【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ

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第二部 異世界での訓練

247. 異世界2158日目 6回目の年末年始

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 日々魔法の訓練に明け暮れた。やはり魔素の扱いについては自己流だけでは気がつかなかったことに気づかされて大分良くなってきたと思う。魔素の吸収や放出については漫画のイメージでやっていたからね。
 身体のどの部分に特に力を入れた方がいいのか、とどめる場合にどこにとどめるイメージを持てばいいのかなどかなり細かく指導してもらった。イメージは気功と同じような感じだな。そうすることで魔素をためる時間も延び、魔法の威力も徐々に上がってきた。

 最初はちょっと距離を置いていた団員達だったが、数名が魔法のこつを聞いてきたので教えてあげると、翌日から聞きに来る人がかなり増えてしまった。ちょっと大変だなあと思っているとミルアイさんに言われて全体講義をすることになってしまったよ。
 ジョニーファンさんの論文を借りて話をすると思ったよりも好評だったみたいで、そのあと他の魔法団でも同じような講義をすることになったんだけどいいのだろうか?一応ジョニーファンさんには許可はもらっていたけどね。


 年末にはいつものように教会に行ったが、特に返答もなかった。いつになったら戻るのかなあ。考えてもしょうがないんだけど、いきなり帰ることになってもちょっと困るよなあ。まあいつ戻ってもいいように地元の話の情報交換は続けているけどね。

 新年になって年齢が上がりもう23歳となった。ただ姿が変わらないのでそろそろ違和感をもたれているかもしれない。17歳の容姿のままだからねえ。こっちでも老けにくい人はいるようだけどやっぱり20歳以上で安定する感じなんだよな。特に自分は幼く見えるから余計にだ。

 新年は大雪だったせいで初日の出を見ることは出来なかった。予定もなかったのでこの日は一日部屋で過ごすことになったけど、魔力の同調を試したらとんでもないことになってしまったんだよね。まあこれはこれで良かったんだけど、癖になってしまったらちょっとまずいよな。
 翌日も天気は良くなかったが、まだ動けるレベルだったのでジョニーファンさんのところに顔を出して新年の挨拶をした。


 ハクセンの時と違って社交界へ出ることはなかったが、新年早々に王宮で行われた会議に出席することになった。このときは許可をもらって簡単な変装をしていく。というのもジョニーファンさんの連れと言うことでの出席だったので仕方がない。

「議長!!事前に連絡は受けていましたが、そのもの達は何者なのでしょうか?ヤーマンの国のものだと言うことですが、なぜこの会議に出席しているのでしょうか?ジョニーファン様も出席する重要な会議に他国の者が参加するなど前例がありません。」

 席について会議が始まったと思ったらいきなりこちらをにらまれてしまった。

「この二人はヤーマンのものでジュンイチとジェニファーという。魔法についてもいろいろと造詣が深いと言うことで他国の人間であるが、今回参加してもらっているのだ。」

 議長と言われた人から紹介されたので軽く会釈をするが、あまり納得していない顔が多い。まあ結構重要な会議らしいのに、知らない顔があっても困るよな。大丈夫なのか?

「造詣が深いと言ってもヤーマン国のレベルの話でしょう?先日発表されたジョニーファン様の論文を理解できるのかも疑わしいのではないですかな?
 今回の会議は前の論文をさらに推し進めた内容なのに、それに意見できるとはとうてい思えませんな。」

 なんかむかつく人だなあ。お偉いさんみたいだけど、そんなに知識があるのか?議長から自分たちのことが追加で紹介されているが、納得していない人が多いようだ。何割かは驚いた顔でこっちを見ているけどね。

「反対意見の者達もいるようだが、この二人が会議に参加するレベルにないと思う者は挙手をしてくれ。」

「あの・・・」

 なにか聞こうとしている人が数名いたが、それを遮って採決をすすめている。

「判断できないというものはあとで再度確認をとる。まずは現時点で反対というものは手を上げてくれ。」

 30人中の11人が手を上げたようだ。手を上げなかった人は先ほど驚いた顔をしていた人たちが大半だが、比較的若い感じの人が多い。何人かは魔法団で見かけた顔だな。

「なるほど、半数近くのものがこの二人がこの会議にふさわしくないと思っていると言うことだな。」

 議会内を見回してから次の声を上げる。

「よし分かった。今手を上げた者達はこの会議に参加しなくても良いので退出するように。」

 挙手をしていた人たちから一斉に声が上がる。

「どういうことですか?我々が出ない会議などあり得ないでしょう。」
「魔法研究所副所長の私を除外するとはどういうつもりだ!!」

 思ったよりも偉い人たちばかりだったようで、議会内はかなり騒然としていた。

「静かに!!!!ジョニーファン様からお話がある。」

 そう言うと一気に静まったが、まだ納得していないというのはありありだ。

「そちに聞こうかの。今回わしの書いた論文には目を通したのかの?」

「は、はい。革新的なアイデアだと思います。我々にはすぐには理解できないことも多いので、今回この場をもうけてもらったと理解しています。」

「ちゃんと論文を読んだのかな?」

「は、はい。もちろんです。」

「その上でこの二人の打ち合わせへの参加は不適当と考えたわけだな。」

「はい、そのとおりです。最先端の技術の話をする場に部外者を入れるのはふさわしくないと考えます。」


「それではそちらの者に聞こうか。なぜ反対しなかったのか教えてくれるか?」

「えっと・・・先ほど紹介された中で、気になる点がありました。そしてジョニーファン様の論文の参考資料の一つである北の遺跡の調査記録の事を思い出しました。そのため、詳細を聞くまでは保留すべきだと判断しました。」

「なるほどのう。反対しなかった者達も同意見かな?」

 みんな同じようにうなずいているが、手を上げた人たちはどういうことなのか分かっていないようだ。

「おぬし達の思っているとおりと考えて良いぞ。参考資料もそうだが、今回の論文の基礎はその名前の者達からの発案であり、わしはそれを元に書き上げたといった方が正しい。」

 かなり驚いた顔をしている。まあしょうがないだろうなあ・・・。

「ど、どういう事でしょうか?」

「ここまで言っても分からないと言うことはちゃんと論文を読んだというのも怪しいのお。まあよいわ。二人の意見を聞く気がないもの達はここから出て行ってかまわんよ。
 前回と今回の論文でわしが提唱した研究の根幹部分を提供してくれたのがこの二人だ。今回の理論の共同執筆者にも名前は挙げていたはずじゃがなぜまったく気がつかないのかな?この国でも同じ名前はほぼいないと思うがな。そして先ほど言った北の遺跡の調査記録についても二人の名前は挙がっている。」

「「「「!!!」」」」

「そ、そんな馬鹿な。こんな若造がジョニーファン様に意見を言っただと・・・。」


 結局この後いろいろとわめいていたが、すぐに兵士達が入ってきて反対した人たちは追い出されていた。
 人数が減ってもいいのか?と思ったら、すぐに変わりの人達がやって来た。うーん・・・これは・・・。


 このあとは特に変な意見は出ず、ジョニーファンさんと同類のような人たちからかなり細かな質問が上がってきた。若い人が結構多いが、ジョニーファンさんと同年代の人たちもいる。若い人たちはいずれはジョニーファンさんの後継者とかになるのかねえ?

 会議のあと、いろいろと質問してきた人たちからまた別の場所でも意見交換させてくれと言われて何度か会合を持つことになってしまったよ。もちろんジョニーファンさんも参加していたけどね。
 そのうちの何人かはジョニーファンさんと同じように半分引きこもっている研究好きな人たちだったみたいで、研究室から出てくること自体かなり珍しい人たちのようだった。まあこういう人たちをちゃんと管理しているからこそ、この国の魔法の地位が高いんだろうね。



~ジョニーファンSide~
 無事に二人の引き留めに成功して良かったわい。いろいろと手を回した甲斐があったというものじゃ。さすがに毎日というのは無理じゃが、結構な頻度でやってきてくれるのでなかなか楽しませてくれる。

 遺跡の調査結果についてもかなり興味を引かれたのう。いまだに昔からの伝承といろいろと意見の衝突はあるが、どう考えても新しい説の方が正しいじゃろう。一度失われてしまった知識というものはそう簡単には戻ってこないものじゃからな。
 おそらくあの二人は古代遺跡を調査することでいろいろな概念を学習していったのだろう。まだ不明なところがあるせいでうまく説明が出来ないと考えるとまだつじつまが合うな。まあそれ以前にあの年齢であの知識というのがすごいことじゃがな。
 もしかしたら古代遺跡で見つかったこともある若返りの薬を使ったのかと思ってしまったぞ。一時期は不老不死と騒がれたが、使った人間も結局は寿命で死んでしまったので寿命が延びるわけではないというのが今の見解ではあるがな。まあそれでも長生きはしたようじゃがな。

 残っている文献で記録として残っているのは2つだけだ。ただ遺跡の調査でいろいろとみているのであれば見つけたとしてもおかしくないだろう。どっちにしろ口外するととんでもない争いが起きそうだから言えないだろうがな。


 王宮での会合はおもしろかったのう。宰相と図って権威のみに執着している者達を一線から退けたいという話が上がっていたが、こうもうまくいくとわな。研究者は研究者らしく、権威に執着を持たない方がいい。
 おかげで変な輩は除外できて風通しも良くなったし、若い連中もかなり刺激を受けて議論が活発化しているからの。もちろんまだまだ知識は十分ではないが、目を付け所がいい。いずれはわしを超える人物も出てくるだろう。
 今回のことはあの二人にもばれていたみたいだったからな。まあ普通はあそこまで露骨にすれば気がつくか。「今回のことはさすがに貸しにしますよ。次回会ったときには返してくださいね。」とか言っておったが、わしがいくつだと思っているのやら・・・。


 まもなく雪解けの季節になると考えると、二人は出発することになるのだな。また退屈な日々になってしまうわい。
 まあ最近はいろいろと話せるレベルの人間も増えてきているのが救いじゃがな。先日書いた論文と、二人が行っているという講義がその要因だが、いろいろと気づかせてくれたあの二人には感謝じゃな。
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