屋根に登れば

雨田ゴム長

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色の話

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色って大事だよね、自分の好きな色、嫌いな色、あの人が好きな色、アイツが好きな色だから、嫌いとか、深くて難しいよね、感性は人それぞれだし、家族でも意見は割れるし、当然ペンキ屋さん、結構大変なのよ、塗る前には、必ず色の決定があるわけだけど、カラー見本やら、シュミレーションなんかを駆使してお客さんと、打ち合わせするんだけど、ここからが、ほんとに大変なの、さあ、色が決まりました、ペンキ屋さんも、後は、塗るだけですよ、せっせと、仕上げて行きました、どうですかお客さん、見違える様にテカテカの壁に仕上がりましたよ。
はい、なんですと、思ってた色の仕上がりと違う、、、んですか、え~~~、途中迄見てたって言うか、確認しましたよね、此で良いですかって、何しろ足場やネットがあって、建物全体の感じが掴めなかったんですね。
ハアー、成る程ですね、ハアーそうですか、でも足場も、取っ払っちゃって、もう遅いですけど、どうしますか。
はあ、仕方ない、此で良いですか、わかりました、なんか、すみません、こんな結果になっちゃって。
まあ、年に何回かは有るね、季節や体調、気持ちの変化、勘違い、ペンキ屋さんの色を発注した時の間違い等々、でもね、余程の特別な間違いじゃなければ、乱暴な物言いをすれば、お客さん時が全てを解決してくれます。
痘痕も笑窪と言いまして、人間不思議と、毎日見てる、毎日暮らしている住まいに、馴れてくるもんです、大抵、え~こんな色無理、ゼーッタイ嫌、ところが、後半月もすると、気にならなくなるの、毎日見てると、其が当たり前になるからね、そして、何よりも、住んでいる人でさえ、ずーっと外壁や、屋根を見て暮らしている訳じゃあ無いからね、馴れちゃうの、てか馴れて欲しい、馴れろ。
実際、同系色の濃淡なんかは、仕上がりと、見本じゃ良くわからない時もあるからね、時には、元の壁色や材質、形状なんかで、違う色に見えたりね、難しいもんだよ、イヤ、ほんとにさ、当初はね、屋根、壁の色なんかは、元の色と一緒で良いよ、なんてさ、こっちも、ああ、やり易いお客さんだって、仕事もすいすい、進んでさ、そのうち電話かなんかで、ペンキ屋さん、うちの色は、もっと濃いベージュだよっ、なんて指摘を受けてさ、まあ、そんな時は、調色って言って、他の色を足して、少しばかり色を調整すりゃあ良いけどね。
ただ屋根自体は、最初からそんなにカラーバリエーションがないから、こっちはわりかし楽だけどね、壁に比べたら、それこそ毎日屋根の色を見る人いないからね。
見えても、玄関の小屋根か、破風(屋根の縁から下に延びてる厚みの部分)位のものだし。
勿論、毎回毎回すったもんだがある訳じゃ無いけど、それにしても、塗り替えたばかりの、家屋は、綺麗だね、イヤ、自分の仕事を自慢するんじゃなくてさ、純粋な気持ちでさ、塗装しただけで、なんて綺麗な家屋になるんだろうね。
それゃ、お金もかかるけどね。
何日間か、鬱陶しかった、足場とネットが外れて、お家のひとがさ、家を眺めた時、「ああー」って暫く感嘆のタメ息しかない時に、この現場もやって良かったって、心底思えるよ。
お客さんありがとうございました。


                                                                                                              
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