【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ

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第二部 異世界での訓練

223. 異世界1564日目 港町アラクにて

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「このあとホクサイ大陸に戻るつもりだけど、折角だから装備の更新をしたいんだよね。それでハクセンに行ってみようかと思っているんだけどそれでいいか?」

「ハクセンって言うことはカルマさんのところね?オリハルコンとかを手に入れたからね。どうせだったら腕の分かっているところが一番いいわね。」

「どうせ造ってもらうのに時間がかかるだろうから、また鍛冶の勉強もさせてもらおうかと思ってるよ。一緒にやるか?」

「もちろん!今度はミスリルくらいまで扱えるようになりたいわね。」

 王都を出発してからまっすぐ港町アラクへとやってきた。結局このナンホウ大陸に1年以上いたんだなあ。まさか政変にまで巻き込まれることになるとは思ってもみなかったよ。

 町に入ってまずは宿を押さえてから港へと向かう。ハクセンに行くにはまずはタイガに行かないといけないが、タイガ行きは以前ヤーマン行きの船に乗ったジャルガの町に行く船かその西側にあるライガの町に行く船の二つがある。距離はどちらも同じなのでせっかくなら行ったことのないライガにするか?
 ただ問題なのはこっちだとモクニク国の会社のマンザックの船しかないんだよね。ジャルガ行きだと前にヤーマンに戻るときに乗ったときと同じ会社になる。
 出航の予定を見てみると、ライガ行きは4日後、ジャルガ行きだと20日後だった。さすがに16日の差は大きすぎるな・・・。

「これはライガ行きしか選択肢はないよね?」

「16日の差は大きいわね。変な貴族の粛正は行われているみたいだから、そうそう変な貴族には会わないと思うわよ。」

「まあね。それじゃあこっちにしようか。比較のためにもいろいろなところに乗っても面白いかもしれないしね。」

 貴族用と平民用で受付は別れているので、貴族用の受付へと向かう。対応はいつものことなのでもう慣れたよ。
 ただ出航まで日数もないので部屋が空いていない可能性もあるんだよなあ。受付でペンダントを出してから部屋を確認すると、思ったよりも部屋が空いていた。
 どうやらサビオニアの政変やモクニクでの貴族の粛正がここにも影響を及ぼしているみたいで貴族の旅行客が減っているみたい。部屋は十分に選べるくらいなので、逆に経営が大丈夫か心配になる。

「どうする?折角だから贅沢な船旅をしてみる?」

 一番高い部屋はさすがにとれないが、次のランクの部屋は空いている。値段は一部屋80万ドールと結構な額だ。

「お金は大丈夫なの?」

「ここ最近は装備の更新とかもなかったから、今は2000万ドール以上はあるよ。今度装備を更新するとは言っても材料はあるからそこまでかかるとは思えないしね。
 収納バッグのことを考えたら1億ドールくらいになるかもしれない。」

「それじゃあ折角だからこの部屋にしよっか?」

 自分たちが部屋の予約をすると、受付の女性はちょっと驚いた顔でお礼を言ってきた。普通こんなところでお礼を言うものなのか?



 船の予約を済ませてから役場に行くと、前に会ったカステルとイクサのメンバーがやってきていた。事前に会えないか連絡を取っていたので待ってくれていたようだ。あのときいたカレニアのメンバーは他の町に行っているので今回は来られなかったらしい。

「カラストさん、みなさん、お久しぶりです。」

「元気だったか?サビオニアの方にも行くと言っていたから心配していたんだ。大丈夫だったのか?」

「ええ、行くには行ったんですが、特に革命にも巻き込まれずにすみましたよ。いろいろとあってタイカン国にも行ってきたところなんです。そろそろホクサイ大陸に戻ろうかと思ってこっちにやってきたところなんですよ。」

「そうなのか。俺たちもやっと全員が良階位になったからホクサイ大陸に行こうと思っていたところだぞ。一緒の船か?」

 イクサのリーダのイライザさんが言ってきた。

「自分たちはハクセンに行って装備を新調しようと思っているんですよ。お世話になった鍛冶屋もあるのでそこでやってもらおうかと思っているんです。」

「そうか。って事はタイガ行きだな。俺たちはヤーマンに行ってみようと思っているんだ。いろいろ聴いた感じでは一番平民には過ごしやすい国っぽいからな。まあ、俺たちもどのくらい居るか分からないが、会えそうだったら向こうで会おう。」


 一通りの挨拶がすんだところで予約しておいた店に移動する。人数が多いので部屋を確保してくれていたようだ。
 いろいろと狩りの話や行った場所の話などをしながら食事をする。サビオニアの状況はみんな気になっているみたいで簡単な状況だけは話しておいた。

「そろそろ収納バッグを買いたいと思っているんだが、ヤーマンだったら手に入れられるかなあ?」

 イクサのパーティーはまだ収納バッグがなくて、そろそろ購入を考えているらしい。パーティーのサラさんが収納魔法を使えるようだが、まだ1キリルしか入れられないみたい。

「収納バッグですか?以前ヤーマンで行ったオークションでは確か5キリルの物が500万ドールくらいで落札されていましたね。」

「やっぱりそのくらいするのかぁ。でもそれだけ出せば手に入るって事だよな。こっちでは金はあっても、貴族が独占するせいでそもそも売りに出ないからな。ヤーマンに行ったらオークションとかで何とか手に入れたいなあ。」

「どのくらいのものを探しているんですか?」

「そりゃ大きい方がいいんだが、値段を考えると3~5キリルくらいが限度だと思ってるんだよ。5キリルのやつは安いときでも400万ドールくらいだからな。3キリルのやつだったら安いときで200万ドールくらいであるみたいだからオークションでも300万ドールで手に入ればと思ってるんだ。」

「俺たちはヤーマンに行ったときに運良くオークションで手に入れることができたからな。6キリルの収納バッグが500万ドールで手に入ったからラッキーだったぜ。あとテラスも一応収納魔法が使えるからな。」

 自分たちが持っている収納バッグは全部で6個ある。それぞれ30キリル、26キリル、5キリルが2個、2キリルが2個だ。それに収納魔法でそれぞれ100キリルずつ使えるから正直小さな収納バッグはなくてもいいんだよなあ・・・。オークションに出そうと思っていたくらいだし。

「あの・・・もし収納バッグを安く譲るとしたら購入されますか?」

「どういうことだ?」

「あまりおおっぴらにしないでほしいのですが、実は古代遺跡の調査で収納バッグを手に入れることができたんです。ヤーマンに戻ったらオークションに出そうと思っていたんですが、もしいるようだったら安く譲ってもいいですよ。」

「本当か!?すごいな。」

「それで2キリルのバッグと5キリルのバッグがありますけど、どうされますか?」

 持っていたバッグから収納バッグを出すとみんな驚いていた。

「ちょ、ちょっとまってくれ・・・。」

 しばらく二つのパーティーで話し合っているようだ。イクサのパーティーだけでなく、カステルのパーティーもほしいと言い出したみたい。

「ちなみにいくらだったら譲ってくれるんだ?」

「えっと、2キリルのものは120万ドール、5キリルの物は400万ドールでどうでしょうか?オークションだと安くてもこのくらいはすると思うんですけど。」

「いや、十分に安いよ。そもそも出物がないからな。」

 両方のパーティーでいろいろと言い合って話がまとまらない。やはり2キリルだと少ないという状況らしい。

「あの、2キリルの物だったら二つありますよ。」

「「まじか!!!」」

 そのあとやっと話がまとまったみたいで、カラストパーティーが5キリル、イクサパーティーが2キリルを二つ購入することにしたようだ。

「だけどいいのか?」

「ええ、実は自分たちはもう少し大きなものを長期で借りられているので大丈夫なんです。自分たち二人とも収納魔法も使えますしね。最終的には今使っている物を買い取りたいと思っているところなんです。」

「ありがとうな。予算よりもかなり安く手に入ったから十分だ。今日の夕飯分くらいはおごってやるからな。」

 実際に持っているものはさすがに言えなかったけど、いい人達に譲れて良かったな。オークションに出せばもっと値段が上がったかもしれないけど、まあこのくらいはいいだろう。一緒にオークションに出したら小さい方の値段はおそらく上がりにくいと思うからね。
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