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第三章
相談員のお給料
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フィデリア所長の相談所に応援に行った一週間後、私は久しぶりに「ケルークス」に出勤した。
五日も家を空けてしまったので、同行していたリーゼはともかく、他の三体のパートナーには寂しい思いをさせてしまった。
その埋め合わせというには不十分かもしれないが、この一週間はパートナーたちと過ごす時間に充てた。
そういえば、精霊界に移住して四〇年以上になるが、パートナーたちとこれだけ長い期間離れたのは初めてだったかもしれない。
「おはようございます、失礼します」
ほぼ二週間ぶりとなった「ケルークス」に入る。
店内の客は三組七体、相談員はアイリスとフランシス、いつもの「ケルークス」だ。
「アーベル、久しぶり。飲み物は何にする?」
ユーリがやって来て、私が座るであろう席にタイマーを置いた。
「アムリタのソーダ割にしよう」
私はカウンターの隅の席、すなわち定位置に座って注文した。
「アーベルがアムリタを頼むなんて珍しいね」
「出張先でお茶ばかり飲んでいたので、違うものを頼みたくなった」
フィデリア所長の相談所では相談の合間にお茶を飲むくらいしかできなかった。そのくらい忙しかったのだ。
「……お疲れ様。存在界の会社だったら、訴えれば勝てると思うよ」
ユーリの言葉の後半部分はアイリスに向けたものだった。
確かにまる五日間不眠で働いていたからなぁ。生身の人間だったら倒れていただろう。魂霊の身体に感謝だ。
「……アーベル、ちょっと」
ばつの悪そうな顔をしながらアイリスが私を呼んだ。
奥の席でノートパソコンを広げながらのんびりとコーヒーを楽しんでいるようなので、今日のところは相談客がいないのだろう。
「何でしょうか?」
「この前の出張のお手当なのだけど……」
アイリスがノートパソコンの画面を指差した。
前にも話したかもしれないが、相談員には一応給料が出る。
ただ、これは帳簿上の数字で使い道はほぼ「ケルークス」での買い物に限定される。
現在の給料は次の通りとなる。「ドロップ」は魔力の単位なのだが、「ケルークス」では魔力は飲食や物販の支払に使うことができる。
出勤して退勤するまでの時間、一分につき一ドロップが支払われる。
それとは別に相談対応一件につき五〇ドロップが支払われる。
要するに出勤してぼーっと相談客を待っていても給料は出るが、相談客の対応をすれば追加手当が出る、ということだ。
「今回アーベルとエリシアはフィデリアのところに一一二時間七分いたことになるのよ。それとフランシスとベネディクトに聞いたら『ここからフィデリアのところまでの往復の移動時間も勤務時間に含めるべきだ』と答えてきたから、それを合わせると一一五時間半といったところかしら? それと……」
確かにそのくらいぶっ続けで仕事をしていた。
残業代がもらえる立場なら、さぞかし稼げたに違いない。人間時代だったら間違いなくぶっ倒れていただろうが。
それに会社員時代の最後一〇年はくらいは「シニアテクニカルエキスパート」なる肩書を与えられて無理矢理管理職扱いにされていたので、残業代が出る立場ではなかったのだった。
「相談何件受けたかなんて、報告書を読み返さないとわからないですよ」
「それは記録があるからいいわ。三七件ね。それと……」
「まだあるんですか?!」
「ウチは連続五〇時間を超えて待機できないじゃない。五〇時間を超えた分の規定がないのよ。それに他の相談所の応援というのも初めてだから、これは前に『海の家』に視察に行ったときの計算方法を使うけど……」
何だかかなり面倒なことになっているようだ。
「フランシスとベネディクトだけじゃなくてユーリまでも『残業部分は割増賃金が必要!』って言ってくるから五〇時間を超えた部分は一分当たり二ドロップにします! これを計算すると……一万三千二百五〇ドロップになるわね。という訳で帳簿に記録しておいたから、よろしくー」
アイリスがひらひらと手を振った。
「ケルークス」限定のお金とはいえ、この金額はかなり大きい。
私の場合、一ヶ月相談員の仕事をして四、五千ドロップというのが標準的な給料だ。その倍から三倍の額を五日で稼いでしまったことになる。
「リーゼに新刊や新作のゲームを買えるし、家にお菓子とか買っていってもいいかな」
思わぬ臨時収入? で少しだけ気が大きくなった。
「はは、景気いいな。アンブロシア酒の樽を奢れとか言われないように気を付けてくれよ」
近くに座っていたフランシスが私をからかった。
ちなみにカーリン特製のアンブロシア酒は一樽五〇〇ドロップで「ケルークス」に卸している。一万ドロップあれば二〇樽用意できる。
ただ、これだけの樽数を用意するとなると、カーリンは三ヶ月くらいかかりきりになるだろう。
「ケルークス」で飲む場合、アンブロシア酒は一杯一二ドロップだ。これは「ケルークス」の飲み物の中でダントツに高い。
一樽で六~七〇杯くらいとることができるので、一回の納品で二〇〇杯分くらいになるのだが、二週間もかからずに売り切れてしまうそうだ。
「今いるアイリスとフランシス、そして厨房の四人には飲み物くらい奢ってもいいけどね」
いつも「ケルークス」で世話になっているメンバーだ。そのくらいしてもいいだろう。
フランシスなどはよく相談に引っ張り出されるけど、相談が重なったときは別の相談員に飲み物を奢ったりしている。
「じゃ、私はエスプレッソ!」
アイリスがさっと手を挙げた。
これは一〇ドロップ。エスプレッソに限らず、存在界の飲み物はやや高めだ。
「それじゃ、遠慮なく行かせてもらおう。こっちはジンジャーエールを」
とフランシス。これは九ドロップ。
「アーベル、ありがと。厨房メンバーは皆アムリタにするって」
ユーリがカウンターの向こうからそう伝えてきた。
これは四ドロップなので、四杯で一六ドロップ。
全員で三五ドロップなら安いものだ。
ちなみに存在界から客が来て飲み食いする場合は原則日本円で支払ってもらっている。
ケルークスのメニューには日本円と魔力の両方の値段が併記されているのだ。
店長のユーリによれば、一〇ドロップが日本の最低時給くらいになるよう設定しているそうだ。
こうして得られた代金は、魔力の場合主に「ケルークス」にある厨房機器を動かすのに使われる。
日本円は存在界で広報活動に当たっている妖精たちの活動資金や、存在界からの仕入れの代金として活用される。
「二万六千ドロップかぁ……私魔力持つかしら……」
運ばれてきたエスプレッソを前にアイリスの顔が青ざめた。
まさに額に縦線が入ったような状態だ。
「アーベルに奢ってもらったのだから、そのくらい何とかしなさい」
ユーリがマナが一枚だけ入った皿をアイリスの前に置いた。コーヒー、エスプレッソにはサービスで菓子類がつくのだ。
アイリスが青ざめたのは我々相談員の給料の原資が所長であるアイリスの魔力だからだ。
初期の精霊である彼女はそれなりに多くの魔力を持っているが、二万六千ドロップなどという膨大な魔力を捻出するのは一苦労のはずだ。
「ぱーっと使うなんてことはないから、ゆっくり魔力を放出すればいいですよ、たぶん」
あくまで私とエリシアに先ほど支払われた給料は、まだ帳簿上の数字でしかない。
アイリスが魔力として放出するのは、ここ「ケルークス」で代金の支払に使われたタイミングだ。
先ほどの奢りは三五ドロップだから、アイリスからすれば楽勝の数字である。
「アーベルはそういうところ気を遣ってくれるからいいわよ。エリシアは遠慮がないから正直何をしてくるかわからないし……」
そう言ってアイリスが今度はフランシスの方をちらっと見た。
「こっちも十分弁えているつもりだが?」
フランシスが不敵な笑みを浮かべている。
「……フランシス。ゲーム機に円盤にノートパソコン。それに色々な家電を買っていることはどう説明するのよ?」
何か空気が不穏になってきた。
私もゲーム機と本については手を出している。
さすがにノートパソコンと家電には手を出していないが……
「精霊界への移住を促進するための研究費、なのだが……」
さすがに不穏な気配を感じ取ったのか、フランシスが椅子を引いて中腰になった。
「本はともかく、ゲーム機とか家電なんていくらすると思っているのよ! 魔力を提供するこっちの身にもなれーっ!」
アイリスがテーブルをひっくり返しかねない勢いで立ち上がった。
「いや~、所長のあふれ出る魔力ならそのくらい余裕でしょう」
フランシスはジンジャーエールのグラスを手に席から立ち上がり、じりじりと後ろに下がっていく。
「そんなワケあるかーっ! 初期の精霊やってたって、毎日万単位で魔力を吸われたら干からびるわーっ!」
「はいはい、飲み物がもったいないですよー」
アイリスが立ち上がってフランシスに詰め寄ろうとしたところで、冷静にユーリがストップをかけた。
同時にアイリスがひっくり返しそうになったエスプレッソのカップを右手で掴みあげている、お見事。
「フランシスが色々買っているのは知っているけど、今は何とかなっているのだからいいじゃない。キツイのならちゃんとこれで管理したら?」
ユーリがアイリスのテーブルの上にあるノートパソコンを指差した。
「むむ……やっぱやるしかないのか……」
アイリスがノートパソコンを睨みつけている。
「よかったらこっちでツールを作るよ。五〇ドロップでどうだい?」
「(キッ!)」
フランシスの空気を読まない申し出に、アイリスが彼をものすごい形相で睨みつけた。
アイリスは仕事ができるタイプなのだけど、細かい数字の管理は苦手らしい。
能力的にできない、というより数字をいじるのがストレスになるタイプのようだ。
「……わかったわよ、フランシス。五〇ドロップでやってよ。アーベル、後で意見お願い」
アイリスが恨めしそうな顔でこっちを見ている。
これは「揺らぐぞ」という脅迫、いやサインを出してきたのだろう。
さて、どうやって落ち着いてもらおうか……
五日も家を空けてしまったので、同行していたリーゼはともかく、他の三体のパートナーには寂しい思いをさせてしまった。
その埋め合わせというには不十分かもしれないが、この一週間はパートナーたちと過ごす時間に充てた。
そういえば、精霊界に移住して四〇年以上になるが、パートナーたちとこれだけ長い期間離れたのは初めてだったかもしれない。
「おはようございます、失礼します」
ほぼ二週間ぶりとなった「ケルークス」に入る。
店内の客は三組七体、相談員はアイリスとフランシス、いつもの「ケルークス」だ。
「アーベル、久しぶり。飲み物は何にする?」
ユーリがやって来て、私が座るであろう席にタイマーを置いた。
「アムリタのソーダ割にしよう」
私はカウンターの隅の席、すなわち定位置に座って注文した。
「アーベルがアムリタを頼むなんて珍しいね」
「出張先でお茶ばかり飲んでいたので、違うものを頼みたくなった」
フィデリア所長の相談所では相談の合間にお茶を飲むくらいしかできなかった。そのくらい忙しかったのだ。
「……お疲れ様。存在界の会社だったら、訴えれば勝てると思うよ」
ユーリの言葉の後半部分はアイリスに向けたものだった。
確かにまる五日間不眠で働いていたからなぁ。生身の人間だったら倒れていただろう。魂霊の身体に感謝だ。
「……アーベル、ちょっと」
ばつの悪そうな顔をしながらアイリスが私を呼んだ。
奥の席でノートパソコンを広げながらのんびりとコーヒーを楽しんでいるようなので、今日のところは相談客がいないのだろう。
「何でしょうか?」
「この前の出張のお手当なのだけど……」
アイリスがノートパソコンの画面を指差した。
前にも話したかもしれないが、相談員には一応給料が出る。
ただ、これは帳簿上の数字で使い道はほぼ「ケルークス」での買い物に限定される。
現在の給料は次の通りとなる。「ドロップ」は魔力の単位なのだが、「ケルークス」では魔力は飲食や物販の支払に使うことができる。
出勤して退勤するまでの時間、一分につき一ドロップが支払われる。
それとは別に相談対応一件につき五〇ドロップが支払われる。
要するに出勤してぼーっと相談客を待っていても給料は出るが、相談客の対応をすれば追加手当が出る、ということだ。
「今回アーベルとエリシアはフィデリアのところに一一二時間七分いたことになるのよ。それとフランシスとベネディクトに聞いたら『ここからフィデリアのところまでの往復の移動時間も勤務時間に含めるべきだ』と答えてきたから、それを合わせると一一五時間半といったところかしら? それと……」
確かにそのくらいぶっ続けで仕事をしていた。
残業代がもらえる立場なら、さぞかし稼げたに違いない。人間時代だったら間違いなくぶっ倒れていただろうが。
それに会社員時代の最後一〇年はくらいは「シニアテクニカルエキスパート」なる肩書を与えられて無理矢理管理職扱いにされていたので、残業代が出る立場ではなかったのだった。
「相談何件受けたかなんて、報告書を読み返さないとわからないですよ」
「それは記録があるからいいわ。三七件ね。それと……」
「まだあるんですか?!」
「ウチは連続五〇時間を超えて待機できないじゃない。五〇時間を超えた分の規定がないのよ。それに他の相談所の応援というのも初めてだから、これは前に『海の家』に視察に行ったときの計算方法を使うけど……」
何だかかなり面倒なことになっているようだ。
「フランシスとベネディクトだけじゃなくてユーリまでも『残業部分は割増賃金が必要!』って言ってくるから五〇時間を超えた部分は一分当たり二ドロップにします! これを計算すると……一万三千二百五〇ドロップになるわね。という訳で帳簿に記録しておいたから、よろしくー」
アイリスがひらひらと手を振った。
「ケルークス」限定のお金とはいえ、この金額はかなり大きい。
私の場合、一ヶ月相談員の仕事をして四、五千ドロップというのが標準的な給料だ。その倍から三倍の額を五日で稼いでしまったことになる。
「リーゼに新刊や新作のゲームを買えるし、家にお菓子とか買っていってもいいかな」
思わぬ臨時収入? で少しだけ気が大きくなった。
「はは、景気いいな。アンブロシア酒の樽を奢れとか言われないように気を付けてくれよ」
近くに座っていたフランシスが私をからかった。
ちなみにカーリン特製のアンブロシア酒は一樽五〇〇ドロップで「ケルークス」に卸している。一万ドロップあれば二〇樽用意できる。
ただ、これだけの樽数を用意するとなると、カーリンは三ヶ月くらいかかりきりになるだろう。
「ケルークス」で飲む場合、アンブロシア酒は一杯一二ドロップだ。これは「ケルークス」の飲み物の中でダントツに高い。
一樽で六~七〇杯くらいとることができるので、一回の納品で二〇〇杯分くらいになるのだが、二週間もかからずに売り切れてしまうそうだ。
「今いるアイリスとフランシス、そして厨房の四人には飲み物くらい奢ってもいいけどね」
いつも「ケルークス」で世話になっているメンバーだ。そのくらいしてもいいだろう。
フランシスなどはよく相談に引っ張り出されるけど、相談が重なったときは別の相談員に飲み物を奢ったりしている。
「じゃ、私はエスプレッソ!」
アイリスがさっと手を挙げた。
これは一〇ドロップ。エスプレッソに限らず、存在界の飲み物はやや高めだ。
「それじゃ、遠慮なく行かせてもらおう。こっちはジンジャーエールを」
とフランシス。これは九ドロップ。
「アーベル、ありがと。厨房メンバーは皆アムリタにするって」
ユーリがカウンターの向こうからそう伝えてきた。
これは四ドロップなので、四杯で一六ドロップ。
全員で三五ドロップなら安いものだ。
ちなみに存在界から客が来て飲み食いする場合は原則日本円で支払ってもらっている。
ケルークスのメニューには日本円と魔力の両方の値段が併記されているのだ。
店長のユーリによれば、一〇ドロップが日本の最低時給くらいになるよう設定しているそうだ。
こうして得られた代金は、魔力の場合主に「ケルークス」にある厨房機器を動かすのに使われる。
日本円は存在界で広報活動に当たっている妖精たちの活動資金や、存在界からの仕入れの代金として活用される。
「二万六千ドロップかぁ……私魔力持つかしら……」
運ばれてきたエスプレッソを前にアイリスの顔が青ざめた。
まさに額に縦線が入ったような状態だ。
「アーベルに奢ってもらったのだから、そのくらい何とかしなさい」
ユーリがマナが一枚だけ入った皿をアイリスの前に置いた。コーヒー、エスプレッソにはサービスで菓子類がつくのだ。
アイリスが青ざめたのは我々相談員の給料の原資が所長であるアイリスの魔力だからだ。
初期の精霊である彼女はそれなりに多くの魔力を持っているが、二万六千ドロップなどという膨大な魔力を捻出するのは一苦労のはずだ。
「ぱーっと使うなんてことはないから、ゆっくり魔力を放出すればいいですよ、たぶん」
あくまで私とエリシアに先ほど支払われた給料は、まだ帳簿上の数字でしかない。
アイリスが魔力として放出するのは、ここ「ケルークス」で代金の支払に使われたタイミングだ。
先ほどの奢りは三五ドロップだから、アイリスからすれば楽勝の数字である。
「アーベルはそういうところ気を遣ってくれるからいいわよ。エリシアは遠慮がないから正直何をしてくるかわからないし……」
そう言ってアイリスが今度はフランシスの方をちらっと見た。
「こっちも十分弁えているつもりだが?」
フランシスが不敵な笑みを浮かべている。
「……フランシス。ゲーム機に円盤にノートパソコン。それに色々な家電を買っていることはどう説明するのよ?」
何か空気が不穏になってきた。
私もゲーム機と本については手を出している。
さすがにノートパソコンと家電には手を出していないが……
「精霊界への移住を促進するための研究費、なのだが……」
さすがに不穏な気配を感じ取ったのか、フランシスが椅子を引いて中腰になった。
「本はともかく、ゲーム機とか家電なんていくらすると思っているのよ! 魔力を提供するこっちの身にもなれーっ!」
アイリスがテーブルをひっくり返しかねない勢いで立ち上がった。
「いや~、所長のあふれ出る魔力ならそのくらい余裕でしょう」
フランシスはジンジャーエールのグラスを手に席から立ち上がり、じりじりと後ろに下がっていく。
「そんなワケあるかーっ! 初期の精霊やってたって、毎日万単位で魔力を吸われたら干からびるわーっ!」
「はいはい、飲み物がもったいないですよー」
アイリスが立ち上がってフランシスに詰め寄ろうとしたところで、冷静にユーリがストップをかけた。
同時にアイリスがひっくり返しそうになったエスプレッソのカップを右手で掴みあげている、お見事。
「フランシスが色々買っているのは知っているけど、今は何とかなっているのだからいいじゃない。キツイのならちゃんとこれで管理したら?」
ユーリがアイリスのテーブルの上にあるノートパソコンを指差した。
「むむ……やっぱやるしかないのか……」
アイリスがノートパソコンを睨みつけている。
「よかったらこっちでツールを作るよ。五〇ドロップでどうだい?」
「(キッ!)」
フランシスの空気を読まない申し出に、アイリスが彼をものすごい形相で睨みつけた。
アイリスは仕事ができるタイプなのだけど、細かい数字の管理は苦手らしい。
能力的にできない、というより数字をいじるのがストレスになるタイプのようだ。
「……わかったわよ、フランシス。五〇ドロップでやってよ。アーベル、後で意見お願い」
アイリスが恨めしそうな顔でこっちを見ている。
これは「揺らぐぞ」という脅迫、いやサインを出してきたのだろう。
さて、どうやって落ち着いてもらおうか……
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