君の手の温もりが…

海花

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結衣の決心

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お茶を飲んで乾いた口を潤す。
お互い緊張しているのが判る…。
「……あんな姿見てからも…好きだって言ってくれてありがとう……。本当嬉しかった…」
俊輔がゆっくりと話し始める。
「結衣を好きになれたらきっと、楽しいだろうなって思う……。毎日一緒に勉強して…ふざけ合って……。けど……」
俊輔が机に視線を落としたまま、軽く深呼吸する。
「けど……好きな人がいるんだ……」
結衣も机の上の課題を見つめている。
「本当にごめん……」
「謝らないでよ」
結衣が笑って俊輔を見る。
「……仕方ない…よね…。好きな人がいるんじゃさ…」
「……ごめん…」
「もう!本当に謝らないでよ!」
結衣が俊輔の肩を叩く。

テンションあげてないと……
────泣きそう…………。

「告白は?しないの?その人に…」
結衣がニッと笑う。
「しない。完全な片思いだから……」
俊輔も困ったように笑顔を向ける。
「何で!?俊輔なら大丈夫だよ!自分で思ってるより全然モテるからね!?」
「…………無理なんだ……。絶対……」
結衣の笑顔が消える…。
「……なんで…無理なの…?」
「…………」

なんでか……分かる……俊輔の…好きな人……

「……────葵が……好きなの?」
俊輔の目が一瞬見開かれ、すぐさま視線を逸らした…。

……葵の気持ちを聞いてから……
───嫌な予感しかなかった…………。

「……なんだかな……」
結衣がボソッと呟く。

──両思いじゃん…………

「……何で無理なの?」
結衣が溜息をついた。
「──!?…なんでって……葵は…弟だし…」
慌てる俊輔に苦笑いしてしまう。

だって……実は両思いとか……。
──少女マンガか……

「そうだけどさっ!好きなんだから告白すればいいじゃん…」
「は!?言えるわけないだろ!」
そう言って俊輔が赤くなっている。

なんだか……アホくさい……。
気持ちは解るけど……。
あなた達両思いですよ?

「もう言っちゃいなよ…。案外大丈夫だと思うけど?」

───私…何やってんだろ……。
お人好しにも程があるんじゃない!?

急に俊輔が俯いて
「無理だから。本当に……」
「でもね?そんなの言って……」
「葵……付き合ってる人いるから……」
結衣の言葉を俊輔が遮った。
「好きなんだって……。俺はあいつにとって、ただの兄貴だから…。当たり前だけどさ……」
俊輔が自嘲気味に笑う。
「……嘘でしょ?俊輔の勘違いとか……」
頭が混乱する。
あの日確かに葵は「一人の男として俊を愛してる」と、私に告げた……。

───なに……?それ……?

「……嘘でもないし、勘違いでもない……仕方ないよな…葵も年頃だしさ」
俊輔が無理に笑う。
頭がカッとなる。

私に「俊を守れるのは俺だけ」とか言っておきながら……。

「私……俊輔のこと諦めないから!私が……葵のことなんか忘れさせるから!」
「……結衣…?」
俊輔が驚いた様に結衣を見つめる。
「俊輔は……───私が守ります!!」
そう言って結衣は俊輔にキスをした。
結衣にとって初めてのキスだ…。
「ゆ……結衣!?」
慌てている俊輔を結衣は強く抱きしめる。
「絶対…葵なんか……忘れさせるから!」
結衣の瞳から涙が溢れた。
ただ悔しくて……。
俊輔を傷つけた葵が許せなかった……。

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