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第八章
問題児の心変わり
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「こんにちはーっ! アイリスはいる?」
ある日私が「ケルークス」でお茶を引いていると、後ろから声をかけられた。
声の主はよく知っている。存在界出張組のバネッサという精霊だ。
種類としては風属性のセイレーンになる。これが困った性質の持ち主で度々問題を起こしているのだが……
「アイリスか? さっき外の様子を見に出ていったからもう少ししたら戻ってくるんじゃないか?」
私がそう答えるとほぼ同時に厨房からユーリが出てきた。来店客だと思ったのだろう。
「あら、バネッサ、どうしたの? 貴女、また何か壊していないでしょうね?」
相手の姿を見て、ユーリが疑わし気な視線を向ける。
そう思うのも無理はない。
セイレーンにはその声で異性、特に人間のそれを魅了する能力がある。
多くのセイレーンは能力のオンオフを上手に切り替えられるのだけど、バネッサはそれが苦手だ。
そのため、関係のない人間の男性を魅了してトラブルに巻き込まれることが多い。
素直というか人 (精霊)が好すぎるところがあるので、異性から迫られると断れないというか断らない。
その結果、迫られた相手とトラブルになって、これが刃傷沙汰に発展するケースが非常に多い。
精霊も存在界へ行けば妖精といわれる存在になる。
妖精は人間と同様、病気もすれば怪我もする。人間が死ぬほどのダメージを受ければ、存在界で存在を維持できなくなり精霊界へ強制的に送り返される。
バネッサは私が知る限り、少なくともこの強制送還を二桁回数は繰り返している。日本の警察はもっと仕事をした方がいいのではないかと思うくらいだ。まあ、相手が存在界の存在でないから無理な注文ではある。
送り返されるのは大抵存在界と精霊界の境目に当たる場所であり、バネッサの場合は「ケルークス」の建物内がほとんどだ。
強制送還の際は何故か空中に放り出されることが多く、落下する際に近くのものを巻き込む。ユーリの台詞はこのことを指し示している。
「え~っ? 私、いつでも何か壊しているわけじゃないですよ。今回はちゃんと存在界側の入口から入ってきたし」
「ほら見なさい、入口……って本当?」
ユーリがバネッサに問いかけた後、答えも聞かずに入口の方へと走っていった。この点においてはバネッサは全くといっていいほど信頼がない。いや、マイナスの意味で信頼されているのか。
「……確かに入口は無事ね。何があったのよ?」
「アイリスに相談したいことがあってさ。仕事のことだから他のメンバーには話せないよ」
「そう。もうすぐ戻ってくるはずだから何か飲んで待っていたら?」
「じゃ、そうする。アイスティーをお願い。アーベル、ここ失礼するね」
何故かバネッサは、私の座っているカウンター席に陣取った。
店の客入りは八分くらいだったから、空いている席を探すのも面倒だと思ったのかもしれない。
「最近の広報活動ってどうなんだ?」
さすがに話しかけないのも不自然かと思って、私はバネッサに声をかけた。
「そうだねぇ、あまり上手く行っていないというのが正直なところだよ。ネットの書き込みはすぐに消されるか邪魔が入るし、精霊界の話を聞いてくれる人は少ないしで……」
やはり存在界の状況は良くないらしい。精霊界の話を聞いてもらえないとなると、広報活動はかなり難しいものになるだろう。
「私の場合、男の人が寄ってきて話を聞いてはくれるのだけど、いつもトラブってこっちに移住してくれないんだよねー。魅了の能力を抑えるのが下手なのは認めるけどさ、一人くらいこっちに来てもいいのに……」
「言われてみれば確かにそうだな。バネッサに魅了されているなら、こっちで一緒になりたいってのが一人や二人居てもおかしくない気がするな……」
確かに相手が魅了されているのにバネッサのいる精霊界に来ようとしないのは変な気がする。
「でしょー」
「あら、バネッサの場合は無理よ」
バネッサが私の意見に同意した直後、背後から聞きなれた声が聞こえてきた。
「あ、所長」「アイリス、戻ってきたのか」
振り向くと用事を終えたアイリスが立っていた。恐らく少し前からこの場にいたのだろう。
「アイリス、無理ってどういうことだ?」
アイリスが事情を知ってそうなので、思わず聞いてみた。
「バネッサの場合はねぇ、存在界で能力を抑えようとすると変に働くのよ」
「変に働く?」
「そう。相手を魅了するというより、相手に『バネッサが自分にベタ惚れだと思わせる』って感じに働くみたいなのよね……」
「それって……」
なるほど、事情が飲み込めてきた。
「それで、この子は素直というか人の言うことに逆らわないでしょう? バネッサが言うことを聞くからバネッサの言うことを聞こうなんて思わないわよ……」
うーん、確かに素直なのはバネッサの美点ではあるのだが、この場合はロクでもない方向にしか機能していないわけか……
「そうなんだよねー。でも相手が言っていることが変だとは思えなくってー、あははは」
バネッサがケラケラ笑いながら答えている。結構酷いことを言われているのだが、堪えていないようだ。ある意味これが救いなのか……
「ユーリから聞いたけど、バネッサ、貴女私に用事があるんでしょ?」
「うん、そう。私、存在界への出張を止めようと思うんだよねー、いいかな?」
出張を止めるというのはそれなりに大事だと思うのだが、バネッサはこともなげに言い切った。
「……一応理由を聞くわよ?」
アイリスには心当たりがあるのか、それほど動揺した様子はない。
「私が存在界行きに志願した理由って、契約相手を探すためでしょ。でも、このまま存在界に居続けても見つからなさそうだからやり方を変えようかな、って」
バネッサは平然と話しているが、当人にとっては深刻なことのような気がする。
その証拠にアイリスは真剣な面持ちでバネッサの話を聞いている。
「やり方を変えるってどのようにするの?」
「ここで働いてみようかなって思っているけど……ダメかな?」
「ここで? 相談員になるつもり?」
「そっちじゃなくって、カフェの方」
「カフェ? それは責任者に話を聞かないと。ユーリ、ちょっといい?」
アイリスが厨房に向かって声を張り上げた。
てっきり私もアイリス同様、相談員になることを望んでいるのかと思ったら違っていた。
バネッサが望んでいるのは、カフェの「ケルークス」の店員になることだったのだ。
ふと、あることが気になって私はバネッサに確認した。
「違っていたら申し訳ないけど。バネッサ、もしかして『揺らぎ』が気になるのか?」
「わかっちゃった? そうなんだよね。アーベルは『揺らぎ』が見えるのだっけ?」
「いや、まだ見ていないが……」
「だったら見ちゃって構わないよ。どんな感じに見える?」
「そうか……」
バネッサに聞かれて、私は一瞬躊躇しながらも彼女の「揺らぎ」の状態を見た。
「……すぐに溢壊するようなことはないと思う。ただ、ぱっと見で『揺らいで』いるのがわかるから油断はできそうもないな……」
「そんな感じなんだね。この状態で存在界にいるとかえって『揺らぎ』が大きくなりそうだから潮時だとは思うんだよねー」
バネッサの声は明るい。だが、心中はそうではないのだと思う。「揺らぎ」がその証拠だ。
存在界で存在を維持できなくなって強制送還を繰り返しているうちに「揺らぎ」が大きくなってきたのだろうか。
「バネッサ、うちの仕事をしたいの? 厨房とホールがあるけど、能力のことを考えると厨房かなぁ……」
ユーリが厨房から出てきてバネッサに尋ねた。
「あら、こっちならその心配は要らないわよ。精霊や魂霊にはほとんど影響しないから」
アイリスが横からツッコんだ。それならホールを担当させても問題なさそうだ。
「来店しているお客さんを狙いたいからホールがやりたいんだけどなー。アイリスの言う通り精霊や魂霊のお客さんには影響ないから大丈夫だと思うよー」
「それならいいけど……」
ユーリが疑わし気な表情をしていたが、アイリスが大丈夫と答えたので表情をもとに戻した。
「コホン、私としては仕事さえきちんとしてくれれば契約相手を探すことは止めないから。相談所併設のカフェとして契約は歓迎、だし」
「じゃあ決まりだねー。アイリス、という訳で私は明日からカフェに異動するから」
「そう、わかったわ」
アイリスはあっさりとバネッサの異動を受け入れた。
恐らく、彼女もバネッサの「揺らぎ」を気にしたのだと思う。
「バネッサ、明日からでいいのね? 人数が足りないのはホールの方だから、ホールを中心に厨房のサポートもお願いするわ」
「はーい」
ユーリの指示にバネッサが素直に応じた。
カフェの方も人手 (正確には精霊手、か)不足気味ではあるからバネッサの加入は彼女自身と「ケルークス」の双方にメリットがあるはずだ。
存在界への出張メンバーは減ってしまうが、そのあたりはアイリスが上手く対処するだろう。
バネッサが住処へと引き揚げた後、アイリスが指定席に私とユーリを呼んだ。
「バネッサは帰ったわね? ならいいわね。ユーリ、アーベル、さっきの話を聞いたから念のために言っておくけど……」
「「??」」
何かマズいことをしたのだろうかと、私とユーリは顔を見合わせた。
「バネッサは素直で裏表のないコだから、今までの問題児という見方はしないように気をつけてね」
アイリスからの意外な忠告に、私とユーリは驚きで口をポカンとあけてしまった。
「お客に色目を使ったり、相手探しに没頭して仕事が疎かになることは無いと思うから、その点は安心なさい」
アイリスの説明によれば、バネッサは人間のレベルだと度を越して素直で人 (精霊)が好いだけなのだそうだ。精霊には比較的多くいるタイプらしい。
それが人間相手だと、持っている能力のこともあってトラブルメーカーになっていたが、精霊や魂霊相手ではそのようなことにはならないだろう、とのことであった。
「わかったわ。別にバネッサを区別するつもりはないし、他のメンバーと同じ様に扱うから、心配しないで」
ユーリはアイリスの説明に納得したようだ。
バネッサの決断が良い結果を生むことを期待したい。
ある日私が「ケルークス」でお茶を引いていると、後ろから声をかけられた。
声の主はよく知っている。存在界出張組のバネッサという精霊だ。
種類としては風属性のセイレーンになる。これが困った性質の持ち主で度々問題を起こしているのだが……
「アイリスか? さっき外の様子を見に出ていったからもう少ししたら戻ってくるんじゃないか?」
私がそう答えるとほぼ同時に厨房からユーリが出てきた。来店客だと思ったのだろう。
「あら、バネッサ、どうしたの? 貴女、また何か壊していないでしょうね?」
相手の姿を見て、ユーリが疑わし気な視線を向ける。
そう思うのも無理はない。
セイレーンにはその声で異性、特に人間のそれを魅了する能力がある。
多くのセイレーンは能力のオンオフを上手に切り替えられるのだけど、バネッサはそれが苦手だ。
そのため、関係のない人間の男性を魅了してトラブルに巻き込まれることが多い。
素直というか人 (精霊)が好すぎるところがあるので、異性から迫られると断れないというか断らない。
その結果、迫られた相手とトラブルになって、これが刃傷沙汰に発展するケースが非常に多い。
精霊も存在界へ行けば妖精といわれる存在になる。
妖精は人間と同様、病気もすれば怪我もする。人間が死ぬほどのダメージを受ければ、存在界で存在を維持できなくなり精霊界へ強制的に送り返される。
バネッサは私が知る限り、少なくともこの強制送還を二桁回数は繰り返している。日本の警察はもっと仕事をした方がいいのではないかと思うくらいだ。まあ、相手が存在界の存在でないから無理な注文ではある。
送り返されるのは大抵存在界と精霊界の境目に当たる場所であり、バネッサの場合は「ケルークス」の建物内がほとんどだ。
強制送還の際は何故か空中に放り出されることが多く、落下する際に近くのものを巻き込む。ユーリの台詞はこのことを指し示している。
「え~っ? 私、いつでも何か壊しているわけじゃないですよ。今回はちゃんと存在界側の入口から入ってきたし」
「ほら見なさい、入口……って本当?」
ユーリがバネッサに問いかけた後、答えも聞かずに入口の方へと走っていった。この点においてはバネッサは全くといっていいほど信頼がない。いや、マイナスの意味で信頼されているのか。
「……確かに入口は無事ね。何があったのよ?」
「アイリスに相談したいことがあってさ。仕事のことだから他のメンバーには話せないよ」
「そう。もうすぐ戻ってくるはずだから何か飲んで待っていたら?」
「じゃ、そうする。アイスティーをお願い。アーベル、ここ失礼するね」
何故かバネッサは、私の座っているカウンター席に陣取った。
店の客入りは八分くらいだったから、空いている席を探すのも面倒だと思ったのかもしれない。
「最近の広報活動ってどうなんだ?」
さすがに話しかけないのも不自然かと思って、私はバネッサに声をかけた。
「そうだねぇ、あまり上手く行っていないというのが正直なところだよ。ネットの書き込みはすぐに消されるか邪魔が入るし、精霊界の話を聞いてくれる人は少ないしで……」
やはり存在界の状況は良くないらしい。精霊界の話を聞いてもらえないとなると、広報活動はかなり難しいものになるだろう。
「私の場合、男の人が寄ってきて話を聞いてはくれるのだけど、いつもトラブってこっちに移住してくれないんだよねー。魅了の能力を抑えるのが下手なのは認めるけどさ、一人くらいこっちに来てもいいのに……」
「言われてみれば確かにそうだな。バネッサに魅了されているなら、こっちで一緒になりたいってのが一人や二人居てもおかしくない気がするな……」
確かに相手が魅了されているのにバネッサのいる精霊界に来ようとしないのは変な気がする。
「でしょー」
「あら、バネッサの場合は無理よ」
バネッサが私の意見に同意した直後、背後から聞きなれた声が聞こえてきた。
「あ、所長」「アイリス、戻ってきたのか」
振り向くと用事を終えたアイリスが立っていた。恐らく少し前からこの場にいたのだろう。
「アイリス、無理ってどういうことだ?」
アイリスが事情を知ってそうなので、思わず聞いてみた。
「バネッサの場合はねぇ、存在界で能力を抑えようとすると変に働くのよ」
「変に働く?」
「そう。相手を魅了するというより、相手に『バネッサが自分にベタ惚れだと思わせる』って感じに働くみたいなのよね……」
「それって……」
なるほど、事情が飲み込めてきた。
「それで、この子は素直というか人の言うことに逆らわないでしょう? バネッサが言うことを聞くからバネッサの言うことを聞こうなんて思わないわよ……」
うーん、確かに素直なのはバネッサの美点ではあるのだが、この場合はロクでもない方向にしか機能していないわけか……
「そうなんだよねー。でも相手が言っていることが変だとは思えなくってー、あははは」
バネッサがケラケラ笑いながら答えている。結構酷いことを言われているのだが、堪えていないようだ。ある意味これが救いなのか……
「ユーリから聞いたけど、バネッサ、貴女私に用事があるんでしょ?」
「うん、そう。私、存在界への出張を止めようと思うんだよねー、いいかな?」
出張を止めるというのはそれなりに大事だと思うのだが、バネッサはこともなげに言い切った。
「……一応理由を聞くわよ?」
アイリスには心当たりがあるのか、それほど動揺した様子はない。
「私が存在界行きに志願した理由って、契約相手を探すためでしょ。でも、このまま存在界に居続けても見つからなさそうだからやり方を変えようかな、って」
バネッサは平然と話しているが、当人にとっては深刻なことのような気がする。
その証拠にアイリスは真剣な面持ちでバネッサの話を聞いている。
「やり方を変えるってどのようにするの?」
「ここで働いてみようかなって思っているけど……ダメかな?」
「ここで? 相談員になるつもり?」
「そっちじゃなくって、カフェの方」
「カフェ? それは責任者に話を聞かないと。ユーリ、ちょっといい?」
アイリスが厨房に向かって声を張り上げた。
てっきり私もアイリス同様、相談員になることを望んでいるのかと思ったら違っていた。
バネッサが望んでいるのは、カフェの「ケルークス」の店員になることだったのだ。
ふと、あることが気になって私はバネッサに確認した。
「違っていたら申し訳ないけど。バネッサ、もしかして『揺らぎ』が気になるのか?」
「わかっちゃった? そうなんだよね。アーベルは『揺らぎ』が見えるのだっけ?」
「いや、まだ見ていないが……」
「だったら見ちゃって構わないよ。どんな感じに見える?」
「そうか……」
バネッサに聞かれて、私は一瞬躊躇しながらも彼女の「揺らぎ」の状態を見た。
「……すぐに溢壊するようなことはないと思う。ただ、ぱっと見で『揺らいで』いるのがわかるから油断はできそうもないな……」
「そんな感じなんだね。この状態で存在界にいるとかえって『揺らぎ』が大きくなりそうだから潮時だとは思うんだよねー」
バネッサの声は明るい。だが、心中はそうではないのだと思う。「揺らぎ」がその証拠だ。
存在界で存在を維持できなくなって強制送還を繰り返しているうちに「揺らぎ」が大きくなってきたのだろうか。
「バネッサ、うちの仕事をしたいの? 厨房とホールがあるけど、能力のことを考えると厨房かなぁ……」
ユーリが厨房から出てきてバネッサに尋ねた。
「あら、こっちならその心配は要らないわよ。精霊や魂霊にはほとんど影響しないから」
アイリスが横からツッコんだ。それならホールを担当させても問題なさそうだ。
「来店しているお客さんを狙いたいからホールがやりたいんだけどなー。アイリスの言う通り精霊や魂霊のお客さんには影響ないから大丈夫だと思うよー」
「それならいいけど……」
ユーリが疑わし気な表情をしていたが、アイリスが大丈夫と答えたので表情をもとに戻した。
「コホン、私としては仕事さえきちんとしてくれれば契約相手を探すことは止めないから。相談所併設のカフェとして契約は歓迎、だし」
「じゃあ決まりだねー。アイリス、という訳で私は明日からカフェに異動するから」
「そう、わかったわ」
アイリスはあっさりとバネッサの異動を受け入れた。
恐らく、彼女もバネッサの「揺らぎ」を気にしたのだと思う。
「バネッサ、明日からでいいのね? 人数が足りないのはホールの方だから、ホールを中心に厨房のサポートもお願いするわ」
「はーい」
ユーリの指示にバネッサが素直に応じた。
カフェの方も人手 (正確には精霊手、か)不足気味ではあるからバネッサの加入は彼女自身と「ケルークス」の双方にメリットがあるはずだ。
存在界への出張メンバーは減ってしまうが、そのあたりはアイリスが上手く対処するだろう。
バネッサが住処へと引き揚げた後、アイリスが指定席に私とユーリを呼んだ。
「バネッサは帰ったわね? ならいいわね。ユーリ、アーベル、さっきの話を聞いたから念のために言っておくけど……」
「「??」」
何かマズいことをしたのだろうかと、私とユーリは顔を見合わせた。
「バネッサは素直で裏表のないコだから、今までの問題児という見方はしないように気をつけてね」
アイリスからの意外な忠告に、私とユーリは驚きで口をポカンとあけてしまった。
「お客に色目を使ったり、相手探しに没頭して仕事が疎かになることは無いと思うから、その点は安心なさい」
アイリスの説明によれば、バネッサは人間のレベルだと度を越して素直で人 (精霊)が好いだけなのだそうだ。精霊には比較的多くいるタイプらしい。
それが人間相手だと、持っている能力のこともあってトラブルメーカーになっていたが、精霊や魂霊相手ではそのようなことにはならないだろう、とのことであった。
「わかったわ。別にバネッサを区別するつもりはないし、他のメンバーと同じ様に扱うから、心配しないで」
ユーリはアイリスの説明に納得したようだ。
バネッサの決断が良い結果を生むことを期待したい。
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