛛、巨魔鹿など前に倒したことのある魔獣も出てきた。
灰牙豹は木の上などに潜んで突然襲いかかってくる暖かい地方にいる豹の一種で大きな牙と鋭い爪で襲ってくる魔獣だ。なので索敵で先に見つけられるかが鍵となる。
索敵で見つけた後は、遠距離から魔法で攻撃することでかなり優位に倒すことができる。水弾と風弾でダメージを与えた後は牙と爪の攻撃を躱したり受けたりして首筋を攻撃して首を切り落とすのがベストだ。先に足を切り落とすことができればもう勝負は付いたようなものである。
やはり先制攻撃できるのはかなり大きい。これだけで魔獣の動きがかなり遅くなるからね。ただ油断してかまれたらその時点で骨まで折られてしまう可能性もある。体長は1キヤルドはあるし、大きなものは2キヤルドになるらしいからかなりの迫力である。
三日目になるとついに優階位の魔獣が出てくるようになった。あとのことを考えるとできるだけ倒しておかないといけないんだが、さすがにかなり厳しい戦いになるだろう。
索敵範囲は自分たちの方が上回っているようなので先に見つけることができるのは有利な点だ。もし逆だったらいきなり襲われてしまうからなあ。あとは隠密関係の魔道具も使った方がいいだろう。
最初に遭遇したのは魔山猫だ。良階位の灰牙豹よりも一回り大きいくらいで、最大で3キヤルドの個体もいるらしい。攻撃は牙と爪なんだが、それに加えて風魔法を使うのが面倒なところだ。風斬みたいな攻撃を仕掛けてくるので魔法の攻撃を察知したらその直線上から避けなければ危ない。爪もかなり長いので間合いの取り方も気をつけなければならない。
他の魔獣が周りにいないことを確認してからある程度近づいていく。認識阻害の魔道具を装備しているので気がつかれにくいが魔力をためていくと気がつかれてしまうので、ジェンとは少し離れてからある程度近づいたところで自分が先に魔力をためていく。
魔獣がこちらに気がついて近づいてきたところで一気に魔力に集中するのと同時に風魔法を避けるために意識を集中する。風魔法はほとんど見えないので、魔法を出した瞬間を見極めて避けるしかない。
魔物が近づく直前に収納魔法から盾を取り出して最初の攻撃を防ぐ。そのときに水盾と風盾もだして衝撃を和らげる。
すぐに盾を回り込んでこちらに攻撃を仕掛けてきたが、盾と水盾でひたすら耐えていく。そのすきに魔力をためたジェンがある程度の至近距離から水弾を撃ち込むとうまい具合にダメージを与えることができた。さすがにかなりの威力の水弾を受けたために動きが遅くなった。
このあとはジェンと二人で取り囲み、魔法と剣で少しずつダメージを与えていく。なかなか刃が通らないので同じ箇所を攻撃して少しずつダメージを与えていくしかない。ジェンの風斬と自分の剣の攻撃を中心に戦い、なんとか首を切り落とすことができた。
ギリギリだけど、優階位でも一匹ならなんとか倒すことはできそうだな。しかし最初に魔法で大きなダメージを与えなければちょっと厳しいか?最初の一撃が重要だね。
さすがに皮はかなり傷が入ってしまったので買い取り価格は安くなるが、それでも2000ドール以上はするだろう。牙とか爪とかまで考えるとこれ一匹で1万ドールくらいにはなりそうだ。ただ魔道具もかなり使うので収支としては下がるのはしょうが無いだろう。良階位の自分たちが優階位の魔獣を倒せるだけでも十分だ。
他に出てきた優階位の大蹴兎はさすがに動きが速くて大変だった。同じように最初に魔法でダメージを与えても早さに追いつかないくらいだったからね。これは収納の盾を両側に出して動くエリアを狭くすることでなんとか迎撃することができたから良かったけどね。
風魔法を使うせいか、飛びかかってきても空中で動きを変えるのが怖かった。最初に知っていなかったらやられてたかもしれない。
今回はできるだけそれぞれの魔獣に対する戦法を考えていたからなんとかなったけど、そうでなかったらとてもではないが倒せないだろう。それ以前に索敵で先に見つけることができなかったらおそらくアウトだろうな。隠密の魔道具もね。
こうやって地道に経験をしていけばいずれは倒せるようになるのかね?本当はもっと実力をつけてから優階位の魔獣に対応したかったんだけど今回はしょうが無い。優階位の魔獣はそこまでいるわけではなかったので5匹ほどでなんとか遺跡の場所までやってきた。
どうも遺跡の付近は魔素が薄いのか出てくる魔獣が若干弱くなったような気もする。おかげで遺跡が近くなると、魔獣も上階位~良階位くらいまでしか出なくなった。
~魔獣紹介~
灰牙豹:
良階位中位の魔獣。暖かい地域の森に生息し、大半を木の上で過ごす猫型の魔獣。体長は1~2キヤルドくらいあり、隠密スキルを持っているみたいで発見しにくく、木の上から襲いかかってくる。生息エリアでは木の上にも十分注意して早めに発見できるように心がけなければならない。
鋭い牙と爪で攻撃してくるが、かなり素早いため、攻撃を当てるのには苦労するかもしれない。また牙も大きく、かみつかれるとなかなか引きはがすことができなくなる。
素材として毛皮と牙が買い取り対象となっている。
魔山猫:
優階位中位の魔獣。森に生息し、大半を木の上で過ごす猫型の魔獣。体長は1キヤルドくらいあり、隠密スキルを持っているみたいで発見しにくく、木の上から襲いかかってくる。大きなものは3キヤルドほどあったという報告もある。生息エリアでは木の上にも十分注意して早めに発見できるように心がけなければならない。
鋭い牙と爪で攻撃してくるが、かなり素早いため、攻撃を当てるのには苦労するかもしれない。また風魔法で鋭い刃のような攻撃や弾丸のような攻撃をしてくるため、魔獣の動きを見てよけるしかない。
素材として牙、毛皮、爪が買い取り対象となっている。
大蹴兎
優階位中位の魔獣。森や草原、山岳地帯などあらゆる場所に穴を掘って生活している。蹴兎よりも二回りほど大きな体躯となっている。耳が大きく、音に敏感なため、先に見つけるのは難しい。
獲物を見つけると一気に突進してきて、大きな後ろ足で攻撃してくる。後ろ足には鋭い爪もあり、打撃だけでなく、裂傷にも注意が必要。動きが素早く、攻撃を当てることが難しく、風魔法で空中でも進路を変えることができるので、行動の先読みは困難。風魔法による攻撃をされたという報告はないため、狭い場所に誘い込んだ方が倒しやすい。ただし逃げられなくなるという危険性もある。
素材としての買い取り対象は肉と毛皮となる。
「町を出たときには後ろをつけてくるような気配があったけど、さすがに追いつけなかったかな?」
「ええ、そうかもしれないわね。索敵を警戒してかなり離れていたみたいだけど、おそらく付いてこられなかったと思うわ。よほど隠密能力が高い人だったらわからないけど、最初に気配を感じられたからそれはないと思うけどね。」
「かなり迂回したルートを通ったから、最初の方向で進んでいっても見つかることはないとは思うけどね。」
町を出てから目的よりも南側の方向に進んでから徐々に北側にルートを変えていった。おそらくこれである程度ごまかせると思う。
「どっちにしろ優階位の魔獣がでるエリアまでは付いてこなかったとは思うけどね。それとも優階位の実力がある人が追いかけてくるつもりだったのかな?」
途中から木々も茂ってきて進むペースも落ちてきた。あとで案内することも考えて途中は魔法で道を造っていくが、すぐにわからないように一定おきに飛んだりしてごまかしている。まあもしこの跡を見つけたとしても最終的な遺跡を見つけられるかは別だろうから大丈夫だろう。
さすがに一日で到着はできないので途中は拠点に泊まっていくしかない。拠点と言っても大きなものは出せないので交代で眠る用の小さなものだ。
二日目からは良階位の魔獣も現れ始めた。今回初めて遭遇するのは灰牙豹だ。他にも猛毒スライムや巨大蜘蛛、巨魔鹿など前に倒したことのある魔獣も出てきた。
灰牙豹は木の上などに潜んで突然襲いかかってくる暖かい地方にいる豹の一種で大きな牙と鋭い爪で襲ってくる魔獣だ。なので索敵で先に見つけられるかが鍵となる。
索敵で見つけた後は、遠距離から魔法で攻撃することでかなり優位に倒すことができる。水弾と風弾でダメージを与えた後は牙と爪の攻撃を躱したり受けたりして首筋を攻撃して首を切り落とすのがベストだ。先に足を切り落とすことができればもう勝負は付いたようなものである。
やはり先制攻撃できるのはかなり大きい。これだけで魔獣の動きがかなり遅くなるからね。ただ油断してかまれたらその時点で骨まで折られてしまう可能性もある。体長は1キヤルドはあるし、大きなものは2キヤルドになるらしいからかなりの迫力である。
三日目になるとついに優階位の魔獣が出てくるようになった。あとのことを考えるとできるだけ倒しておかないといけないんだが、さすがにかなり厳しい戦いになるだろう。
索敵範囲は自分たちの方が上回っているようなので先に見つけることができるのは有利な点だ。もし逆だったらいきなり襲われてしまうからなあ。あとは隠密関係の魔道具も使った方がいいだろう。
最初に遭遇したのは魔山猫だ。良階位の灰牙豹よりも一回り大きいくらいで、最大で3キヤルドの個体もいるらしい。攻撃は牙と爪なんだが、それに加えて風魔法を使うのが面倒なところだ。風斬みたいな攻撃を仕掛けてくるので魔法の攻撃を察知したらその直線上から避けなければ危ない。爪もかなり長いので間合いの取り方も気をつけなければならない。
他の魔獣が周りにいないことを確認してからある程度近づいていく。認識阻害の魔道具を装備しているので気がつかれにくいが魔力をためていくと気がつかれてしまうので、ジェンとは少し離れてからある程度近づいたところで自分が先に魔力をためていく。
魔獣がこちらに気がついて近づいてきたところで一気に魔力に集中するのと同時に風魔法を避けるために意識を集中する。風魔法はほとんど見えないので、魔法を出した瞬間を見極めて避けるしかない。
魔物が近づく直前に収納魔法から盾を取り出して最初の攻撃を防ぐ。そのときに水盾と風盾もだして衝撃を和らげる。
すぐに盾を回り込んでこちらに攻撃を仕掛けてきたが、盾と水盾でひたすら耐えていく。そのすきに魔力をためたジェンがある程度の至近距離から水弾を撃ち込むとうまい具合にダメージを与えることができた。さすがにかなりの威力の水弾を受けたために動きが遅くなった。
このあとはジェンと二人で取り囲み、魔法と剣で少しずつダメージを与えていく。なかなか刃が通らないので同じ箇所を攻撃して少しずつダメージを与えていくしかない。ジェンの風斬と自分の剣の攻撃を中心に戦い、なんとか首を切り落とすことができた。
ギリギリだけど、優階位でも一匹ならなんとか倒すことはできそうだな。しかし最初に魔法で大きなダメージを与えなければちょっと厳しいか?最初の一撃が重要だね。
さすがに皮はかなり傷が入ってしまったので買い取り価格は安くなるが、それでも2000ドール以上はするだろう。牙とか爪とかまで考えるとこれ一匹で1万ドールくらいにはなりそうだ。ただ魔道具もかなり使うので収支としては下がるのはしょうが無いだろう。良階位の自分たちが優階位の魔獣を倒せるだけでも十分だ。
他に出てきた優階位の大蹴兎はさすがに動きが速くて大変だった。同じように最初に魔法でダメージを与えても早さに追いつかないくらいだったからね。これは収納の盾を両側に出して動くエリアを狭くすることでなんとか迎撃することができたから良かったけどね。
風魔法を使うせいか、飛びかかってきても空中で動きを変えるのが怖かった。最初に知っていなかったらやられてたかもしれない。
今回はできるだけそれぞれの魔獣に対する戦法を考えていたからなんとかなったけど、そうでなかったらとてもではないが倒せないだろう。それ以前に索敵で先に見つけることができなかったらおそらくアウトだろうな。隠密の魔道具もね。
こうやって地道に経験をしていけばいずれは倒せるようになるのかね?本当はもっと実力をつけてから優階位の魔獣に対応したかったんだけど今回はしょうが無い。優階位の魔獣はそこまでいるわけではなかったので5匹ほどでなんとか遺跡の場所までやってきた。
どうも遺跡の付近は魔素が薄いのか出てくる魔獣が若干弱くなったような気もする。おかげで遺跡が近くなると、魔獣も上階位~良階位くらいまでしか出なくなった。
~魔獣紹介~
灰牙豹:
良階位中位の魔獣。暖かい地域の森に生息し、大半を木の上で過ごす猫型の魔獣。体長は1~2キヤルドくらいあり、隠密スキルを持っているみたいで発見しにくく、木の上から襲いかかってくる。生息エリアでは木の上にも十分注意して早めに発見できるように心がけなければならない。
鋭い牙と爪で攻撃してくるが、かなり素早いため、攻撃を当てるのには苦労するかもしれない。また牙も大きく、かみつかれるとなかなか引きはがすことができなくなる。
素材として毛皮と牙が買い取り対象となっている。
魔山猫:
優階位中位の魔獣。森に生息し、大半を木の上で過ごす猫型の魔獣。体長は1キヤルドくらいあり、隠密スキルを持っているみたいで発見しにくく、木の上から襲いかかってくる。大きなものは3キヤルドほどあったという報告もある。生息エリアでは木の上にも十分注意して早めに発見できるように心がけなければならない。
鋭い牙と爪で攻撃してくるが、かなり素早いため、攻撃を当てるのには苦労するかもしれない。また風魔法で鋭い刃のような攻撃や弾丸のような攻撃をしてくるため、魔獣の動きを見てよけるしかない。
素材として牙、毛皮、爪が買い取り対象となっている。
大蹴兎
優階位中位の魔獣。森や草原、山岳地帯などあらゆる場所に穴を掘って生活している。蹴兎よりも二回りほど大きな体躯となっている。耳が大きく、音に敏感なため、先に見つけるのは難しい。
獲物を見つけると一気に突進してきて、大きな後ろ足で攻撃してくる。後ろ足には鋭い爪もあり、打撃だけでなく、裂傷にも注意が必要。動きが素早く、攻撃を当てることが難しく、風魔法で空中でも進路を変えることができるので、行動の先読みは困難。風魔法による攻撃をされたという報告はないため、狭い場所に誘い込んだ方が倒しやすい。ただし逃げられなくなるという危険性もある。
素材としての買い取り対象は肉と毛皮となる。
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