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番外編 後日談
1. プロローグ-1 ライハンドリアへ
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剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
異世界に飛ばされた二人は無事に元の世界に戻ることが出来た。そして記憶を取り戻した二人は元の世界でも結ばれる。
しかし二人にはずっと気になっていることがあった。二人が出会うことになったライハンドリアのことだ。もう二度と行くことが出来ないという世界だったが、二人にはかすかな希望があった。
~~~~
「ジェン、いけそうか?」
「ええ、大丈夫だと思うわ。」
「レベルを上げるのに時間もかかったけど、魔素をためるのにも時間がかかったな。まあこっちの世界だと余計に時間がかかるのはしょうがないか。」
「そうね。でもこれでもいけるかどうかは分からないわ。」
「ああ、でもこっちでやりたいことはやったし、子供達ももう十分に成長したからな。せっかくだから試してみる価値はあるさ。」
「こっちの世界でもいろいろと冒険に行ったわね。スキルがあるおかげでかなり助かったわ。まあ子供達にもスキルのことは秘密にしていたからいろいろと驚かせたりしたけどね。」
「ああ。そうだなあ・・・。普通だったら行けないようなところでも行けたからな。自分たちが旅行から帰ってきたときの写真を見ていつも驚いていたな。
事業もジェンの両親の助けもあったけどいろいろと拡張できて、こっちの世界でも十分な資産が作れたし、今は名誉職だけだから会社の方も大丈夫だろう。」
「ええ、子供の今後の成長も楽しみの一つだけど、やっぱりあっちの世界のことが気になってしまうのよね。」
「ああ、もし行けることが出来るのなら戻ってくることも出来るはずだ。それにもし何かあっても二人でならきっとなんとかなるさ。」
自分の名前は大岡純一郎。そして話をしている相手は妻のジェニファーだ。高校の時に異世界に転移してそこで出会ったジェンとこっちの世界でも再会した。
高校を卒業した後、ジェニファーと同じ大学へ進学。そして在籍中にジェンと結婚し、そして会社を創業した。アメリカと日本の両方で結婚式をやるのが大変だったが、それはそれで楽しかった。
大学卒業後に子供を3人授かり、上の二人はすでに大学を卒業して働き始めている。一人は自分たちの会社に就職している。下の子も大学に入り、そのまま大学に残るようなことを言っている状態だ。
ジェンとは結婚する前も、結婚してからも、子育てが一段落したあとも一緒にいろいろなところに行った。もちろん普通では簡単に行けないところも魔法を使えばかなり楽に行くことが出来た。おおっぴらに使うことは出来なかったが、うまくごまかして使ったものだ。
世界的に流行した病気についても治癒魔法と回復魔法でなんとかなった。さすがに約束があるので公には出来なかったが、出来る範囲で治療を行って回ったものだ。
魔素の影響なのか同年代と比べて見た目はかなり若くなっているが、40歳を超えてから肉体が衰えてきていることは否めない。スキルのレベルは下がらないのはありがたいが、やはり戦闘系の能力は落ちているのは実感できる。
ジェンもかなり若く見られているが、やはりお互い年をとったものだな。若く見えると言ってもあっちの世界にいたときと比べるまでもない。
戻ってきてしばらくした頃は本当に年をとるのかと不安だった。30歳の時も20歳くらいに見える容姿だったからな。今でも子供達と一緒にいても親子に見られないことがあるのだ。
ライハンドリアに行けるかもしれないと思ったのは向こうの世界にいたときにあったガイド本に書かれていた内容からだった。
残念ながらこっちの世界の戻ったときにガイド本は無くなってしまったのだが、ガイド本の内容は写真に撮ったり、書き写していたりしておいたので、ある程度の情報は今も見ることが出来る。
転移魔法に関する記述はこのくらいしか書かれていなかった。
転移魔法レベル1:現在の座標を確認。
転移魔法レベル2:転移先の座標を指定。
転移魔法レベル3:魔素量に応じて転移先に転移。
転移魔法レベル4:必要な魔素量を削減して転移。
転移魔法レベル5:すべての指定座標に転移。
レベル5のところには”すべての指定座標”とわざわざ書いているのだ。4までは”転移”とだけ書いているのに、ここでわざわざ”すべての指定座標”と書かれているのはなぜなのか?
ジェンも同じ事を思ったらしく、わずかな可能性にかけてスキルのレベルを上げることに力を注いだ。向こうの神様の加護は残っていたのだが、やはり魔素の取り扱いについてはなかなか上がらなかった。
日々の鍛錬を続け、10年近くの月日が流れ、ついに転移魔法のレベルを上げることが出来た。
レベル5になって座標を確認すると、今までと違うものが見えた。座標にもともと見えていた3つの数字の他にもう一つの数字が見えたのだ。そしてその数字は地球で登録した地点とライハンドリアで登録した地点で異なっていたのだ。
もしかしたらと思って道しるべの玉に魔素をためていったが、なかなか行き先が選べるようにならなかった。おそらくこっちの世界の魔素が少ないせいだろう。もちろん距離の問題もあるのかもしれない。
そして魔素を貯め続けてかなりの歳月が流れたころについに行き先が選べるようになった。
絶対に行けるとは限らない。でも挑戦してみる価値はある。二人で話をして決めたことだ。後悔はしない。
「それじゃあ先に行くよ。」
「ええ。私もすぐに行くからね。」
転移先を指定して転移魔法を発動する。すると周りの景色が変わった。
~あとがき~
本編の書き直しは思ったよりも時間がかかっています。大筋は替えるつもりはありませんが、思ったよりも話が増えそうなので別途アップしようかと思っています。
10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~の後日談の話となりますが、現在元の内容を書き換えているところで、その内容に沿った後日談となるため若干のずれが生じる場合があります。
後日談はどのくらいの話になるかわかりませんが、おそらく10話程度ではないかと思っています。ざっくりと内容は書いているのですが、本編も当初予定の2倍の長さになってしまいましたので・・・。のんびりと書いていくつもりなので前のように週に何話もアップすることは出来そうにありません。
異世界に飛ばされた二人は無事に元の世界に戻ることが出来た。そして記憶を取り戻した二人は元の世界でも結ばれる。
しかし二人にはずっと気になっていることがあった。二人が出会うことになったライハンドリアのことだ。もう二度と行くことが出来ないという世界だったが、二人にはかすかな希望があった。
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「ジェン、いけそうか?」
「ええ、大丈夫だと思うわ。」
「レベルを上げるのに時間もかかったけど、魔素をためるのにも時間がかかったな。まあこっちの世界だと余計に時間がかかるのはしょうがないか。」
「そうね。でもこれでもいけるかどうかは分からないわ。」
「ああ、でもこっちでやりたいことはやったし、子供達ももう十分に成長したからな。せっかくだから試してみる価値はあるさ。」
「こっちの世界でもいろいろと冒険に行ったわね。スキルがあるおかげでかなり助かったわ。まあ子供達にもスキルのことは秘密にしていたからいろいろと驚かせたりしたけどね。」
「ああ。そうだなあ・・・。普通だったら行けないようなところでも行けたからな。自分たちが旅行から帰ってきたときの写真を見ていつも驚いていたな。
事業もジェンの両親の助けもあったけどいろいろと拡張できて、こっちの世界でも十分な資産が作れたし、今は名誉職だけだから会社の方も大丈夫だろう。」
「ええ、子供の今後の成長も楽しみの一つだけど、やっぱりあっちの世界のことが気になってしまうのよね。」
「ああ、もし行けることが出来るのなら戻ってくることも出来るはずだ。それにもし何かあっても二人でならきっとなんとかなるさ。」
自分の名前は大岡純一郎。そして話をしている相手は妻のジェニファーだ。高校の時に異世界に転移してそこで出会ったジェンとこっちの世界でも再会した。
高校を卒業した後、ジェニファーと同じ大学へ進学。そして在籍中にジェンと結婚し、そして会社を創業した。アメリカと日本の両方で結婚式をやるのが大変だったが、それはそれで楽しかった。
大学卒業後に子供を3人授かり、上の二人はすでに大学を卒業して働き始めている。一人は自分たちの会社に就職している。下の子も大学に入り、そのまま大学に残るようなことを言っている状態だ。
ジェンとは結婚する前も、結婚してからも、子育てが一段落したあとも一緒にいろいろなところに行った。もちろん普通では簡単に行けないところも魔法を使えばかなり楽に行くことが出来た。おおっぴらに使うことは出来なかったが、うまくごまかして使ったものだ。
世界的に流行した病気についても治癒魔法と回復魔法でなんとかなった。さすがに約束があるので公には出来なかったが、出来る範囲で治療を行って回ったものだ。
魔素の影響なのか同年代と比べて見た目はかなり若くなっているが、40歳を超えてから肉体が衰えてきていることは否めない。スキルのレベルは下がらないのはありがたいが、やはり戦闘系の能力は落ちているのは実感できる。
ジェンもかなり若く見られているが、やはりお互い年をとったものだな。若く見えると言ってもあっちの世界にいたときと比べるまでもない。
戻ってきてしばらくした頃は本当に年をとるのかと不安だった。30歳の時も20歳くらいに見える容姿だったからな。今でも子供達と一緒にいても親子に見られないことがあるのだ。
ライハンドリアに行けるかもしれないと思ったのは向こうの世界にいたときにあったガイド本に書かれていた内容からだった。
残念ながらこっちの世界の戻ったときにガイド本は無くなってしまったのだが、ガイド本の内容は写真に撮ったり、書き写していたりしておいたので、ある程度の情報は今も見ることが出来る。
転移魔法に関する記述はこのくらいしか書かれていなかった。
転移魔法レベル1:現在の座標を確認。
転移魔法レベル2:転移先の座標を指定。
転移魔法レベル3:魔素量に応じて転移先に転移。
転移魔法レベル4:必要な魔素量を削減して転移。
転移魔法レベル5:すべての指定座標に転移。
レベル5のところには”すべての指定座標”とわざわざ書いているのだ。4までは”転移”とだけ書いているのに、ここでわざわざ”すべての指定座標”と書かれているのはなぜなのか?
ジェンも同じ事を思ったらしく、わずかな可能性にかけてスキルのレベルを上げることに力を注いだ。向こうの神様の加護は残っていたのだが、やはり魔素の取り扱いについてはなかなか上がらなかった。
日々の鍛錬を続け、10年近くの月日が流れ、ついに転移魔法のレベルを上げることが出来た。
レベル5になって座標を確認すると、今までと違うものが見えた。座標にもともと見えていた3つの数字の他にもう一つの数字が見えたのだ。そしてその数字は地球で登録した地点とライハンドリアで登録した地点で異なっていたのだ。
もしかしたらと思って道しるべの玉に魔素をためていったが、なかなか行き先が選べるようにならなかった。おそらくこっちの世界の魔素が少ないせいだろう。もちろん距離の問題もあるのかもしれない。
そして魔素を貯め続けてかなりの歳月が流れたころについに行き先が選べるようになった。
絶対に行けるとは限らない。でも挑戦してみる価値はある。二人で話をして決めたことだ。後悔はしない。
「それじゃあ先に行くよ。」
「ええ。私もすぐに行くからね。」
転移先を指定して転移魔法を発動する。すると周りの景色が変わった。
~あとがき~
本編の書き直しは思ったよりも時間がかかっています。大筋は替えるつもりはありませんが、思ったよりも話が増えそうなので別途アップしようかと思っています。
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後日談はどのくらいの話になるかわかりませんが、おそらく10話程度ではないかと思っています。ざっくりと内容は書いているのですが、本編も当初予定の2倍の長さになってしまいましたので・・・。のんびりと書いていくつもりなので前のように週に何話もアップすることは出来そうにありません。
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