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51. 異世界430日目 いざアルモニアへ
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51. 異世界430日目 いざアルモニアへ
朝食をとってから国境の門に行くと、すでにかなりの行列になっていた。まあしょうがないところか。
「受付の数は結構あるみたいだから人は多いけど、それなりには早くは入れるかな?」
「地球でも海外行くときはパスポートのチェックに時間がかかっていたよね。それと同じだからしょうがないよ。」
「うーん、海外行ったことがあるけど、特にそんなにかかった記憶はないなあ。ほとんど人がいなかったし。」
「時間の問題なのかねえ?自分が行くときいつもかなり列ができていて大変だったよ。まあ何回も行ったわけじゃないけどね。」
入国にはお金がいるんだけど、冒険者は一人当たり100ドールでいいらしい。通常は500ドールとられるみたいだけど、金額は国や国の関係によって異なるようだ。ちなみにハクセンは冒険者でも300ドールとなっている。
町に入るときは証明証をチェックされるだけだけど、国を移動する場合は身分証明証に記載されている「名前」、「生年月日」、「年齢」、「職業」、「賞罰」の記録がとられるようだ。賞罰の内容が特に重要なんだろう。他の記載については見えなくしていても特に何も言われない。
門をくぐるとそこも同じような国境の町となっていた。こっちの町の名前はトレラムというようだ。国が代わっても同じ場所にあることと、元々文化的に近いこともあってそれほど町並みの様子は変わらない。
まずは情報を得るために役場へと向かう。冒険者に関してのシステムは基本的に国が変わってもほとんど変わっていないはずだ。まあ国の運営とはいえ、半分独立しているようだからね。そうでなければ国をまたいだ組織は無理だろう。そうは言っても国の管理もあるのでちょっとゴタゴタすることもあるらしい。
資料を見てみるとこの辺りに生息する魔獣にも差はなさそうだったけど、さらに北の方に行くとやはり種類が変わってくるようだ。このあたりは徐々に慣れていくしかないな。
会おうと思っている人がいるのは王都のクリアレントなんだけど、結構距離があるんだよなあ。途中の道路はきちんと整備されているようなので魔獣に遭遇することは少ないだろう。出てきてもサイレウムで倒した魔獣くらいかな。
一通りの資料を確認してから掲示板を見てみるが特に目を引く情報はなかった。ルイサレムのようなおもしろそうな依頼はないもんかねえ。
まずは事前にチェックしていた宿のゆきやねというところを予約する。ここはスレインさん達がここに来た時にいつも使っているところらしい。本当はすぐに移動をしてもいいんだけど、せっかくなのでこの町も少しは見ていくつもりだ。
ツインの部屋で1200ドールとちょっと高い印象なんだけど、こっちの宿はヤーマンよりも若干高いようだ。宿の数が少ないのかな?
部屋に入れるのは夕方からなのでそれまでは町の中の店を見て回ることにした。
「町の造りも雰囲気もサイレウムとほとんど変わらないわね。」
「売っているものもそんなに変わった感じじゃないね。まあ、せっかくだから適当に店をのぞいていこう。」
商店を見ていくと、魔道具とかはちょっと充実している感じだけど、これはもう少し大きな町に行ってから見た方がいいだろう。他には骨董店や食料店など色々とみていく。さすがに食品については置いているものの系統が若干異なっているのはお国柄か?
宿の夕食の時に席を探すふりをしながら会話の内容に聞き耳を立てていると、「ヤーマンはどんなところだろう?」と話していた冒険者と思われる人たちがいたので声をかける。
「すみません、少し声が聞こえたんですが、今度ヤーマンに行かれるのですか?」
「そうだけど、君たちは?」
「今日ヤーマンから来たんですが、アルモニアは初めてなのでもしよかったらそれぞれの国の情報交換ができないかと思いまして。」
「それはこっちもありがたいな。おい、ちょっと詰めろよ。」
「すみません。自分はジュンイチ、こっちがジェニファーで、アースというパーティーを組んでいます。よろしくお願いします。」
「ああ、俺たちは”レイスマントの狼”というパーティーを組んでいる。俺はカース、そっちからヤルマン、ヌイルサ、オーマンだ。よろしくな。」
彼らはクリアミントの町を主な拠点としている冒険者で、今は上階位だけどもう少しで良階位になる実績がたまるそうだ。ただ今のままだと試験に受かりそうにないのでもう少し実力をつけてから試験を受けたいと思っているみたいだけど、見聞を広げる意味もあってヤーマンに行こうと言うことになったらしい。
それぞれの町のおすすめの宿屋や鍛冶屋、道具屋などの情報の他に狩場の情報も確認する。最近少し魔獣の出現が多くなっているみたいだ。
治安はそれなりにはいいようだけど、北部の方は若干治安が悪く、誘拐などもあるので注意した方がいいみたい。やはり全体的にヤーマンよりは治安が悪い印象だなあ。
お互いにいろいろな情報を入手できていい感じで別れる。彼らは明日の朝一でヤーマンに移動してから南下するつもりらしい。またどこかで会えるかなあ・・・。
翌日は朝食を取ってからすぐに町を出る。クリアミントまではバスで15日くらいのようなので、車だったら10日くらいで着くかな?
途中の町にも寄っていくけど、特に目を引くところはないので持っている拠点に泊まっていく。4日目の昼くらいから何か変な臭いがしてきた。この臭いはもしかして?しばらく走ると町が見えてきたんだけど、町から煙が上がっている。
「火事かしら?」
「いや、これはきっと・・・。もしそうならここに泊まっていっていいか?」
「そんなに急ぐ旅でも無いし、別にいいけどどうしたの?」
「とりあえず町に入ってから確認しよう。」
着いたのはサイノレアという町なんだけど、建物のあちこちから煙が上がっていた。町は途中にあった町よりは大きい感じだ。
「なんか臭いがすごいけれど、これ大丈夫なの?」
「多分大丈夫。おそらく温泉だと思う。」
「温泉?ああ、hot springね。」
この間話したパーティーのヌルイサさんがなんかお風呂のいいところがあると言っていたのがここだったのかな?
役場に行って話を聞いてみると確かにここにあるのは温泉のようだけど、地面から出てくる温かいお湯という認識だけのようだ。地元では体調が良くなるというようなことも言われているけど、良くわかってないらしい。
そこまで有名ではないんだけど、気に入った人は何度か来たりもしているみたいで、宿泊する宿も安いところから高いところまでいろいろと充実している。
温泉に入れるおすすめの宿を聞くと、お風呂でおすすめは北の湯という宿という情報を入手。ただ結構高いみたいなので行ってから判断しよう。
宿に行くとホテルというより旅館という感じのところだった。受付で話を聞くと、温泉の大浴場はあるが温泉付きの部屋もあるらしい。マジか。値段を聞くと二人部屋で安いところで5000ドールとなっていた。これは・・・。
「ジェン、節約すると言ったのに悪いけど今日だけは贅沢していいかな?」
「いいわよ。それだけの価値があるってことなんでしょ。」
「まあ、人にもよるけど、温泉付きの宿は憧れだったんだ。」
うちの両親が、部屋に温泉がついているところはいいんだけど、値段がねえ・・・とよく悩んでいたんだよね。自分も泊まったのは小さな頃に一回だけだし。部屋内容を見せてもらい、6500ドールの部屋に泊まることにした。食事は朝晩2回の部屋食付きだ。
部屋に案内されると、客室に入る手前で靴を脱ぐようになっていた。どうやらお風呂の移動の関係らしい。まあ自分はこっちの方が落ち着くけどね。
部屋は和室に布団というわけではなく、板張りにベッドなんだけど、ちゃんと脱衣所に露天風呂がついている。すでにお湯は入っているのでこれは早速入るしかないな。
「先に入っていい?」
「待ちきれないみたいね。いいわよ。私もあとで入らせてもらうわ。」
早速体を流して温泉につかる。いわゆる美人の湯みたいだな。露天になっているので空が見えていい感じ。あ~~~、寛ぐ~~~。
しばらくすると後ろからなんか音が・・・。
「っ!!!な、なんで入ってきたんだ?まだ上がってないぞ!!」
バスタオルを巻いているけど、なぜかジェンが入ってきたので慌てて後ろを向く。
「あとで入るって言っていたじゃない。それに温泉って混浴が普通なんでしょ?」
「ふ、普通じゃないよ!!」
「まあ、いいじゃない。裸の付き合いも・・・」
掛け湯をしてからジェンも中に入ってきた。バスタオルは外に置いている音がしたので、もちろんジェンの方など見ることができない。
「いい気持ち。こういう温泉は本でしか知らなかったけどなかなかいいものね。」
「そ、そうか。」
「貸し切りっていうのはさらにいいわね。」
「そうだな。」
「ねえ、聞いてる?」
そう言いながら声が近づいてきた。
「だから、こっちのことは気にしないで!」
「もー、ほら、大丈夫だから」
そう言って自分の前に回り込んできたジェンは・・・水着を着ていた。
「驚いた?ねえ、驚いた?」
「くっ・・・・」
「だってほんとに裸だったらイチも大変でしょ。」
裸じゃなかったとは言え、今回はビキニ姿なのでさすがに直視するとかなりまずい。こっちにもこんな水着売っているんだなあ。このあとジェンと話はするけど、なんとか視線が行かないようにごまかす。さすがにこれはまずいと先に上がったので、またあとでゆっくり入ることにしよう。
夕食は部屋に持ってきてくれるスタイルなんだけど、さすがに日本料理というわけではない。ただ部屋でゆっくりとできるのでいい気分だ。ジェンは少しお酒も注文していたけど、温泉に入るのでほどほどでやめさせておいた。
このあとも大浴場に行って温泉を堪能してから眠りにつき、翌日も朝から部屋風呂に入って温泉を満喫する。いろいろあったけど温泉を十分に堪能できてよかったなあ。
「ヤーマンに戻るときにはまたここを通るからまた泊まりに来よう。」
「そうね、今度はほんとに裸の付き合いで入ろうね。」
「それは却下させてもらうよ。」
「も~~~~!!」
この後は拠点に泊まりながら北上し、予定の1日遅れで首都のクリアレントまでの中間位置にあるクリアミントに到着した。
~ジェンSide~
アルモニアに入ってからしばらく北上していくと、変なにおいが充満している町があった。イチはこの臭いを嗅いでからなぜかテンションを上げている。どうやら温泉があるみたい。そういえばお風呂が好きだったわね。
せっかくだから温泉を堪能したいとちょっと高めの宿に泊まることにしたんだけど、日本のアニメとかに出てくる旅館のような感じだった。靴を脱いで上がるというのも日本っぽいわね。そういえば温泉と言えば混浴とかいって特に付き合ってない男女が一緒のお風呂に入るという話があったわね。
ふふふ・・・。
温泉の付いている部屋を選んだので他の人が来る心配はない。イチは「先に入っていい?」とすぐに温泉へ。イチが入ったあと買っておいた水着に着替えてバスタオルを巻いて、これでいいかな。
お風呂に入ると、こっちに気がついたイチが後ろを向いて叫び声を上げる。バスタオルを巻いているので、おそらく下は裸だと思っているみたい。かけ湯をしてからお風呂に入るときにはもちろんバスタオルは外した。
イチに話しかけるが、上の空の言動がおかしくて笑いをこらえるのが大変だった。最後に水着だと見せると驚いていたけど、それでも恥ずかしそうにしていた。ちらちらこっちを見ているけど、気付かないとでも思っているのかな?まだ普通に話せるようになったけどね。
そのあとは食事も堪能し、イチは大浴場にも入りに行った。ほんとにお風呂が好きなのね。翌朝も一緒に少し温泉を堪能してから宿を出発するが、また帰りも寄ろうと言ってきた。今度は水着なしで一緒に入りたいというと、イチに速攻で却下されてしまった。
~~~~~
クリアミントの町に到着したけど、すでにお昼も回っているのでまずは宿の確保からだ。事前に聞いていた宿をいくつか見て周り、ラントハイドというところにする。ツインの朝食付きで1000ドール、夕食をつけると1100ドールだったけど、とりあえず朝食のみで3泊お願いすることにした。まあ中二日あればある程度の情報は得ることができるだろう。
カサス商会がここにはあるようなので顔を出すことにしたんだけど、残念ながら店長は少し外出していると言うことだったので、また夕方に来ることにする。
せっかく来たので店内を見てみるけど、なぜか魔道具のコーナーがあまり充実していない。というかかなり限定した商品しか置いていないので店員がいたので聞いてみる。
「お客さんはアルモニアにくるのは初めてなのですか?こっちでは魔道具は専門店で取り扱うのが普通ですので、当社も別館にて取り扱っています。こちらに置いているのは魔道具でも現在売り出し中のものを少しだけとなります。」
魔道具が充実しているので、専門店が先にできあがってしまい、総合スーパーのようなものができてもその流れで魔道具だけを取り扱っている店が多いようだ。
「そういうことだったんですね。」
「はい。ちなみにこれはいま売り出し中のバッグです。重量が50%カットされるというおすすめ商品ですよ。これはこの国でもまだ開発ができていないのでヤーマン国からの輸入品のみとなります。」
値段を見ると8500ドールとなっていた。やっぱり若干高くなっているね。
「同じものを持っているから大丈夫ですよ。」
「ありがとうございます。もし魔道具に興味がありましたらすぐ近くにある別館をおたずねください。」
「ありがとう、後で行ってみます。」
一通り店内を見て回ったあと、話に聴いた魔道具の店に行く。かなりいろいろなものが売られており、同じ魔道具でも種類が豊富だ。やはり魔法が発達していると違うなあ・・・。
今持っているものよりも高性能っぽいものもあるけど、まだ買い替えまではいいだろう。ジェンはなにやら美容関係の魔道具を見て回っているので放っておこう。
魔道具の扱いとなるみたいでシステムキッチンのようなものが置いてあった。そういえば日本でも電化製品の店にシステムキッチンが置いてあったね。
他に調理用具を見ていくが、オーブンはあるが電子レンジはない。まあ電子レンジは科学が発展していないと無理だろうな。魔道具でイメージして作れるのだろうか?でもできたとしてもちょっと使うのが怖いんだよなあ・・・。すぐに温められると点はいいんだけどね。
今ある料理関係の魔道具はコンロセット、炊飯器、ミキサーくらいだ。パン焼き器とかはさすがに売っていない。まあ収納バッグがある時点であまり必要性はないんだけどね。
近くにいた店員を呼んで値段を聞いてみる。システムキッチンで使い勝手の良さそうなものは58万ドールもするらしい。コンロ部分が3つに魚焼きのグリル、オーブンがついている。シンクは2つあってお湯と水の出る蛇口が2つ付いている。もちろん排水処理もちゃんとできるようになっているものでなかなかいい感じ。
これよりさらに性能のいいものになると魔道具の性能がアップするため値段が一気に102万ドールと倍増してしまう。ただ水量とかも多くなるし、火力もかなり上がるようだ。消費魔素はあまり差がないらしい。
悩んでいるとジェンがやってきた。
「どうしたの?」
「いや、拠点用にシステムキッチンを買おうと思っているんだけど、どれにするか悩んでる。」
二つの内容を説明する。
「それだったらいい方を買ったらいいんじゃないの?金額的には大丈夫なんでしょ?」
即答で答えてきた。
「でも値段がかなり高いんだよ。」
「いいじゃない。また稼げばいいんだし、悩んでいるのはお金の問題だけで性能では上の方がいいと思っているんでしょ?後で買い換えたり、機能を追加することを考えたら最初に買っておいた方がいいんじゃないの?」
「そうだね。」
「すみません、こっちの方を買って帰りたいのですが、もう少し割引はできないでしょうか?」
さすがに100万ドールの商品を速攻で決めてしまったことに驚いていた。結局少し負けてもらい、99万ドールで購入することになった。持って帰るという時点で手間賃もかからないからね。他にもジェンが欲しいものなどいくつか購入する。
再びカサス商会の受付に戻って話をすると店長はちょうど戻ってきたところらしい。店長はケルミンと言う人で、魔道具関係に詳しいらしく、自分の納めている魔道具にかなり興味があるようだった。
「さすがに魔法についての研究が進んでいるだけあって魔道具も充実していますね。」
「ええ、ただその分競争も激しいのでなかなか大変ですよ。今ジュンイチさんに納めてもらっています魔道具はこちらの国でもかなり驚かれました。
今のところ追随してくるところはありません。あと、バッグだけでなく他のものにも応用できないかと現在研究を進めているところです。」
「そうなんですね。最近は少し付与魔法の能力が上がってきてもう少し性能アップのものができてきていますが、納めるものは今までと同じものにしています。」
重量軽減の魔道具で現在試作品のものを見せると、ざっくりで言うと10%くらいのアップしそうだと言われる。ということは感覚的に自分が作れる最高のもので20%くらいは能力アップするという感じか?ただ作るのに時間がかかりすぎるからこっちはまだ出せないな。
消費魔力とのバランスが重要だからねえ。消費魔素が変わらない大きさで機能だけ上げるとなると特に刻む付与魔法の精度を上げるしかない。車につけたみたいに消費魔素を気にしなければ性能は上がるけどね。
「そういえばさっきシステムキッチンを買いましたよ。さすがに値段が高かったけど、いいものが手には入ってよかったです。」
「え?うちの店で買われたんですか?もしかして正規の金額で?」
「少し負けてくれましたけどね。」
「うちの社員だったら5~10%の割引がきくんですよ。最近になって始まったシステムなのですが、このおかげで社員もうちの店で購入するようになって売り上げが増えたんです。しかも社員もかなり喜んでくれたのでかなりいい改革でした。」
そういえば前にそんなアドバイスしたような気がするなあ。
「購入の時の領収書があれば返金しますよ。」
「申し訳ないですが、お願いできますか?」
返金されたのは5万ドールくらいだったのでかなり大きい。ケルミンさんもまさかこんな大きなものを買っているとは思っていなかったようだ。
このあと少し話をしてから店を後にする。夕食は宿に併設の食堂で大毛牛という魔獣のステーキを食べた。これはもっと北の方にいる羊と牛の中間のような魔獣でなかなか美味しかった。上のクラスになればもっと美味しくなるのだろうか?
部屋に戻ってからこの後の予定を確認して眠りにつく。今日はシャワーはやめて浄化魔法だけで済ませた。
翌日は宿で朝食をとった後、この町の役場に行ってみる。掲示板を見てみても特に珍しい依頼はなさそうだ。まあそれはしょうがないな。掲示板にはよくあるパーティーの募集や魔獣などについての情報を求める内容が掲載されている。
パーティーの募集内容では、下位パーティーは治癒士や魔法使いの方が圧倒的に多い。特に治癒士はそもそもなり手が少ないうえになれる人が少ないのに、わざわざ冒険者にならなくても職があるということが大きい。
ただ、治癒士と言っても初級レベルの人も多いので治療は薬で十分と割り切っている人たちもいる。このため治癒士を募集しているのは収入の少ない下位のパーティーが多いことになる。薬代だけでも下位のパーティーにはかなりの負担だからね。
治癒や回復魔法がうまくレベルアップ出来なくて、治癒師と言っても戦闘をメインにしている人も多く、パーティーもそれを前提としていることが多い。スレインさんがいい例だ。まあスレインさんは中級くらいまで治療はできるけどね。
このため高階位のパーティーは薬で対応することが多くなり、パーティーの編成には治癒士が入っていないことも多いようだ。前衛だけのパーティーも結構いるしね。
自分たちみたいに前衛、魔法、治療と全部やれるのはかなり珍しいだろう。まあ魔法と治療は知識チートの恩恵が大きいけどね。
これらの知識を大っぴらにしていいのか、今はかなり悩んでいる。ジェンと話して基本的に話さないようにして、どこまでの知識を出すのかを決めている。魔法に科学がくっついたらとんでもない破壊兵器を作ってしまいそうなのが怖いところだ。そのせいでこの世界が滅びたとかなってほしくないからね。
このこともあって、お互いの普段の会話は最初に話し始めた方の言葉に合わせる感じで日本語か英語で会話をしている。これだったらもし聞かれても他の人には意味がわからないだろう。
パーティー内では地元の言葉を使っている人たちも結構いるのでそこまで違和感はもたれていない。まあ言語をよく知っている人だと「どこの国の言葉だ?」と思われるかもしれないけどね。
ここでは特に狩りをするつもりはないけど、とりあえず登録は済ませておく。受付の人にも少し話を聞いて見たけど、特におすすめの内容はなかった。上階位以上の魔獣の狩りは北か南の町に移動してから行った方が良さそうだ。このあたりはしょうがないな。置いてある資料内容を確認してから役場を後にする。
少し早めの昼食をとってから図書館へ。さすがに魔法関係の文献が多い印象だ。一通り内容を読みながら書類を取り込んでいくが、クリアレントに行ったらもっと色々読むことができるだろうか?いろいろと本を読んでいたら夕方になっていたので夕食をとってから宿に戻る。
翌日の朝食を食べてからすぐに出発してクリアレントを目指す。途中の宿は基本的に拠点に泊まっていく。クリアレントまでの街道はさすがに整備もされているし、警備もされているので盗賊などの心配もないだろう。
途中読んだ資料をもとに魔法の練習をしてみたんだけど、思ったほど威力が上がらない。このあたりは魔力操作とかの基礎力が上がらないと難しいのかなあ。まあまだ魔法を覚えてから1年ちょっとなんだから贅沢言うなと言う感じではあるんだけどね。
魔素の操作系については常に半分無意識に行っているんだけど、最近はほんとに上がらない。学識系については思ったより早くレベル4に上がったんだけど、それ以外についてはなかなか4にあがらない。まあ3あれば普通は十分と言ってもいいんだけどね。
特に何事もなく6日目に予定通りクリアレントに到着する。
さすがに王都とというだけあって町の大きさはサクラと同じくらいの規模のようだ。ただ見た目がかなり異なっているのは湖畔にあるせいだろう。冬は凍ってしまうみたいだけど、この時期は湖に緑が映えていい感じだ。
町と湖の周りにかなり広い農地があり、十分な食料をまかなえているような印象をうける。途中の町の周りにも結構大きな農地があったのでその点については問題ないのだろう。
そしてここにはサクラにはなかったお城があった。町は若干の勾配が付いていて、一番高い断崖の上の方にお城が建っていて、反対側の断崖の下は湖となっている。
日本にあるようなお城ではなく、ヨーロッパにあるような感じのお城だ。まあ木造建築自体が少ないからそれも当然かな。さすがに今も使っているようなので見学とかはできないだろうなあ・・・。
町の入場にはすでに結構な行列ができているので待たなければならないのは仕方がない。60分ほどでやっと順番がやってきて中に入ることができた。
「とりあえず、王都にはやってきたけど、どうやったらジョニーファン様に会えるんだろう?」
「ちょっと、聞いてなかったの?王宮の近くに彼の住まいがあるみたいなのでそこの受付に用件を伝えて紹介状を渡せばいいって言っていたわよ。」
「そういえば、そんなこと言っていたね。ごめん、完全に忘れていたよ。」
王宮までは結構距離があるのでそのまま車で移動することにした。こんな大きな町中で車に乗るのは初めてなんだけど、車道と歩道が完全に分かれているし、王宮の近くまでは大きな通りなので道に迷うことはない。あまり交差点もないしね。車は収納バッグに入れている人たちをそれなりに見かけるので問題なさそうだ。
ある程度近くに来たところで車を降りてから王宮を目指す。ここから王宮までは結構道が入り組んでいるのは戦争に備えてなんだろうか?
王宮までやってきたけど、当然のことながら門番がいて中には入ることができない。まあ当たり前だよな。ヤーマンでは王宮に入ったけど、建国祭の大勢が入ったときと、クリスさんが一緒で車で入ったときくらいだしね。
すぐ近くにジョニーファン様の家があるという話だったんだけど、周りの建物はどれも大きくてよくわからない。しょうがないので近くの門番に聞いて見ると、そこがジョニーファン様の家だった。
「ジョニーファン様に何のようだ?」
「えっと、面会希望です。」
「急に来られてもそうそう会えるわけではないぞ。一応受付をするシステムはあるんだが、よっぽどの方からの紹介状がなければまず会うことはできないと考えた方がいいぞ。」
「えっと、紹介状は持ってきていますが、それも受付に出せばいいのでしょうか?」
「とりあえずあそこの建物に行って受付に声をかけてくれ。」
門から少し離れたところに小さな建物があってそこが受付になっているようだ。中に入ると、受付らしき女性がカウンターの中にいた。
「こんにちは。ジョニーファン様への面会希望なんですが、こちらで受付をすればいいのでしょうか?」
「はい、ただしきちんとした方からの紹介状がない方はお取り次ぎできません。また紹介状があっても会えると確約はできません。紹介状はお持ちでしょうか?」
「はい、これが紹介状となります。」
「はい、お預かりします。っえ?ヤーマン王家の紋章?
あ、失礼しました。」
さすがに他国とはいえ王家の紹介状は少ないのかな?これだったら期待できるかもしれない。
「えっと、受付を行いますが、明日もう一度確認に来ていただけますか?そこで面会の可否と面会できる場合は時間が指定されます。ただ申し訳ありませんが、面会できる方は月に数名程度ですのであまり期待されない方がいいかもしれません。」
「わかりました。少しだけでも面会ができることを期待して待っています。」
来た道を戻ってから宿屋などが多いエリアへと移動する。宿は事前に調べておいたルイミルダンというところにした。ツインで2200ドールと結構高いけど、王都ではこのくらい出さないと厳しいらしい。レベル的にはシルバーフローと同じくらいのところだ。ただ建物は5階建てとサクラよりも建物が低い。どうもお城のイメージを確保するために高い建物は禁止されているみたい。
残念ながら大浴場というものはなかったけど、そもそもお風呂がある宿が少ないようだ。ここはまだ部屋にはお風呂があったけどね。
翌日朝食をとってから確認へ行くと、2日後の2時からであれば面会できるようだ。ただ時間は30分くらいと言われたがまあ少しでも話が聞けるだけ良かったかな。
そのあとは図書館に行って本を読んだり、魔道具の店を見て回ったり、骨董店を見て回ったりといろいろと店巡りをして過ごした。お金も結構余裕が出てきたのでアクセサリー類を購入した。
魔術の指輪(良)=135万ドール
堅牢の腕輪(高)=82万ドール
堅牢の腕輪(良)=165万ドール
さすがに高かったけど、なかなかこういうものは売っていないからね。他にも色々あったけど、とりあえず防御力を上げるのが優先だろう。全部で360万ドールと結構な出費となったけど、それだけの価値はあると思っている。オークションで入ったお金が全部出ていった感じだな。
最近装備のお金については特許代や魔符核などで入ったお金で購入しているので大分楽だ。日々の生活で装備代まで稼ごうとしたらやっぱり大変だろうね。おかげで良い宿に泊まっても十分生活費はあるからね。
今回購入した魔術の指輪(良)はジェンにつけてもらい、ジェンがつけていたものは自分がつけることにした。堅牢の腕輪関係もジェンには良をつけてもらう。
ちなみに魔道具のアクセサリー類はある程度自動で大きさを調整してくれるのでつける人はあまり選ばない。もちろんあまりに差があるとつけられないけどね。
~購入した装備の詳細~
名称:魔術の指輪(良)=135万ドール
詳細:銀製の指輪。魔法使用時威力が30%向上する。治癒魔法使用時の効果が20%向上する。
品質:良
耐久性:良
効果:良
効力:魔力強化-3、治癒力強化-2
名称:堅牢の腕輪(高)=82万ドール
詳細:銀製の腕輪。ダメージを受けたときの抵抗力が20%向上する。
品質:高
耐久性:高
効果:高
効力:肉体硬化-2
名称:堅牢の腕輪(良)=165万ドール
詳細:銀製の腕輪。ダメージを受けたときの抵抗力が30%向上する。
品質:良
耐久性:良
効果:良
効力:肉体硬化-3
~装備~
ジュンイチの装備:
鋼の剣(高) 高/高/高 強度向上-2
鉄の短剣(良) 良/良/良 強度向上-3、鋭利向上-3、耐久性向上-1
鋼の戦鎚(高) 高/高/高 強度向上-2
巨角牛の革パンツ(高) 高/高/高 強度向上-2
巨角牛の鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
巨猪の革の籠手(高) 高/高/高 強度向上-2
鋼の盾(高) 高/高/高 強度向上-2
巨猪の革のブーツ(高) 高/高/高 耐久性向上-2
鉄の兜(高) 高/高/高 強度向上-2
力のネックレス(高) 高/並/高 筋力向上-2
魔術の指輪(高) 高/高/高 魔力強化-2、治癒力強化-1
堅牢の腕輪(高) 高/高/高 肉体硬化-2
ジェニファーの装備:
鉄の短剣(良) 良/良/良 強度向上-3、鋭利向上-3、耐久性向上-1
鋼の錫杖(高) 高/高/高 強度向上-2
巨角牛の革パンツ(高) 高/高/高 強度向上-2
巨角牛のハーフ鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
巨猪の革の籠手(高) 高/高/高 強度向上-2
鋼の小盾(高) 高/高/高 強度向上-2
巨猪の革のブーツ(高) 高/高/高 耐久性向上-2
巨角牛の革の帽子(高) 高/高/高 強度向上-2
魔術の指輪(良) 良/良/良 魔力強化-3、治癒力強化-2
俊敏の腕輪(高) 並/並/高 俊敏強化-2
堅牢の腕輪(良) 良/良/良 肉体硬化-3
予備の装備:
クロスボウ(低) 良/良/良 耐久性向上-2、風魔法-3
大角牛の革の鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
大角牛の革のハーフ鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
厚手の革パンツ(並) 並/並/並 強度向上-1×2
牙猪の革の籠手(高) 高/高/並 強度向上-1
牙猪の革の籠手(高) 高/高/高 強度向上-2、耐久性向上-1
牙猪の革のブーツ(高) 高/高/高 耐久性向上-2×2
牙猪の革の帽子(高) 高/高/高 強度向上-2
鉄の盾(並) 並/並/並 強度向上-1
鉄の小盾(高) 高/高/高 強度向上-2、筋力増強-2
魔術の指輪(並) 並/並/並 魔力強化-1
魔術の指輪(高) 高/高/高 魔力強化-2
朝食をとってから国境の門に行くと、すでにかなりの行列になっていた。まあしょうがないところか。
「受付の数は結構あるみたいだから人は多いけど、それなりには早くは入れるかな?」
「地球でも海外行くときはパスポートのチェックに時間がかかっていたよね。それと同じだからしょうがないよ。」
「うーん、海外行ったことがあるけど、特にそんなにかかった記憶はないなあ。ほとんど人がいなかったし。」
「時間の問題なのかねえ?自分が行くときいつもかなり列ができていて大変だったよ。まあ何回も行ったわけじゃないけどね。」
入国にはお金がいるんだけど、冒険者は一人当たり100ドールでいいらしい。通常は500ドールとられるみたいだけど、金額は国や国の関係によって異なるようだ。ちなみにハクセンは冒険者でも300ドールとなっている。
町に入るときは証明証をチェックされるだけだけど、国を移動する場合は身分証明証に記載されている「名前」、「生年月日」、「年齢」、「職業」、「賞罰」の記録がとられるようだ。賞罰の内容が特に重要なんだろう。他の記載については見えなくしていても特に何も言われない。
門をくぐるとそこも同じような国境の町となっていた。こっちの町の名前はトレラムというようだ。国が代わっても同じ場所にあることと、元々文化的に近いこともあってそれほど町並みの様子は変わらない。
まずは情報を得るために役場へと向かう。冒険者に関してのシステムは基本的に国が変わってもほとんど変わっていないはずだ。まあ国の運営とはいえ、半分独立しているようだからね。そうでなければ国をまたいだ組織は無理だろう。そうは言っても国の管理もあるのでちょっとゴタゴタすることもあるらしい。
資料を見てみるとこの辺りに生息する魔獣にも差はなさそうだったけど、さらに北の方に行くとやはり種類が変わってくるようだ。このあたりは徐々に慣れていくしかないな。
会おうと思っている人がいるのは王都のクリアレントなんだけど、結構距離があるんだよなあ。途中の道路はきちんと整備されているようなので魔獣に遭遇することは少ないだろう。出てきてもサイレウムで倒した魔獣くらいかな。
一通りの資料を確認してから掲示板を見てみるが特に目を引く情報はなかった。ルイサレムのようなおもしろそうな依頼はないもんかねえ。
まずは事前にチェックしていた宿のゆきやねというところを予約する。ここはスレインさん達がここに来た時にいつも使っているところらしい。本当はすぐに移動をしてもいいんだけど、せっかくなのでこの町も少しは見ていくつもりだ。
ツインの部屋で1200ドールとちょっと高い印象なんだけど、こっちの宿はヤーマンよりも若干高いようだ。宿の数が少ないのかな?
部屋に入れるのは夕方からなのでそれまでは町の中の店を見て回ることにした。
「町の造りも雰囲気もサイレウムとほとんど変わらないわね。」
「売っているものもそんなに変わった感じじゃないね。まあ、せっかくだから適当に店をのぞいていこう。」
商店を見ていくと、魔道具とかはちょっと充実している感じだけど、これはもう少し大きな町に行ってから見た方がいいだろう。他には骨董店や食料店など色々とみていく。さすがに食品については置いているものの系統が若干異なっているのはお国柄か?
宿の夕食の時に席を探すふりをしながら会話の内容に聞き耳を立てていると、「ヤーマンはどんなところだろう?」と話していた冒険者と思われる人たちがいたので声をかける。
「すみません、少し声が聞こえたんですが、今度ヤーマンに行かれるのですか?」
「そうだけど、君たちは?」
「今日ヤーマンから来たんですが、アルモニアは初めてなのでもしよかったらそれぞれの国の情報交換ができないかと思いまして。」
「それはこっちもありがたいな。おい、ちょっと詰めろよ。」
「すみません。自分はジュンイチ、こっちがジェニファーで、アースというパーティーを組んでいます。よろしくお願いします。」
「ああ、俺たちは”レイスマントの狼”というパーティーを組んでいる。俺はカース、そっちからヤルマン、ヌイルサ、オーマンだ。よろしくな。」
彼らはクリアミントの町を主な拠点としている冒険者で、今は上階位だけどもう少しで良階位になる実績がたまるそうだ。ただ今のままだと試験に受かりそうにないのでもう少し実力をつけてから試験を受けたいと思っているみたいだけど、見聞を広げる意味もあってヤーマンに行こうと言うことになったらしい。
それぞれの町のおすすめの宿屋や鍛冶屋、道具屋などの情報の他に狩場の情報も確認する。最近少し魔獣の出現が多くなっているみたいだ。
治安はそれなりにはいいようだけど、北部の方は若干治安が悪く、誘拐などもあるので注意した方がいいみたい。やはり全体的にヤーマンよりは治安が悪い印象だなあ。
お互いにいろいろな情報を入手できていい感じで別れる。彼らは明日の朝一でヤーマンに移動してから南下するつもりらしい。またどこかで会えるかなあ・・・。
翌日は朝食を取ってからすぐに町を出る。クリアミントまではバスで15日くらいのようなので、車だったら10日くらいで着くかな?
途中の町にも寄っていくけど、特に目を引くところはないので持っている拠点に泊まっていく。4日目の昼くらいから何か変な臭いがしてきた。この臭いはもしかして?しばらく走ると町が見えてきたんだけど、町から煙が上がっている。
「火事かしら?」
「いや、これはきっと・・・。もしそうならここに泊まっていっていいか?」
「そんなに急ぐ旅でも無いし、別にいいけどどうしたの?」
「とりあえず町に入ってから確認しよう。」
着いたのはサイノレアという町なんだけど、建物のあちこちから煙が上がっていた。町は途中にあった町よりは大きい感じだ。
「なんか臭いがすごいけれど、これ大丈夫なの?」
「多分大丈夫。おそらく温泉だと思う。」
「温泉?ああ、hot springね。」
この間話したパーティーのヌルイサさんがなんかお風呂のいいところがあると言っていたのがここだったのかな?
役場に行って話を聞いてみると確かにここにあるのは温泉のようだけど、地面から出てくる温かいお湯という認識だけのようだ。地元では体調が良くなるというようなことも言われているけど、良くわかってないらしい。
そこまで有名ではないんだけど、気に入った人は何度か来たりもしているみたいで、宿泊する宿も安いところから高いところまでいろいろと充実している。
温泉に入れるおすすめの宿を聞くと、お風呂でおすすめは北の湯という宿という情報を入手。ただ結構高いみたいなので行ってから判断しよう。
宿に行くとホテルというより旅館という感じのところだった。受付で話を聞くと、温泉の大浴場はあるが温泉付きの部屋もあるらしい。マジか。値段を聞くと二人部屋で安いところで5000ドールとなっていた。これは・・・。
「ジェン、節約すると言ったのに悪いけど今日だけは贅沢していいかな?」
「いいわよ。それだけの価値があるってことなんでしょ。」
「まあ、人にもよるけど、温泉付きの宿は憧れだったんだ。」
うちの両親が、部屋に温泉がついているところはいいんだけど、値段がねえ・・・とよく悩んでいたんだよね。自分も泊まったのは小さな頃に一回だけだし。部屋内容を見せてもらい、6500ドールの部屋に泊まることにした。食事は朝晩2回の部屋食付きだ。
部屋に案内されると、客室に入る手前で靴を脱ぐようになっていた。どうやらお風呂の移動の関係らしい。まあ自分はこっちの方が落ち着くけどね。
部屋は和室に布団というわけではなく、板張りにベッドなんだけど、ちゃんと脱衣所に露天風呂がついている。すでにお湯は入っているのでこれは早速入るしかないな。
「先に入っていい?」
「待ちきれないみたいね。いいわよ。私もあとで入らせてもらうわ。」
早速体を流して温泉につかる。いわゆる美人の湯みたいだな。露天になっているので空が見えていい感じ。あ~~~、寛ぐ~~~。
しばらくすると後ろからなんか音が・・・。
「っ!!!な、なんで入ってきたんだ?まだ上がってないぞ!!」
バスタオルを巻いているけど、なぜかジェンが入ってきたので慌てて後ろを向く。
「あとで入るって言っていたじゃない。それに温泉って混浴が普通なんでしょ?」
「ふ、普通じゃないよ!!」
「まあ、いいじゃない。裸の付き合いも・・・」
掛け湯をしてからジェンも中に入ってきた。バスタオルは外に置いている音がしたので、もちろんジェンの方など見ることができない。
「いい気持ち。こういう温泉は本でしか知らなかったけどなかなかいいものね。」
「そ、そうか。」
「貸し切りっていうのはさらにいいわね。」
「そうだな。」
「ねえ、聞いてる?」
そう言いながら声が近づいてきた。
「だから、こっちのことは気にしないで!」
「もー、ほら、大丈夫だから」
そう言って自分の前に回り込んできたジェンは・・・水着を着ていた。
「驚いた?ねえ、驚いた?」
「くっ・・・・」
「だってほんとに裸だったらイチも大変でしょ。」
裸じゃなかったとは言え、今回はビキニ姿なのでさすがに直視するとかなりまずい。こっちにもこんな水着売っているんだなあ。このあとジェンと話はするけど、なんとか視線が行かないようにごまかす。さすがにこれはまずいと先に上がったので、またあとでゆっくり入ることにしよう。
夕食は部屋に持ってきてくれるスタイルなんだけど、さすがに日本料理というわけではない。ただ部屋でゆっくりとできるのでいい気分だ。ジェンは少しお酒も注文していたけど、温泉に入るのでほどほどでやめさせておいた。
このあとも大浴場に行って温泉を堪能してから眠りにつき、翌日も朝から部屋風呂に入って温泉を満喫する。いろいろあったけど温泉を十分に堪能できてよかったなあ。
「ヤーマンに戻るときにはまたここを通るからまた泊まりに来よう。」
「そうね、今度はほんとに裸の付き合いで入ろうね。」
「それは却下させてもらうよ。」
「も~~~~!!」
この後は拠点に泊まりながら北上し、予定の1日遅れで首都のクリアレントまでの中間位置にあるクリアミントに到着した。
~ジェンSide~
アルモニアに入ってからしばらく北上していくと、変なにおいが充満している町があった。イチはこの臭いを嗅いでからなぜかテンションを上げている。どうやら温泉があるみたい。そういえばお風呂が好きだったわね。
せっかくだから温泉を堪能したいとちょっと高めの宿に泊まることにしたんだけど、日本のアニメとかに出てくる旅館のような感じだった。靴を脱いで上がるというのも日本っぽいわね。そういえば温泉と言えば混浴とかいって特に付き合ってない男女が一緒のお風呂に入るという話があったわね。
ふふふ・・・。
温泉の付いている部屋を選んだので他の人が来る心配はない。イチは「先に入っていい?」とすぐに温泉へ。イチが入ったあと買っておいた水着に着替えてバスタオルを巻いて、これでいいかな。
お風呂に入ると、こっちに気がついたイチが後ろを向いて叫び声を上げる。バスタオルを巻いているので、おそらく下は裸だと思っているみたい。かけ湯をしてからお風呂に入るときにはもちろんバスタオルは外した。
イチに話しかけるが、上の空の言動がおかしくて笑いをこらえるのが大変だった。最後に水着だと見せると驚いていたけど、それでも恥ずかしそうにしていた。ちらちらこっちを見ているけど、気付かないとでも思っているのかな?まだ普通に話せるようになったけどね。
そのあとは食事も堪能し、イチは大浴場にも入りに行った。ほんとにお風呂が好きなのね。翌朝も一緒に少し温泉を堪能してから宿を出発するが、また帰りも寄ろうと言ってきた。今度は水着なしで一緒に入りたいというと、イチに速攻で却下されてしまった。
~~~~~
クリアミントの町に到着したけど、すでにお昼も回っているのでまずは宿の確保からだ。事前に聞いていた宿をいくつか見て周り、ラントハイドというところにする。ツインの朝食付きで1000ドール、夕食をつけると1100ドールだったけど、とりあえず朝食のみで3泊お願いすることにした。まあ中二日あればある程度の情報は得ることができるだろう。
カサス商会がここにはあるようなので顔を出すことにしたんだけど、残念ながら店長は少し外出していると言うことだったので、また夕方に来ることにする。
せっかく来たので店内を見てみるけど、なぜか魔道具のコーナーがあまり充実していない。というかかなり限定した商品しか置いていないので店員がいたので聞いてみる。
「お客さんはアルモニアにくるのは初めてなのですか?こっちでは魔道具は専門店で取り扱うのが普通ですので、当社も別館にて取り扱っています。こちらに置いているのは魔道具でも現在売り出し中のものを少しだけとなります。」
魔道具が充実しているので、専門店が先にできあがってしまい、総合スーパーのようなものができてもその流れで魔道具だけを取り扱っている店が多いようだ。
「そういうことだったんですね。」
「はい。ちなみにこれはいま売り出し中のバッグです。重量が50%カットされるというおすすめ商品ですよ。これはこの国でもまだ開発ができていないのでヤーマン国からの輸入品のみとなります。」
値段を見ると8500ドールとなっていた。やっぱり若干高くなっているね。
「同じものを持っているから大丈夫ですよ。」
「ありがとうございます。もし魔道具に興味がありましたらすぐ近くにある別館をおたずねください。」
「ありがとう、後で行ってみます。」
一通り店内を見て回ったあと、話に聴いた魔道具の店に行く。かなりいろいろなものが売られており、同じ魔道具でも種類が豊富だ。やはり魔法が発達していると違うなあ・・・。
今持っているものよりも高性能っぽいものもあるけど、まだ買い替えまではいいだろう。ジェンはなにやら美容関係の魔道具を見て回っているので放っておこう。
魔道具の扱いとなるみたいでシステムキッチンのようなものが置いてあった。そういえば日本でも電化製品の店にシステムキッチンが置いてあったね。
他に調理用具を見ていくが、オーブンはあるが電子レンジはない。まあ電子レンジは科学が発展していないと無理だろうな。魔道具でイメージして作れるのだろうか?でもできたとしてもちょっと使うのが怖いんだよなあ・・・。すぐに温められると点はいいんだけどね。
今ある料理関係の魔道具はコンロセット、炊飯器、ミキサーくらいだ。パン焼き器とかはさすがに売っていない。まあ収納バッグがある時点であまり必要性はないんだけどね。
近くにいた店員を呼んで値段を聞いてみる。システムキッチンで使い勝手の良さそうなものは58万ドールもするらしい。コンロ部分が3つに魚焼きのグリル、オーブンがついている。シンクは2つあってお湯と水の出る蛇口が2つ付いている。もちろん排水処理もちゃんとできるようになっているものでなかなかいい感じ。
これよりさらに性能のいいものになると魔道具の性能がアップするため値段が一気に102万ドールと倍増してしまう。ただ水量とかも多くなるし、火力もかなり上がるようだ。消費魔素はあまり差がないらしい。
悩んでいるとジェンがやってきた。
「どうしたの?」
「いや、拠点用にシステムキッチンを買おうと思っているんだけど、どれにするか悩んでる。」
二つの内容を説明する。
「それだったらいい方を買ったらいいんじゃないの?金額的には大丈夫なんでしょ?」
即答で答えてきた。
「でも値段がかなり高いんだよ。」
「いいじゃない。また稼げばいいんだし、悩んでいるのはお金の問題だけで性能では上の方がいいと思っているんでしょ?後で買い換えたり、機能を追加することを考えたら最初に買っておいた方がいいんじゃないの?」
「そうだね。」
「すみません、こっちの方を買って帰りたいのですが、もう少し割引はできないでしょうか?」
さすがに100万ドールの商品を速攻で決めてしまったことに驚いていた。結局少し負けてもらい、99万ドールで購入することになった。持って帰るという時点で手間賃もかからないからね。他にもジェンが欲しいものなどいくつか購入する。
再びカサス商会の受付に戻って話をすると店長はちょうど戻ってきたところらしい。店長はケルミンと言う人で、魔道具関係に詳しいらしく、自分の納めている魔道具にかなり興味があるようだった。
「さすがに魔法についての研究が進んでいるだけあって魔道具も充実していますね。」
「ええ、ただその分競争も激しいのでなかなか大変ですよ。今ジュンイチさんに納めてもらっています魔道具はこちらの国でもかなり驚かれました。
今のところ追随してくるところはありません。あと、バッグだけでなく他のものにも応用できないかと現在研究を進めているところです。」
「そうなんですね。最近は少し付与魔法の能力が上がってきてもう少し性能アップのものができてきていますが、納めるものは今までと同じものにしています。」
重量軽減の魔道具で現在試作品のものを見せると、ざっくりで言うと10%くらいのアップしそうだと言われる。ということは感覚的に自分が作れる最高のもので20%くらいは能力アップするという感じか?ただ作るのに時間がかかりすぎるからこっちはまだ出せないな。
消費魔力とのバランスが重要だからねえ。消費魔素が変わらない大きさで機能だけ上げるとなると特に刻む付与魔法の精度を上げるしかない。車につけたみたいに消費魔素を気にしなければ性能は上がるけどね。
「そういえばさっきシステムキッチンを買いましたよ。さすがに値段が高かったけど、いいものが手には入ってよかったです。」
「え?うちの店で買われたんですか?もしかして正規の金額で?」
「少し負けてくれましたけどね。」
「うちの社員だったら5~10%の割引がきくんですよ。最近になって始まったシステムなのですが、このおかげで社員もうちの店で購入するようになって売り上げが増えたんです。しかも社員もかなり喜んでくれたのでかなりいい改革でした。」
そういえば前にそんなアドバイスしたような気がするなあ。
「購入の時の領収書があれば返金しますよ。」
「申し訳ないですが、お願いできますか?」
返金されたのは5万ドールくらいだったのでかなり大きい。ケルミンさんもまさかこんな大きなものを買っているとは思っていなかったようだ。
このあと少し話をしてから店を後にする。夕食は宿に併設の食堂で大毛牛という魔獣のステーキを食べた。これはもっと北の方にいる羊と牛の中間のような魔獣でなかなか美味しかった。上のクラスになればもっと美味しくなるのだろうか?
部屋に戻ってからこの後の予定を確認して眠りにつく。今日はシャワーはやめて浄化魔法だけで済ませた。
翌日は宿で朝食をとった後、この町の役場に行ってみる。掲示板を見てみても特に珍しい依頼はなさそうだ。まあそれはしょうがないな。掲示板にはよくあるパーティーの募集や魔獣などについての情報を求める内容が掲載されている。
パーティーの募集内容では、下位パーティーは治癒士や魔法使いの方が圧倒的に多い。特に治癒士はそもそもなり手が少ないうえになれる人が少ないのに、わざわざ冒険者にならなくても職があるということが大きい。
ただ、治癒士と言っても初級レベルの人も多いので治療は薬で十分と割り切っている人たちもいる。このため治癒士を募集しているのは収入の少ない下位のパーティーが多いことになる。薬代だけでも下位のパーティーにはかなりの負担だからね。
治癒や回復魔法がうまくレベルアップ出来なくて、治癒師と言っても戦闘をメインにしている人も多く、パーティーもそれを前提としていることが多い。スレインさんがいい例だ。まあスレインさんは中級くらいまで治療はできるけどね。
このため高階位のパーティーは薬で対応することが多くなり、パーティーの編成には治癒士が入っていないことも多いようだ。前衛だけのパーティーも結構いるしね。
自分たちみたいに前衛、魔法、治療と全部やれるのはかなり珍しいだろう。まあ魔法と治療は知識チートの恩恵が大きいけどね。
これらの知識を大っぴらにしていいのか、今はかなり悩んでいる。ジェンと話して基本的に話さないようにして、どこまでの知識を出すのかを決めている。魔法に科学がくっついたらとんでもない破壊兵器を作ってしまいそうなのが怖いところだ。そのせいでこの世界が滅びたとかなってほしくないからね。
このこともあって、お互いの普段の会話は最初に話し始めた方の言葉に合わせる感じで日本語か英語で会話をしている。これだったらもし聞かれても他の人には意味がわからないだろう。
パーティー内では地元の言葉を使っている人たちも結構いるのでそこまで違和感はもたれていない。まあ言語をよく知っている人だと「どこの国の言葉だ?」と思われるかもしれないけどね。
ここでは特に狩りをするつもりはないけど、とりあえず登録は済ませておく。受付の人にも少し話を聞いて見たけど、特におすすめの内容はなかった。上階位以上の魔獣の狩りは北か南の町に移動してから行った方が良さそうだ。このあたりはしょうがないな。置いてある資料内容を確認してから役場を後にする。
少し早めの昼食をとってから図書館へ。さすがに魔法関係の文献が多い印象だ。一通り内容を読みながら書類を取り込んでいくが、クリアレントに行ったらもっと色々読むことができるだろうか?いろいろと本を読んでいたら夕方になっていたので夕食をとってから宿に戻る。
翌日の朝食を食べてからすぐに出発してクリアレントを目指す。途中の宿は基本的に拠点に泊まっていく。クリアレントまでの街道はさすがに整備もされているし、警備もされているので盗賊などの心配もないだろう。
途中読んだ資料をもとに魔法の練習をしてみたんだけど、思ったほど威力が上がらない。このあたりは魔力操作とかの基礎力が上がらないと難しいのかなあ。まあまだ魔法を覚えてから1年ちょっとなんだから贅沢言うなと言う感じではあるんだけどね。
魔素の操作系については常に半分無意識に行っているんだけど、最近はほんとに上がらない。学識系については思ったより早くレベル4に上がったんだけど、それ以外についてはなかなか4にあがらない。まあ3あれば普通は十分と言ってもいいんだけどね。
特に何事もなく6日目に予定通りクリアレントに到着する。
さすがに王都とというだけあって町の大きさはサクラと同じくらいの規模のようだ。ただ見た目がかなり異なっているのは湖畔にあるせいだろう。冬は凍ってしまうみたいだけど、この時期は湖に緑が映えていい感じだ。
町と湖の周りにかなり広い農地があり、十分な食料をまかなえているような印象をうける。途中の町の周りにも結構大きな農地があったのでその点については問題ないのだろう。
そしてここにはサクラにはなかったお城があった。町は若干の勾配が付いていて、一番高い断崖の上の方にお城が建っていて、反対側の断崖の下は湖となっている。
日本にあるようなお城ではなく、ヨーロッパにあるような感じのお城だ。まあ木造建築自体が少ないからそれも当然かな。さすがに今も使っているようなので見学とかはできないだろうなあ・・・。
町の入場にはすでに結構な行列ができているので待たなければならないのは仕方がない。60分ほどでやっと順番がやってきて中に入ることができた。
「とりあえず、王都にはやってきたけど、どうやったらジョニーファン様に会えるんだろう?」
「ちょっと、聞いてなかったの?王宮の近くに彼の住まいがあるみたいなのでそこの受付に用件を伝えて紹介状を渡せばいいって言っていたわよ。」
「そういえば、そんなこと言っていたね。ごめん、完全に忘れていたよ。」
王宮までは結構距離があるのでそのまま車で移動することにした。こんな大きな町中で車に乗るのは初めてなんだけど、車道と歩道が完全に分かれているし、王宮の近くまでは大きな通りなので道に迷うことはない。あまり交差点もないしね。車は収納バッグに入れている人たちをそれなりに見かけるので問題なさそうだ。
ある程度近くに来たところで車を降りてから王宮を目指す。ここから王宮までは結構道が入り組んでいるのは戦争に備えてなんだろうか?
王宮までやってきたけど、当然のことながら門番がいて中には入ることができない。まあ当たり前だよな。ヤーマンでは王宮に入ったけど、建国祭の大勢が入ったときと、クリスさんが一緒で車で入ったときくらいだしね。
すぐ近くにジョニーファン様の家があるという話だったんだけど、周りの建物はどれも大きくてよくわからない。しょうがないので近くの門番に聞いて見ると、そこがジョニーファン様の家だった。
「ジョニーファン様に何のようだ?」
「えっと、面会希望です。」
「急に来られてもそうそう会えるわけではないぞ。一応受付をするシステムはあるんだが、よっぽどの方からの紹介状がなければまず会うことはできないと考えた方がいいぞ。」
「えっと、紹介状は持ってきていますが、それも受付に出せばいいのでしょうか?」
「とりあえずあそこの建物に行って受付に声をかけてくれ。」
門から少し離れたところに小さな建物があってそこが受付になっているようだ。中に入ると、受付らしき女性がカウンターの中にいた。
「こんにちは。ジョニーファン様への面会希望なんですが、こちらで受付をすればいいのでしょうか?」
「はい、ただしきちんとした方からの紹介状がない方はお取り次ぎできません。また紹介状があっても会えると確約はできません。紹介状はお持ちでしょうか?」
「はい、これが紹介状となります。」
「はい、お預かりします。っえ?ヤーマン王家の紋章?
あ、失礼しました。」
さすがに他国とはいえ王家の紹介状は少ないのかな?これだったら期待できるかもしれない。
「えっと、受付を行いますが、明日もう一度確認に来ていただけますか?そこで面会の可否と面会できる場合は時間が指定されます。ただ申し訳ありませんが、面会できる方は月に数名程度ですのであまり期待されない方がいいかもしれません。」
「わかりました。少しだけでも面会ができることを期待して待っています。」
来た道を戻ってから宿屋などが多いエリアへと移動する。宿は事前に調べておいたルイミルダンというところにした。ツインで2200ドールと結構高いけど、王都ではこのくらい出さないと厳しいらしい。レベル的にはシルバーフローと同じくらいのところだ。ただ建物は5階建てとサクラよりも建物が低い。どうもお城のイメージを確保するために高い建物は禁止されているみたい。
残念ながら大浴場というものはなかったけど、そもそもお風呂がある宿が少ないようだ。ここはまだ部屋にはお風呂があったけどね。
翌日朝食をとってから確認へ行くと、2日後の2時からであれば面会できるようだ。ただ時間は30分くらいと言われたがまあ少しでも話が聞けるだけ良かったかな。
そのあとは図書館に行って本を読んだり、魔道具の店を見て回ったり、骨董店を見て回ったりといろいろと店巡りをして過ごした。お金も結構余裕が出てきたのでアクセサリー類を購入した。
魔術の指輪(良)=135万ドール
堅牢の腕輪(高)=82万ドール
堅牢の腕輪(良)=165万ドール
さすがに高かったけど、なかなかこういうものは売っていないからね。他にも色々あったけど、とりあえず防御力を上げるのが優先だろう。全部で360万ドールと結構な出費となったけど、それだけの価値はあると思っている。オークションで入ったお金が全部出ていった感じだな。
最近装備のお金については特許代や魔符核などで入ったお金で購入しているので大分楽だ。日々の生活で装備代まで稼ごうとしたらやっぱり大変だろうね。おかげで良い宿に泊まっても十分生活費はあるからね。
今回購入した魔術の指輪(良)はジェンにつけてもらい、ジェンがつけていたものは自分がつけることにした。堅牢の腕輪関係もジェンには良をつけてもらう。
ちなみに魔道具のアクセサリー類はある程度自動で大きさを調整してくれるのでつける人はあまり選ばない。もちろんあまりに差があるとつけられないけどね。
~購入した装備の詳細~
名称:魔術の指輪(良)=135万ドール
詳細:銀製の指輪。魔法使用時威力が30%向上する。治癒魔法使用時の効果が20%向上する。
品質:良
耐久性:良
効果:良
効力:魔力強化-3、治癒力強化-2
名称:堅牢の腕輪(高)=82万ドール
詳細:銀製の腕輪。ダメージを受けたときの抵抗力が20%向上する。
品質:高
耐久性:高
効果:高
効力:肉体硬化-2
名称:堅牢の腕輪(良)=165万ドール
詳細:銀製の腕輪。ダメージを受けたときの抵抗力が30%向上する。
品質:良
耐久性:良
効果:良
効力:肉体硬化-3
~装備~
ジュンイチの装備:
鋼の剣(高) 高/高/高 強度向上-2
鉄の短剣(良) 良/良/良 強度向上-3、鋭利向上-3、耐久性向上-1
鋼の戦鎚(高) 高/高/高 強度向上-2
巨角牛の革パンツ(高) 高/高/高 強度向上-2
巨角牛の鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
巨猪の革の籠手(高) 高/高/高 強度向上-2
鋼の盾(高) 高/高/高 強度向上-2
巨猪の革のブーツ(高) 高/高/高 耐久性向上-2
鉄の兜(高) 高/高/高 強度向上-2
力のネックレス(高) 高/並/高 筋力向上-2
魔術の指輪(高) 高/高/高 魔力強化-2、治癒力強化-1
堅牢の腕輪(高) 高/高/高 肉体硬化-2
ジェニファーの装備:
鉄の短剣(良) 良/良/良 強度向上-3、鋭利向上-3、耐久性向上-1
鋼の錫杖(高) 高/高/高 強度向上-2
巨角牛の革パンツ(高) 高/高/高 強度向上-2
巨角牛のハーフ鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
巨猪の革の籠手(高) 高/高/高 強度向上-2
鋼の小盾(高) 高/高/高 強度向上-2
巨猪の革のブーツ(高) 高/高/高 耐久性向上-2
巨角牛の革の帽子(高) 高/高/高 強度向上-2
魔術の指輪(良) 良/良/良 魔力強化-3、治癒力強化-2
俊敏の腕輪(高) 並/並/高 俊敏強化-2
堅牢の腕輪(良) 良/良/良 肉体硬化-3
予備の装備:
クロスボウ(低) 良/良/良 耐久性向上-2、風魔法-3
大角牛の革の鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
大角牛の革のハーフ鎧(高) 高/高/高 強度向上-2
厚手の革パンツ(並) 並/並/並 強度向上-1×2
牙猪の革の籠手(高) 高/高/並 強度向上-1
牙猪の革の籠手(高) 高/高/高 強度向上-2、耐久性向上-1
牙猪の革のブーツ(高) 高/高/高 耐久性向上-2×2
牙猪の革の帽子(高) 高/高/高 強度向上-2
鉄の盾(並) 並/並/並 強度向上-1
鉄の小盾(高) 高/高/高 強度向上-2、筋力増強-2
魔術の指輪(並) 並/並/並 魔力強化-1
魔術の指輪(高) 高/高/高 魔力強化-2
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