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第1章:異世界でもワタシって遠慮しないタイプなんで!
第7話 高嶺の花はつらいよ
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この世界にはミシンがない。一つ一つ手縫いだ。そのせいか、作業中とはいえ、とても静かなものだ。
だけど、時々、内緒話でもしているのか、ひそひそと囁くような話し声が聞こえる――十中八九私の噂話だろう。
「今日も一日よろしくお願いしまーす♪」
こっちから挨拶をしてあげているのに、目すらも合わされない。
(今日も平常運転ね。まあ、そりゃそうか。私のような才色兼備の貴族さまが高嶺の花だってわかるけどさ)
まったく意に介すことなく、私はいつものように作業台に向かった。
(さてと、リュシエンヌのドレスのデザインを考えないとね!)
しかしその瞬間――。
「外の掃除をお願いできるかしら?」
昨日、ぶっきらぼうに話しかけてきたお針子が、私の目の前に掃除道具セットを突き付ける。
「え? 私はデザイナーとして雇われているのであって、そういうことをしにここに来ているわけじゃないんだけど?」
私が涼しい顔をして反論したのが面白くなかったらしい。
「リュシエンヌ様の知り合いだか、貴族だか何だか知らないけど、新入りは、雑用からやるのがここでの決まりなの!」
――ドンっ!
威嚇のつもりか、箒の柄で床を突く音が聞こえた。
「いいからやるの!」
(相当イラついてるわ……というか、この世界でもパワハラってあるんだ~)
「はいはい、わかりました。やればいいんでしょ?」
こっちもいい気はしないが、私が掃除を引き受けない限り、この場は収まりそうもない。ここは私が大人にならないとね!
私は重い腰を上げ、掃除道具を受け取ろうとした。
「サヤーナ様、私が……」
リリーが、突然やってきて、掃除道具を奪い取った。
「え、そお? 代わりにやってくれるの? やっぱり、あんたっていい子ね! じゃ、よろしく~」
リリー一人に掃除を任せて、作業台に戻ろうとしたら、お針子たちが一斉に睨んできた。どうやら私も一緒に掃除をしないといけないらしい。
(やれやれ、わかりましたよ。明日からマルタも連れてこようかしら?)
「私がやりますから、サヤーナ様は休んでてください」
「そう、悪いわね。それじゃ、お言葉に甘えて~」
と言っても掃除をしているリリーの側で突っ立っているだけだ。まあ、突っ立っているだけじゃ暇だから、道行く人のファッションでも観察して、この世界のトレンドがどんなものか調べるか――って、ん?
(何、あの人……!)
向こうから何やら独特の雰囲気のあるド派手な女性が、両脇に荷物を抱えた若い男性を従えて歩いてくる。
私の格好もそれなりに目立つ格好だけど、その女性の格好は多分、私以上。身なりの奇抜さ以上に、どういうわけか彼女から目を離すことができない。
ぼーっと彼女を見つめていると、彼女と取り巻きの男性たちは店の前で立ち止まった。
「ま、マダムっ! お、おはようございます!」
リリーが直立不動状態でおば様に挨拶をする。
「あら、リリー、おはよう」
(誰、この人……)
私がぼーっと突っ立っていると、リリーが私の袖を強く引っ張り、耳元で囁いた。
「サヤーナ様、こちらはマダム・オルタンシアです」
だけど、時々、内緒話でもしているのか、ひそひそと囁くような話し声が聞こえる――十中八九私の噂話だろう。
「今日も一日よろしくお願いしまーす♪」
こっちから挨拶をしてあげているのに、目すらも合わされない。
(今日も平常運転ね。まあ、そりゃそうか。私のような才色兼備の貴族さまが高嶺の花だってわかるけどさ)
まったく意に介すことなく、私はいつものように作業台に向かった。
(さてと、リュシエンヌのドレスのデザインを考えないとね!)
しかしその瞬間――。
「外の掃除をお願いできるかしら?」
昨日、ぶっきらぼうに話しかけてきたお針子が、私の目の前に掃除道具セットを突き付ける。
「え? 私はデザイナーとして雇われているのであって、そういうことをしにここに来ているわけじゃないんだけど?」
私が涼しい顔をして反論したのが面白くなかったらしい。
「リュシエンヌ様の知り合いだか、貴族だか何だか知らないけど、新入りは、雑用からやるのがここでの決まりなの!」
――ドンっ!
威嚇のつもりか、箒の柄で床を突く音が聞こえた。
「いいからやるの!」
(相当イラついてるわ……というか、この世界でもパワハラってあるんだ~)
「はいはい、わかりました。やればいいんでしょ?」
こっちもいい気はしないが、私が掃除を引き受けない限り、この場は収まりそうもない。ここは私が大人にならないとね!
私は重い腰を上げ、掃除道具を受け取ろうとした。
「サヤーナ様、私が……」
リリーが、突然やってきて、掃除道具を奪い取った。
「え、そお? 代わりにやってくれるの? やっぱり、あんたっていい子ね! じゃ、よろしく~」
リリー一人に掃除を任せて、作業台に戻ろうとしたら、お針子たちが一斉に睨んできた。どうやら私も一緒に掃除をしないといけないらしい。
(やれやれ、わかりましたよ。明日からマルタも連れてこようかしら?)
「私がやりますから、サヤーナ様は休んでてください」
「そう、悪いわね。それじゃ、お言葉に甘えて~」
と言っても掃除をしているリリーの側で突っ立っているだけだ。まあ、突っ立っているだけじゃ暇だから、道行く人のファッションでも観察して、この世界のトレンドがどんなものか調べるか――って、ん?
(何、あの人……!)
向こうから何やら独特の雰囲気のあるド派手な女性が、両脇に荷物を抱えた若い男性を従えて歩いてくる。
私の格好もそれなりに目立つ格好だけど、その女性の格好は多分、私以上。身なりの奇抜さ以上に、どういうわけか彼女から目を離すことができない。
ぼーっと彼女を見つめていると、彼女と取り巻きの男性たちは店の前で立ち止まった。
「ま、マダムっ! お、おはようございます!」
リリーが直立不動状態でおば様に挨拶をする。
「あら、リリー、おはよう」
(誰、この人……)
私がぼーっと突っ立っていると、リリーが私の袖を強く引っ張り、耳元で囁いた。
「サヤーナ様、こちらはマダム・オルタンシアです」
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