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番外編 後日談
13. 意外な人物との再会
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クリスさんの家に泊まっている間に是非会ってほしい人がいると言われて会食をすることになった。どうやら自分たちが知っている人みたいなんだけど、驚かせたいのか誰なのかは教えてくれない。
クリスさんと待ち合わせの店に行って部屋に通されると、一人の男性が待っていた。髪は剃っているのか無くなったのか分からないが、頭はつるつるで、かなりたくましい体格をしている。結構歳は行っているようだが、歳は感じさせない覇気があった。
どこかで見たような顔なんだけど・・・どこで会ったかな?
『お久しぶりということでいいですか?ジュンイチさん、ジェニファーさん。あのときとは大分見た目が変わってしまいましたが、覚えていらっしゃいますか?』
話してきたのはサビオニア語だった。ということはサビオニアで会った人?
ジェンと顔を合わせるが、やはり首をひねっている。
『すみません。申し訳ありませんが、どなたなのでしょうか?』
『まあ仕方が無いかな。ロンと言えば分かりますか?』
『ロン?ロンさん!?サビオニアのときに遺跡に案内したロンさんですか?』
『はい、その通りです。まあ分からないのも仕方が無いかな。』
そう言いながら頭をなでている。あのときは長髪だったよな。しかもあのときよりも体格も違うし、見た印象も違っている。
『ここ数日予定が入っていたというのがサビオニアからの使節団を迎えるためだったんだ。ロン外交大臣がいらっしゃったので、内密と言うことで二人のことを話したんだが、是非会いたいと言われてな。』
クリスさんが説明してくれた。クリスさんも外交をしているせいかサビオニア語を流暢に話していた。
『話を聞いたときは本当に驚きましたよ。クリストフ王爵とは何度も二人のことで話していたことがありまして、今回二人のことを聞いて是非にとお願いしたのです。
あのときは本当にありがとうございました。二人のおかげで国が安定することが出来たと言っても過言ではありません。』
『いえいえ、ロンさんやハクさん達みんなががんばったからこその結果だと思いますよ。自分たちはほんの少し手助けしただけですから。』
挨拶がすんだ後は席について食事をしながら、当時のことやサビオニアの現状について話をする。クリスさんは当時のことを聞いてかなり驚いていた。
現在ナンホウ大陸は4つの国に別れており、もともとあったタイカン国、サビオニア国、東半分の領土となったモクニク国、そしてモクニク国から独立した西半分のランタク国だ。モクニク以外は民主化が進んでおり、人や物の行き来が活発に行われているが、モクニクは現在鎖国のような状況になっているようだ。あのときに見つかったタイカンとモクニクの間の古代通路は現在封鎖されてしまっているらしい。
サビオニアはモクニクを経由しての流通がなくなったことにより、タイカンからランタク経由で資源を出荷することになったせいで、さすがにホクセイ大陸との取引量がかなり下がってしまったらしい。そこで現在は海路を利用してヤーマン国と直接取引が行われているようだ。
『そこでご相談なんですが・・・。』
ロンさんがなにやら深刻な表情でお願いがあると言ってきた今の話の流れから考えると、おそらくあれのことだろうな。
『以前の遺跡調査で古代通路がまだあるという話をされていましたよね?その通路がどのようになっているのか調査をお願いしたいのです。』
『たしかに現在の勢力図をみると、おそらくタイカンの北東部からランタクの南東部につながる通路になると思います。わざわざタイカンの西側の通路を経由せずにランタクの東エリアとの流通が出来るようになりますのでかなりの行程短縮になることが考えられますね。ただもし見つかったとしてもサビオニアの恩恵はかなり小さいと思いますがいいのですか?』
『古代通路の存在についてはタイカン国と以前から話しており、現在はランタク国を含めて協議を行っているのです。この存在については事前に契約を交わしていまして、この通路を利用する際の関税を免除してもらうことで話が付いています。このため、我が国にも大きなメリットが出てくるのです。
各国と共同で何度か冒険者に遺跡の調査をお願いしているのですが、手がかりすら見つからない状況なんですよ。』
『自分たちでも見つかるかどうかは正直断言は出来ませんよ。それでもかまわないのですか?』
『ええ、他の冒険者に頼むよりは可能性は高いと思っています。もちろん、それ相応の報酬もお出ししますし、もし見つかったら追加で報酬を用意させていただきます。』
通路の場所については道しるべの玉を使えば確認出来るので、おそらく見つけることは出来るだろう。今なら優階位の魔獣であれば倒せるだろうから大丈夫だと思う。
「どうする?サビオニアでもあの村とか気になるところはあるんだよな。」
「そうね。それ以前にあの国がどう変わったのかやっぱり見てみたい気もするわ。」
「分かりました。
クリスさん、急な話で申し訳ありませんが、あの国がどうなっているかを見に行くことを含めて一度サビオニアに行ってみようと思います。」
「ああ、ジュンイチ達を縛る権利もないし、それはかまわないぞ。まあ出発まではうちにいてくれるんだよな。」
「お邪魔させていただけるのであれば喜んで。」
『ロンさん。本当に発見できるのか、発見できたものが使えるのかどうかは分かりませんが、がんばってみようと思います。ただ調査の前に少しサビオニアの町で見てみたいところがありますので、少し時間をいただくことは出来ますか?』
『それは大丈夫です!!ありがとうございます。
我々と一緒に移動していただければサビオニアまで最短で到着できるはずです。二人の席はすぐに確保しますのでよろしくお願いします。』
どうやら外交使節として飛行艇でやって来ていたらしく、席を準備してくれるらしい。出発は3日後になるようなので、それまでに準備をするように言われる。移動中の食事などについては準備してくれるようなので特にこれといった物はないようだけどね。
ロンさんを見送った後、クリスさんから身分証明証について話をしてくれた。国内の移動については現在は完全に自動化されているので問題ないが、国の移動時には身分証明証を確認されるらしい。
そこで問題になってくるのが自分達のパーティー名のようだ。どうやらアースというパーティー名はアムダの英雄のための名前と言うことになって現在登録することが出来なくなっているみたい。自分たちの再登録の時には気がつかれなかったようでそのまま処理されたようだが、おそらく今後国を移動する際には問題となるだろうと言うことだった。
そこでクリスさんが準備してくれたのがヤーマン国が発行する許可証だった。どうやら自分たちに会ったあと、すぐに準備を進めていてくれていたらしい。
これがあれば身分証明証は自動認識させた後、その許可証を見せるだけでいいようだ。以前の貴族専用の通路のような感じなので専用の窓口で簡単に通ることが出来るようだ。通常は外交官など特別な人にしか発行されないようだが、現在の国王に相談の上で発行してもらったらしい。
「そんな特別扱いしてもらっていいんですか?」
「現場の混乱などを考えると、どう考えてもそっちの方がいいだろうという判断だ。
ちなみに二人のことを知っているのはまだかなり限定されている。もしもの時は緊急連絡先が書かれているのでこれを見せてくれれば大丈夫だろう。
出来るだけ身分証明証を他のものには見せないようにしておいてくれ。依頼の受領についても今では自動処理になっているからわざわざ確認されることは無いと思うが、余計なトラブりになりかねないからな。」
「ありがとうございます。」
思った以上に自分たちの名前は有名になっているらしい。
~ロンSide~
まさかあの二人に再び会うことが出来るとは思わなかった。クリストフ王爵から話を聞いたときは半分冗談だと思ってしまったがな。記憶に焼き付いている二人の姿そのままだったし、クリストフ王爵が確認をとっていないわけはないからな。
サビオニアの今があるのはあの二人のおかげと言っても言い過ぎではないだろう。まあモクニク国の内乱の特需のおかげもあるんだが、彼らの協力がなかったら、そもそもその戦争特需を受けることも出来なかっただろう。
古代遺跡発見のための協力まで受けてもらえるのは今回の外交はこれだけでもかなりの成果だと言っていいだろう。見つかるかどうか分からないと言っていたが、おそらく大丈夫と考えていいだろう。どういう方法かまで言及するつもりはないが、彼らには不思議な力があるようだからな。
ハクにも会わせようと思うが、どうやって会わせるのが一番効果的かな?最近は昔のような表情を見ることはほとんど無くなってしまったから、少しでも昔を思い出してほしいものだ。
そういえば今回の同行者の中にあの村の出身者がいたな。あまり口外は出来ないが、少し話が出来るように気を遣ってみるか。
クリスさんと待ち合わせの店に行って部屋に通されると、一人の男性が待っていた。髪は剃っているのか無くなったのか分からないが、頭はつるつるで、かなりたくましい体格をしている。結構歳は行っているようだが、歳は感じさせない覇気があった。
どこかで見たような顔なんだけど・・・どこで会ったかな?
『お久しぶりということでいいですか?ジュンイチさん、ジェニファーさん。あのときとは大分見た目が変わってしまいましたが、覚えていらっしゃいますか?』
話してきたのはサビオニア語だった。ということはサビオニアで会った人?
ジェンと顔を合わせるが、やはり首をひねっている。
『すみません。申し訳ありませんが、どなたなのでしょうか?』
『まあ仕方が無いかな。ロンと言えば分かりますか?』
『ロン?ロンさん!?サビオニアのときに遺跡に案内したロンさんですか?』
『はい、その通りです。まあ分からないのも仕方が無いかな。』
そう言いながら頭をなでている。あのときは長髪だったよな。しかもあのときよりも体格も違うし、見た印象も違っている。
『ここ数日予定が入っていたというのがサビオニアからの使節団を迎えるためだったんだ。ロン外交大臣がいらっしゃったので、内密と言うことで二人のことを話したんだが、是非会いたいと言われてな。』
クリスさんが説明してくれた。クリスさんも外交をしているせいかサビオニア語を流暢に話していた。
『話を聞いたときは本当に驚きましたよ。クリストフ王爵とは何度も二人のことで話していたことがありまして、今回二人のことを聞いて是非にとお願いしたのです。
あのときは本当にありがとうございました。二人のおかげで国が安定することが出来たと言っても過言ではありません。』
『いえいえ、ロンさんやハクさん達みんなががんばったからこその結果だと思いますよ。自分たちはほんの少し手助けしただけですから。』
挨拶がすんだ後は席について食事をしながら、当時のことやサビオニアの現状について話をする。クリスさんは当時のことを聞いてかなり驚いていた。
現在ナンホウ大陸は4つの国に別れており、もともとあったタイカン国、サビオニア国、東半分の領土となったモクニク国、そしてモクニク国から独立した西半分のランタク国だ。モクニク以外は民主化が進んでおり、人や物の行き来が活発に行われているが、モクニクは現在鎖国のような状況になっているようだ。あのときに見つかったタイカンとモクニクの間の古代通路は現在封鎖されてしまっているらしい。
サビオニアはモクニクを経由しての流通がなくなったことにより、タイカンからランタク経由で資源を出荷することになったせいで、さすがにホクセイ大陸との取引量がかなり下がってしまったらしい。そこで現在は海路を利用してヤーマン国と直接取引が行われているようだ。
『そこでご相談なんですが・・・。』
ロンさんがなにやら深刻な表情でお願いがあると言ってきた今の話の流れから考えると、おそらくあれのことだろうな。
『以前の遺跡調査で古代通路がまだあるという話をされていましたよね?その通路がどのようになっているのか調査をお願いしたいのです。』
『たしかに現在の勢力図をみると、おそらくタイカンの北東部からランタクの南東部につながる通路になると思います。わざわざタイカンの西側の通路を経由せずにランタクの東エリアとの流通が出来るようになりますのでかなりの行程短縮になることが考えられますね。ただもし見つかったとしてもサビオニアの恩恵はかなり小さいと思いますがいいのですか?』
『古代通路の存在についてはタイカン国と以前から話しており、現在はランタク国を含めて協議を行っているのです。この存在については事前に契約を交わしていまして、この通路を利用する際の関税を免除してもらうことで話が付いています。このため、我が国にも大きなメリットが出てくるのです。
各国と共同で何度か冒険者に遺跡の調査をお願いしているのですが、手がかりすら見つからない状況なんですよ。』
『自分たちでも見つかるかどうかは正直断言は出来ませんよ。それでもかまわないのですか?』
『ええ、他の冒険者に頼むよりは可能性は高いと思っています。もちろん、それ相応の報酬もお出ししますし、もし見つかったら追加で報酬を用意させていただきます。』
通路の場所については道しるべの玉を使えば確認出来るので、おそらく見つけることは出来るだろう。今なら優階位の魔獣であれば倒せるだろうから大丈夫だと思う。
「どうする?サビオニアでもあの村とか気になるところはあるんだよな。」
「そうね。それ以前にあの国がどう変わったのかやっぱり見てみたい気もするわ。」
「分かりました。
クリスさん、急な話で申し訳ありませんが、あの国がどうなっているかを見に行くことを含めて一度サビオニアに行ってみようと思います。」
「ああ、ジュンイチ達を縛る権利もないし、それはかまわないぞ。まあ出発まではうちにいてくれるんだよな。」
「お邪魔させていただけるのであれば喜んで。」
『ロンさん。本当に発見できるのか、発見できたものが使えるのかどうかは分かりませんが、がんばってみようと思います。ただ調査の前に少しサビオニアの町で見てみたいところがありますので、少し時間をいただくことは出来ますか?』
『それは大丈夫です!!ありがとうございます。
我々と一緒に移動していただければサビオニアまで最短で到着できるはずです。二人の席はすぐに確保しますのでよろしくお願いします。』
どうやら外交使節として飛行艇でやって来ていたらしく、席を準備してくれるらしい。出発は3日後になるようなので、それまでに準備をするように言われる。移動中の食事などについては準備してくれるようなので特にこれといった物はないようだけどね。
ロンさんを見送った後、クリスさんから身分証明証について話をしてくれた。国内の移動については現在は完全に自動化されているので問題ないが、国の移動時には身分証明証を確認されるらしい。
そこで問題になってくるのが自分達のパーティー名のようだ。どうやらアースというパーティー名はアムダの英雄のための名前と言うことになって現在登録することが出来なくなっているみたい。自分たちの再登録の時には気がつかれなかったようでそのまま処理されたようだが、おそらく今後国を移動する際には問題となるだろうと言うことだった。
そこでクリスさんが準備してくれたのがヤーマン国が発行する許可証だった。どうやら自分たちに会ったあと、すぐに準備を進めていてくれていたらしい。
これがあれば身分証明証は自動認識させた後、その許可証を見せるだけでいいようだ。以前の貴族専用の通路のような感じなので専用の窓口で簡単に通ることが出来るようだ。通常は外交官など特別な人にしか発行されないようだが、現在の国王に相談の上で発行してもらったらしい。
「そんな特別扱いしてもらっていいんですか?」
「現場の混乱などを考えると、どう考えてもそっちの方がいいだろうという判断だ。
ちなみに二人のことを知っているのはまだかなり限定されている。もしもの時は緊急連絡先が書かれているのでこれを見せてくれれば大丈夫だろう。
出来るだけ身分証明証を他のものには見せないようにしておいてくれ。依頼の受領についても今では自動処理になっているからわざわざ確認されることは無いと思うが、余計なトラブりになりかねないからな。」
「ありがとうございます。」
思った以上に自分たちの名前は有名になっているらしい。
~ロンSide~
まさかあの二人に再び会うことが出来るとは思わなかった。クリストフ王爵から話を聞いたときは半分冗談だと思ってしまったがな。記憶に焼き付いている二人の姿そのままだったし、クリストフ王爵が確認をとっていないわけはないからな。
サビオニアの今があるのはあの二人のおかげと言っても言い過ぎではないだろう。まあモクニク国の内乱の特需のおかげもあるんだが、彼らの協力がなかったら、そもそもその戦争特需を受けることも出来なかっただろう。
古代遺跡発見のための協力まで受けてもらえるのは今回の外交はこれだけでもかなりの成果だと言っていいだろう。見つかるかどうか分からないと言っていたが、おそらく大丈夫と考えていいだろう。どういう方法かまで言及するつもりはないが、彼らには不思議な力があるようだからな。
ハクにも会わせようと思うが、どうやって会わせるのが一番効果的かな?最近は昔のような表情を見ることはほとんど無くなってしまったから、少しでも昔を思い出してほしいものだ。
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