【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

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50. 異世界422日目 越境の準備

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50. 異世界422日目 越境の準備
 朝食はついていないので、収納バッグに入れていたサンドイッチと飲み物で済ませる。最近いろいろと買っているせいでちょっと食べていかないと収拾がつかなくなっているからね。食事だけでも100食以上あるんだよなあ。つい珍しい食べ物とか見ると買ってしまうのが悪いところだ。

 特に宿に荷物を置いて行く必要はないのでチェックアウトしてから町の外へ。車に乗って1時間ほど走ったところにある森へとやってきた。途中拠点を立てるのに良さそうな場所も確認済みだ。さっそく索敵をしてから狩りを開始する。

 やはり他の冒険者も多いのでなかなか狩りをする場所が見つからない。まあ高階位の人たちになってくると索敵しても場所はわからなくなりそうだけどね。
 あまりに近いと魔獣の取り合いになるので、変にもめ事は起こしたくない。まあゲームのようにすぐ近くで取り合いの狩りをすると言うことはないけどね。もっと奥に入ればいいのかもしれないけど、どんな魔獣がいるかもしれないのにいきなり奥に入るのも怖すぎる。

 重量軽減魔法と広範囲の索敵があるので、かなりの速度で移動して冒険者のいないエリアを見つけ出す。とりあえずこのくらい離れれば大丈夫だろう。隠密の高いパーティーがいたらそのときは諦めよう。


 今までも狩ったことのある牙猪や巨蛇などに加え、こちらでしか見ない白兎や氷狼も倒していく。解体は後回しにして倒した魔獣は収納バッグに入れておけるので効率よく狩りができるのはいい感じ。

 牙猪や巨蛇はさすがに手強いけど、単体なのではめ殺しができるので大丈夫だ。油断しなければ無傷で倒すことができる。まだこのあたりは知能が低いので基本的にまっすぐ突っ込んでくるので攻撃が読みやすい。良階位の魔獣との差は攻撃力と言うよりは知能の差が大きいと思う。さらに全部がそうではないけど、魔法耐性が高いことと魔法を使ってくるのが怖いところだ。

 氷狼は集団生活しているので注意が必要だ。大体10匹くらいの群れを作っているので遠方からの攻撃を中心にやらないと危ない。
 先制攻撃されるとまずいので索敵で見つけた後は魔力を貯めながら近づいてジェンとの二人で範囲攻撃を仕掛けている。これである程度のダメージを与えて残った個体も機動力が落ちるので順番に倒していける。土魔法で分断もできるしね。

 白兎や白蛇も今まで倒したことのある魔獣とあまり差がなかったので特に問題なし。毒はそれほど強くもないしね。

 ある程度素材のことを考えながらなので戦闘に時間がかかるのはしょうがないところかな。毛皮など素材として使われるものは体にできるだけ傷つけないように頭を中心に狙わないといけないので面倒なんだよね。まあそれをできるくらいなのでまだ余裕ってことだけど。

 4時半まで狩りをしてから拠点を出す場所に戻る。このあたりはまだ日没も早いので気をつけなければならない。


 拠点を取り出してからまずは魔獣の解体に取りかかる。今回は白兎3、氷狼9、牙猪1、巨蛇2、白蛇1という感じだ。巨猪を倒せたのはかなり大きいな。
 新しい魔獣は解体魔法が使えないので解体は自分でしなければならないけど、白兎と氷狼は3匹目から魔法でできるようになった。系統が近いものは結構すぐにできるようになるからな。
 きちんと解体できるようになっていたら、すぐに解体魔法でも解体ができるようになるはずなんだけど、自分たちは安全をみて2回はきちんとできることを確認してから使っている。ちゃんとできていない状態で魔法を使うと、解体結果が怪しいものになるからね。

 出てきたゴミは火魔法でまとめて灰にして、残った骨などは土に埋めている。森の中に投げておけば魔獣が処理してくれたりもするんだけど、余裕があればできるだけ土に埋めるなどの対応をするようにいわれている。

 解体を終わらせてから夕食にとりかかる。今回は蛇肉の唐揚げだ。蛇肉の唐揚げはなかなか美味しくて気に入っている。今回の白蛇の肉はいつものよりも脂が多くて美味しかった。寒いので脂肪を貯めているのかな?

 こっちの世界ではあまり鳥肉を見ることがない。そもそも簡単に狩ることのできる鳥の魔獣が少ないのがその理由だ。
 飛行する魔獣は基本的に良階位以上の強さで地上にいる限り見かけるのはかなり珍しい。空を飛んでいるとかなりの確率で襲われるみたいだけどね。このため空を飛ぶ魔道具があってもあまり高く飛ぶことはしないようだ。

 飛べない鳥もいるみたいだけど、これらは南の方の大陸にしかいないので、このあたりでは見かけない。本を見る限りはダチョウみたいな感じだけど、大きさは2倍くらいありそうだった。
 魔獣ではない普通の鳥ももちろんいるけど、食べる肉部分が少ないため需要に供給が追いついていない状態らしい。このため出回るのは鴨のような鳥肉となる。ただ鴨は飼育されて卵の方が優先されるので、この辺りでは鳥肉はどちらかと言うと貴重な部類に入るし、卵は鶏みたいに毎日産むわけではないようなので卵もまだ値段の高い部類に入る。

 食事の後はハーブティーを飲みながらしばらく寛ぐ。最近は魔道具で音楽をかけたりもしているので、どう考えても野営ではないな。防音についても魔道具で音が漏れないようにしているしね。



 このあと2日ほど狩りをしてからいったん町に戻ることにした。大物は初日しか倒せなかったけど、白兎、氷狼、白蛇の他に白大蛇を倒すことができたのでまずまずの成果だろう。
 白大蛇は巨蛇くらいの大きさなんだけど、すばしっこくて狙いがなかなか定まらなかった。しかも毒を吐きだしてくるので結構危なかったんだよね。事前に情報があったので水の盾で防御したからよかったけど、下手に盾で受けると盾の方がやられてしまう。酸のような毒液みたい。

 夕方に町に戻ってからまずは役場に行って買い取り対象の牙猪と白大蛇だけを買い取ってもらう。他のものは店で買い取ってもらったけど、3日間の収入は2万5千ドールとなかなかの稼ぎだった。良階位の魔獣を狩っていたときよりは収入は下がるけど、あれは今の階位だと特殊な結果だ。

 前も宿泊した北の大地という宿に行ってお風呂に入ってさっぱりしてから今日は部屋でくつろぐ。なんだかんだ行っても連日の狩りだと疲れがたまってくるなあ。



 翌日は朝から車の改造の予定なので、カサス商会に行って鍵を受け取ってから工房へと向かう。工房は結構大きな倉庫になっていて、十分な広さがあった。道具類もいろいろな置いており、それらは自由に使ってもかまわないらしい。

 特に手伝いもいらないので、ジェンには適当にぶらついていてもらうことにした。最初は遠慮していたんだけど、たまには気楽に楽しんできてよといって追い出した。

 まずは車の外装を外していく。ちなみに錬金を使ってフレームとかを加工できるのか少しやってみたけど、やはり出来なかった。簡単に錬金で改造されては困るので、車本体には車メーカーが加工できないように保護をかけているようだ。
 とはいえ、外装を外すには鍵で留め金を外すようになっているのである程度の改造と整備はできるようになっている。やり方は車を買うときに聞いていたので大丈夫だ。

 外装を外すと動力部分などを見ることができるんだけど、構造はかなり単純だ。ラジコンカーとかと同じと言っていいかもしれない。
 モーターに当たる魔道具と魔素を集める魔道具がつながっており、それから車軸につながってタイヤを回転させている。ギアはないのでかなり単純なものになっている。構造的に後輪が駆動部で前輪が操作部となっている。

 今回のメインは魔獣石と魔符核を繋ぐコードの交換だ。魔獣石から魔符核に魔素をつぎ込むんだけど、コード部分で魔素の消費がかなり落ちてしまうのではないかと思っている。

 現在のケーブルについて調べたところ、古代遺跡で使われているケーブルを劣化したまま使うと効率が悪く、しかも材料が一部不明のため量産ができなかったらしい。
 そこで何か利用できないかと研究した結果、金属の中で銅がもっとも効率が高かったためにこれを使うことになったようだ。その後、いくつかの金属を混ぜて若干ながら効率アップしたものが現在の形らしい。

 古代遺跡のケーブルを鑑定してみると、使用されているものは銅がメインなんだけど、一部が酸化銅というものになっている。他に多く含まれているのはアルミニウムで、少し入っているのはミスリル、モリブデン、クロム、タングステンで、ごく微量だけどネオジム、ガリウムなどが入っていた。このあたりは鑑定で元素を意識することで判明した。

 材料さえわかればすぐに当時の状態に戻せるだろうと甘く考えていたんだけど、これが思った以上に大変だった。

 まずは消費量の確認をするために、魔素の消費の多い魔道具を適当に造り、1分あたりの魔獣石の消費量を測定できるようにしてケーブルの能力を測定できるようにした。これを基に現在のケーブルの消費量をに対してどのくらい効率が上がるかを試した。ちなみに何も手を加えていない古代のケーブルは0.5と半分の効率となってしまう。

 まずはそれぞれの金属部分を抽出してから混ぜ合わせてみたが、効率は1.1倍とほとんど変わらなかった。ここまで細かく混ぜて1割増しとかないよな。
 このあと地球の文献などいろいろと調べてみたところ、メイン金属は純物質がもっともいいみたいなんだけど、少し入っている金属は酸化物の状態で混ぜた方が良さそうだったのでいろいろと試してみた。
 入っている金属はそれほどないのでいろいろな組み合わせでやってみたところ、最終的に効率が5倍くらいになったものができた。当時の効率がこのくらいだったのかはわからないけど、とりあえず今のものよりも格段にいいものというのは間違いなさそうだ。

 材料の金属を集めるのは厳しそうだったので、量産ができないなあと思っていたところ、オークションで古代遺跡のケーブルを手に入れることができたので一気に量産できた。
 もちろんケーブルはむき出しだとまずいのでゴムのようなもので表面を覆って保護している。金属部分にきっちりと密着させることができたので大丈夫だろう。

 用意した配線を使って魔道具と魔獣石の配線を引き直していく。結合は錬金でできるので問題ない。配線を引いた後、問題ないかを確認すると、消費はわからないが、ちゃんと魔素の供給はされているようだ。

 一通りの配線が終わった後で、自分の作った魔符核も取り付けてみる。重量軽減の魔符核で、状況によって使い分けるために2種類取り付けて切り替えられるようにしておく。
 切り替えは物理的に切り替えることくらいしか思いつかなかったので、切り替えスイッチで配線が切り替わるようにした。ボタンを押せば切り替わるようにできればいいんだけど、うまく押せないことがあっても困るからね。

 一つは車の重量を4割くらいまで軽減できるもので、魔獣石の消費は1時間あたり100ドールくらいになるはずだ。やはりこの大きさのものを軽減するとサイズを大きくしなければならないので消費量が多くなるのはしょうがない。
 もう一つは重量を1/20くらいにするものなんだけど、10分あたりの消費量が100ドールと消費が多くなってしまうものだ。飛ぶことを前提としているんだけど、がんばってやってみても車の重量をここまで下げるにはこのくらいのサイズが必要となってしまった。後の風魔法は自力でやるしかない。

 古代の魔道具は浮かせて移動もできるようなんだけど、消費量は10分で1000ドールくらいになると聞いているので配線の効率を考えるとかなりの効率のものと考えられる。まあここまでできるようになったなら十分だろう。
 実際に飛ばせるかはやってみないとわからないんだけどね。重量をここまで下げられれば風魔法で何とかなると思っている。

 一通りの改造が終わったので外装を取り付けて元の状態に戻す。ふと思ったんだけど、車にはウインカーとかもないんだな。今度つけてもらって標準化してもらった方がいいかもしれないね。まあ車の数が少ないからいいけど、ウインカーがあった方がどっちに行くかがわかりやすいし。
 あとはできるかどうかわからないけどタイヤの溝だな。タイヤには溝があまり入っていないので結構スリップしやすい。おそらく摩擦とか言うことがあまり考えられていないのだろう。本体と同じくそのままでは加工ができないのでやってもらわないといけない。
 あとはシートとかのグレードアップとかだね。やっぱり長く座っていると結構おしりが痛くなってしまう。これは普通にできるのでどこかで交換してもらわないといけない。

 時間を見るとすでにお昼を回っていた。思ったよりも時間がかかってしまったな。試運転を行おうと思ったらジェンがやってきた。えらくタイミングがいいな。


 さっそく町を出てから改造前に確認していた消費量と比較してみると、さすがに消費量が改造前の20%までは下がらなかったけど、25%までは下がっていた。さらに軽減魔法の魔獣石を使うとさらに効率が上がった。軽減魔法の魔獣石の消費よりも重量が減ることによる消費の削減量の方が多いみたい。これでだいたい消費量が20%くらいになった。これで一日の車に使う消費量が2000ドールくらいにはなりそうだ。

「ジェン、舌を噛まないように口を閉じていてね。」

「ええ?何するの?」

「いくよ!!」

「んん~~~!!」

 軽減魔法の魔道具を切り替えてから風魔法で車体を浮かせてみる。

「ええ~~~~っ!!」

 ジェンがかなり驚いていた。

「自分が風魔法で操っているので飛行機みたいに飛ぶというわけではないけど、とりあえず飛べるようにしてみた。」

「すご~~~い!!」

 ジェンはかなり喜んでいた。

 とりあえず浮かぶことはできたんだけど、飛んでいる速度は浮く前の速度に依存する感じだ。その後で空中で止まることはできるんだけど、そこから動かし始めるのはかなり時間がかかるジェンにも手伝ってもらってやっとという感じだ。

 魔道具でジェットエンジンみたいなものを作って後ろから空気を出せばいけるかな?ただそれだと方向のコントロールが難しそうだ。やはりこの車の形で飛ばすのには無理がありそうだ。いや、操作も魔法でできるようにすれば何とかなるのか?
 とりあえず何かあった場合は空中に逃げることができるというのは便利だ。魔獣に襲われたときもこれで逃げることもできそうだしね。予想通り魔獣石の消費は半端なかったけど、普段使わないからよしとしよう。

 いろいろと調べて満足してから町に戻り、車に問題が出ていないかをチェックしてから他の魔道具の配線も交換する。一通りの交換が終わったところで工房の鍵を返却。3日間使っていいと言われていたんだけど、1日で終わったのでよかった。


 ジェンはいろいろな店を見て回ったみたいで、ちょっと無駄遣いをしてしまったと言っていたけど、買ったのは衣服関係くらいだったようだ。まあそのくらいは問題ないと思うけどね。結構小遣いとして渡しているのでその範囲内であれば特に自分が言うことではない。

 あと、骨董店で面白いものを見つけたらしくて買ってきたようだ。見つかったのは道しるべの玉だった。ものが何なのかわかっていなかったようで、宝石という扱いで売られていたらしい。持っているものと違うのは色が白と言うことだ。

名称:道しるべの玉(並)
詳細:登録した場所までの残りの距離を示す。転移魔法を使うときの道しるべとなる。必要魔素がある場合に限り、1回のみ登録地点に転移することができる。
品質:並
耐久性:並
効果:並
効力:現在地表示-1、地点登録-1、転移-1(使用可能)

 現在地を示すのではなく、目的の場所までの距離を表示しているみたい。転移が残っていることもあり、購入してきたらしい。登録した場所を確認すると、アルモニアの北の方にある位置を示していた。今回この場所に行ってみるのも一つかな?
 転移のレベルがあるのは転移ができる距離なのかな?レベル-1なのであまり離れていると使えないって言うことかもしれないな。

 夕食にはジェンが見つけてきた店で食べることにした。一人100ドールだけど、なかなかおいしい店だった。さすが食べ物に関しての嗅覚はすごいな。


~ジェンSide~
 今日イチは車の改造をするというので手伝おうと思ったんだけど、特に手伝いがなくてもできるから適当にぶらついてきていいよと言われてしまった。せっかくなので一人でぶらつくことにしたんだけど、最近は一緒に行動していることが多いので一人になるのは久しぶりだわ。

 イチがいると少し遠慮してあまりゆっくり服は見ていないので、今日は気になる店を見ていく。冬用の衣類はあまりなかったのでいくつか購入しているんだけど、ついでにイチに似合いそうな服も買っていくことにした。イチはあまり服にはこだわっていないから選んであげたものはそのまま着てくれるんだよね。

 ただ一人で歩いていると声をかけてくる人が結構いてちょっと面倒くさい。まあ断るとあっさりと引いてくれるのでいいんだけどね。一人でいることがほとんどなかったので久しぶりの感覚だ。

 骨董店もあったのでのぞいてみると、ちょっと気になるものがあったので鑑定してみると、地点は1カ所固定みたいなんだけど、転移が使用可能となっている。話をすると、名前はついているが、特に機能もなく宝玉という認識のようだ。価格は1500ドールと言われたんだけど、値切って1400ドールにしてもらえた。

 他にも商品を見てみるが、どうもちゃんと鑑定されていないものも多いような気がする。もしかしたら鑑定のレベルが低くて見えていないのかもしれないわね。
 付与魔法についてもきちんと把握できていないのか、見た目のいいものは高いけど、見た目が悪いものは高性能でも安い価格設定になっていた。いくつか目についたものがあったのでそれも購入しておいた。


 簡単にお昼を食べてからそろそろかと思って工房に行ってみるとちょうど終わったところだった。改造結果を確認しにいくというので一緒に乗って行くことにした。

 改造の効果はあったみたいで走るときの魔素の消費が20%くらいまで下がったみたい。かなりのコストダウンだね。まだ配線の在庫は十分にあるので他の魔道具の配線も変更していくことにしたようだ。

 走るだけかと思ったら重力軽減の魔道具もセットして風魔法を使うことで飛ぶことができるようになったらしく、最初はかなり驚いてしまった。
 ただ飛行能力があるわけではないので、浮いているという感覚だったけどね。速度が上がったところで浮かせることで飛んでいるような感じになるんだけど、徐々に速度が落ちていくみたい。このあたりはまだ改造していかないといけないようだけど、とりあえず一歩前進と言っていたわ。

 夕食は昼間にチェックしていた店に行くことにしたけど、イチも気に入ってくれたようでよかったわ。「食べ物に関する嗅覚がすごいね」って、私がまるで食いしん坊みたいじゃない。ちょっと失礼よね。

~~~~~


 そろそろアルモニアの方も雪がなくなってきているという情報を聞いたので出発を4日後に決めて、もう一度遠征に行くことにした。朝食を食べてから早々に準備をして前と同じエリアに移動する。

 今回倒しておきたいのは白鹿と白熊だ。特に白熊は上階位の上位の魔獣でかなり手強いことがわかっている。索敵をしながら魔獣を狩っていくけど、そうそう簡単に見つからない。隠密のスキルも持っているみたいなので余計に見つかりにくいのだろう。不意打ちには気をつけないといけない。

 出てくる魔獣を倒しながらしばらく森の中を進んでいくと、白鹿を発見したけど、見つけたときは思ったよりも近かった。すぐに攻撃を仕掛けたけど、初手の風魔法を避けられてしまう。一気に突進さしてきたけど、ギリギリ風と水の盾の展開が間に合った。それでもかなりの衝撃だ。
 押さえ込んでいる間にジェンから魔法攻撃の援護を受けながら切りつけていく。角の攻撃が激しい上、毒持ちというのがやっかいだ。口から毒の息を出してくるって反則だろう。途中でジェンに回復魔法をかけてもらいながらなんとか倒すことができた。

「突撃力が半端ないね。他の魔獣が一緒だったらかなり厳しいかも。」

「イチに防御に徹してもらって私が攻撃した方がいいかしら?」

「それだと倒すのに時間がかかりそうなんだよね。まあ一応は倒せているから今後改善していくしかないかな。土魔法の土壁がもっと早く分厚くできればいいんだけど、そのあたりはがんばってレベルを上げていくしかないね。」

 いろいろと反省点などもあるけど、とりあえず倒せたのでよしとしよう。

 5時前に拠点に戻り、解体を行う。白鹿は角がかなりの値段となるので丁寧に処理をしなければならない。毛皮を剥いでから肉も切り出す。さすがに処理に時間がかかるのはしょうがない。肉の一部は今日の夕食にしよう。


 解体が一段落したところで夕食の準備に取りかかる。夕食には鹿肉のステーキにスープとサラダとパンだ。この国では主食はパンが多いのと、外で食べるにはやはりパンの方が食べやすいので最近はご飯を食べる機会が少ない。

「肉の処理は魔法で行っているので病原菌とかは大丈夫だと思うけど・・・大丈夫だよね?」

「まあ完全では無いと思うので、あまりレアとかで食べるのはやめといた方がいいかもしれないわ。それは注意されていたしね。」

 肉はなかなかおいしかったけど、やっぱり店みたいにうまく焼けないのは仕方がないところか?もう少し料理の腕をレベルアップしないといけないなあ。
 ちなみにジェンの料理スキルは自分と同じ2なんだけど、実際の手際は自分の方がいいみたいだ。包丁とかの扱いはジェンの方がうまいんだけど、味付けに関しては自分の方が上みたいだ。このため、味付けは自分がやることが多い。 まあ何もしないとレベルも上がらないから一緒にはやっているんだけどね。


 現在の拠点で使っている魔道具はこんな感じでかなり充実している。
  コンロセット(コンロ二つと流しの水道と浄化装置)
  トイレ
  トイレの消音
  シャワールームのシャワー用の温水
  シャワールームの排水の浄化装置
  魔獣よけ(初階位対応)
  魔素の関知を利用した防犯ブザー
  壁の耐久性向上
  拠点の認識阻害
  消臭
  防音
  冷凍冷蔵庫(今は使っていない)
  音楽再生装置

 照明は起きているときしか使わないので魔法を使うことにしている。消臭なども前は魔法を使っていたんだけど、そこまで消費魔素が多くないので魔道具ですることにした。匂いや煙を分子まで分解するイメージで作成すると思ったよりも簡単にできたからね。
 虫はやってくるんだけど、最初に拠点を置いたところで風魔法を使って追い出してから起きている間は風魔法で防いでいるので入ってこない。建物の中は大丈夫だしね。今は一応網戸のようなものも取り付けている。
 寒さは布団で何とかなる感じだけど、今後は暑くなってきたときの対応を考えておかないといけない。これはエアコンのような魔道具を買えばいいんだけど、今のところ必要がないので後回しにしている。

 あとは魔獣よけの魔道具を上のレベルのもにしたいんだけど、結構高いというのが問題だ。まあかなり離れた場所に拠点を立てるのでこれでも十分かもしれないけどね。魔獣よけと言っても絶対でもないし、上のクラスも上階位までしか対応できていないからね。

 これで消費魔素は一晩300ドールくらいだったんだけど、配線を交換したのでおそらく100ドール以下になっていると思われる。


 翌日も狩りをして氷狼や氷豹も退治することができた。氷豹は結構すばしっこいんだけど、単体なのでまだ倒しやすい。虎のような感じだな。爪には毒があるようなので、倒した後は回復魔法をかけておかなければならない。そうしないと後で体がだるくなってくることがあるらしい。
 索敵で先制攻撃できたからいいけど、索敵がないと森の中で突然襲われる可能性もあって怖いところだ。まだ索敵レベルが高くなっているからいいけど、もう少しあげておきたいところだな。
 魔獣の持っている隠密スキルは高くても3くらいなので索敵を4まであげられれば索敵に引っかからないと言うことはないと思う。まあ優階位の魔獣とかになってくるとわからないけどね。


 最終日になってやっと白熊を発見。周りの状況を確認し、遠距離から風攻撃を仕掛ける。予想通り避けられてこちらに突進してきたけど、事前に作った落とし穴にはまってくれた。
 足を取られたところで腕を切り落とすことができたので脅威がかなり下がる。このあと水魔法で押さえつけてはめ殺しと思ったんだけど、一気に魔法が破られてしまった。さすがに力が半端ないな。
 このあとは盾で攻撃を防ぎながら攻撃を加えていく。最後はなんとか喉をついて致命傷を与え、倒すことができた。さすがにこのあたりは真っ正面から倒すのはかなりしんどそうだな。

「これで一通りこの辺で出てくる上階位までの魔獣は倒せたかな。白熊は最初に片手を切り落としてなければ結構厳しかったかもしれないけど、一応倒せそうだね。」

「ええ、最初の攻撃がなくても、なんとかなりそうな感じだったわね。もちろん相手が一体というのが前提だけど。」

「今のところ索敵で見つけることが出来るから、そこは何とかなるレベルかな?あとは鍛錬と経験を積んでいくしかないよなあ。」

「出来れば一人でも対応出来るくらいが目標よね。魔法のレベルも上げて攻撃だけじゃなくて防御力も上げたいわね。」

 解体を済ませてから町に戻ることにしたけど、さすがに白熊の解体は時間がかかってしまったよ。

 役場に行って買い取り対象の魔獣だけは引き取ってもらい、それ以外の素材は肉の一部を除いて店に売り払うことにした。



 翌日は移動のための準備をする。国が変わると食べ物も変わってしまう可能性もあるのである程度の食材とかを買っていく。収納バッグの容量は4割くらい開いているのでまだ大丈夫だろう。食べ物の備蓄がすごいことになっているけど、気にしないでおこう。腐らないからいいよね?

 装備関係も簡単な整備をしてもらったけど、特に問題はないみたいで2000ドールで一通りの装備を見てもらうことができた。まあこのあたりはきちんとしておかないとまずいからね。

 早めの夕食をとってから部屋に戻り、荷物の再チェックも行う。拠点はさすがに出せないのでそれ以外のものを出してみたんだけど、半端ない量だった。

 お弁当に野菜や肉、魚などの食材、魔道具関係や装備関係に衣類、アクセサリーなどいろいろと購入したものなどすごいことになっている。順番に出して収納していく感じじゃないと全部は出せなかったよ。

 収納のリストはフォルダの分類分けをするようにしているのでまだわかりやすくなっている。「食材」の中に「肉」、「魚」、「甲殻類」、「野菜」、「果物」、「キノコ」、「麺類」、「パン」、「その他」という感じで弁当や衣類についても同じように仕分けしている。こうしないと正直どこに何があるのかわからなくなってしまうんだよね。最近は収納した日付も表示されるようにしたのでわかりやすい。

 ちなみにジェンにも聞いてみたんだが、同じように表記形式にはできているみたいなんだけど、特に分類せずに入れているらしい。片付けが苦手そうだな。容量が小さいとはいえ、ジェンに預けるのはある程度種類を絞った方がよさそうだ。


 スキルはあれだけ頑張ったんだけど武術については上がっていなかった。とりあえず地道に頑張るしかないけどなんか上がらないとテンション上がらないよなあ。魔術に関してはもうすぐ全部がレベル3になる。やはり闇魔法の上達が遅いな。あとは技術系がちょっとずつ上がってきている。問題はここからだね。


~ジュンイチとジェニファーのステータス~

名前:ジュンイチ(大岡純一郎)
生年月日:998年10月30日
年齢:18歳
国籍:ヤーマン国
職業:冒険者(上階位・アース)
賞罰:なし
資格:車運転
クラス:戦士(武術力向上-1)、魔法使い(魔力向上-2)、治癒士(治癒力向上-1)、学者(思考力向上-2)、技術者(技術力向上-1)、神の祝福(物理耐性上昇-3、魔法耐性上昇-3、能力吸収上昇-1)

スキル:
体術-3、片手剣-3、両手剣-2、短剣-2、槌-2、盾-3、刀剣-1
威圧-2、突撃-3、回避-3
一般魔法-3、火魔法-3、風魔法-3、水魔法-3、土魔法-3、氷魔法-3、雷魔法-3、光魔法-3、闇魔法-2
治癒魔法-3、回復魔法-3
肉体硬化-1、筋力強化-1、持久力強化-1、俊敏強化-1、魔力強化-1、治癒力強化-1
毒耐性-3、麻痺耐性-3、睡眠耐性-3
演奏-1、歌唱-1、絵画-2、彫刻-1、工作-2、料理-2、裁縫-1
日本語-5、英語-5、ヤーマン語-5、ライハンドリア公用語-5、ハクセン語-3、モクニク語-2、サビオニア語-1、古代ライハン語-1、古代ホクサイ語-2、スペイン語-1
思考強化-3、鑑定-4
索敵-3、罠探知-2、罠解除-2、隠密-2
錬金-3、付与-3、商人-2
採掘-2、採取-2、解体-3、解体魔法-3

知識スキル:
戦学-4、武学-3、防学-3
魔法学-4、魔素吸収-3、魔素放出-3、魔素操作-3
算学-4、自然科学-4、社会科学-4、生物学-4、植物学-4、地学-4-、神学-4、医学-4、天文学-4、言語学-4
罠学-4、鍛冶学-2、調合学-2、錬金学-3、付与学-4
ガイド本-3

秘匿スキル:
アミナの祝福(知識吸収上昇)
タミスの祝福(技術吸収上昇)
イギナの祝福(芸術吸収上昇)


名前:ジェニファー(ジェニファー・クーコ)
生年月日:998年12月15日
年齢:18歳
国籍:ヤーマン国
職業:冒険者(上階位・アース)
賞罰:なし
資格:車運転
クラス:戦士(武術力向上-1)、魔法使い(魔力向上-2)、治癒士(治癒力向上-1)、学者(思考力向上-3)、技術者(技術力向上-1)、神の祝福(物理耐性上昇-3、魔法耐性上昇-3、能力吸収上昇-1)

スキル:
体術-3、片手剣-2、短剣-3、杖-2、弓-2、盾-3
威圧-2、突撃-3、回避-3
一般魔法-3、火魔法-3、風魔法-3、水魔法-3、土魔法-3、氷魔法-3、雷魔法-3、光魔法-3、闇魔法-2
治癒魔法-3、回復魔法-3
肉体硬化-1、筋力強化-1、持久力強化-1、俊敏強化-1、魔力強化-1、治癒力強化-1
毒耐性-3、麻痺耐性-3、睡眠耐性-3
演奏-3、歌唱-2、絵画-3、彫刻-1、舞踊-3、料理-2、裁縫-2
英語-5、スペイン語-4、ドイツ語-3、フランス語-3、中国語-2、日本語-4、ヤーマン語-5、ライハンドリア公用語-5、ハクセン語-3、モクニク語-2、サビオニア語-2、古代ライハン語-1、古代ホクサイ語-2
思考強化-3、鑑定-4
索敵-3、隠密-2
調合-3、錬金-2、付与-3、商人-3
採掘-1、採取-2、解体-3、解体魔法-3

知識スキル:
戦学-4、武学-3、防学-3
魔法学-4、魔素吸収-3、魔素放出-3、魔素操作-3
算学-4、自然科学-4、社会科学-4、生物学-4、植物学-4、地学-4、神学-4、医学-4、天文学-4、言語学-5
罠学-3、鍛冶学-2、調合学-3、錬金学-3、付与学-4
ガイド本-3

秘匿スキル:
アミナの祝福(知識吸収上昇)
タミスの祝福(技術吸収上昇)
イギナの祝福(芸術吸収上昇)


~魔獣紹介~
白兎:
上階位中位の魔獣。寒い地域の森に穴を掘って生活しており、雪の中も歩きやすいように足が大きくなっている。耳が大きく、音に敏感なため、先に見つけるのは難しい。牙兎とよりも一回り大きく、真っ白な体をしている。
獲物を見つけると一気に突進してくるが、その突進力のまま鋭い牙でかみついてくるため、最初の突進を止めることが重要。ただし雪が積もっているところでもかなり俊敏に動くことができるため、積雪している状態では危険度が高くなる。
素材としての買い取り対象は肉となるが、残念ながら肉の価値はかなり低い。その代わり毛皮の需要は高いため、できれば傷をつけずに手に入れたい。

氷狼:
上階位中位魔獣。寒い地域の草原や森に多く生息する狼系の魔獣。集団行動をすることが多く、多いときは10匹を超える群れになることがある。群れの数に比例して脅威度は変わり、10匹以上だと上階位上位~良階位下位と脅威度が一気に高くなる。
牙や爪が鋭いため攻撃には注意が必要。集団で襲ってくる場合は連携してくるため、リーダーと思われる個体を優先して倒した方がよい。遠距離攻撃の手段があれば遠くから攻撃して群れを分散させることが有効となる。個体により水魔法を使うものがいると報告が上がっている。
素材としての買い取り対象は上顎の牙と毛皮となる。肉は固く、臭いもきついため食用にはされていないが、食べることは可能。

白蛇:
上階位下位の魔獣。寒い地域の草原や森に生息している蛇の形をした魔獣。大きなものは大人の身長くらいになる。通常の蛇と異なり、冬でも冬眠をすることはない。
毒はもっていないが、鋭い牙を持っているので気をつけなければならない。腕や足などに巻き付かれるとなかなか剥がせないが、そのときは落ち着いて頭を攻撃しよう。隠密のスキルを持っているのか索敵に引っかかりにくく、雪が多い地域では雪に同化して見えにくくなるため発見が遅れることがある。
素材としての買い取り対象は皮と肉となるため、素材確保の場合は頭を潰すのが一番よい。ただし皮は上手に処理を行わないと買い取り対象外となるため、自信がないのであれば専門家に任せる方がいいだろう。肉は脂分が多く、他の蛇よりも高級とされる。

白大蛇:
上階位上位の魔獣。寒い地域の草原や森に生息している蛇の形をした魔獣。大人の身長くらいあり、大きなものはその2倍の大きさになる。体周りも大きなものは500ヤルドに達する。
 鋭い牙を持ち、体を巻き付けて獲物を絞め殺してから丸呑みする。体も大きく目立つため、突然襲われることは少ないが、動きも素早く、変則的なため攻撃する際には注意が必要。完全に体に巻き付かれてしまうと、一人では抜け出せないため、巻き付かれそうになった場合は地面を転げ回り、逃げ出すようにしよう。雪が多い地域では雪に同化して見えにくくなるため発見が遅れることがある。
また毒を吐き出してくるので、正面には立たないようにした方がよい。かなり強力な毒で、目に入ると失明する可能性もある。また金属系の装備は腐食されることがある。
素材としての買い取り対象は皮と肉となるため、素材確保の場合は頭を潰すのが一番よい。ただし皮は上手に処理を行わないと買い取り対象外となるため、自信がないのであれば専門家に任せる方がいいだろう。肉は脂分が多く、他の蛇よりも高級とされる。

氷豹:
上階位中位の魔獣。寒い地域の森に生息し、大半を木の上で過ごす猫型の魔獣。体長は1キヤルドくらいあり、隠密スキルを持っているみたいで発見しにくく、木の上から襲いかかってくる。生息エリアでは木の上にも十分注意して早めに発見できるように心がけなければならない。
鋭い牙と爪で攻撃してくるが、かなり素早いため、攻撃を当てるのには苦労するかもしれない。爪に弱い毒があるため、引っかかれた場合は回復薬で治療しておかなければならない。治療を怠ると、徐々に体がだるくなり、数日間寝込む場合がある。子供はこの毒で死亡したという例も報告されている。
素材として毛皮が買い取り対象となっており、毛皮の模様により買い取り価格に若干差が出る。

白鹿:
上階位上位の魔獣。寒い地域の森に生息しており、鹿の形態をした魔獣。体の大きさだけでも最大で2キヤルドを超える体躯をもち、頭にある角も1キヤルドほどの大きさとなる。
獲物を見つけたときの突進力は強力で、トップスピードからの突撃はかなりの実力を持った盾職しか止めることはできないと言われるほど強力。森にいることがほとんどなので通常はそこまでの威力は無いが、それでも脅威であることは間違いない。
角を使って攻撃をしてくるが、口から毒ガスをまき散らすため、長時間の戦闘は不利となる。徐々に体の疲労が蓄積していくため、早めの回復が必須となる。
素材としての買い取り対象で最も高価なのは角となるが、折れてしまうと価値が下がるため、できるだけ原形をとどめた状態が喜ばれる。かなり大きいため、持ち運びに困ることとなる。また毛皮や肉の人気も高い。

白熊:
上階位上位の魔獣。寒い地域の森に生息しており、上階位では最強と言われる魔獣だが遭遇率は低い。大熊とほぼ同じで最大で3キヤルドを超える体躯をもち、全身が白い毛に覆われている。良階位の冒険者でも討伐には注意が必要。
最も恐れられるのは大きな体から振り下ろされる太い腕お攻撃で、爪に引っかかれただけでもかなりの怪我を負ってしまう。威力は岩をも破壊する。遠距離から魔法や弓矢による攻撃でできるだけ弱らせることが鍵となる。ただし、個体により水魔法を使うという報告もあり、遠距離の場合でも注意が必要。
素材としての買い取り対象は毛皮と肉であるが、肉は若干癖があるため買い取りの単価は低い。毛皮も服などには利用できないため、大きさの割には単価が低くなっている。


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