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90. ジェンside-4 結婚式の後で
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90. ジェンside-4 結婚式の後で
結婚式の前はいろいろとやることも多くて少し町の案内をしたくらいだったけど、結婚式の後は時間をとっていろいろとみんなに町の案内をした。
メイサンとルミナは最初に案内した後は二人で楽しむと言ってあちこち行っていたみたい。二人での初めての旅行ということで久しぶりに二人の時間を楽しんでいるようだったので邪魔はしないようにしたわ。
風の翼とクラーエルのメンバーはいくつかの店を教えてあげるとお土産を色々と見て回っていたみたい。奥さんや彼女たちへのものなんだろうな。いろいろと頼まれているみたいだからね。でも幸せそうで良かったわ。
ジョニーファン様とラクマニア様達はやはり使節としてきているのでいろいろと会議などがあって忙しいようだったけど、2回ほど食事をしながら話をすることになったのよね。いいのかしら。子供達とは何度か一緒に遊んだんだけどね。
あとはカサス商会で他の支店長の人達と今後のことについて話をしたり、今回の結婚式についての意見などを話すことになった。コーランさんはかなり前向きに検討しているようなのでもう後には引けないだろうね。クリストフ様ともいろいろと一緒にやることにしたみたい。
マラルとアキラとは何度か一緒に遊びに行った。二人は王都に来るのは初めてと言うことだったのでいろいろと案内してまわった。ヤーマンの建国祭の規模にはかなり驚いたみたいで、祭りを楽しんでいたようなので良かったわ。
お気に入りの店や喫茶店などいろいろと行ったけれど、せっかくだからと3人でちょっと贅沢な夕食を取ったりもした。ちゃんと個室をとって眺めのいい展望食堂での食事のときは二人はかなり喜んでいた。ちょっと遠慮はしていたけどね。
久しぶりだったのでいろいろと話が尽きない。最近は二人も仕事で忙しくて前のように二人で行動することが少なくなっていたので今回は久しぶりにこんなにゆっくり話をしたようだ。
ちなみに二人も彼氏という感じの人ができているみたい。まだ結婚というところまではいっていないみたいだけど、いずれはと思っているみたいなのよね。
「だけど、二人がやっと結婚して良かったわ。」
「だよね。ジュンイチさんがいつになったらジェンの気持ちに気がつくのかヤキモキしていたもんね。それでどんな風に告白されたのか気になるなあ?」
「そうだよねぇ」
二人がニマニマしながら迫ってきたので白状するしかない。
「そうなんだ。ジュンイチさんは一応気がついていたけどジェンの言葉に引っかかってなかなか勇気が出なかったってことなのね。」
「だけど、そのあと三ヶ月くらいでいきなり指輪を持ってプロポーズ!?」
「もちろんすぐに受け取ったんでしょ?」
「う、うん、驚きすぎてうれしくて涙が出ちゃったけどね。」
二人にいろいろ聞かれてそのあとの夜のことも洗いざらいしゃべらされてしまった。恥ずかしい。
「それじゃあ夕べもすごかったんでしょうねえ。」
「う・・・ん、治癒魔法を使って結局朝まで・・・あっ!!」
「「ほっほ~~~~~ぅ。」」
「ごめん、今のはなしで!!!」
「治癒魔法をそんなことに使っているのね・・・。」
「ラブラブだねえ・・・。」
結局全部言わされてしまった・・・。
このあとはいろいろと夜の生活についての話を聞いてかなり恥ずかしくなってしまった。一応ある程度は知っていたつもりだったけど、そこまでするの?
「なかなかそういう本は手に入らないんだけど、そんなこともあろうかと、手に入れてきたので渡しておくね。あとでゆっくり読んで研究してよね。」
そういって渡してくれた本をあとで読んだんだけど、とてもイチには見せられないものだった。
このあとハネムーンに行ったときに書かれていたことを実践してみるとイチが驚いていたけど、とてもうれしそうにしていたのでよかったのかな?だけどやっぱり恥ずかしいなあ。
それからしばらくしてナンホウ大陸に行くためにオカニウムに向かうことになった。途中のアーマトでは風の翼のメンバーとその彼女と会うことになったけど、優しそうな感じの人達で、とても仲が良さそうで良かったなあと思ったわ。
ニックさんはもうすぐ結婚式をすることにしたみたいだけど、日程的に参加ができないことを謝っておいた。結婚式は自分たちがやったようなことを考えているみたいで、カサス商会が宣伝をかねてやってくれることになったらしい。せっかくなので自分たちも打ち合わせに参加して色々と助言はしたけどね。
そのあとオカニウムまでやってきてからさっそくメイルミの宿に行って二人に挨拶するとかなり喜んでくれてこっちもうれしくなった。
船の予約に行ったけれど、すぐに出航するというわけではなかったので、しばらくはこの町に滞在することになった。せっかくなので宿屋の手伝いをやることにしたんだけど、知り合いから色々と声をかけられてとてもうれしかった。ちゃんと自分のことを覚えてくれる人がいるというのはうれしいものだわ。
アキラとマラルとは前に良く行った店など色々と回ったけど、いくつかの店はなくなっていて悲しかった。気に入っていた喫茶店がなくなったのは一番ショックだった。どうやら奥さんが亡くなったみたいで営業できなくなったみたい。
あと、当時はさすがにいけなかったという店にも行ってみた。事前予約は必要だったみたいだし、ある程度の地位が必要だったみたいだけど、爵位と冒険者の良階位を示すとすぐに予約を入れてくれたので良かった。
食事の時に二人から心配の声が上がった。
「ねえ、ナンホウ大陸にいくって言ってるけど、大丈夫なの?あっちに行った冒険者達からいろいろと話を聞いたことがあるけど、結構大変だったと言っていたわよ。」
「そうそう、平民だとかなり下に見られるみたいだし、父もあっちの支店長は大変だと言っていたのよね。アルモニアやハクセンでは大丈夫みたいだったけど、貴族との格差がもっと強いみたいだよ。」
「うん・・・まあ・・・これは内緒にしていてね。
実は私たち一応爵位を持っているんだ。ハクセンで褒賞をもらったって言っていたでしょ?あの褒賞は緑玉章で、下位爵相当の地位をもらえるらしいの。それとヤーマンからも同じ緑玉章をもらってね。だからナンホウ大陸では貴族として扱ってくれるらしいの。」
「「ええ~~~~!!緑玉章!!」」
「褒章と言っていたから赤玉章だと思っていたわ。まさか緑玉章って・・・。しかも二つの国から?」
「じゃ、じゃあジェンは貴族様??ジェニファー様って呼ばないとまずい?」
「やめてよ。私がどんな立場になっても二人からそんな風に呼ばれるのはいやだからね。」
「ふふふ・・・ジェンは相変わらずね。うちの商会でもみんなは年下でもさん付きで呼んでいるのに、会議以外で私がそう呼ぶと怒るもんね。」
「あたりまえじゃない。だからアキラもお願いよ。」
「はいはい、ジェン様!!じゃなかった、ジェン。」
「もう!!」
半分ぼかしながら貴族になった経緯を話すと、結婚式の顔ぶれのことがわかったみたいだ。ただそうはいっても他国のかなりの有名人やクリストフ様のことは不思議がっていた。まあ私たちもこんなに上の人達と関係ができるとは思ってもいなかったからなあ。
「そうそう、ジェンにはプレゼントがあったんだ。」
「え?そうなの?」
「うん、二人からのプレゼントだよ。イチとうまくやってね。」
そういって渡されたのは前に渡されたものの続刊だった。
「こ、これって・・・。」
「そろそろ次のステップにどうかなと思ってね。ちょっとハードな内容もあるけど、頑張ってみてね。」
「う、うん・・・。」
ちょっと恥ずかしすぎる・・・。
何日か経ってオカニウムを出航するときは二人も見送りに来てくれた。また戻ってきたときには会いたいな。
こんなにいろいろなことを普通に話せる友人ができるなんてほんとに良かったわ。もし元の世界に戻ったとしても私たちはずっと親友だよね?
アルマで町を散策しているときに店でイチがカメラを見つけてきた。こっちの世界のカメラはかなり貴重品で、遺跡調査の時に少し見たくらいだったのでかなり驚いていた。
中古品でも出回ることがほとんど見ない品物みたいだけど、店主の話を聞くと、最近高価な品物が結構持ち込まれるみたい。もしかしたらサビオニアで仕入れたものなのかもしれないね。商会の人が安く買い取ってきて売っているのかも。
イチはかなり高かったんだけど、せっかくだからといって購入することにしたようだ。印刷する機械とセットで23万ドールとかなり高額だったんだけど、これを逃すと手に入れることはできないだろうしね。まあ最近はお金を使うこともなかったので資金は十分だったし、あって困ることもないからね。
他にもいろいろと面白いものがあったので購入したんだけど、正直値段が妥当なのかよくわかっていなかった。でもこれだけのものが普通に流れてきているあたりサビオニアの国はどっちにしろだめになっていたんだろうね。
王都に着いたときにサビオニアの国が革命により滅びたことを聞いた。ついに革命が終わったのか。今後いい方向に行ってくれるといいなあ・・・。革命が終わっても結局その国が落ち着かず、戦闘が続いていくこともあるし、結局国の運営がうまくいかなくて再び革命が起きることもある。できればこのまま戦いのない国に落ち着いてほしいものね。
もしこの世界に滞在するのが長くなったら落ち着いた国になったところであの国の様子を見に行きたいなあ。理想だけでは国の運営はできないと思うので、あの通路が交渉の役にたってくれるといい。
私たちにはどう考えても手に余るものだからね。あの通路の通行料をどう設定するかでかなり変わってくると思うのよね。だけどあんな通路があるってことは、ホクサイ大陸にも同じような通路があるかもしれないわね。特にヤーマンとタイガの間にはあってもおかしくないように思うのよね。
ただ闇雲に探しても見つかるものじゃないから、今回みたいになにか見つからないと探せないだろうなあ。
カメラは遺跡の調査とかに使うのかと思っていたんだけど、イチはいろいろなところで撮影している。使用するのに魔獣石を使うのだけど、印刷してしまえばいくらでも撮ることができるからいいけどね。まあ地球にいたときのデジカメみたいに気楽には撮れないけど今の自分たちにはそこまで大きな負担ではないのは確かだ。
風景を撮ったりもしているけど、イチに言われて結構モデルになって写真を撮っている。タイマー機能は無いので二人の写真がほとんど撮れないというのがちょっと悲しいところだけどね。貴重なものなので他の人に気軽に頼んで撮ってもらうわけにもいかないからね。
ただしばらくしてイチがリモコンのようなものを造って二人で撮れるようになったのは良かったわ。単純にケーブルを作って物理的にボタンを押すようになっただけどね。カメラが結構大きいので自撮り棒は無理だったのよね。
ただ時々前に買った服を指定されてモデルになることがあるんだけど何かがよくわからない。なんでこんな衣裳と聞いても「雰囲気が合うからだよ。」と言ってあまり詳しくは教えてくれない。そのあとは印刷した写真を見てにまにましているのは私の写真を見ているだけでなくてなぜか引っかかるのよね。
結婚式の前はいろいろとやることも多くて少し町の案内をしたくらいだったけど、結婚式の後は時間をとっていろいろとみんなに町の案内をした。
メイサンとルミナは最初に案内した後は二人で楽しむと言ってあちこち行っていたみたい。二人での初めての旅行ということで久しぶりに二人の時間を楽しんでいるようだったので邪魔はしないようにしたわ。
風の翼とクラーエルのメンバーはいくつかの店を教えてあげるとお土産を色々と見て回っていたみたい。奥さんや彼女たちへのものなんだろうな。いろいろと頼まれているみたいだからね。でも幸せそうで良かったわ。
ジョニーファン様とラクマニア様達はやはり使節としてきているのでいろいろと会議などがあって忙しいようだったけど、2回ほど食事をしながら話をすることになったのよね。いいのかしら。子供達とは何度か一緒に遊んだんだけどね。
あとはカサス商会で他の支店長の人達と今後のことについて話をしたり、今回の結婚式についての意見などを話すことになった。コーランさんはかなり前向きに検討しているようなのでもう後には引けないだろうね。クリストフ様ともいろいろと一緒にやることにしたみたい。
マラルとアキラとは何度か一緒に遊びに行った。二人は王都に来るのは初めてと言うことだったのでいろいろと案内してまわった。ヤーマンの建国祭の規模にはかなり驚いたみたいで、祭りを楽しんでいたようなので良かったわ。
お気に入りの店や喫茶店などいろいろと行ったけれど、せっかくだからと3人でちょっと贅沢な夕食を取ったりもした。ちゃんと個室をとって眺めのいい展望食堂での食事のときは二人はかなり喜んでいた。ちょっと遠慮はしていたけどね。
久しぶりだったのでいろいろと話が尽きない。最近は二人も仕事で忙しくて前のように二人で行動することが少なくなっていたので今回は久しぶりにこんなにゆっくり話をしたようだ。
ちなみに二人も彼氏という感じの人ができているみたい。まだ結婚というところまではいっていないみたいだけど、いずれはと思っているみたいなのよね。
「だけど、二人がやっと結婚して良かったわ。」
「だよね。ジュンイチさんがいつになったらジェンの気持ちに気がつくのかヤキモキしていたもんね。それでどんな風に告白されたのか気になるなあ?」
「そうだよねぇ」
二人がニマニマしながら迫ってきたので白状するしかない。
「そうなんだ。ジュンイチさんは一応気がついていたけどジェンの言葉に引っかかってなかなか勇気が出なかったってことなのね。」
「だけど、そのあと三ヶ月くらいでいきなり指輪を持ってプロポーズ!?」
「もちろんすぐに受け取ったんでしょ?」
「う、うん、驚きすぎてうれしくて涙が出ちゃったけどね。」
二人にいろいろ聞かれてそのあとの夜のことも洗いざらいしゃべらされてしまった。恥ずかしい。
「それじゃあ夕べもすごかったんでしょうねえ。」
「う・・・ん、治癒魔法を使って結局朝まで・・・あっ!!」
「「ほっほ~~~~~ぅ。」」
「ごめん、今のはなしで!!!」
「治癒魔法をそんなことに使っているのね・・・。」
「ラブラブだねえ・・・。」
結局全部言わされてしまった・・・。
このあとはいろいろと夜の生活についての話を聞いてかなり恥ずかしくなってしまった。一応ある程度は知っていたつもりだったけど、そこまでするの?
「なかなかそういう本は手に入らないんだけど、そんなこともあろうかと、手に入れてきたので渡しておくね。あとでゆっくり読んで研究してよね。」
そういって渡してくれた本をあとで読んだんだけど、とてもイチには見せられないものだった。
このあとハネムーンに行ったときに書かれていたことを実践してみるとイチが驚いていたけど、とてもうれしそうにしていたのでよかったのかな?だけどやっぱり恥ずかしいなあ。
それからしばらくしてナンホウ大陸に行くためにオカニウムに向かうことになった。途中のアーマトでは風の翼のメンバーとその彼女と会うことになったけど、優しそうな感じの人達で、とても仲が良さそうで良かったなあと思ったわ。
ニックさんはもうすぐ結婚式をすることにしたみたいだけど、日程的に参加ができないことを謝っておいた。結婚式は自分たちがやったようなことを考えているみたいで、カサス商会が宣伝をかねてやってくれることになったらしい。せっかくなので自分たちも打ち合わせに参加して色々と助言はしたけどね。
そのあとオカニウムまでやってきてからさっそくメイルミの宿に行って二人に挨拶するとかなり喜んでくれてこっちもうれしくなった。
船の予約に行ったけれど、すぐに出航するというわけではなかったので、しばらくはこの町に滞在することになった。せっかくなので宿屋の手伝いをやることにしたんだけど、知り合いから色々と声をかけられてとてもうれしかった。ちゃんと自分のことを覚えてくれる人がいるというのはうれしいものだわ。
アキラとマラルとは前に良く行った店など色々と回ったけど、いくつかの店はなくなっていて悲しかった。気に入っていた喫茶店がなくなったのは一番ショックだった。どうやら奥さんが亡くなったみたいで営業できなくなったみたい。
あと、当時はさすがにいけなかったという店にも行ってみた。事前予約は必要だったみたいだし、ある程度の地位が必要だったみたいだけど、爵位と冒険者の良階位を示すとすぐに予約を入れてくれたので良かった。
食事の時に二人から心配の声が上がった。
「ねえ、ナンホウ大陸にいくって言ってるけど、大丈夫なの?あっちに行った冒険者達からいろいろと話を聞いたことがあるけど、結構大変だったと言っていたわよ。」
「そうそう、平民だとかなり下に見られるみたいだし、父もあっちの支店長は大変だと言っていたのよね。アルモニアやハクセンでは大丈夫みたいだったけど、貴族との格差がもっと強いみたいだよ。」
「うん・・・まあ・・・これは内緒にしていてね。
実は私たち一応爵位を持っているんだ。ハクセンで褒賞をもらったって言っていたでしょ?あの褒賞は緑玉章で、下位爵相当の地位をもらえるらしいの。それとヤーマンからも同じ緑玉章をもらってね。だからナンホウ大陸では貴族として扱ってくれるらしいの。」
「「ええ~~~~!!緑玉章!!」」
「褒章と言っていたから赤玉章だと思っていたわ。まさか緑玉章って・・・。しかも二つの国から?」
「じゃ、じゃあジェンは貴族様??ジェニファー様って呼ばないとまずい?」
「やめてよ。私がどんな立場になっても二人からそんな風に呼ばれるのはいやだからね。」
「ふふふ・・・ジェンは相変わらずね。うちの商会でもみんなは年下でもさん付きで呼んでいるのに、会議以外で私がそう呼ぶと怒るもんね。」
「あたりまえじゃない。だからアキラもお願いよ。」
「はいはい、ジェン様!!じゃなかった、ジェン。」
「もう!!」
半分ぼかしながら貴族になった経緯を話すと、結婚式の顔ぶれのことがわかったみたいだ。ただそうはいっても他国のかなりの有名人やクリストフ様のことは不思議がっていた。まあ私たちもこんなに上の人達と関係ができるとは思ってもいなかったからなあ。
「そうそう、ジェンにはプレゼントがあったんだ。」
「え?そうなの?」
「うん、二人からのプレゼントだよ。イチとうまくやってね。」
そういって渡されたのは前に渡されたものの続刊だった。
「こ、これって・・・。」
「そろそろ次のステップにどうかなと思ってね。ちょっとハードな内容もあるけど、頑張ってみてね。」
「う、うん・・・。」
ちょっと恥ずかしすぎる・・・。
何日か経ってオカニウムを出航するときは二人も見送りに来てくれた。また戻ってきたときには会いたいな。
こんなにいろいろなことを普通に話せる友人ができるなんてほんとに良かったわ。もし元の世界に戻ったとしても私たちはずっと親友だよね?
アルマで町を散策しているときに店でイチがカメラを見つけてきた。こっちの世界のカメラはかなり貴重品で、遺跡調査の時に少し見たくらいだったのでかなり驚いていた。
中古品でも出回ることがほとんど見ない品物みたいだけど、店主の話を聞くと、最近高価な品物が結構持ち込まれるみたい。もしかしたらサビオニアで仕入れたものなのかもしれないね。商会の人が安く買い取ってきて売っているのかも。
イチはかなり高かったんだけど、せっかくだからといって購入することにしたようだ。印刷する機械とセットで23万ドールとかなり高額だったんだけど、これを逃すと手に入れることはできないだろうしね。まあ最近はお金を使うこともなかったので資金は十分だったし、あって困ることもないからね。
他にもいろいろと面白いものがあったので購入したんだけど、正直値段が妥当なのかよくわかっていなかった。でもこれだけのものが普通に流れてきているあたりサビオニアの国はどっちにしろだめになっていたんだろうね。
王都に着いたときにサビオニアの国が革命により滅びたことを聞いた。ついに革命が終わったのか。今後いい方向に行ってくれるといいなあ・・・。革命が終わっても結局その国が落ち着かず、戦闘が続いていくこともあるし、結局国の運営がうまくいかなくて再び革命が起きることもある。できればこのまま戦いのない国に落ち着いてほしいものね。
もしこの世界に滞在するのが長くなったら落ち着いた国になったところであの国の様子を見に行きたいなあ。理想だけでは国の運営はできないと思うので、あの通路が交渉の役にたってくれるといい。
私たちにはどう考えても手に余るものだからね。あの通路の通行料をどう設定するかでかなり変わってくると思うのよね。だけどあんな通路があるってことは、ホクサイ大陸にも同じような通路があるかもしれないわね。特にヤーマンとタイガの間にはあってもおかしくないように思うのよね。
ただ闇雲に探しても見つかるものじゃないから、今回みたいになにか見つからないと探せないだろうなあ。
カメラは遺跡の調査とかに使うのかと思っていたんだけど、イチはいろいろなところで撮影している。使用するのに魔獣石を使うのだけど、印刷してしまえばいくらでも撮ることができるからいいけどね。まあ地球にいたときのデジカメみたいに気楽には撮れないけど今の自分たちにはそこまで大きな負担ではないのは確かだ。
風景を撮ったりもしているけど、イチに言われて結構モデルになって写真を撮っている。タイマー機能は無いので二人の写真がほとんど撮れないというのがちょっと悲しいところだけどね。貴重なものなので他の人に気軽に頼んで撮ってもらうわけにもいかないからね。
ただしばらくしてイチがリモコンのようなものを造って二人で撮れるようになったのは良かったわ。単純にケーブルを作って物理的にボタンを押すようになっただけどね。カメラが結構大きいので自撮り棒は無理だったのよね。
ただ時々前に買った服を指定されてモデルになることがあるんだけど何かがよくわからない。なんでこんな衣裳と聞いても「雰囲気が合うからだよ。」と言ってあまり詳しくは教えてくれない。そのあとは印刷した写真を見てにまにましているのは私の写真を見ているだけでなくてなぜか引っかかるのよね。
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