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藤井と千尋
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「葵くん!上がって!」
チーフの千尋が通りざま声をかける。
バイトの終了時間をとっくに過ぎている。
今日はとにかく混んだ。
その上少し前にイレギュラーなことが起こり、相当バタついたが9時半を過ぎるとやっと落ち着いてきた。
「ごめんね。遅くなっちゃって…帰りに好きなラテ作って持って帰っていいからね!」
「マジすか!?」
葵が目を輝かせる。
「マジっす」
千尋が葵の口真似をして笑う。「クリーム好きなだけ入れていいから」
そう言うと客に呼ばれて千尋はホールへ急いで向かった。
葵はご機嫌で大好きなココアラテを作りこれでもかとクリームを乗せ、スタッフルームへと入っていった。
「お疲れ様」
イスに座った藤井が笑顔で言った後、顔を歪ませた。
「大丈夫ですか?……腰…」
心配そうな葵に「ははは…」と笑った。
葵が更衣室で着替えを済ませスタッフルームへ戻ると
「だから昨日あんなに言ったじゃないですか!!」
藤井が千尋に怒られている。
葵は困ったように様子を窺った。
「そんなに怒らないで。ほら、葵くんも困ってるよ?」
藤井が困ったような笑顔で葵を見る。
『少し前に起こったイレギュラー』の元に千尋が怒り続ける。
1時間程前、藤井が腰の痛みに耐えられなくなって動けなくなったのだ。
「またそんなヘラヘラして!歩夢くんに直接言いますよ!?」
「…それはちょっと…。あの子ナイーブだから…」
藤井が本気で困っている。
「なら!藤井さんがちゃんとして下さい!」
「はい…」
こんなに怒っている千尋も、シュンとした藤井も初めて見た。
焦った葵が
「すみません!俺も急に休んじゃったから…」
頭を下げた。
それを見た千尋が
「やだ!葵くんは関係ないから!」
今までとは全然違う優しい声で「私達は社員なんだから葵くん達のフォローするのは当たり前なんだよ?それにこの人の腰は仕事じゃなくてプライベートでやってるからね!葵くんが気にする事は微塵もないんだからね!」
藤井の腰のくだりだけ口調が強くなっている。
「すみません…」
藤井が相変わらずシュンとして謝る。
話の流れに葵は何となく顔が赤くなる。
夕方ホールで女性客が藤井の首筋についたキスマークについて騒いでいたし、葵に「藤井は彼女がいるのか」聞いてきた客もいた。
「タクシー呼んでありますから、来たら帰ってください!明日の休みこそゆっくり休んでくださいね!!」
「あ!俺送っていきますよ!…藤井さん一人で立つのも無理っぽいし…」
葵の提案に
「大丈夫だよ。一人で帰れるから」
藤井が笑顔を向けるが
「またそんな強がり言って!葵くん、悪いけどお願いできる?…私抜けられないし。部屋まで連れてってベットに置いたら帰っていいから」
「……置いたらって…」
藤井の独り言に千尋が睨む。
「わかりました」
葵が笑いながら返事をした。
千尋が「お礼に今度美味しいもの奢って貰いなね!」とホールへ戻っていくと
「ごめんね。迷惑掛けて…」
藤井が申し訳なさそうに謝る。
「全然ですよ!俺のが迷惑かけてるし…」
「そんなことは無いよ」
藤井が笑顔を向ける。「それにつけても…千尋くん…相変わらず怒ると恐いな…」
藤井の言葉に葵は思わず笑った。
チーフの千尋が通りざま声をかける。
バイトの終了時間をとっくに過ぎている。
今日はとにかく混んだ。
その上少し前にイレギュラーなことが起こり、相当バタついたが9時半を過ぎるとやっと落ち着いてきた。
「ごめんね。遅くなっちゃって…帰りに好きなラテ作って持って帰っていいからね!」
「マジすか!?」
葵が目を輝かせる。
「マジっす」
千尋が葵の口真似をして笑う。「クリーム好きなだけ入れていいから」
そう言うと客に呼ばれて千尋はホールへ急いで向かった。
葵はご機嫌で大好きなココアラテを作りこれでもかとクリームを乗せ、スタッフルームへと入っていった。
「お疲れ様」
イスに座った藤井が笑顔で言った後、顔を歪ませた。
「大丈夫ですか?……腰…」
心配そうな葵に「ははは…」と笑った。
葵が更衣室で着替えを済ませスタッフルームへ戻ると
「だから昨日あんなに言ったじゃないですか!!」
藤井が千尋に怒られている。
葵は困ったように様子を窺った。
「そんなに怒らないで。ほら、葵くんも困ってるよ?」
藤井が困ったような笑顔で葵を見る。
『少し前に起こったイレギュラー』の元に千尋が怒り続ける。
1時間程前、藤井が腰の痛みに耐えられなくなって動けなくなったのだ。
「またそんなヘラヘラして!歩夢くんに直接言いますよ!?」
「…それはちょっと…。あの子ナイーブだから…」
藤井が本気で困っている。
「なら!藤井さんがちゃんとして下さい!」
「はい…」
こんなに怒っている千尋も、シュンとした藤井も初めて見た。
焦った葵が
「すみません!俺も急に休んじゃったから…」
頭を下げた。
それを見た千尋が
「やだ!葵くんは関係ないから!」
今までとは全然違う優しい声で「私達は社員なんだから葵くん達のフォローするのは当たり前なんだよ?それにこの人の腰は仕事じゃなくてプライベートでやってるからね!葵くんが気にする事は微塵もないんだからね!」
藤井の腰のくだりだけ口調が強くなっている。
「すみません…」
藤井が相変わらずシュンとして謝る。
話の流れに葵は何となく顔が赤くなる。
夕方ホールで女性客が藤井の首筋についたキスマークについて騒いでいたし、葵に「藤井は彼女がいるのか」聞いてきた客もいた。
「タクシー呼んでありますから、来たら帰ってください!明日の休みこそゆっくり休んでくださいね!!」
「あ!俺送っていきますよ!…藤井さん一人で立つのも無理っぽいし…」
葵の提案に
「大丈夫だよ。一人で帰れるから」
藤井が笑顔を向けるが
「またそんな強がり言って!葵くん、悪いけどお願いできる?…私抜けられないし。部屋まで連れてってベットに置いたら帰っていいから」
「……置いたらって…」
藤井の独り言に千尋が睨む。
「わかりました」
葵が笑いながら返事をした。
千尋が「お礼に今度美味しいもの奢って貰いなね!」とホールへ戻っていくと
「ごめんね。迷惑掛けて…」
藤井が申し訳なさそうに謝る。
「全然ですよ!俺のが迷惑かけてるし…」
「そんなことは無いよ」
藤井が笑顔を向ける。「それにつけても…千尋くん…相変わらず怒ると恐いな…」
藤井の言葉に葵は思わず笑った。
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