どんぐりの木

雨田ゴム長

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不可解な解

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「ほんとに、うちの管内が、かんでるんですかね、まあ、警視庁の署轄じゃなく本庁の依頼だから、何かしら確信が有りそうですけど
それにしても、調査はしろ、後はこっちでやるからみたいな、なんかな~」
大村と若松は、とりあえず該当する地域、釧路空港から阿寒湖温泉までを、巡察していた、若松のボヤキも十分理解出来る。
「ああ、そうだな、でも向こうの担当はもっと混乱していると思うぞ
会議の後に、釧路西署管内の担当地域の地図と一緒に、重点調査の区域を指定して欲しいと連絡しておいた」
「で、どうでした」
「名前を度忘れしたけど、あちらは、警視正殿が担当らしい、即返事をくれたよ、かなり、色んな意味でお困りのようだ
何せ、メールじゃなく直電だったからな、低姿勢だったよ」
「まあ、滅多にない事件性の案件ですからね、実はひそかに、張り切っちゃぁいますけど」
「安心したよ、何しろ動ける担当の二人のうち一人が、乗り気じゃ無いなら、終わってるよ」
「でも主任、北海道の大麻なんて、
ゴミみたいな扱いなんですよね、良くそれに、付加価値をつけて稼ごうなんて、普通に仕事すりゃあかなりな人物になれますよね」
「まあな、さあ、ここから調査開始だぞ」
釧路空港は、市街の小高い丘の上に位置している、そこから市内や阿寒湖温泉に行くには、マリモ国道の交差点まで下りなければならない、2人は、そこから、鵜の目鷹の目で、制限速度以下で走行している。
「ヤッパ、みんな飛ばしますね、そりゃ郊外だもんな~
でも、改めて思うのは、大麻なんて、そこら辺に有りそうですよね」
そうなのだ、その通り、別にここまで来なくても、手に入る、問題はそこに混ぜた粉末状の物は何なのか、
牧草地があって、農家があって、丹頂鶴の鶴公園があって、そして、阿寒町に入り、山が目立って来る。
町中を抜けると、平地の先にいきなり半島の様な山が目立って来る。
「そろそろ、休もうや、丁度中間位じゃないか」
「そうすね」
2人は車を降りて辺りを見回す
「うーん、ただの北海道ですね、草原があって山があって
おっ、おまけでキツネも」
2人の前にキツネが現れた、座り込んで後ろ足で首の辺りを掻き出した、そして、あくびをして、二人を見つめた。
少ししてから、大村が若松に言った
「そろそろ、行こうか」
「そうですね、往復したら結構ありますもんね」
キツネはいつの間にか姿を消していた。

東京北区の弁護士徳山周作は、いささか戸惑っていた、依頼内容も依頼人に対しても
「友達の依頼だから、断るわけには行かないけど、危険な案件じゃないよな」
「ああ、それは大丈夫、俺じゃ怪しいけど、義父の依頼だし、それに、これをやっつけてくれれば、かなり美味しくないかな
取り敢えず一億持ってきた、あと一億持って来る予定だよ」
「おいおいおい、それだよ、俺をとてつもなく不安にさせるのは
あり得ないぞ今時」
「あ、これ、これはね、みんなの気持ちがこもってるんだ
頼む引き受けてくれないか」
「まあ、手間暇かかりそうだけど難しくはないから、やってみるよ
今、契約書、書くから」
「いや、いいんだ、何も、後は頼むよ」
依頼人は、そう言って徳山法律事務所を後にした。
依頼人が、引き上げた後に徳山弁護士は、事務所スタッフを集合させ仕事内容を説明した。
「北海道釧路市にある、山林を取得する内容なのですが、若い人にはわからないだろうと思う
昭和の、高度経済成長の辺りで原野商法というのが、ま、早い話悪徳商法なんだけど、その山林も正にそれで、土地所有者が都会の住宅地並に別れています
それを全所有者にあたって買い取り、取り敢えず依頼人名義にします
尚、全ての費用を二億円で、と言う事です」
「北海道の山林なら今や二束三文ですよね、でも、所有者を特定して買い取るのに、時間がかかりますね、
全ての費用を多めに見積もってもせいぜい五千万くらいでは、、、」
事務所の誰もが思った疑問がそれだった、普通は費用を聞いてから、あるいは、先に着手金だの、初期費用だのを支払うのが流れとして普通の筈だ。
「当然、その辺の事は私の方からも説明しましたが、実は依頼内容がもうひとつあって
その山林の土地を所有できたなら、地元にある、自然保護団体に余った費用ごと寄付して欲しいと言っています」
「へー、何かその土地に余程の思い入れが有りそうですね」
「そうなんだ、それを聞いたんだけど、あの辺の景色が気にいったからだそうだ
彼は毎年、冬になると鹿を撃ちに、その辺に行くそうで、この話を義父に話したら、どうせ税金で持ってかれるなら、そこを買って寄付しようじゃないか、こう言ったらしい」
「聞かなきゃ良かった、ほんとにある話ですか、それ」
「いずれにしても、手分けをして調べれば何とかなるでしょう、問題は買い取り価格の上限をどうするかくらいではないかな
それでは皆さんお願いします」
スタッフがそれぞれ自分のデスクに戻っていった。

釧路西署の、大村と若松が話あっていた。
「若松、例の粉の成分は新種のキノコだと特定した、そして、今現在あの薬物の流通は、ほぼ止まっているらしい」
「マジックマッシュルームみたいなもんですかね」
「そう、しかし効力は、はるかにこっちが上のようだ
但し、出回わらなくなった理由がわからんな」
「そうですよね、早い話が人気商品ですもんね、品切れとかですかね
東京からは、何か新しい情報はないですか」
「参考人に事情聴取を終え次第、こちらにも結果が回って来ると思う」

釧路西警察署会議室
「つまり、参考人というのが、政権与党の児島龍蔵という議員さんであると、、、」
「あの大臣経験者の、党の役職者のですか」
「これで煮え切らない何かが、見えて来たという感じかな」
「道警本部も、方面本部も、飛ばして直に依頼してきた意味が、やっと解ったよ
そりゃ、マスコミに知れたら、大事だよな」
「名前が出たってことは、向こうじゃかなり、確信めいたものを掴んだのかな」
「どうなんでしょう、逆にここまでやって何も出ないなら、いっそ全部こっちにも回してしまえみたいな」
「ああ、大村主任と若松君の気持ちは十分理解出来る、依頼とはいえ、頼まれた事だけ調べろ、後はこっちでやるからよろしく、みたいな
特に、東京(上)から地方(下)にとなると、どうしてもそうなるから」
「本題に戻しましょう、取り敢えずこれで、調査対象は、東京の四人、では、こちらはどうかと言うと、何か変ですよね動きが
ブツの製造元あるいは、供給元と考えられているのに、何も出ない」
「何か兆しとかあればな、でも、どうなんだい、この広い北海道からしたら、釧路空港と阿寒湖温泉の、極めて短い区間とも言えないかな」
「1つ良いことがあります、空港警察も含め阿寒湖温泉まで駐在所が四ヶ所あります、薬物事案ではなく
もっと広範囲に調査案件として、窃盗や振り込め詐欺事案として、協力、調査依頼としてはどうでしょうか」
「うん、主任の意見は同感だ、課長どうでしょう」
「いつも、2人に負担が有るのは理解しているよ、それが調査に役立つなら
早速各部署に、連絡しておくから
それと、もう生活安全課だけじゃ無く、署全体の事案として周知されてしかるべき時だと思うけど、どう」
「了解です、御願いします」
「よし、引き続き、この件は2人に担当してもらう、但し、今後応援等の必要が生じた場合、速やかに全署員がこれを補佐する
実質、刑事事件相当の扱いで望むこと、以上」
この会議以降、阿寒方面の情報が格段に増えた、それらを順番に、確認してきた大村と若松は、やっと、手がかりになりそうな、情報を1つ手に入れた様な気がした。
今まで、有力な手がかりが無いまま半信半疑で関わって来た2人は、ここぞとばかりに、出てきた情報をしらみ潰しのローラー作戦に取り掛かっている最中だった。
「主任、どうでしょうか、今までよりも、何かしら、引っ掛かるというか、何か有りそうな、、、」
「うん、直ぐに取り掛かかるとしようや」
2人は、阿寒方面へと車を走らせた。
























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