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18. 異世界148日目 パーティーを組んで三ヶ月
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18. 異世界148日目 パーティーを組んで三ヶ月
ジェンと狩りをするようになってから3ヶ月ほどたった。いろいろとやり方を検討した結果、遠出、近場、遠出、近場、休みの5日サイクルを基本に行うことにしている。ただ雨の日は移動も大変だし、危険度も上がるため狩りは休むことにしている。
宿の手伝いは遠征の時は帰るのが遅くなるので厳しいけど、近場で狩りをしたときや雨の時には手伝うようにしているので宿代は半額にしてくれている。
遠出の時の移動時間はさらに体重軽減できるようになったことと、体力も付いてきたこともあって通常2時間(240分)近くかかるが今では行きは60分で移動できるようになった。荷物も一人60キグムくらいまで運ぶことができるようになってかなり効率アップだ。帰りはその分時間はかかるけど、それでも1時間はかからない。
近場で狩る魔獣は並階位中位までの狼、魔猪、魔牛、魔馬、闇蝙蝠、大蛇、大蟷螂、鬼蜘蛛、毒スライムという感じだ。
始めて狩った魔猪、魔牛、魔馬は名前の通りの形をしているんだが、ちょっと大きめの犬くらいで基本的に突進してくるだけなので土魔法で壁を作ると転んだり、速度が落ちたりするので思ったよりも楽に倒すことができた。
素材は肉しかないんだけど、肉としての質はいいのでそこそこ大きな収入だ。そんなにいないのが残念だけどね。
闇蝙蝠は吸血蝙蝠の進化前のものみたいなのでそこまで脅威はないんだけど、数が多いのが面倒だった。小さな怪我はかなりしてしまうんだが、治癒魔法があるので問題は無い。普通はこのくらいの怪我だったら自然治癒を待つらしいけど、それだとやっぱり痛いからねえ。
遠出で狩る魔獣は並階位上位の山猫、二頭蛇、巨蟷螂、吸血蝙蝠、大角兎くらいで、1回ずつ上階位下位の穴熊と大魔猪を倒している。体力もあって攻撃力も高かったせいで結構怪我をしてしまった。持って帰る肉が多くて帰りは時間がかかって大変だったけど、その分収入は多かったのはうれしかったけどね。
さらの大型の大魔牛や大魔馬はさすがに厳しそうなので近くにやってきたら逃げるようにしている。
遠征の時には目に付いた薬草関係の採取も行い、収入は平均で5000ドール、近場の時は3000ドールという感じになった。この三ヶ月で25万ドールほどは稼いだんだけど、宿代や装備の整備代などもかかったので差し引きの収益は17万ドールほどだ。
まだ十分という蓄えではないんだけど、並階位の冒険者がちゃんと生活できているという時点で結構稼いでいるという認識である。
さすがにお金も増えてきたので、今は銀行のようなところにある程度のお金を預けている。この取引も身分証明証がそのまま利用できるのでありがたい。
利子は付かないし、月額の利用料が300ドールかかるし、現金を下ろすときにはお金がかかるとかマイナス面はそれなりにあるんだけど、安全と利便性を考えると利用せざるを得ない。
大きな店だと直接支払いが出来るし、身分証明証がカード本体だから地球のカードよりよほど安全だ。大きな買い物をする場合はカードを利用することが普通みたいだからね。
手数料がかかるとは言え、大きめの町であれば世界中のどこでもお金を下ろせるというのも大きい。ヤーマンだと首都のサクラやアーマトを含めた州都だけでなく、オカニウムなどの中都市でも利用できる。まあ、戦争中の町など治安が悪いところはさすがに難しいみたいだけどね。それだけのお金を置いておくリスクが大きすぎるようだ。
ただ、残金をいつでも好きなだけ下ろせるというわけではなく、通常は10万ドールまでで、それ以上になると事前に申請が必要となる。10万ドールでも場合によっては待たされると言うこともあるようだ。
お互いに何かあっても困るので、ジェンの口座に貯蓄用として一定額を入れており、自分の口座を通常使用する用に分けて管理している。もちろん現金しか使えないところもあるのである程度のお金は持ち歩くしかない。
ちなみにお金を預けている人が亡くなった場合、事前に申請している人がお金を下ろすか、受け取り者のカードにお金を移すことが可能となっている。このためジェンとはお互いに受け取り者で申請している。
ただ受け取りには亡くなった人の身分証明証が必要なため、身分証明証がないとお金を受け取れないというリスクがある。10年間のカードの使用やお金の出し入れがない場合もそのお金は国に納められることになるらしい。
このため、貯蓄に関しては投資会社のような感じのところに預けたり、信頼できる人に預かってもらったり、家に保管したりしていることも多いようだ。
狩りのスタンスは基本的に変わらず、索敵で魔獣を探してからある程度近づき、遠距離から二人で魔法攻撃。ある程度近づくまでは魔法攻撃でダメージを与え、近づいてきた場合は自分が前に出てジェンは魔法でサポートだ。状況によりジェンも前に出て短剣で攻撃するようにしている。
魔獣も結構倒したおかげでジェンも並階位に上がったし、次は二人で上階位にあがることを目標にがんばっている。
安全を見て遠方から攻撃できる魔法での攻撃を主体にしているけど、やはり必要と言うことで剣や短剣の鍛錬も行っている。役場の講習会に参加したり、毎日少しの時間だけどジェンとの訓練は怠っていない。自分もジェンも以前と比べるとだいぶ魔獣の攻撃も裁けるようになってきたと思っている。
魔法についてはもう一度講習を受けてみたんだけど、正直あまり意味のないものだったのでそれからは自己鍛錬という形で行っている。やはり自分で考えて色々とやってみた方が良さそうだった。
狩りが休みの日には図書館に行って勉強していたんだけど、神様の加護のおかげか記憶力とか理解力が上がっているのはなんとなく実感できた。
学力は大分上がってきていると思うんだけど、まだ鑑定レベルが上がるまでには至っていない。次のレベルまでどのくらいなのかが分からないのがじれったい。『次のレベルアップまで経験値が○○必要です』とかないし、経験値という概念ではないからしょうが無いんだけどね。
スキルという点で言えば特筆すべきは解体魔法だろう。解体スキルが2に上がったせいなのか、解体魔法を使えるようになった。鑑定がなければ覚えたとしても使おうとしない限りは分からないというのはつらいね。
手で解体していたのをイメージして魔法を使うと、自分で解体するレベルで魔獣を解体できるのでかなり楽になる。しかも時間は大きさにもよるが1分かからない。解体する道具が必要なのでようは自分が行う手順を高速かつ自動で行うようなものだ。大きさなどの個体差は補正してくれるので助かる。
実際の自分の解体レベルでの解体となるため、その魔獣をきちんと解体できることが前提だけどね。初めて解体する魔獣で解体魔法を使ってみるとただ切り刻むだけになってしまうという・・・。同系列の魔獣であればうまくいく場合もあるらしいけど、それでも数回はちゃんと解体した方が良さそうだ。
索敵についてはやっと自分の思うような感じになった。レーダー配置のような感じで魔素の強さも色で判断できるようになった。範囲は50キヤルドくらいだけど、強さを示さないで探知だけであれば100キヤルドくらいのエリアを索敵できる。ただ範囲を広げると神経を使うので定期的に使って位置を確認するくらいじゃないと厳しい。
ジェンも同じように索敵できるようになってきて、自分と同じようにレーダーのような感じに見えるようになったみたいだけど、まだエリアは30キヤルドと60キヤルドくらいのようだ。
あとは肉体硬化で肉体の強化ができるようになった。これは魔素をほんのわずか体の表面に流すことによって体を膜で覆うようなイメージだ。慣れてくると無意識にできるようになって攻撃された際に怪我しにくくなる。そんなに強力ではないけど、使っていると徐々にレベルも上がっていくはずだ。
毒耐性と麻痺耐性はいつの間にか付いていた。戦闘中に弱いとは言え、毒とか麻痺とか受けているせいだろう。耐性が付いたから毒とかが効かなくなるというわけではないようだけど、毒が効きにくくなり、痛みが小さくなるらしい。レベルが上がってくれば弱い毒などは効かなくなるんだろうけどね。
鍛冶や調合や錬金は今は他にすることが多くて手が回っていない。罠関係についてはさすがに必要だろうと言うことでちょっとずつ勉強をやり始めている。本格的にするには実地訓練が必要なので講習会とかに参加しなければならないんだけどね。ただ残念ながらオカニウムではやってないんだよなあ。
いまのところは戦闘能力を上げることを中心にやっている感じだ。というのも、こっちの世界の滞在が長くなってしまった場合、他の土地に移っても元手がなくても安定して稼ぐにはある程度のレベルの魔獣を狩れるようにならないといけないからね。
やはり最低限の生活が出来る経済力が無ければ何も出来ないし、あればなんとかなってしまうのはこっちの世界でも同じ事だ。
収入関係としてはジェンに会ったあとも2回のみの市があったので二人で見て回り、いくつかいいものを手に入れている。購入したものはそれぞれ1000ドール、50ドール、1500ドールなんだけど、少なくとも10倍以上の価値はあると思っている。
鉄の短剣は前に買った鉄の剣と同じように1本1000ドール均一で売られていたものだ。それほどひどく錆びたりはしていなかったのに、売られているときの表示は低レベルとなっていたので鍛冶屋に出して磨いてもらった。
名称:鉄の短剣(高)
詳細:鉄を鍛えて製作された短剣。
品質:高
耐久性:高
効果:高
効力:強度向上
力のネックレスはアクセサリー関係がいっぱいある中で偶然見つけたものだ。ほとんどがおもちゃのようなものだったんだけど、付与がつけられていたものが混じっていた。つけるだけで筋力が向上するのでありがたいけど、付与魔法が薄れてきているのでどのくらい持つのかは分からない。
名称:力のネックレス(高)
詳細:銅製のネックレス。
品質:高
耐久性:並
効果:高
効力:筋力向上
魔術の指輪は宝石もついていないもので、銀製のただの指輪と思われていたみたい。付与魔法が刻まれているのになぜ分からなかったのかは不明だけど、まあ全く知識がなければ模様と思ってしまうのかもしれないね。
効果について試してみたところ、水魔法で出てくる水の量が1割ほど増えていたので10%くらい威力が上がるという感じだろうか?
名称:魔術の指輪(並)
詳細:銀製の指輪。
品質:並
耐久性:並
効果:並
効力:魔力強化
鑑定が一般的でないこの世界では装備品の判断はかなり難しい。鍛冶、調合、錬金、付与、商人の熟練者が装備品などのアイテムのみ鑑定に近い能力を得ることはわかっている。
鑑定の魔道具でわかるのも装備品の名前(付与の機能は示されない)とレベル(低、並、高、良、優、特)と商品の説明のみで、あとは付与されている文様から効果を判断するというのが一般的なようだ。もちろん複数の効果が付与されたものについては価格が高くなる。
ただ壊れていたり、整備されていなかったりすると従来の性能が表示されないため、鑑定でもちゃんと出ないことがあるようだ。通常の鑑定持ちとの差だね。
なんで鍛冶屋とか商店に持ち込んで売らないのかが不思議だったんだけど、買い取りの際には最初に鑑定料を取られるのがネックになるらしい。高いものだったら鑑定代を払ってもメリットはあるんだけど、安いものだったら鑑定代の方が高くなることもあるらしく、鑑定をせずにそのまま売ることも多いようだ。鑑定代はものにも寄るが100~1000ドールほどかかるみたい。
あとちゃんと手入れされていなかったり、壊れていたりすると高品質のものでも低レベルで表示されているのも罠だ。まあ見る人が見れば分かるんだろうけどね。そう考えるとわざわざ本当の価値を伝えなくて鑑定結果のみを伝えて買い取る人もいそうだな。
転売すればそれなりのもうけにはなると思うけど、まずは自分たちが使えるものは使うことにしている。触らなくて鑑定ができるようになったらもっと見つけるのが楽になるんだけど、あまりに露骨にやり過ぎるのもやばそうなんだよね。
さすがに最初から使っていた防具関係はかなり傷んできていたので買い換えた。手入れはしていたけど、さすがに使いつぶした感じだったせいで下取りは無かったのはしょうが無いだろう。新しく購入するから処分代は取られなかったのはよかったけどね。金属系なら最低限の下取りはあるだろうけど、安い皮製品は修理してまで使えないからね。
中古品だと安くはなるんだけど、サイズの調整ができないものもあるし、結局は長く使わなければならないことを考えて新品を購入した。さすがに今の段階で低レベルの選択肢はないので、買ったのは全部並レベルのものだ。
素材も革製品に変えたのでランク的には2段階アップといった感じかな。盾も鉄が一部に使われているものに変更した。鉄が使われていると言っても薄い鉄板が部分的に使われているだけなのでそれほど重いわけではない。
革の胸当て(並)=15000ドール×2
革の籠手(並)=12000ドール×2
革のブーツ(並)=12000ドール×2
革の帽子(並)=12000ドール×2
鉄の小盾(並)=21000ドール
鉄の盾(並)=30000ドール
ズボンやシャツもさすがに買い換えていかなければならない消耗品だ。改めて買ったものを考えると全部で15万ドールくらいと結構な金額となってしまっていたけど、必要な投資なので割り切るしかない。ここでケチって死んでしまってはどうしようもないからね。
この日は朝食を取ってから二人でのみの市を見て回る。のみの市ではもちろん掘り出し物を探すのが目的だけど、別に必死になって探しているわけでもなく、いろいろと買い物をしたり買い食いしたりと、楽しみながら見て回っている。せっかくの休日なので楽しんで回らないとね。
まあ収入もそこそこあるので余裕も出てきているのかもしれない。お金がなかったら、おそらく必死に転売できるものを探しているだろう。
あとはやっはり女の子と一緒にいるというのはテンションも上がるよね。別に彼女というわけでなくてもそれがかわいい女の子となれば余計にだ。
「今回はジェンも鑑定レベル2になっているから各々見ていけるのはいいね。」
ちょっと前にやっと条件がそろったらしく、ジェンの鑑定のレベルが上がっていた。
「うん、やっと上がったっていう感じね。鑑定レベル1だとちゃんとした知識が無いといい物が分からないからね。今回はどんな物があるかなあ・・・。」
まあそうはいってもいっぱい掘り出し物があるわけではない。自分たちの他にも転売しようとしている人たちもいるだろうし、やはり適正価格よりちょっと安いくらいのものも多いからね。
「武器とか防具はなかなかいい物はないと思うから、やっぱりアクセサリーとかが中心かな?」
アクセサリー関係はもちろん高いんだけど、まとめて置いているものの中に掘り出し物があることが多い。もちろん逆に価値がないのに高い値段がつけられているものもあるけどね。
今までもアクセサリー関係は50~500ドールで売られているものの中で価値のありそうなものは購入している。アクセサリーだと真贋を判断しやすいし、かさばらないので転売しやすいからね。
アクセサリーには表面に細工をしているせいで素材が分からなくなっている銀製品や金製品、イミテーションと思われている宝石、付与魔法が施されているのにただの模様と思われているものなどそれなりに価値のあるものが混じっている。
自分一人だとちょっと怪しく思われるけど、ジェンと一緒に選ぶふりをして鑑定すればそこまで変に思われないのもありがたい。
「これいいわね?どう?」
「これ良さそうだけど、買ってあげようか?」
こう言いながら良いものを購入している。
ちなみに絵画とか美術品などは転売するのが目立ちすぎるし、運ぶのが大変すぎる。まあそれ以前に鑑定で○○の作品と分かっても、その人が有名なのか、作品にどのくらい価値があるのかの知識が無いのでどうしようもない。
何回か○○の作品と言われたものを見てみたけど、描いた人は別の人だったので偽物だろうと判断した。まあ有名な作家を確認しておいてその人の作品があったら買ってもいいんだけど、普通はどうやって真贋を判断するのかわからない。魔道具でもあるのかねえ?たとえ本物でも本物と判断されなかったらもったいなさ過ぎる。
アクセサリーを見ていると、その中の一つに目がとまった。鑑定してみると魔術の指輪(高)となっているのに、値段が1万5千ドールとなっている。桁を一つ間違えているのかな?
名称:魔術の指輪(高)
詳細:銀製の指輪。
品質:高
耐久性:高
効果:高
効力:魔力強化、治癒力強化
「お、お客さん、それに目を付けるとは見所あるね。それは付与魔法が付けられている指輪だよ。魔力が少しだけど上がるからその値段の価値はあるはずさ。」
「あ、そうなんですね。確かに付与魔法がありますね。それで1万5千ドールなんですか?」
「ああ、高いと思うかもしれないが、付与魔法付きの指輪はそれだけの価値があるさ。魔法を使えるのなら買ってみないか?」
書かれている値段に間違いは無いようだ。たしか魔力強化系のものは低レベルでも1万ドールとかしていたと思うんだけど、高レベルでこの値段?もしかして低レベルのアイテムと思っているのかな?
「折角なので買おうと思いますが、少しは負けてくれますか?」
「お、買ってくれるのか。それじゃあおまけして14800ドールでどうだ?」
「14000ドールで・・・。」
交渉の末、14500ドールで購入できた。低レベルと思っていたのなら向こうももうけたと思っているだろうけど、これってまともに買ったら10万ドールは超えるよね?申し訳ないけど、この値段で売っていたならありがたく使わせてもらおう。
今日手に入れたものを含めて装備の内容的には上階位の人たちが装備するくらいになった。もちろん素材にも寄るけど、並階位で低~並レベル、上階位で並~高レベルくらいの装備を身につけているらしい。
良階位でやっと良レベルの装備品を手に入れ出す人が出てくるくらいで、階位の一つ下のレベルの装備くらいが普通のようだ。
装備のレベルについてはトラブル防止の意味も含めてあまり人には話さないことが多いようだ。もちろん素材によってある程度は分かるんだけど、装備のレベルは鑑定とかしないと普通は分からないからね。
鍛冶屋には手入れに出さざるを得ないのでレベルがばれるけど、鍛冶屋は装備内容を他の人に言わないのが大前提みたいなので大丈夫だろう。店の信用に関わってくるからね。
今までに手に入れていたアクセサリー関係で使わないものについてはすべてカサス商会で買い取ってもらった。全部で23個あって仕入れ額は全部で5000ドールくらいだったんだけど、買い取り価格は2万ドールほどになったのでかなりのもうけと言っていいだろう。
今回も一緒にいろいろとまわったりしたけど、今のところジェンとはいい関係を築けていると思っている。もちろん男女の仲というわけではなく、パーティーメンバーというか友人というかという感じだけどね。
正直なところ男女の関係になったらうれしいけど、彼女はもとの世界に大切な人がいるみたいだし、今回のようなことがなければ自分なんか相手してもらえることはないだろうな。
時には口論することもあるけど、長く一緒にいるからその辺りは仕方が無い。でもそのときはお互いにちゃんと謝って長引かないようにしている。このままいい関係が続いていけばいいなと思っているし、向こうもそう思ってくれているとうれしいな。
~装備~
ジュンイチの装備:
鉄の剣(高)、鉄の短剣(良)、鉄の短剣(高)、厚手のシャツ(並)、厚手のパンツ(並)、革の胸当て(並)、革の籠手(並)、鉄の盾(並)、革のブーツ(並)、革の帽子(並)、力のネックレス(高)、魔術の指輪(並)
ジェニファーの装備:
鉄の短剣(良)、厚手のシャツ(並)、厚手のパンツ(並)、革の胸当て(並)、革の籠手(並)、鉄の小盾(並)、革のブーツ(並)、革の帽子(並)、魔術の指輪(高)
~ジュンイチとジェニファーのステータス~
名前:ジュンイチ(大岡純一郎)
生年月日:998年10月30日
年齢:17歳
国籍:ヤーマン国
職業:冒険者(並階位・アース)
賞罰:なし
資格:なし
クラス:学者(思考力向上)、神の祝福(物理耐性上昇、魔法耐性上昇)
婚姻:なし
スキル:
体術、片手剣、両手剣、刀剣、短剣
一般魔法、火魔法、風魔法、水魔法、土魔法、治癒魔法、回復魔法
肉体硬化、毒耐性、麻痺耐性、睡眠耐性
演奏、歌唱、絵画、彫刻、工作、料理、裁縫
日本語、英語、ヤーマン語、ライハンドリア公用語
思考強化、鑑定
索敵、罠探知、隠密
商人
採掘、採取
解体、解体魔法
知識スキル:
戦学、武学、防学
魔法学、魔素吸収、魔素放出、魔素操作
算学、自然科学、社会科学、生物学、植物学、地学、神学、医学、天文学、言語学
罠学
ガイド本
秘匿スキル:
アミナの祝福
名前:ジェニファー(ジェニファー・クーコ)
生年月日:998年12月15日
年齢:17歳
国籍:ヤーマン国
職業:冒険者(並階位・アース)
賞罰:なし
資格:なし
クラス:学者(思考力向上)、神の祝福(物理耐性上昇、魔法耐性上昇)
婚姻:なし
スキル:
体術、片手剣、短剣、弓、盾
一般魔法、火魔法、風魔法、水魔法、土魔法、治癒魔法、回復魔法
肉体硬化、毒耐性、麻痺耐性、睡眠耐性
演奏、歌唱、絵画、彫刻、舞踊、料理、裁縫
英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、中国語、日本語、ヤーマン語、ライハンドリア公用語
思考強化、鑑定
索敵、隠密
商人
採掘、採取
解体、解体魔法
知識スキル:
戦学、武学、防学
魔法学、魔素吸収、魔素放出、魔素操作
算学、自然科学、社会科学、生物学、植物学、地学、神学、医学、天文学、言語学
罠学
ガイド本
秘匿スキル:
アミナの祝福
~魔獣紹介~
闇蝙蝠:
並階位下位の魔獣。森や草原などあらゆる場所に生息している大きさ200ヤルドくらいの大きさで10~100匹くらいの集団で行動している。羽を使って飛ぶことができるが、飛行距離はそれほど長くない。鋭い牙でかみついてくるが、小さいこともありそれほど脅威ではないが、大群での攻撃となるため、落ち着いて退治していくとよい。
素材としての買い取り対象は羽の部分となるが、羽は根本から綺麗にとらなければ買い取りの対象外となる。肉は食用不可。
毒スライム:
並階位下位の魔獣。草原、森、岩場などあらゆる場所に生息する。通常のスライムとほとんど同じだが、若干濃い緑色をしている。動物や魔獣の死体などを食料とし、消化液で溶かしながら吸収する。
注意点は通常のスライムと同じだが、毒液を噴出して攻撃してくることがあり、皮膚にかかると強い炎症を起こす。目に入った場合は失明の危険性もあるため注意が必要。
素材として買い取り対象はない。
魔猪:
並階位中位の魔獣。草原や林に多く生息している猪の形状をした魔獣。体長1キヤルドくらいの大きさで、獲物を見つけると突進してくる。
突進力はかなりあるが、直線的に突進してくるだけなので、焦らずに動きをよく見て対応すればよい。壁に誘導してよけると勝手に自滅する。何もない場合は方向転換する際に攻撃することが有効。
素材としての買い取り対象は肉となるが、なかなか美味しくて人気が高い。
魔牛:
並階位中位の魔獣。草原や林に多く生息している牛の形状をした魔獣。体長1キヤルドくらいの大きさで、獲物を見つけると突進してくる。
突進力はかなりあるが、直線的に突進してくるだけなので、焦らずに動きをよく見て対応すればよい。壁に誘導してよけると勝手に自滅する。何もない場合は方向転換する際に攻撃することが有効。
素材としての買い取り対象は肉となるが、なかなか美味しくて人気が高い。
魔馬:
並階位中位の魔獣。草原や林に多く生息している馬の形状をした魔獣。体長1キヤルドくらいの大きさで、獲物を見つけると突進してくる。
突進力はかなりあるが、直線的に突進してくるだけなので、焦らずに動きをよく見て対応すればよい。壁に誘導してよけると勝手に自滅する。何もない場合は方向転換する際に攻撃することが有効。
素材としての買い取り対象は肉となるが、なかなか美味しくて人気が高い。
ジェンと狩りをするようになってから3ヶ月ほどたった。いろいろとやり方を検討した結果、遠出、近場、遠出、近場、休みの5日サイクルを基本に行うことにしている。ただ雨の日は移動も大変だし、危険度も上がるため狩りは休むことにしている。
宿の手伝いは遠征の時は帰るのが遅くなるので厳しいけど、近場で狩りをしたときや雨の時には手伝うようにしているので宿代は半額にしてくれている。
遠出の時の移動時間はさらに体重軽減できるようになったことと、体力も付いてきたこともあって通常2時間(240分)近くかかるが今では行きは60分で移動できるようになった。荷物も一人60キグムくらいまで運ぶことができるようになってかなり効率アップだ。帰りはその分時間はかかるけど、それでも1時間はかからない。
近場で狩る魔獣は並階位中位までの狼、魔猪、魔牛、魔馬、闇蝙蝠、大蛇、大蟷螂、鬼蜘蛛、毒スライムという感じだ。
始めて狩った魔猪、魔牛、魔馬は名前の通りの形をしているんだが、ちょっと大きめの犬くらいで基本的に突進してくるだけなので土魔法で壁を作ると転んだり、速度が落ちたりするので思ったよりも楽に倒すことができた。
素材は肉しかないんだけど、肉としての質はいいのでそこそこ大きな収入だ。そんなにいないのが残念だけどね。
闇蝙蝠は吸血蝙蝠の進化前のものみたいなのでそこまで脅威はないんだけど、数が多いのが面倒だった。小さな怪我はかなりしてしまうんだが、治癒魔法があるので問題は無い。普通はこのくらいの怪我だったら自然治癒を待つらしいけど、それだとやっぱり痛いからねえ。
遠出で狩る魔獣は並階位上位の山猫、二頭蛇、巨蟷螂、吸血蝙蝠、大角兎くらいで、1回ずつ上階位下位の穴熊と大魔猪を倒している。体力もあって攻撃力も高かったせいで結構怪我をしてしまった。持って帰る肉が多くて帰りは時間がかかって大変だったけど、その分収入は多かったのはうれしかったけどね。
さらの大型の大魔牛や大魔馬はさすがに厳しそうなので近くにやってきたら逃げるようにしている。
遠征の時には目に付いた薬草関係の採取も行い、収入は平均で5000ドール、近場の時は3000ドールという感じになった。この三ヶ月で25万ドールほどは稼いだんだけど、宿代や装備の整備代などもかかったので差し引きの収益は17万ドールほどだ。
まだ十分という蓄えではないんだけど、並階位の冒険者がちゃんと生活できているという時点で結構稼いでいるという認識である。
さすがにお金も増えてきたので、今は銀行のようなところにある程度のお金を預けている。この取引も身分証明証がそのまま利用できるのでありがたい。
利子は付かないし、月額の利用料が300ドールかかるし、現金を下ろすときにはお金がかかるとかマイナス面はそれなりにあるんだけど、安全と利便性を考えると利用せざるを得ない。
大きな店だと直接支払いが出来るし、身分証明証がカード本体だから地球のカードよりよほど安全だ。大きな買い物をする場合はカードを利用することが普通みたいだからね。
手数料がかかるとは言え、大きめの町であれば世界中のどこでもお金を下ろせるというのも大きい。ヤーマンだと首都のサクラやアーマトを含めた州都だけでなく、オカニウムなどの中都市でも利用できる。まあ、戦争中の町など治安が悪いところはさすがに難しいみたいだけどね。それだけのお金を置いておくリスクが大きすぎるようだ。
ただ、残金をいつでも好きなだけ下ろせるというわけではなく、通常は10万ドールまでで、それ以上になると事前に申請が必要となる。10万ドールでも場合によっては待たされると言うこともあるようだ。
お互いに何かあっても困るので、ジェンの口座に貯蓄用として一定額を入れており、自分の口座を通常使用する用に分けて管理している。もちろん現金しか使えないところもあるのである程度のお金は持ち歩くしかない。
ちなみにお金を預けている人が亡くなった場合、事前に申請している人がお金を下ろすか、受け取り者のカードにお金を移すことが可能となっている。このためジェンとはお互いに受け取り者で申請している。
ただ受け取りには亡くなった人の身分証明証が必要なため、身分証明証がないとお金を受け取れないというリスクがある。10年間のカードの使用やお金の出し入れがない場合もそのお金は国に納められることになるらしい。
このため、貯蓄に関しては投資会社のような感じのところに預けたり、信頼できる人に預かってもらったり、家に保管したりしていることも多いようだ。
狩りのスタンスは基本的に変わらず、索敵で魔獣を探してからある程度近づき、遠距離から二人で魔法攻撃。ある程度近づくまでは魔法攻撃でダメージを与え、近づいてきた場合は自分が前に出てジェンは魔法でサポートだ。状況によりジェンも前に出て短剣で攻撃するようにしている。
魔獣も結構倒したおかげでジェンも並階位に上がったし、次は二人で上階位にあがることを目標にがんばっている。
安全を見て遠方から攻撃できる魔法での攻撃を主体にしているけど、やはり必要と言うことで剣や短剣の鍛錬も行っている。役場の講習会に参加したり、毎日少しの時間だけどジェンとの訓練は怠っていない。自分もジェンも以前と比べるとだいぶ魔獣の攻撃も裁けるようになってきたと思っている。
魔法についてはもう一度講習を受けてみたんだけど、正直あまり意味のないものだったのでそれからは自己鍛錬という形で行っている。やはり自分で考えて色々とやってみた方が良さそうだった。
狩りが休みの日には図書館に行って勉強していたんだけど、神様の加護のおかげか記憶力とか理解力が上がっているのはなんとなく実感できた。
学力は大分上がってきていると思うんだけど、まだ鑑定レベルが上がるまでには至っていない。次のレベルまでどのくらいなのかが分からないのがじれったい。『次のレベルアップまで経験値が○○必要です』とかないし、経験値という概念ではないからしょうが無いんだけどね。
スキルという点で言えば特筆すべきは解体魔法だろう。解体スキルが2に上がったせいなのか、解体魔法を使えるようになった。鑑定がなければ覚えたとしても使おうとしない限りは分からないというのはつらいね。
手で解体していたのをイメージして魔法を使うと、自分で解体するレベルで魔獣を解体できるのでかなり楽になる。しかも時間は大きさにもよるが1分かからない。解体する道具が必要なのでようは自分が行う手順を高速かつ自動で行うようなものだ。大きさなどの個体差は補正してくれるので助かる。
実際の自分の解体レベルでの解体となるため、その魔獣をきちんと解体できることが前提だけどね。初めて解体する魔獣で解体魔法を使ってみるとただ切り刻むだけになってしまうという・・・。同系列の魔獣であればうまくいく場合もあるらしいけど、それでも数回はちゃんと解体した方が良さそうだ。
索敵についてはやっと自分の思うような感じになった。レーダー配置のような感じで魔素の強さも色で判断できるようになった。範囲は50キヤルドくらいだけど、強さを示さないで探知だけであれば100キヤルドくらいのエリアを索敵できる。ただ範囲を広げると神経を使うので定期的に使って位置を確認するくらいじゃないと厳しい。
ジェンも同じように索敵できるようになってきて、自分と同じようにレーダーのような感じに見えるようになったみたいだけど、まだエリアは30キヤルドと60キヤルドくらいのようだ。
あとは肉体硬化で肉体の強化ができるようになった。これは魔素をほんのわずか体の表面に流すことによって体を膜で覆うようなイメージだ。慣れてくると無意識にできるようになって攻撃された際に怪我しにくくなる。そんなに強力ではないけど、使っていると徐々にレベルも上がっていくはずだ。
毒耐性と麻痺耐性はいつの間にか付いていた。戦闘中に弱いとは言え、毒とか麻痺とか受けているせいだろう。耐性が付いたから毒とかが効かなくなるというわけではないようだけど、毒が効きにくくなり、痛みが小さくなるらしい。レベルが上がってくれば弱い毒などは効かなくなるんだろうけどね。
鍛冶や調合や錬金は今は他にすることが多くて手が回っていない。罠関係についてはさすがに必要だろうと言うことでちょっとずつ勉強をやり始めている。本格的にするには実地訓練が必要なので講習会とかに参加しなければならないんだけどね。ただ残念ながらオカニウムではやってないんだよなあ。
いまのところは戦闘能力を上げることを中心にやっている感じだ。というのも、こっちの世界の滞在が長くなってしまった場合、他の土地に移っても元手がなくても安定して稼ぐにはある程度のレベルの魔獣を狩れるようにならないといけないからね。
やはり最低限の生活が出来る経済力が無ければ何も出来ないし、あればなんとかなってしまうのはこっちの世界でも同じ事だ。
収入関係としてはジェンに会ったあとも2回のみの市があったので二人で見て回り、いくつかいいものを手に入れている。購入したものはそれぞれ1000ドール、50ドール、1500ドールなんだけど、少なくとも10倍以上の価値はあると思っている。
鉄の短剣は前に買った鉄の剣と同じように1本1000ドール均一で売られていたものだ。それほどひどく錆びたりはしていなかったのに、売られているときの表示は低レベルとなっていたので鍛冶屋に出して磨いてもらった。
名称:鉄の短剣(高)
詳細:鉄を鍛えて製作された短剣。
品質:高
耐久性:高
効果:高
効力:強度向上
力のネックレスはアクセサリー関係がいっぱいある中で偶然見つけたものだ。ほとんどがおもちゃのようなものだったんだけど、付与がつけられていたものが混じっていた。つけるだけで筋力が向上するのでありがたいけど、付与魔法が薄れてきているのでどのくらい持つのかは分からない。
名称:力のネックレス(高)
詳細:銅製のネックレス。
品質:高
耐久性:並
効果:高
効力:筋力向上
魔術の指輪は宝石もついていないもので、銀製のただの指輪と思われていたみたい。付与魔法が刻まれているのになぜ分からなかったのかは不明だけど、まあ全く知識がなければ模様と思ってしまうのかもしれないね。
効果について試してみたところ、水魔法で出てくる水の量が1割ほど増えていたので10%くらい威力が上がるという感じだろうか?
名称:魔術の指輪(並)
詳細:銀製の指輪。
品質:並
耐久性:並
効果:並
効力:魔力強化
鑑定が一般的でないこの世界では装備品の判断はかなり難しい。鍛冶、調合、錬金、付与、商人の熟練者が装備品などのアイテムのみ鑑定に近い能力を得ることはわかっている。
鑑定の魔道具でわかるのも装備品の名前(付与の機能は示されない)とレベル(低、並、高、良、優、特)と商品の説明のみで、あとは付与されている文様から効果を判断するというのが一般的なようだ。もちろん複数の効果が付与されたものについては価格が高くなる。
ただ壊れていたり、整備されていなかったりすると従来の性能が表示されないため、鑑定でもちゃんと出ないことがあるようだ。通常の鑑定持ちとの差だね。
なんで鍛冶屋とか商店に持ち込んで売らないのかが不思議だったんだけど、買い取りの際には最初に鑑定料を取られるのがネックになるらしい。高いものだったら鑑定代を払ってもメリットはあるんだけど、安いものだったら鑑定代の方が高くなることもあるらしく、鑑定をせずにそのまま売ることも多いようだ。鑑定代はものにも寄るが100~1000ドールほどかかるみたい。
あとちゃんと手入れされていなかったり、壊れていたりすると高品質のものでも低レベルで表示されているのも罠だ。まあ見る人が見れば分かるんだろうけどね。そう考えるとわざわざ本当の価値を伝えなくて鑑定結果のみを伝えて買い取る人もいそうだな。
転売すればそれなりのもうけにはなると思うけど、まずは自分たちが使えるものは使うことにしている。触らなくて鑑定ができるようになったらもっと見つけるのが楽になるんだけど、あまりに露骨にやり過ぎるのもやばそうなんだよね。
さすがに最初から使っていた防具関係はかなり傷んできていたので買い換えた。手入れはしていたけど、さすがに使いつぶした感じだったせいで下取りは無かったのはしょうが無いだろう。新しく購入するから処分代は取られなかったのはよかったけどね。金属系なら最低限の下取りはあるだろうけど、安い皮製品は修理してまで使えないからね。
中古品だと安くはなるんだけど、サイズの調整ができないものもあるし、結局は長く使わなければならないことを考えて新品を購入した。さすがに今の段階で低レベルの選択肢はないので、買ったのは全部並レベルのものだ。
素材も革製品に変えたのでランク的には2段階アップといった感じかな。盾も鉄が一部に使われているものに変更した。鉄が使われていると言っても薄い鉄板が部分的に使われているだけなのでそれほど重いわけではない。
革の胸当て(並)=15000ドール×2
革の籠手(並)=12000ドール×2
革のブーツ(並)=12000ドール×2
革の帽子(並)=12000ドール×2
鉄の小盾(並)=21000ドール
鉄の盾(並)=30000ドール
ズボンやシャツもさすがに買い換えていかなければならない消耗品だ。改めて買ったものを考えると全部で15万ドールくらいと結構な金額となってしまっていたけど、必要な投資なので割り切るしかない。ここでケチって死んでしまってはどうしようもないからね。
この日は朝食を取ってから二人でのみの市を見て回る。のみの市ではもちろん掘り出し物を探すのが目的だけど、別に必死になって探しているわけでもなく、いろいろと買い物をしたり買い食いしたりと、楽しみながら見て回っている。せっかくの休日なので楽しんで回らないとね。
まあ収入もそこそこあるので余裕も出てきているのかもしれない。お金がなかったら、おそらく必死に転売できるものを探しているだろう。
あとはやっはり女の子と一緒にいるというのはテンションも上がるよね。別に彼女というわけでなくてもそれがかわいい女の子となれば余計にだ。
「今回はジェンも鑑定レベル2になっているから各々見ていけるのはいいね。」
ちょっと前にやっと条件がそろったらしく、ジェンの鑑定のレベルが上がっていた。
「うん、やっと上がったっていう感じね。鑑定レベル1だとちゃんとした知識が無いといい物が分からないからね。今回はどんな物があるかなあ・・・。」
まあそうはいってもいっぱい掘り出し物があるわけではない。自分たちの他にも転売しようとしている人たちもいるだろうし、やはり適正価格よりちょっと安いくらいのものも多いからね。
「武器とか防具はなかなかいい物はないと思うから、やっぱりアクセサリーとかが中心かな?」
アクセサリー関係はもちろん高いんだけど、まとめて置いているものの中に掘り出し物があることが多い。もちろん逆に価値がないのに高い値段がつけられているものもあるけどね。
今までもアクセサリー関係は50~500ドールで売られているものの中で価値のありそうなものは購入している。アクセサリーだと真贋を判断しやすいし、かさばらないので転売しやすいからね。
アクセサリーには表面に細工をしているせいで素材が分からなくなっている銀製品や金製品、イミテーションと思われている宝石、付与魔法が施されているのにただの模様と思われているものなどそれなりに価値のあるものが混じっている。
自分一人だとちょっと怪しく思われるけど、ジェンと一緒に選ぶふりをして鑑定すればそこまで変に思われないのもありがたい。
「これいいわね?どう?」
「これ良さそうだけど、買ってあげようか?」
こう言いながら良いものを購入している。
ちなみに絵画とか美術品などは転売するのが目立ちすぎるし、運ぶのが大変すぎる。まあそれ以前に鑑定で○○の作品と分かっても、その人が有名なのか、作品にどのくらい価値があるのかの知識が無いのでどうしようもない。
何回か○○の作品と言われたものを見てみたけど、描いた人は別の人だったので偽物だろうと判断した。まあ有名な作家を確認しておいてその人の作品があったら買ってもいいんだけど、普通はどうやって真贋を判断するのかわからない。魔道具でもあるのかねえ?たとえ本物でも本物と判断されなかったらもったいなさ過ぎる。
アクセサリーを見ていると、その中の一つに目がとまった。鑑定してみると魔術の指輪(高)となっているのに、値段が1万5千ドールとなっている。桁を一つ間違えているのかな?
名称:魔術の指輪(高)
詳細:銀製の指輪。
品質:高
耐久性:高
効果:高
効力:魔力強化、治癒力強化
「お、お客さん、それに目を付けるとは見所あるね。それは付与魔法が付けられている指輪だよ。魔力が少しだけど上がるからその値段の価値はあるはずさ。」
「あ、そうなんですね。確かに付与魔法がありますね。それで1万5千ドールなんですか?」
「ああ、高いと思うかもしれないが、付与魔法付きの指輪はそれだけの価値があるさ。魔法を使えるのなら買ってみないか?」
書かれている値段に間違いは無いようだ。たしか魔力強化系のものは低レベルでも1万ドールとかしていたと思うんだけど、高レベルでこの値段?もしかして低レベルのアイテムと思っているのかな?
「折角なので買おうと思いますが、少しは負けてくれますか?」
「お、買ってくれるのか。それじゃあおまけして14800ドールでどうだ?」
「14000ドールで・・・。」
交渉の末、14500ドールで購入できた。低レベルと思っていたのなら向こうももうけたと思っているだろうけど、これってまともに買ったら10万ドールは超えるよね?申し訳ないけど、この値段で売っていたならありがたく使わせてもらおう。
今日手に入れたものを含めて装備の内容的には上階位の人たちが装備するくらいになった。もちろん素材にも寄るけど、並階位で低~並レベル、上階位で並~高レベルくらいの装備を身につけているらしい。
良階位でやっと良レベルの装備品を手に入れ出す人が出てくるくらいで、階位の一つ下のレベルの装備くらいが普通のようだ。
装備のレベルについてはトラブル防止の意味も含めてあまり人には話さないことが多いようだ。もちろん素材によってある程度は分かるんだけど、装備のレベルは鑑定とかしないと普通は分からないからね。
鍛冶屋には手入れに出さざるを得ないのでレベルがばれるけど、鍛冶屋は装備内容を他の人に言わないのが大前提みたいなので大丈夫だろう。店の信用に関わってくるからね。
今までに手に入れていたアクセサリー関係で使わないものについてはすべてカサス商会で買い取ってもらった。全部で23個あって仕入れ額は全部で5000ドールくらいだったんだけど、買い取り価格は2万ドールほどになったのでかなりのもうけと言っていいだろう。
今回も一緒にいろいろとまわったりしたけど、今のところジェンとはいい関係を築けていると思っている。もちろん男女の仲というわけではなく、パーティーメンバーというか友人というかという感じだけどね。
正直なところ男女の関係になったらうれしいけど、彼女はもとの世界に大切な人がいるみたいだし、今回のようなことがなければ自分なんか相手してもらえることはないだろうな。
時には口論することもあるけど、長く一緒にいるからその辺りは仕方が無い。でもそのときはお互いにちゃんと謝って長引かないようにしている。このままいい関係が続いていけばいいなと思っているし、向こうもそう思ってくれているとうれしいな。
~装備~
ジュンイチの装備:
鉄の剣(高)、鉄の短剣(良)、鉄の短剣(高)、厚手のシャツ(並)、厚手のパンツ(並)、革の胸当て(並)、革の籠手(並)、鉄の盾(並)、革のブーツ(並)、革の帽子(並)、力のネックレス(高)、魔術の指輪(並)
ジェニファーの装備:
鉄の短剣(良)、厚手のシャツ(並)、厚手のパンツ(並)、革の胸当て(並)、革の籠手(並)、鉄の小盾(並)、革のブーツ(並)、革の帽子(並)、魔術の指輪(高)
~ジュンイチとジェニファーのステータス~
名前:ジュンイチ(大岡純一郎)
生年月日:998年10月30日
年齢:17歳
国籍:ヤーマン国
職業:冒険者(並階位・アース)
賞罰:なし
資格:なし
クラス:学者(思考力向上)、神の祝福(物理耐性上昇、魔法耐性上昇)
婚姻:なし
スキル:
体術、片手剣、両手剣、刀剣、短剣
一般魔法、火魔法、風魔法、水魔法、土魔法、治癒魔法、回復魔法
肉体硬化、毒耐性、麻痺耐性、睡眠耐性
演奏、歌唱、絵画、彫刻、工作、料理、裁縫
日本語、英語、ヤーマン語、ライハンドリア公用語
思考強化、鑑定
索敵、罠探知、隠密
商人
採掘、採取
解体、解体魔法
知識スキル:
戦学、武学、防学
魔法学、魔素吸収、魔素放出、魔素操作
算学、自然科学、社会科学、生物学、植物学、地学、神学、医学、天文学、言語学
罠学
ガイド本
秘匿スキル:
アミナの祝福
名前:ジェニファー(ジェニファー・クーコ)
生年月日:998年12月15日
年齢:17歳
国籍:ヤーマン国
職業:冒険者(並階位・アース)
賞罰:なし
資格:なし
クラス:学者(思考力向上)、神の祝福(物理耐性上昇、魔法耐性上昇)
婚姻:なし
スキル:
体術、片手剣、短剣、弓、盾
一般魔法、火魔法、風魔法、水魔法、土魔法、治癒魔法、回復魔法
肉体硬化、毒耐性、麻痺耐性、睡眠耐性
演奏、歌唱、絵画、彫刻、舞踊、料理、裁縫
英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、中国語、日本語、ヤーマン語、ライハンドリア公用語
思考強化、鑑定
索敵、隠密
商人
採掘、採取
解体、解体魔法
知識スキル:
戦学、武学、防学
魔法学、魔素吸収、魔素放出、魔素操作
算学、自然科学、社会科学、生物学、植物学、地学、神学、医学、天文学、言語学
罠学
ガイド本
秘匿スキル:
アミナの祝福
~魔獣紹介~
闇蝙蝠:
並階位下位の魔獣。森や草原などあらゆる場所に生息している大きさ200ヤルドくらいの大きさで10~100匹くらいの集団で行動している。羽を使って飛ぶことができるが、飛行距離はそれほど長くない。鋭い牙でかみついてくるが、小さいこともありそれほど脅威ではないが、大群での攻撃となるため、落ち着いて退治していくとよい。
素材としての買い取り対象は羽の部分となるが、羽は根本から綺麗にとらなければ買い取りの対象外となる。肉は食用不可。
毒スライム:
並階位下位の魔獣。草原、森、岩場などあらゆる場所に生息する。通常のスライムとほとんど同じだが、若干濃い緑色をしている。動物や魔獣の死体などを食料とし、消化液で溶かしながら吸収する。
注意点は通常のスライムと同じだが、毒液を噴出して攻撃してくることがあり、皮膚にかかると強い炎症を起こす。目に入った場合は失明の危険性もあるため注意が必要。
素材として買い取り対象はない。
魔猪:
並階位中位の魔獣。草原や林に多く生息している猪の形状をした魔獣。体長1キヤルドくらいの大きさで、獲物を見つけると突進してくる。
突進力はかなりあるが、直線的に突進してくるだけなので、焦らずに動きをよく見て対応すればよい。壁に誘導してよけると勝手に自滅する。何もない場合は方向転換する際に攻撃することが有効。
素材としての買い取り対象は肉となるが、なかなか美味しくて人気が高い。
魔牛:
並階位中位の魔獣。草原や林に多く生息している牛の形状をした魔獣。体長1キヤルドくらいの大きさで、獲物を見つけると突進してくる。
突進力はかなりあるが、直線的に突進してくるだけなので、焦らずに動きをよく見て対応すればよい。壁に誘導してよけると勝手に自滅する。何もない場合は方向転換する際に攻撃することが有効。
素材としての買い取り対象は肉となるが、なかなか美味しくて人気が高い。
魔馬:
並階位中位の魔獣。草原や林に多く生息している馬の形状をした魔獣。体長1キヤルドくらいの大きさで、獲物を見つけると突進してくる。
突進力はかなりあるが、直線的に突進してくるだけなので、焦らずに動きをよく見て対応すればよい。壁に誘導してよけると勝手に自滅する。何もない場合は方向転換する際に攻撃することが有効。
素材としての買い取り対象は肉となるが、なかなか美味しくて人気が高い。
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