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時代を産む女達
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信長の命により、安土城大広間に織田の重臣・諸将が集まり、
朝礼を行っていた
壁には、大きな紙に、
甲斐武田・目標達成
石山本願寺・達成目前
比叡山・目標達成超過
長島一揆・目標達成超超過
年間目標・打倒毛利
今月の目標・将軍島流し
年間功労賞・羽柴秀吉君
今月の達成者・明智光秀君他七名
司会の声に呼ばれて表彰式が始まった。
信長が各々を表彰する度に大きな拍手が沸き起こる。
今月の標語
ちょっと 待て 誰かが首を狙ってる
殿からの連絡事項
最近、追い詰められてからの切腹が目立っています。
武士らしく余裕をもって切腹しましょう。
新規提携業者様御紹介
若狭武田様・信濃真田様
大和の国・松永様(二)他
※()内数字は裏切り回数
詳細にあっては、織田家会報をご覧ください
出入り商人紹介
名護屋損害保証安土城営業所
弊社はこの度、岐阜保険から分離し、「馬から手裏剣まで」を合い言葉に、戦に於ける消耗品の保険を取扱っています。
お気軽にご相談ください。
「そのお城運営大丈夫ですか」
小さな砦から天下取りまで、総合経営の指南実績業界第一位、
鎌倉総研、いざ「かまそう」へ
軍資金の事なら「湖」「約束」
日がな受け付け中
釘から兜首まで、なんでも入札
「八富奥」明日を貴方に
朝礼は、全員必勝の鉢巻きをして、腰に片手を当て、もう片方の拳を突き上げながら「天下布武」を二回唱和して終了した。
信長は甲斐の武田勝頼の軍勢と、織田、徳川連合を組み、
鉄砲を駆使して勝利していた
「これで、織田に対する包囲も弛みますな」
「うむ、家康も関東方面が楽になる
わしも、ゆるりと千利休と茶の湯を楽しめると言うもの」
「畿内の平定も時間の問題かと思われます」
「将軍義昭様もそろそろかと」
「うむ、京の都のごたごたが終わり次第、毛利に取り掛かる」
清州城
「か~ちゃん、のぶおじってば、この辺全部平定したって本当の事」
「あー、そうさ、あんた達もそのうち、京の都に行けるかもね
あらっ、あんま嬉しそうでもないね」
「う~ん、あそこは、もうどうなの、終わった案件かも、岐阜、安土、大阪、三河栄えているのは、この辺じゃない
天子(天皇)様がおられる限り、都には違いないけど
のぶおじも、あそこに本気で移りそうにないもの」
確かに、お市はもしや信長が、天子様にまで何かするかもしれないと、思っていたが
どうやら、鎌倉幕府の様な体制を望んでいる様だ。
ここに来て早八年、娘達も成長し、社会情勢に対しての分析もするようになってきた。
信長に野望がある様に、お市にも、望みがあった。
女が実権を握る事は出来ないのであろうか
あ~しは、無理だったけど、この娘達なら誰かできんじゃね
そんな事を考えながら、清州で過ごして来た。
さあ、将軍は京の都から追い払った、三好だのなんだのごちゃごちゃしたのも、後は松永くらい、もう、そろそろ徳川家康と京で宴会しても良い気がする。
「光秀、徳川に、"京都でお茶しない" この内容で早馬を」
「は、御意」
ついに、三河から京都まで誰の邪魔もなく旅が出来る時代が訪れた。
信長は確信していた、京都を完全に押さえた、「天下布武」は既に終えたも同然、後は戦後処理をどうするか。
毛利は既に護りに入った、ここで少し羽目を外しても良いではないか
光秀は思う
「ほ~ん、先ずは徳川なのね
汗水流し、何人死んだかわからん部下達じゃなく」
信長と家康は京都で暫し寛いだ
そのまえに羽柴秀吉が中国攻めに向かった
光秀は、饗応約を終えたばかりで信長に秀吉の援軍を命じられた。
信長は本能寺でたいした供回りも無しに宿泊する。
光秀は考えた、中国攻めの部隊は揃えた、後は出陣するだけ
この部隊も戦が始まれば何人死ぬのか
今、信長様は、裸も同然、ここで撃ち取れば、わしが明日から信長様の代わりに成れる
何しろあの信長を撃ち破った男
信長の上なのだから、皆が従わない筈がない
しかも、明智光秀も最早そこそこ名前が知れ渡っている。
「よし、者共聞けい、敵は本能寺」
「殿っ、謀反に御座います」
「何、誰が」
「明智光秀に御座います」
「それよりも早くお逃げくださいまし」
「光秀ならば、大軍じゃ、最早手遅れ、聞いておるか帰蝶」
「殿、いつでも」
「この首だけは、絶対に渡さんぞ」
「蘭丸、さらば、帰蝶行くぞ
あっちゃちゃちゃ」
「殿、お見事、蘭丸続きまする」
清州城
「お市様、京都本能寺において信長様が明智光秀に討ち取られました」
「、、、そう、解ったし」
「かあ~ちゃん、信おじ死んじゃたの」
「うん、油断大敵さ、あんた達も気を、、
あ~花押押した無記載公文書あと二枚有るんだもったいね~
帰蝶ね~ちゃんなんとか、、」
女は常に現実主義者
光秀は大きな勘違いをしていた
織田の重臣である光秀だからちやほやされ、利用価値があったのだ
誰も付いては来なかった、それどころかどんどん離れて行った
羽柴秀吉が中国から大急ぎで向かっている。
徳川家康は何とか逃げる事が出来た。
結局、山崎の戦いで光秀は敗走し、途中で土民の手に落ちた。
秀吉一人が後継者争いに一歩先んじた。
その後、清州城で、今後の体制について会議を行う事になった
清州城
「権ちゃん、おひさ~大変だったね」
「お市様とて、それよりも内々の話しとは、何で御座いましょうか」
「うん、あ~しを貰ってくんないかな、権六様」
「ひぇっ、如何なる理由でござる」
「うん、どっちみち世の中変わったんだ、もう、次の者には
あ~し等みたいな
織田信長の臭いが、ぷんぷんする奴は邪魔なだけさ
あ~しはも少し娘達の面倒見ないとさ、後少しでいいんだ
こんなこと頼めんの他にいね~し」
「ふむ、この権六、御安いご用と言いたいが、どちらかと言えば反秀吉なのだが、それでも良いのか」
「うん、中途半端なとこ行かされて、変なとこに、娘達行かされたら嫌じゃん」
確かに今秀吉側に行けば全員ばらばらになりかねない
しかも、良いように使われてしまう
「ふ~む、流石お市様、信長様のご恩返しの為にもこの話し受まする
但し、長く続く気がしないがのう」
清州会議は、終始秀吉の主導で進んでいった
時代は新しい方向に向き始めた
信長色もどんどん薄まる方向になってきた。
守旧派も当然現れる、そのなかの筆頭が権六だった。
年も六十、今さら、秀吉に頭を下げても家来たちが承知しない
織田の中で一定の人気もあった
「へ~あの助平猿が、権六様にあ~しをね
そーすんと狙いは、、、
まっいっか、権六様宜しくお願い申し上げまする」
「うむ、近い内に必ず戦になろう、北ノ庄城に入るがよい」
それから約一年後、賤ヶ岳の戦が始まった
まさかの、前田利家動かずで全てが終わった。
勝家は北ノ庄城に撤退する途中
利家に会いに行った。
「これでもう会うことも有るまい、さらば」
城にもどった勝家は、出て行く者は引き留めず、最後まで残っていた者全てを天守閣に招いた
城内のありったけの食料、酒を集め宴を開いた。
「さあ、飲めや唄えや、無礼講であるぞ、出て行く者は遠慮せずともよいぞ」
権六は、市の側へやって来た
「今、そなたの娘三名だけは助命嘆願してきたが、本当に自分は良いのか」
市が三指をして
「権六様、ありがとう御座います
最早思い残す事はありませぬ」
「なんじゃ、らしくないではないか
いつも通りの権ちゃんで良いわ」
「うん、娘たちゃでてったよ
流石に泣いてたけどね
問題は、おかるさ、あーしから離れてくんないのよ
権ちゃんからも何か言ったげて」
「わはは、お市殿わしは、此より、最後まで残ってくれたもの達と一緒に居ようと思う
権六、これにて、御免」
権六は潔く席を立ち別れを告げた
それが合図でもあるかのように
おかるが市に
「お市様、わたくしは、お仕えしてから一度も御酒を注いで差し上げた事が御座いません
一度おつぎしたいのですが」
「え~まじ、飲むよ、飲む飲むぅ、その後あんただよ」
「かしこまり~茶碗しかないですが」
茶碗を持った市に、おかるは、なみなみと酒を注いだ
そして、手拍子とともに
「飲ん~でのんでのんでのんで、お市の良いとこ見てみたい、そ~れ一気一気」
これでお市が乗らぬ訳がなかった
小気味良く一息にきゆ~ぅ~っと茶碗を空けた
城には既に火の手が上がりここにも煙が立ち込め始めた。
市は茶碗をおかるに渡そうとしたが煙でぼやけて良く見えない
ガチャン、茶碗を落とした
柔らかな日差しを感じる、遠くに経が聴こえる気がする。
煙ではなく畳の香りがしている
ああ、誰かがあ~しの葬式をしてんだな、朦朧としていた、体が動かなかった
誰かが顔を覗いている、笑顔で見ている
「お、おかる、、、何故、、」
「未だ寝ていて大丈夫です、もう誰も貴女を探したりしませんよ」
だんだん意識が戻って来る、いつもの隙のないおかる、ではなく屈託のない笑顔で市を見ていた。
布団に寝て居るのに今さら気が付いた。
「え、ここどこなの、てか、あ~しまだ生きてんの
訳わかんないんすけど」
布団から半身を起こし廻りを見渡す余裕が出て来た
おかるが語りだした
権六と市が一緒になった時、ある日、かるは、権六に呼ばれた
「そなたならこの先どうなるかは、わかろうはず、永年に渡りお仕えしたのだから、もうそろそろ勤めは暇を貰ってはどうなのか、勿論、褒美を取らす何でも申すがよい、この権六出来る限りの事はする」
少し考えてから、かるが言う
「わたくしがお市様にお仕えして二十年以上に成ります
いつも一緒で御座いました
子供達の世話も親の様に
今さら離れたくは御座いません
但し、権六様が何かあった時はお市様の命もと、お思いであらば、お市様をわたくしにくださいまし」
「ほう、何か考えがあると見える、聞こうではないか
続けよ、申せ」
「お市様が織田信長の妹であるから、その存在が邪魔であったり、利用する者が出て来る
しかし、人知れずお市様がこの世から消えてしまったとしたら、それは死んだも同じ事では御座いませぬか」
「むう、なかなかの意見、わしとしてもあの世で信長様に顔が立つ気がするのう」
「ですが、この城には、抜け道が御座いません、権六様にはそこをなんとか」
「あの落城の日、権六様はおっしゃいました、利家とは話しがついておる
利家の囲みから抜け出よと
しかし、あのお市がそれを承知するかの」
酒には、森蘭丸殿に使用した強力な眠り薬を仕込み、女中の着物に変えて手筈通りに
但し、前田利家様じきじきに呼び止められました。
「女手だけでは、時間がかかろう、ましてや一人は、動かぬ状態、輿を用意したゆえ好きな処へ行くがよいぞ
ほれ、わしの証文と金も一緒にな
金が必要ならばいつでも訪ねて来るがよいぞ
その御方を頼むぞ」
「そして、今が御座います
但し、たった今から貴女はお伊勢、わたくしは、おふじ
京の都の焼き討ちにあって逃げて来た姉妹です」
市は黙って聞いていた
そういえばこの人には、助けられるばかりで何もしてあげた事がなかった。
おかる、いや、おふじがそう言うなら
「解ったよ、でも一つ聞いてもいいかな
当然あ~しが妹だよね、おふじね~ちゃん」
「あ~ちゃっかりそれ言うかな、良く気付くよね、お伊勢は」
「おふじね~ちゃん、腹へった、何かね~の」
「そーだ、酒あるし、もう、誰も来ないし、宴会しようか」
「いいね、いいね、眠り薬はやだよ」
二人の夜は更けて行く
市の娘達
長女 茶々 秀吉の側室となる大阪城にて、権勢を振るう、豊臣秀頼の母
目標達成
次女 初 名門京極家に嫁ぎ豊臣や徳川の仲裁等目立たないけど本当は、大活躍
目標達成
三女 江 出戻りなのに、徳川二代将軍秀忠の妻、家光の母、娘和子は天皇家正室
出来すぎ
終わり
朝礼を行っていた
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朝礼は、全員必勝の鉢巻きをして、腰に片手を当て、もう片方の拳を突き上げながら「天下布武」を二回唱和して終了した。
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鉄砲を駆使して勝利していた
「これで、織田に対する包囲も弛みますな」
「うむ、家康も関東方面が楽になる
わしも、ゆるりと千利休と茶の湯を楽しめると言うもの」
「畿内の平定も時間の問題かと思われます」
「将軍義昭様もそろそろかと」
「うむ、京の都のごたごたが終わり次第、毛利に取り掛かる」
清州城
「か~ちゃん、のぶおじってば、この辺全部平定したって本当の事」
「あー、そうさ、あんた達もそのうち、京の都に行けるかもね
あらっ、あんま嬉しそうでもないね」
「う~ん、あそこは、もうどうなの、終わった案件かも、岐阜、安土、大阪、三河栄えているのは、この辺じゃない
天子(天皇)様がおられる限り、都には違いないけど
のぶおじも、あそこに本気で移りそうにないもの」
確かに、お市はもしや信長が、天子様にまで何かするかもしれないと、思っていたが
どうやら、鎌倉幕府の様な体制を望んでいる様だ。
ここに来て早八年、娘達も成長し、社会情勢に対しての分析もするようになってきた。
信長に野望がある様に、お市にも、望みがあった。
女が実権を握る事は出来ないのであろうか
あ~しは、無理だったけど、この娘達なら誰かできんじゃね
そんな事を考えながら、清州で過ごして来た。
さあ、将軍は京の都から追い払った、三好だのなんだのごちゃごちゃしたのも、後は松永くらい、もう、そろそろ徳川家康と京で宴会しても良い気がする。
「光秀、徳川に、"京都でお茶しない" この内容で早馬を」
「は、御意」
ついに、三河から京都まで誰の邪魔もなく旅が出来る時代が訪れた。
信長は確信していた、京都を完全に押さえた、「天下布武」は既に終えたも同然、後は戦後処理をどうするか。
毛利は既に護りに入った、ここで少し羽目を外しても良いではないか
光秀は思う
「ほ~ん、先ずは徳川なのね
汗水流し、何人死んだかわからん部下達じゃなく」
信長と家康は京都で暫し寛いだ
そのまえに羽柴秀吉が中国攻めに向かった
光秀は、饗応約を終えたばかりで信長に秀吉の援軍を命じられた。
信長は本能寺でたいした供回りも無しに宿泊する。
光秀は考えた、中国攻めの部隊は揃えた、後は出陣するだけ
この部隊も戦が始まれば何人死ぬのか
今、信長様は、裸も同然、ここで撃ち取れば、わしが明日から信長様の代わりに成れる
何しろあの信長を撃ち破った男
信長の上なのだから、皆が従わない筈がない
しかも、明智光秀も最早そこそこ名前が知れ渡っている。
「よし、者共聞けい、敵は本能寺」
「殿っ、謀反に御座います」
「何、誰が」
「明智光秀に御座います」
「それよりも早くお逃げくださいまし」
「光秀ならば、大軍じゃ、最早手遅れ、聞いておるか帰蝶」
「殿、いつでも」
「この首だけは、絶対に渡さんぞ」
「蘭丸、さらば、帰蝶行くぞ
あっちゃちゃちゃ」
「殿、お見事、蘭丸続きまする」
清州城
「お市様、京都本能寺において信長様が明智光秀に討ち取られました」
「、、、そう、解ったし」
「かあ~ちゃん、信おじ死んじゃたの」
「うん、油断大敵さ、あんた達も気を、、
あ~花押押した無記載公文書あと二枚有るんだもったいね~
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光秀は大きな勘違いをしていた
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誰も付いては来なかった、それどころかどんどん離れて行った
羽柴秀吉が中国から大急ぎで向かっている。
徳川家康は何とか逃げる事が出来た。
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秀吉一人が後継者争いに一歩先んじた。
その後、清州城で、今後の体制について会議を行う事になった
清州城
「権ちゃん、おひさ~大変だったね」
「お市様とて、それよりも内々の話しとは、何で御座いましょうか」
「うん、あ~しを貰ってくんないかな、権六様」
「ひぇっ、如何なる理由でござる」
「うん、どっちみち世の中変わったんだ、もう、次の者には
あ~し等みたいな
織田信長の臭いが、ぷんぷんする奴は邪魔なだけさ
あ~しはも少し娘達の面倒見ないとさ、後少しでいいんだ
こんなこと頼めんの他にいね~し」
「ふむ、この権六、御安いご用と言いたいが、どちらかと言えば反秀吉なのだが、それでも良いのか」
「うん、中途半端なとこ行かされて、変なとこに、娘達行かされたら嫌じゃん」
確かに今秀吉側に行けば全員ばらばらになりかねない
しかも、良いように使われてしまう
「ふ~む、流石お市様、信長様のご恩返しの為にもこの話し受まする
但し、長く続く気がしないがのう」
清州会議は、終始秀吉の主導で進んでいった
時代は新しい方向に向き始めた
信長色もどんどん薄まる方向になってきた。
守旧派も当然現れる、そのなかの筆頭が権六だった。
年も六十、今さら、秀吉に頭を下げても家来たちが承知しない
織田の中で一定の人気もあった
「へ~あの助平猿が、権六様にあ~しをね
そーすんと狙いは、、、
まっいっか、権六様宜しくお願い申し上げまする」
「うむ、近い内に必ず戦になろう、北ノ庄城に入るがよい」
それから約一年後、賤ヶ岳の戦が始まった
まさかの、前田利家動かずで全てが終わった。
勝家は北ノ庄城に撤退する途中
利家に会いに行った。
「これでもう会うことも有るまい、さらば」
城にもどった勝家は、出て行く者は引き留めず、最後まで残っていた者全てを天守閣に招いた
城内のありったけの食料、酒を集め宴を開いた。
「さあ、飲めや唄えや、無礼講であるぞ、出て行く者は遠慮せずともよいぞ」
権六は、市の側へやって来た
「今、そなたの娘三名だけは助命嘆願してきたが、本当に自分は良いのか」
市が三指をして
「権六様、ありがとう御座います
最早思い残す事はありませぬ」
「なんじゃ、らしくないではないか
いつも通りの権ちゃんで良いわ」
「うん、娘たちゃでてったよ
流石に泣いてたけどね
問題は、おかるさ、あーしから離れてくんないのよ
権ちゃんからも何か言ったげて」
「わはは、お市殿わしは、此より、最後まで残ってくれたもの達と一緒に居ようと思う
権六、これにて、御免」
権六は潔く席を立ち別れを告げた
それが合図でもあるかのように
おかるが市に
「お市様、わたくしは、お仕えしてから一度も御酒を注いで差し上げた事が御座いません
一度おつぎしたいのですが」
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「かしこまり~茶碗しかないですが」
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そして、手拍子とともに
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これでお市が乗らぬ訳がなかった
小気味良く一息にきゆ~ぅ~っと茶碗を空けた
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市は茶碗をおかるに渡そうとしたが煙でぼやけて良く見えない
ガチャン、茶碗を落とした
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煙ではなく畳の香りがしている
ああ、誰かがあ~しの葬式をしてんだな、朦朧としていた、体が動かなかった
誰かが顔を覗いている、笑顔で見ている
「お、おかる、、、何故、、」
「未だ寝ていて大丈夫です、もう誰も貴女を探したりしませんよ」
だんだん意識が戻って来る、いつもの隙のないおかる、ではなく屈託のない笑顔で市を見ていた。
布団に寝て居るのに今さら気が付いた。
「え、ここどこなの、てか、あ~しまだ生きてんの
訳わかんないんすけど」
布団から半身を起こし廻りを見渡す余裕が出て来た
おかるが語りだした
権六と市が一緒になった時、ある日、かるは、権六に呼ばれた
「そなたならこの先どうなるかは、わかろうはず、永年に渡りお仕えしたのだから、もうそろそろ勤めは暇を貰ってはどうなのか、勿論、褒美を取らす何でも申すがよい、この権六出来る限りの事はする」
少し考えてから、かるが言う
「わたくしがお市様にお仕えして二十年以上に成ります
いつも一緒で御座いました
子供達の世話も親の様に
今さら離れたくは御座いません
但し、権六様が何かあった時はお市様の命もと、お思いであらば、お市様をわたくしにくださいまし」
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続けよ、申せ」
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しかし、人知れずお市様がこの世から消えてしまったとしたら、それは死んだも同じ事では御座いませぬか」
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酒には、森蘭丸殿に使用した強力な眠り薬を仕込み、女中の着物に変えて手筈通りに
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ほれ、わしの証文と金も一緒にな
金が必要ならばいつでも訪ねて来るがよいぞ
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「そして、今が御座います
但し、たった今から貴女はお伊勢、わたくしは、おふじ
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おかる、いや、おふじがそう言うなら
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「いいね、いいね、眠り薬はやだよ」
二人の夜は更けて行く
市の娘達
長女 茶々 秀吉の側室となる大阪城にて、権勢を振るう、豊臣秀頼の母
目標達成
次女 初 名門京極家に嫁ぎ豊臣や徳川の仲裁等目立たないけど本当は、大活躍
目標達成
三女 江 出戻りなのに、徳川二代将軍秀忠の妻、家光の母、娘和子は天皇家正室
出来すぎ
終わり
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赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
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