俊輔くんと葵くんの甘々な日常

海花

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エイプリルフール

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「エイプリールフールのイベント!?」
チーフの上野千尋が声をあげた。
狭いスタッフルームに皆集まっている。
日曜のオープン前に開かれる月に1度のミーティングだ。
ここでバイトを初めて2年以上。
クリスマスやハロウィンのイベントはあったけど、エイプリールフールのイベントなんて初めてだな…。
「そう。出勤の人はちゃんと参加してね」
藤井がにこやかに圧をかける……。
――4月1日…俺出勤だ……。
「何するんですか?」
碓氷京香が少し手を挙げて質問する。
藤井は嬉しそうににっこり笑うと
「女の子には男装。男の子には女装してもらいます」
――……女装!?……マジかよ……
俺以外も感想は同じだったらしく、スタッフルームがザワつく。
女の人達はちょっと違って喜んだりしてる声も聞こえる…。
……まぁ…女装よかは……男装のが見れるわな……
「当日の制服はこっちで用意するから、必ず試着してね」
藤井が言うと
「藤井さんも女装するんですか?」
女性スタッフから質問される。
「もちろんするよ」
いつもの笑顔で「当然だけど、チーフにもしてもらいます」
女性陣がザワつく中、そう言った。
「はぁ!?──私もするんですか!?」
「当たり前です」
「……この企画……誰が考えたんですか?」
千尋が藤井を睨む。
「本店からのお達し。この間の責任者会議で決まりました」
藤井は有無を言わさない笑顔で答えた……。

「あれ、絶対藤井さんの企画だぜ」
帰り道、1つ上の先輩の上原が嬉しそうに笑いながら俺に言う。「あの人お祭り騒ぎ大好きだからな」
確かに……。
「葵、出勤だろ?俺休みー!」
「…………」
俺は上原を軽く睨みつける。
上原はケラケラ笑うと
「そう怒るなって!」
俺の肩を叩いた。「祭り気分で楽しめよ」
他人事だと思って……。
――絶対、俊にだけはバレないようにしなきゃ――……
……バレたら絶対笑いに来る!!……
俺は上原と別れると、ため息をつきながら家路についた……。

「お疲れ様です」
スタッフルームに入りテーブルの上に荷物を置く。
少し離れたイスに知らない女の人が座っている……。
制服を着ているから、店のスタッフには違いない……。
その人は俺と目が合うとにっこり笑って会釈した。
――めちゃくちゃ美人だ――…
俺は照れながら一応「お疲れ様です…」と声を掛けた。
その美人が立ち上がると俺に向かって近付いてくる……。
――スタイルもめちゃくちゃいい――!!
「――え!?……え!?」
息がかかりそうな程近付かれて、俺は間の抜けた声を上げる。
「お疲れ様。葵くん」
聞き慣れた声に
「――藤井さん!?」
またまた間の抜けた声を上げてしまう。
美人がにっこりと微笑む。
――……藤井さん……だ……。
「衣装、届いてるから葵くんも着てみてね」
美人が優しく微笑んで…
思わず顔が赤くなる――……。
「おいおい…何やってるのかね?直斗くん」
またまた聞き覚えのある声がして振り返った。
「葵くんー!!久しぶりー!!」
同時に抱きつかれる。「直斗はすぐ葵くんにちょっかい出さないの!」
「り…莉央さん!?」
俺の顔が余計赤くなる。
「莉央にみんなのメイクを頼んでね。今日はただの試着だったんだけど、暇だからって…」
藤井が「自分の彼女」がここにいる理由を説明する。
「今、千尋ちゃんも着替え中。葵くん!会いたかったぁ…」
今にもキスされそうな勢いに思わず仰け反ってしまう。
「こらこら、葵くん困ってるよ。離れてあげなさい」
藤井が呆れて笑っている。
莉央は「えー…」と言いながらも離れてくれた…。
莉央が藤井の元に戻りウィッグの前髪をなおしている。
女性した藤井と莉央が並んでいる姿に圧巻される……。
ファッション雑誌から抜け出してきたみたいだ――……。
その時「カチャ」とドアが開き、おずおずと男装した千尋が入ってくる。
3人の目がいきなり向けられ千尋が焦った。
「葵くん!?」
俺が出勤してると思わなかったらしく、千尋の声が上ずる。
「あ……お疲れ様です……」
男装を嫌がっていた千尋に、俺は色んな意味を込めて言った……。
「やだー!!千尋ちゃん可愛い!!高校生みたい!」
莉央が嬉しそうに千尋に走りよる。
確かに…高校生みたいで思わず笑顔になった俺に
「――葵くん…、今笑ったでしょ?」
千尋の圧がかかる…。
「え!?笑ってないっすよ!可愛くて『微笑んだ』んです!」
この店で一番恐い存在に思わずビビる…。
千尋はため息をつきながら
「このメンバーの中にいるの……嫌なんですけど…」
そう言った。

「コレでよし!」
莉央が満足気に俺から離れて鏡を渡してくれる。
机の上に大きなメイクボックスから、俺には分からない物ばかり出され並んでいる。
「やっぱり!葵くんが一番似合うと思ってたあ!!」
何故か俺だけシルバーのウィッグが用意されていて「はあ!?」って思ったけど…
鏡の中には全くの別人がいた――
……何か…ちょっと…可愛く見えるんじゃない……?とか――
「……お前…『その道』で食ってけば?…マジ…ヤバイぞ……?」
同じバイトの内山がなんとも言えない表情で言った。
「お疲れーっす」
その時、軽い挨拶で上原が入ってきて、俺と目が合って止まる。
数秒間止まったあと内山の元に行くと
「…あれ誰?」
と小声で聞いている。
……聞こえてますけどね……
口を開こうとした俺に内山が「喋るな」と目配せする。
「今日から来た新人さんだって…」
内山も小声で答えた。
上原が俺に視線を戻し、少し赤くなった顔でペコっ会釈すると、内山を連れて部屋の端に行き何やら話している…。
その内…内山が堪えきれずゲラゲラ笑いだした。
「なっ!なんだよ!」
上原が突然の内山の奇行に驚いている。
笑いながら俺の元にくると
「めちゃくちゃ可愛いって!バイト増やそうかな…って言ってんぞ。…葵!」
そう言って俺の肩を叩いた。
「――!?――葵!?」
上原が再び俺に目を向ける。
「お疲れ様です」
いつもの声で俺がニヤリと笑うと
「――!!お前ら……ふざけんなぁ!」
上原がかがみ込んで頭を抱えた。「マジで…好みだったのにぃ…」
莉央はその様子を見てくすくす笑っている。
「葵くん…どう?」
すっかり化粧も落として普段通りの藤井がわざわざ俺を見に店内から戻ってきた。
「もう!バッチリ!」
莉央が俺を立たせて藤井に向かせる。
藤井の目が一瞬大きく見開かれて動きが止まった。
「――…すごく…キレイだよ――」
藤井が笑顔でそう言うと

――俺の心臓が「トクン」と鳴った――…

頭の中に昔の映像が蘇り……
慌てて消した――……
「あとは当日だね。さあ!みんな仕事するよ」
藤井が俺から視線を外すと笑って店に戻って行った…。

今年のエイプリールフールは土曜と重なったせいもあってかオープンからめちゃくちゃ混んだ。
常連客もいつもと違うスタッフに驚いたり、写真を撮ったり楽しんでくれている様だ。
しかし…当日は何故か俺だけ『猫耳』を付けさせられた…。
自分の耳を隠すためにわざわざ横に垂らした長い髪が邪魔くさいことこの上なくて、少しイラつきながら
「それにしても…混みすぎじゃないですか?」
オーダーを作りながら俺が千尋に声を掛けた。
イベントのお知らせはホームページと店内に貼られたチラシだけなのに……。
「メンバーカード持ってる人にはDM送ってるからね」
千尋もオーダーを作りながら答えた。「うちの店今一番売上あるから…常連客も多いし…」
そうゆうことか…。
通りで……久々に見る客も多いわけだ…。
「あ!葵くんカウンターお願い」
言われて慌ててカウンターに戻る。
「いらっしゃいませ。ご注文お決まりですか?」
笑顔で客に目をやると……
――!?……俊――!?
――なんで!?……言ってなかったのに!!
焦りまくる俺に気付かない様子でメニュー表を見ている。
「……えっと…ブラックコーヒーと…ココアラテ、1つづつ」
財布を取り出し「あ、アイスで」
と付け加える。
――はあ!?ブラックは自分のだって分かるけど…ココアラテって何!?――
――誰が飲むんだよ!!――……
俺は店内をチラッと見回す。
俊の連れらしき姿は、混みすぎてて分からない……。
俺に気付いてないし、突っ込む訳にもいかず黙ったままレジに入力する…。
「913円になります。店内でお召し上がりでよろしいですか?」
そこでやっと俊と目が合う。
俊の動きが止まる……。
顔がだんだん赤くなっていく……。
――このバカ!!女装した俺に気付かず見とれてやがる!!!――
イライラマックスの俺は
「店内でお召し上がりでよろしいですか!?」
と、語尾がつい強くなる。
「え!?あ……はい……」
と、まだ見つめてくる……。
「……空いてるお席でお待ちください」
無愛想に告げて俺は背中を向けた。

――今日は指1本触れさせない!!――

「彼――来てるね」
藤井がカウンターに戻ってくると俺に耳打ちする。
「……そうっすね……」
素っ気なく答えた。
藤井はクスッと笑うと
「DM送った甲斐があったよ。僕からのささやかな意地悪…」
そう言って笑うと「ちゃんと『葵くんが』オーダー届けてあげてね」
俺の肩を叩いて仕事に戻った。
――犯人はあんたか――……
俺は藤井の後ろ姿を睨みつけた。

「お待たせしました」
俺は俊の前にコーヒーとココアラテを置いた。
一人用の席で…もちろん1人で座っている…。
頭を下げて戻ろうとすると
「葵!」
俊が呼び止めた。
振り返る俺に「コレ」とココアラテを差し出す。
「お前…忙しいと水分も取らないって前言ってたろ?ちゃんと飲みながら仕事しろな」
俺は…黙ったまま受け取った。
「しかも…イライラしてたろ?」
俊がニヤっと笑う。
「――…気付いてたんだ……」
「は?当たり前じゃん。気付かない訳ないだろ」
と、笑うから――……
「――……そっか……」

──……ちょっと嬉しくなる……

「可愛くてびっくりした」
笑いながら「でも俺は…いつもの葵のが好きだけどな……」
なんて言ってきて……

ちょっと本当に嬉しくて――……
――顔が赤くなるのが分かる…………

「ありがとう…」
俺はそう言ってカウンターに戻った。


クタクタになって家に着くと、俺の大好きなオムレツが作ってあって…。
――今日はいっぱいキスをしてやろ……
俺は終始幸せな気分で過ごした。
シャワーから出てくると、先にシャワーを浴びていた俊がキッチンで片付けをしている。
「俊!ベット行こー」
俺の言葉に
「これ終わったらすぐ行くから…さき行ってろよ」
と笑顔を向ける。
俊の部屋へ行くと微妙な違和感に気付く…。
あの几帳面な俊のクローゼットが少し開いている…。
開けようとすると、何かが突っかかってて上手く開かない。
俺は手を突っ込み、突っかかっている物を取り出した。

部屋のドアが開き俊が入ってくる。
ベットに座る俺に「お待たせ」と微笑んで抱きしめ優しく押し倒す――
いつものように何度もキスをする。
激しく舌を絡め、俊がゆっくりと俺の首筋へとキスをする。
「――俊?」
「――……ん…?」
俺は隠しておいた「突っかかっていた物」を俊と俺の間に入れた――……。
――頭につける『猫耳』――……
「……これ……なに?」
俺は冷たく言い放つ。
俊の顔色が変わる……。
「……あ……いや…これは……」
焦ってしどろもどろになっている。
「――お前……いつもの俺のが好きだって言ったよな!?」
俺が睨みつけると
「――もちろんそうだよ!……だけと…なんて言うか……今日の葵も……可愛かったから……だから……」
本気で怒ってる訳じゃない。
けど…ちょっと面白くないし――
焦る俊が可愛くて――……
今日はちょっと意地悪をしようと決めた。
「――俊、座って」
「………………はい……」
俊が起き上がってベットに正座して
『しゅん』としている――……。

――俊だけに――なんてな……。



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