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親愛なるパパとママ
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支援者様全員との親密度0、攻略方法も全然通用しない……ということで、私が聖女エンドを迎えることも、恋愛エンドを迎えることもほぼ絶望的になったと言っていい。
元の世界に戻る方法もわからない私は、この世界で生きていくしかないわけだが……じゃあ、一体、どうすればいいのか?
(そうだ、パパとママがいる!)
私はあることに気がついた。
『聖女伝説』では、聖女になる『聖女エンド』・支援者様と両想いになる『恋愛エンド』の他に、実家に戻っていつもの生活に戻る『実家に帰るエンド』がある。
『聖女エンド』と『恋愛エンド』を迎えるには、それなりの努力が必要であるが、『実家に帰るエンド』を迎えるにあたっては、何の努力も必要ない。ただひたすら誰とも会わず、何もせず引きこもっていればいい。そうすれば自動的に『実家に帰るエンド』を迎えられる。
公式ガイドブックによると、主人公には優しいパパとママがいることになっている。
『実家に帰るエンド』を迎えた後の主人公の生活がどのようなものになるのかは知らないが、きっと優しいパパとママが温かく迎えてくれる。
中身はアラサーOLだけど、またこの異世界で十六歳の女子高生から人生をやり直してみてもいいかも知れない!
そう思ったらだいぶ気が楽になってきた。世界をどうにかする特別な存在になるなんて、私には荷が重すぎた。そんな存在になるのは、ゲームの世界の中だけで十分!
「あの~、グレイス様。ここのところずっと外出されていませんが、お体の具合が悪いのであれば、お医者様を呼びましょうか?」
私が引きこもり生活を始めてまもなく、朝食の時にエマさんが尋ねてきた。
エマさんが心配するのも当然だ。しかし、私の健康状態はすこぶる良い。今朝だって出された朝食はみんなきれいに平らげた。
「私? 健康そのものだけど。あ、でも、ここのところ引きこもりっぱなしだったから、たまには外出してもいいかもね。久々に街にでも行ってこようかな?」
「わかりました……」
どうやらエマさんは、私の回答に納得できなかったらしい。それもそうだろう、エマさんが求めていた回答は、『支援者様のところに行く』なのだから。
(ごめんね、エマさん。私には、聖女になる気も支援者様と両想いになる気もないんだ)
「そう言えばグレイス様、お手紙が来ております」
「手紙? 誰だろ?」
手紙の差出人は、この世界のパパとママだった。
元の世界に戻る方法もわからない私は、この世界で生きていくしかないわけだが……じゃあ、一体、どうすればいいのか?
(そうだ、パパとママがいる!)
私はあることに気がついた。
『聖女伝説』では、聖女になる『聖女エンド』・支援者様と両想いになる『恋愛エンド』の他に、実家に戻っていつもの生活に戻る『実家に帰るエンド』がある。
『聖女エンド』と『恋愛エンド』を迎えるには、それなりの努力が必要であるが、『実家に帰るエンド』を迎えるにあたっては、何の努力も必要ない。ただひたすら誰とも会わず、何もせず引きこもっていればいい。そうすれば自動的に『実家に帰るエンド』を迎えられる。
公式ガイドブックによると、主人公には優しいパパとママがいることになっている。
『実家に帰るエンド』を迎えた後の主人公の生活がどのようなものになるのかは知らないが、きっと優しいパパとママが温かく迎えてくれる。
中身はアラサーOLだけど、またこの異世界で十六歳の女子高生から人生をやり直してみてもいいかも知れない!
そう思ったらだいぶ気が楽になってきた。世界をどうにかする特別な存在になるなんて、私には荷が重すぎた。そんな存在になるのは、ゲームの世界の中だけで十分!
「あの~、グレイス様。ここのところずっと外出されていませんが、お体の具合が悪いのであれば、お医者様を呼びましょうか?」
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エマさんが心配するのも当然だ。しかし、私の健康状態はすこぶる良い。今朝だって出された朝食はみんなきれいに平らげた。
「私? 健康そのものだけど。あ、でも、ここのところ引きこもりっぱなしだったから、たまには外出してもいいかもね。久々に街にでも行ってこようかな?」
「わかりました……」
どうやらエマさんは、私の回答に納得できなかったらしい。それもそうだろう、エマさんが求めていた回答は、『支援者様のところに行く』なのだから。
(ごめんね、エマさん。私には、聖女になる気も支援者様と両想いになる気もないんだ)
「そう言えばグレイス様、お手紙が来ております」
「手紙? 誰だろ?」
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