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エレベーター
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「車なんて珍しいですね」
助手席に乗り込むなり葵が藤井に話しかける。
「少し出てたから…。仕事じゃなかったからね」
そう言いながらさっきのココアラテを差し出して
「少し溶けちゃったけど……ごめんね」
と済まなそうな声で謝った。
「ありがとうございます」
葵は嬉しそうに受け取った。
何より気持ちが嬉しかったし……
何だか…今日はいつもとは違う藤井が見れた様な気がして、くすぐったくなる。
──俺…この人が好きなんだろうな……。
もちろん……俊輔を思えば今でも苦しくなるし、葵の中の特別な場所を退くことなんて有り得ない。
それでも藤井の優しさや愛情が心地よくて、葵もそれに応えたいと思った。
クリームを頬張りながら運転する藤井の横顔に目をやる。
やっぱり…少し不安そうに見える……。
──何かあったのかな……。
マンションに着くとエレベーターが上に行ったばかりの様で階層を表示するランプが次々に数字を変える。
葵はチラッと周りを確認すると、珍しくずっと黙ったままの藤井の手をそっと握った。
「───!?」
藤井が驚いた様に葵を振り返った……。
「あー……嫌ですか?」
──そりゃそうだよな。自分のマンションで誰に会うか分からないもんな……。
葵が手を離そうとすると、藤井が強く握り返した。
「……嫌なわけないよ…。ただ……どうして突然手を繋いだのかと思っただけ……」
藤井が葵に微笑む……。
しかし、葵の目にはその笑顔もやっぱり切なそうで……不安気に映る。
「……なんか…藤井さんが……」
葵はそこで言葉を切った。
その先を言うのが…何だかおこがましい様な気がしたからだ。
「…………俺が……?」
藤井に促され、少し困った様に笑うと
「あー…………何となく……不安そうに見えたから……」
告げた瞬間、エレベーターの扉が開いた。
しばらく葵を見つめていた藤井が手を引いてエレベーターに入り6階のボタンを押す。
扉が閉まるが早いか藤井が葵を抱きしめた。
助手席に乗り込むなり葵が藤井に話しかける。
「少し出てたから…。仕事じゃなかったからね」
そう言いながらさっきのココアラテを差し出して
「少し溶けちゃったけど……ごめんね」
と済まなそうな声で謝った。
「ありがとうございます」
葵は嬉しそうに受け取った。
何より気持ちが嬉しかったし……
何だか…今日はいつもとは違う藤井が見れた様な気がして、くすぐったくなる。
──俺…この人が好きなんだろうな……。
もちろん……俊輔を思えば今でも苦しくなるし、葵の中の特別な場所を退くことなんて有り得ない。
それでも藤井の優しさや愛情が心地よくて、葵もそれに応えたいと思った。
クリームを頬張りながら運転する藤井の横顔に目をやる。
やっぱり…少し不安そうに見える……。
──何かあったのかな……。
マンションに着くとエレベーターが上に行ったばかりの様で階層を表示するランプが次々に数字を変える。
葵はチラッと周りを確認すると、珍しくずっと黙ったままの藤井の手をそっと握った。
「───!?」
藤井が驚いた様に葵を振り返った……。
「あー……嫌ですか?」
──そりゃそうだよな。自分のマンションで誰に会うか分からないもんな……。
葵が手を離そうとすると、藤井が強く握り返した。
「……嫌なわけないよ…。ただ……どうして突然手を繋いだのかと思っただけ……」
藤井が葵に微笑む……。
しかし、葵の目にはその笑顔もやっぱり切なそうで……不安気に映る。
「……なんか…藤井さんが……」
葵はそこで言葉を切った。
その先を言うのが…何だかおこがましい様な気がしたからだ。
「…………俺が……?」
藤井に促され、少し困った様に笑うと
「あー…………何となく……不安そうに見えたから……」
告げた瞬間、エレベーターの扉が開いた。
しばらく葵を見つめていた藤井が手を引いてエレベーターに入り6階のボタンを押す。
扉が閉まるが早いか藤井が葵を抱きしめた。
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