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第二部 長かった異世界旅行?
258. 異世界2341日目 アウトラス国へ
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サクラに到着してから専用の門から町中へと入る。今回は至急の用事があるので特別許可証を出してもらっていたのですぐに入ることが出来た。そのまま王宮へと向かい、国王陛下の謁見をお願いする。さすがに優先度が高かったせいか、すぐに会うことが出来た。
「王家の遺跡の古代兵器について調査を行ってきました。」
「まっておったぞ。前置きはいいので要点の報告を頼む。」
挨拶もそこそこにすぐに今回の調査結果の報告に入る。王家の遺跡に古代兵器と思われるものがあったこと、今回現れた古代兵器に似た感じであること、稼働するための核が壊れていたこと、古代兵器の構造、そして古代兵器の停止方法について話す。
「それでは古代兵器を動かしている核になる部分を破壊すれば止まると考えて良いのだな?」
「もちろん実践したわけではありませんが、古代遺跡に書かれていた内容から考えてもそれで止まると思われます。
それ以外にも物理的に倒していくことも出来るかと思いますが、古代兵器の材質は表面のみとはいえ100%オリハルコンからなっています。かなりの技量と装備があればできるのでは無いかと思いますが、古代兵器の強さがわからないのでなんとも・・・。
あと先に説明した核の破壊についてですが、これについても簡単にはいきません。核は魔獣石と同じと考えてもらえればその困難さが分かると思います。」
「魔獣石と同じだと?」
さすがに意味が分かったようで、参加していた人たち全員が無言となる。
「それでですね・・・一応見てもらった方が良いかと思います。」
10ドールの魔獣石を手に載せて、分解すると1ドールの魔獣石2つになった。
「通常言われる分解とはこのような感じです。」
今度は10ドールの魔獣石を普通の分解ではなく、粉々にするイメージで魔力を込めてみる。すると魔獣石は手の上から消える。
「!!!そ、それは魔獣石の魔素を消費したわけではないのか?」
「ええ、魔素の消費ではありません。小さな粒子に分解するように破壊した感じです。」
「魔獣石を破壊・・・。」
「古代遺跡に書かれていたことなどを参考に、いろいろとイメージして破壊することができました。ただ他の方達がこれと同じ事が出来るかどうかが分かりません。」
しばらく考え込んだ後、宰相と思われる人が声を上げた。
「わかった。
今、今後のことを帝国と話していておるのだ。その結果、古代兵器に詳しい人物に集まってもらい、会合をしようという話が進んでいる。各国からの知識を集めて対応しようとしているのだが、その使節に参加してもらうことはできるか?」
ジェンを見ると、賛同の意思が見える。
「わかりました。微力ながら協力させていただきます。」
「急な話ですまないが、2日後には出立予定なのだ。準備は大丈夫か?」
「ええ、問題ありません。」
「今回は飛行艇での移動となるので人数もかなり限られてしまう。至急準備を進めてくれ。」
特に必要なものはないが、しばらく町を離れることになるので、クリスさん達も含めて知り合いに挨拶していく。
出発の朝に王宮へ向かうと、すでに飛行艇の準備がされていた。今回同行する中に王家の剣のメンバーも入っていたので心強い。他にも古代文明を研究している学者が数名という感じだ。全部で20名しか乗ることが出来ないのでかなり絞ったようだ。あくまで外交使節団と言うことなので団長には大臣の一人が対応するようだ。名前はマスカさんというらしい。
前に見かけたことはあるが、まともに話したことはない人だった。どうやら褒章の時にいたらしく、いろいろと話しかけてきた。思ったよりも人当たりが良い人で良かったよ。まあ自分たちは国王陛下にもある程度認められているので変なことは出来ないだろうけどね。
移動は基本的に24時間飛び続けるようだ。飛ぶと言っても飛行機のように高いところを飛ぶわけではなく、地面よりも少し高いところを移動するという感じだ。あまり高く飛ぶと魔獣に襲われるのだろう。
それでもかなりの大きさのものを浮かせているので消費する魔獣石は半端ないみたい。まあ古代文明の魔符核を使用しているからそれでもまだ消費は少ないようだけどね。
早速出発となるが、世間的には外交の使節団と言うことになっている。今回は専門的な話があるために学者が多く同行すると言うことになっており、まだ古代兵器のことについては公表されていない。出来ればすべて終わった後に公表したいと考えているのだろう。
飛行艇はバスのような感じで車とかにしてみれば広いことは広いんだが、寝室用のベッドがあるわけではない。ただリクライニングする座席でそのまま寝られるようになっているのでまだいい方だろう。
ジェンが言うには飛行機のファーストクラスまではいかないけど、ビジネスシートくらいの感じらしい。自分はエコノミーしか乗ったことがないから分からないけど、足は伸ばせるのでまだいいな。
簡易のシャワーやトイレはあるし、食事もちゃんと提供してくれるようだ。残念ながら食事はお弁当のようなもので、簡単に温めてくれている程度のものだけどこれはしょうが無いだろう。ここで電子レンジとかを出すわけにもいかないからね。
移動が早いとは言え、飛行機ほどではないので数日で到着というわけではない。身体をあまり動かせないのがちょっとつらいところだ。
サクラからルイサレムまで4日、海を渡るのに7日、そこから対策本部の設置されている帝都のアクアまで5日で到着した。普通は車で14日、船で25日、さらに車で17日かかる日程だ。三分の一くらいの日程で付くというのだからかなり早いのだろう。ここまでの強行軍というのはそれだけ切羽詰まっているのだろうな。
陸上の移動中は途中の町に寄ることが数回あっただけで、あとはずっと移動だったのでかなり疲れてしまった。眠りも浅い感じだったからね。海の上を飛ぶのは最初は感激だったんだけど、しばらくすると何もないので飽きてしまったもんなあ。
帝都も特別な門から町中に入り、かなり高級そうな宿にチェックインする。今回は外交使節としてきているので宿泊などの費用は国持ちなので助かる。部屋はジェンと二人部屋を用意してくれていた。
他の国からの到着も待っているようなので、会議は4日後に行われるようだ。それまでは自由にしていていいらしいが、移動の際には護衛が付くらしい。護衛を兼ねた監視なんだろうな。
古代兵器のことはあるが、折角こっちの国に来たので観光を楽しむことにした。あとはどこかで転移先も記録しておきたいところだな。道しるべの玉はずっと身につけているのでここからでもサクラにはすぐに帰ることができる。
帝都のアクアはかなり歴史のある町らしいが、もともとのエリアが手狭になったため、近くの山を崩して一気に町の規模を拡張したらしく、旧市街地と新市街地で印象がだいぶ異なっていた。
旧市街はやはり建物が入り組んでいて道も狭いところが多い。中心になる道路は広いが脇道は車が入れないところが結構ある。
新市街は車社会になってから計画されたのか道はかなり広めに作られており、車道も2車線作られているところが結構ある。狭いところでも車が離合できるくらいの広さになっているし、歩道も結構広く作られている。
建物は木造建築はなく、ほぼ石造りといった感じだ。木材は飾り付けに使っているくらいのようだ。人口が多くなっているせいか、高い建物も多くて一軒家は貴族エリアくらいしかない。まあ貴族エリアの建物が一軒家と言っていいのか微妙なくらい大きいんだけどね。
王宮は新市街にあるが、昔ながらの象徴的な城という感じではなく、機能的な大きな建物といった感じだ。国会議事堂に近い印象だ。
こっちの国はハクセンと同じくらいの貴族社会みたいで、貴族エリアは自由に立ち入ることが出来ないようだ。今回の宿は貴族エリアにあるので、外国の使節団はある程度身分が保障されているようだ。身分証明証のようなものを渡されたしね。
あとは人種が異なり、こっちの国では犬人が多いらしく、帝国の国王も犬人の血筋らしい。なので町中には犬耳や猫耳の人が多いが、よくある異世界もののようにいろいろな耳の形ではなく、形はほぼ同じだ。最近は混血が進んでいるようだが、こっちの種族は老化が遅いらしい。
言語はアウトラス語なんだが、もちろん打ち合わせは共通語が用いられるので問題は無い。ジェンはアウトラス語をかなり話せるようになっていたが、自分はまだ片言という感じだ。本格的に始めたのはサクラに戻ってきてからだもんなあ。それでもジェンはレベル4まで上がっているのでなかなかすごいよな。自分はまだ2だし・・・。
護衛は付くが町の見学は自由と言うこと何でいろいろと店を回っていく。装備関係はそこまでレベルの差が無い感じだった。ただ食材についてはかなり変わっているのでいろいろと買い足していく。ジェンは予想通りお酒を買い込んでいた。護衛の人に聞いていろいろとおすすめを聞いて見て回る。
こっちにもカサス商会があったので顔を出しておいた。こっちでも重量軽減の魔道具はかなり需要が高いらしいのでここでも納品していく。他にもお店についていろいろと話をしておく。
あとは役場に行って冒険者登録を行い、訓練もやってみた。護衛の方にも相手してほしかったがさすがに断られてしまったよ。でもこっちの冒険者の人たちと手合わせ出てきたので良かった。さすがに帝都と言うだけあって優階位の人とかも結構多かったからね。
優階位の人相手でも結構いい勝負が出来るのはちょっとうれしかった。まあ最初の方だけだけどね。結局は徐々に押されていくが、最初の踏み込みはかなり驚かれた。うまく意表を突ければ優階位の人でもうまくいけば倒せるかもしれないな。
いろいろと見て回るとあっという間に予定の日数が経っていた。なんか完全に観光してしまったなあ。といっても事前に用意する物なんてないもんなあ。
「王家の遺跡の古代兵器について調査を行ってきました。」
「まっておったぞ。前置きはいいので要点の報告を頼む。」
挨拶もそこそこにすぐに今回の調査結果の報告に入る。王家の遺跡に古代兵器と思われるものがあったこと、今回現れた古代兵器に似た感じであること、稼働するための核が壊れていたこと、古代兵器の構造、そして古代兵器の停止方法について話す。
「それでは古代兵器を動かしている核になる部分を破壊すれば止まると考えて良いのだな?」
「もちろん実践したわけではありませんが、古代遺跡に書かれていた内容から考えてもそれで止まると思われます。
それ以外にも物理的に倒していくことも出来るかと思いますが、古代兵器の材質は表面のみとはいえ100%オリハルコンからなっています。かなりの技量と装備があればできるのでは無いかと思いますが、古代兵器の強さがわからないのでなんとも・・・。
あと先に説明した核の破壊についてですが、これについても簡単にはいきません。核は魔獣石と同じと考えてもらえればその困難さが分かると思います。」
「魔獣石と同じだと?」
さすがに意味が分かったようで、参加していた人たち全員が無言となる。
「それでですね・・・一応見てもらった方が良いかと思います。」
10ドールの魔獣石を手に載せて、分解すると1ドールの魔獣石2つになった。
「通常言われる分解とはこのような感じです。」
今度は10ドールの魔獣石を普通の分解ではなく、粉々にするイメージで魔力を込めてみる。すると魔獣石は手の上から消える。
「!!!そ、それは魔獣石の魔素を消費したわけではないのか?」
「ええ、魔素の消費ではありません。小さな粒子に分解するように破壊した感じです。」
「魔獣石を破壊・・・。」
「古代遺跡に書かれていたことなどを参考に、いろいろとイメージして破壊することができました。ただ他の方達がこれと同じ事が出来るかどうかが分かりません。」
しばらく考え込んだ後、宰相と思われる人が声を上げた。
「わかった。
今、今後のことを帝国と話していておるのだ。その結果、古代兵器に詳しい人物に集まってもらい、会合をしようという話が進んでいる。各国からの知識を集めて対応しようとしているのだが、その使節に参加してもらうことはできるか?」
ジェンを見ると、賛同の意思が見える。
「わかりました。微力ながら協力させていただきます。」
「急な話ですまないが、2日後には出立予定なのだ。準備は大丈夫か?」
「ええ、問題ありません。」
「今回は飛行艇での移動となるので人数もかなり限られてしまう。至急準備を進めてくれ。」
特に必要なものはないが、しばらく町を離れることになるので、クリスさん達も含めて知り合いに挨拶していく。
出発の朝に王宮へ向かうと、すでに飛行艇の準備がされていた。今回同行する中に王家の剣のメンバーも入っていたので心強い。他にも古代文明を研究している学者が数名という感じだ。全部で20名しか乗ることが出来ないのでかなり絞ったようだ。あくまで外交使節団と言うことなので団長には大臣の一人が対応するようだ。名前はマスカさんというらしい。
前に見かけたことはあるが、まともに話したことはない人だった。どうやら褒章の時にいたらしく、いろいろと話しかけてきた。思ったよりも人当たりが良い人で良かったよ。まあ自分たちは国王陛下にもある程度認められているので変なことは出来ないだろうけどね。
移動は基本的に24時間飛び続けるようだ。飛ぶと言っても飛行機のように高いところを飛ぶわけではなく、地面よりも少し高いところを移動するという感じだ。あまり高く飛ぶと魔獣に襲われるのだろう。
それでもかなりの大きさのものを浮かせているので消費する魔獣石は半端ないみたい。まあ古代文明の魔符核を使用しているからそれでもまだ消費は少ないようだけどね。
早速出発となるが、世間的には外交の使節団と言うことになっている。今回は専門的な話があるために学者が多く同行すると言うことになっており、まだ古代兵器のことについては公表されていない。出来ればすべて終わった後に公表したいと考えているのだろう。
飛行艇はバスのような感じで車とかにしてみれば広いことは広いんだが、寝室用のベッドがあるわけではない。ただリクライニングする座席でそのまま寝られるようになっているのでまだいい方だろう。
ジェンが言うには飛行機のファーストクラスまではいかないけど、ビジネスシートくらいの感じらしい。自分はエコノミーしか乗ったことがないから分からないけど、足は伸ばせるのでまだいいな。
簡易のシャワーやトイレはあるし、食事もちゃんと提供してくれるようだ。残念ながら食事はお弁当のようなもので、簡単に温めてくれている程度のものだけどこれはしょうが無いだろう。ここで電子レンジとかを出すわけにもいかないからね。
移動が早いとは言え、飛行機ほどではないので数日で到着というわけではない。身体をあまり動かせないのがちょっとつらいところだ。
サクラからルイサレムまで4日、海を渡るのに7日、そこから対策本部の設置されている帝都のアクアまで5日で到着した。普通は車で14日、船で25日、さらに車で17日かかる日程だ。三分の一くらいの日程で付くというのだからかなり早いのだろう。ここまでの強行軍というのはそれだけ切羽詰まっているのだろうな。
陸上の移動中は途中の町に寄ることが数回あっただけで、あとはずっと移動だったのでかなり疲れてしまった。眠りも浅い感じだったからね。海の上を飛ぶのは最初は感激だったんだけど、しばらくすると何もないので飽きてしまったもんなあ。
帝都も特別な門から町中に入り、かなり高級そうな宿にチェックインする。今回は外交使節としてきているので宿泊などの費用は国持ちなので助かる。部屋はジェンと二人部屋を用意してくれていた。
他の国からの到着も待っているようなので、会議は4日後に行われるようだ。それまでは自由にしていていいらしいが、移動の際には護衛が付くらしい。護衛を兼ねた監視なんだろうな。
古代兵器のことはあるが、折角こっちの国に来たので観光を楽しむことにした。あとはどこかで転移先も記録しておきたいところだな。道しるべの玉はずっと身につけているのでここからでもサクラにはすぐに帰ることができる。
帝都のアクアはかなり歴史のある町らしいが、もともとのエリアが手狭になったため、近くの山を崩して一気に町の規模を拡張したらしく、旧市街地と新市街地で印象がだいぶ異なっていた。
旧市街はやはり建物が入り組んでいて道も狭いところが多い。中心になる道路は広いが脇道は車が入れないところが結構ある。
新市街は車社会になってから計画されたのか道はかなり広めに作られており、車道も2車線作られているところが結構ある。狭いところでも車が離合できるくらいの広さになっているし、歩道も結構広く作られている。
建物は木造建築はなく、ほぼ石造りといった感じだ。木材は飾り付けに使っているくらいのようだ。人口が多くなっているせいか、高い建物も多くて一軒家は貴族エリアくらいしかない。まあ貴族エリアの建物が一軒家と言っていいのか微妙なくらい大きいんだけどね。
王宮は新市街にあるが、昔ながらの象徴的な城という感じではなく、機能的な大きな建物といった感じだ。国会議事堂に近い印象だ。
こっちの国はハクセンと同じくらいの貴族社会みたいで、貴族エリアは自由に立ち入ることが出来ないようだ。今回の宿は貴族エリアにあるので、外国の使節団はある程度身分が保障されているようだ。身分証明証のようなものを渡されたしね。
あとは人種が異なり、こっちの国では犬人が多いらしく、帝国の国王も犬人の血筋らしい。なので町中には犬耳や猫耳の人が多いが、よくある異世界もののようにいろいろな耳の形ではなく、形はほぼ同じだ。最近は混血が進んでいるようだが、こっちの種族は老化が遅いらしい。
言語はアウトラス語なんだが、もちろん打ち合わせは共通語が用いられるので問題は無い。ジェンはアウトラス語をかなり話せるようになっていたが、自分はまだ片言という感じだ。本格的に始めたのはサクラに戻ってきてからだもんなあ。それでもジェンはレベル4まで上がっているのでなかなかすごいよな。自分はまだ2だし・・・。
護衛は付くが町の見学は自由と言うこと何でいろいろと店を回っていく。装備関係はそこまでレベルの差が無い感じだった。ただ食材についてはかなり変わっているのでいろいろと買い足していく。ジェンは予想通りお酒を買い込んでいた。護衛の人に聞いていろいろとおすすめを聞いて見て回る。
こっちにもカサス商会があったので顔を出しておいた。こっちでも重量軽減の魔道具はかなり需要が高いらしいのでここでも納品していく。他にもお店についていろいろと話をしておく。
あとは役場に行って冒険者登録を行い、訓練もやってみた。護衛の方にも相手してほしかったがさすがに断られてしまったよ。でもこっちの冒険者の人たちと手合わせ出てきたので良かった。さすがに帝都と言うだけあって優階位の人とかも結構多かったからね。
優階位の人相手でも結構いい勝負が出来るのはちょっとうれしかった。まあ最初の方だけだけどね。結局は徐々に押されていくが、最初の踏み込みはかなり驚かれた。うまく意表を突ければ優階位の人でもうまくいけば倒せるかもしれないな。
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