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第三皇子の噂
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「リール~、まだ寝てる~?」
ルードは三階の突き当りにあるリールの部屋のドアをノックしている。
「ん~、ご飯なら廊下に置いておいてって」
20センチほど扉が開き、中からかすかにそう声が聞こえた。奥からは相変わらず幼い声とカチャカチャという機械音が響いている。
ルードはわずかに開いた扉に足を差し込んだ。
「入りま~す!」
ルードは両手で無理矢理ドアをこじ開けた。
「ちょっ!兄さっ!」
どうしようもなくされるがままルードに部屋に入られる。そこで初めてルードの後ろにハレアがいることに気付く。
「お嬢もおいで!」
ルードはリールにドアを閉められてしまう前にハレアの手を引いて中に入れた。
「えっ!まっ!」
「おっ、お邪魔しま~す」
ハレアは少し申し訳なさそうに部屋へと入った。
部屋の中は太陽の光が一切入らないように真っ暗なカーテンで覆われている。「ねえ、リール?」と延々と繰り返している声は、小さな女の子の人形から発せられているようだった。無表情な人形から抑揚のない無機質な幼い声、少し不気味に感じたがその人形をどこかで見たことがある気がしてならなかった。
「兄さんも、……えっと、君も……勝手に入らないで……」
リールの尻すぼみの声は、最後の方は消えかかっていてほとんど聞こえなかった。
「お嬢が、リールにお願いがあるってんで連れてきたんだよ!な?」
ルードはハレアの肩をポンッと叩き、リールへ話しかけやすいようにバトンを渡してくれた。
「あっ、はい……。旦那様へメッセージを送りたくて……、手紙でもいいんですが、もしかしたら緊急かもしれなくて……」
「それって俺たちが聞いちゃってもいいやつ?もし、お嬢のことならなるべく知っておきたいんだけど」
ルードは心配そうな顔を浮かべ、ハレアの顔を見た。リールは髪で隠れて目線がどこを向いているか分からない。
「えっと……」
ハレアはモーネから聞いた第三皇子殿下の話を二人にした。
「う~ん、第三皇子ってあまりいい噂を聞かないんだよな~」
ルードは口元を隠すように右手を添え、考え込んでいる。
三人はリールの薄暗い部屋の床に座りながら、話し込んでいた。リールは座っているだけで特には言葉を発していない。
「私は学年が一個上でしたのであまり学校では見かけませんでしたけど、見るたびいつも女の子と一緒にいましたね。あの頃はまだ婚約者の噂などは聞きませんでしたし」
「今もまだ婚約者はいないんじゃないか?ただ、皇族の中でも一番血の気が多いと聞くな~。皇帝の座を狙ってるとかなんとか……」
「そうなんですね。でも、次期皇帝陛下は第一皇子殿下なんですよね?」
「まあ、そういうことにはなってはいるんだけど、皇太子殿下は魔術が得意じゃなくて、学校も魔術学校ではなく貴族学校の出身だから、帝国の皇帝としてそれはどうなのかっていう人も結構いるんだよ。そんな中での第三皇子は魔術学校でいい成績を修めているってなると第三皇子を推す声も少なからずあるからなぁ」
「皇族も色々とあるんですね……」
「そんな中で凄まじい魔力を持ってるお嬢の存在を知られたら結構マズいかも」
「そうなんです?」
「そう。非常にマズい。まず、キルシュと離婚させられるだろ?ましてや契約結婚みたいな形だけの結婚だし。そんで第三皇子と結婚させられる。お嬢の力があれば自分の魔力量なんて無限に増やせるようなもんだ。本当に血の気が多い奴なら速攻で帝国を乗っ取れる」
「えっ……」
ハレアは言葉を失った。
「つまり、お嬢は確実に皇族の争いに巻き込まれる」
ルードは三階の突き当りにあるリールの部屋のドアをノックしている。
「ん~、ご飯なら廊下に置いておいてって」
20センチほど扉が開き、中からかすかにそう声が聞こえた。奥からは相変わらず幼い声とカチャカチャという機械音が響いている。
ルードはわずかに開いた扉に足を差し込んだ。
「入りま~す!」
ルードは両手で無理矢理ドアをこじ開けた。
「ちょっ!兄さっ!」
どうしようもなくされるがままルードに部屋に入られる。そこで初めてルードの後ろにハレアがいることに気付く。
「お嬢もおいで!」
ルードはリールにドアを閉められてしまう前にハレアの手を引いて中に入れた。
「えっ!まっ!」
「おっ、お邪魔しま~す」
ハレアは少し申し訳なさそうに部屋へと入った。
部屋の中は太陽の光が一切入らないように真っ暗なカーテンで覆われている。「ねえ、リール?」と延々と繰り返している声は、小さな女の子の人形から発せられているようだった。無表情な人形から抑揚のない無機質な幼い声、少し不気味に感じたがその人形をどこかで見たことがある気がしてならなかった。
「兄さんも、……えっと、君も……勝手に入らないで……」
リールの尻すぼみの声は、最後の方は消えかかっていてほとんど聞こえなかった。
「お嬢が、リールにお願いがあるってんで連れてきたんだよ!な?」
ルードはハレアの肩をポンッと叩き、リールへ話しかけやすいようにバトンを渡してくれた。
「あっ、はい……。旦那様へメッセージを送りたくて……、手紙でもいいんですが、もしかしたら緊急かもしれなくて……」
「それって俺たちが聞いちゃってもいいやつ?もし、お嬢のことならなるべく知っておきたいんだけど」
ルードは心配そうな顔を浮かべ、ハレアの顔を見た。リールは髪で隠れて目線がどこを向いているか分からない。
「えっと……」
ハレアはモーネから聞いた第三皇子殿下の話を二人にした。
「う~ん、第三皇子ってあまりいい噂を聞かないんだよな~」
ルードは口元を隠すように右手を添え、考え込んでいる。
三人はリールの薄暗い部屋の床に座りながら、話し込んでいた。リールは座っているだけで特には言葉を発していない。
「私は学年が一個上でしたのであまり学校では見かけませんでしたけど、見るたびいつも女の子と一緒にいましたね。あの頃はまだ婚約者の噂などは聞きませんでしたし」
「今もまだ婚約者はいないんじゃないか?ただ、皇族の中でも一番血の気が多いと聞くな~。皇帝の座を狙ってるとかなんとか……」
「そうなんですね。でも、次期皇帝陛下は第一皇子殿下なんですよね?」
「まあ、そういうことにはなってはいるんだけど、皇太子殿下は魔術が得意じゃなくて、学校も魔術学校ではなく貴族学校の出身だから、帝国の皇帝としてそれはどうなのかっていう人も結構いるんだよ。そんな中での第三皇子は魔術学校でいい成績を修めているってなると第三皇子を推す声も少なからずあるからなぁ」
「皇族も色々とあるんですね……」
「そんな中で凄まじい魔力を持ってるお嬢の存在を知られたら結構マズいかも」
「そうなんです?」
「そう。非常にマズい。まず、キルシュと離婚させられるだろ?ましてや契約結婚みたいな形だけの結婚だし。そんで第三皇子と結婚させられる。お嬢の力があれば自分の魔力量なんて無限に増やせるようなもんだ。本当に血の気が多い奴なら速攻で帝国を乗っ取れる」
「えっ……」
ハレアは言葉を失った。
「つまり、お嬢は確実に皇族の争いに巻き込まれる」
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