116 / 160
薫 4
しおりを挟む
───どうしよう……。葵も帰ってこないし……。
「そろそろ送ってくよ」
俊輔が結衣に笑顔を向ける。
「もう少し……」
それを結衣が上目遣いで見つめる。
こんなやり取りが何回かつづいていた。
俊輔が薫の家に行くのをどうにか阻止出来ないか考えているが、結局何も出来ず時間だけが過ぎていた。
「結衣……」
俊輔が呆れた様にため息をつく。
「さっきから何回も繰り返してるよ?」
「だって……」
──バカ葵帰って来ないんだもん!……
「あ……ねぇ!葵の番号教えて!」
──そうじゃん!電話すればいいんじゃない!
「…………なんで?」
俊輔が怪しむように目を細める。
「俺が薫んとこ行くって言うつもりだろ……?」
結衣がとぼける様に目をそらすと、さすがに少し怒ったように
「いい加減にしようよ……。本当に結衣も葵も変だよ。男友達の家に泊まりに行くのに、そんな……変な心配する奴いないよ!?」
軽く睨みつけた。
「でも……望月くん…俊輔に告白したんでしょ……?」
「──そうだけどっ……」
二人して黙り込む。
「…………送ってくよ」
しばらくの沈黙の後俊輔が立ち上がった。
「明日また連絡するから」
日が傾いたいつも送っていく公園で結衣は俊輔のシャツを掴んだまま離さないで立っている。
「……葵の番号教えて……」
今日何度目か分からないため息を俊輔がつく。
「分かった!今日またラインするから!ラインが来てるうちは何も無いってことでいいでしょ?……それに一応言うけど……葵がスマホ持った時、結衣にはちゃんと教えてあるからね」
俊輔が困ったように笑った。
「本当に…?絶対…?」
「約束する。俺……約束は守るでしょ?」
結衣がやっとシャツを離した。
───結衣がこんなに心配性だと思わなかった……。
「望月くんちって……確かここからそんなに遠くないよね?」
小学校の時一度だけ休みの薫にプリントを届けに行った記憶がある。
とにかく大きな家で驚いた記憶が蘇る。
「ここからすぐだよ。ちょっと先の三叉路曲がって少し行くとあるから。まあ……今は片山って表札だけどね」
「そうなの?」
「中学の時親が離婚したって言ってた。ま、とにかく心配ないからさ」
俊輔は安心させるように結衣の頭を撫でると
「ちゃんとラインするよ」
手を振って歩き出した。
結衣は心配そうにしばらく俊輔の後姿を見送っていたが
「葵の番号……探しださなくゃ……」
そう呟き家へと帰って行った。
「そろそろ送ってくよ」
俊輔が結衣に笑顔を向ける。
「もう少し……」
それを結衣が上目遣いで見つめる。
こんなやり取りが何回かつづいていた。
俊輔が薫の家に行くのをどうにか阻止出来ないか考えているが、結局何も出来ず時間だけが過ぎていた。
「結衣……」
俊輔が呆れた様にため息をつく。
「さっきから何回も繰り返してるよ?」
「だって……」
──バカ葵帰って来ないんだもん!……
「あ……ねぇ!葵の番号教えて!」
──そうじゃん!電話すればいいんじゃない!
「…………なんで?」
俊輔が怪しむように目を細める。
「俺が薫んとこ行くって言うつもりだろ……?」
結衣がとぼける様に目をそらすと、さすがに少し怒ったように
「いい加減にしようよ……。本当に結衣も葵も変だよ。男友達の家に泊まりに行くのに、そんな……変な心配する奴いないよ!?」
軽く睨みつけた。
「でも……望月くん…俊輔に告白したんでしょ……?」
「──そうだけどっ……」
二人して黙り込む。
「…………送ってくよ」
しばらくの沈黙の後俊輔が立ち上がった。
「明日また連絡するから」
日が傾いたいつも送っていく公園で結衣は俊輔のシャツを掴んだまま離さないで立っている。
「……葵の番号教えて……」
今日何度目か分からないため息を俊輔がつく。
「分かった!今日またラインするから!ラインが来てるうちは何も無いってことでいいでしょ?……それに一応言うけど……葵がスマホ持った時、結衣にはちゃんと教えてあるからね」
俊輔が困ったように笑った。
「本当に…?絶対…?」
「約束する。俺……約束は守るでしょ?」
結衣がやっとシャツを離した。
───結衣がこんなに心配性だと思わなかった……。
「望月くんちって……確かここからそんなに遠くないよね?」
小学校の時一度だけ休みの薫にプリントを届けに行った記憶がある。
とにかく大きな家で驚いた記憶が蘇る。
「ここからすぐだよ。ちょっと先の三叉路曲がって少し行くとあるから。まあ……今は片山って表札だけどね」
「そうなの?」
「中学の時親が離婚したって言ってた。ま、とにかく心配ないからさ」
俊輔は安心させるように結衣の頭を撫でると
「ちゃんとラインするよ」
手を振って歩き出した。
結衣は心配そうにしばらく俊輔の後姿を見送っていたが
「葵の番号……探しださなくゃ……」
そう呟き家へと帰って行った。
0
あなたにおすすめの小説
守り守られ
ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師
患者 瀬咲朔
腸疾患・排泄障害・下肢不自由
看護師
ベテラン山添さん
準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん
木島 尚久 真幌の恋人同棲中
告白ごっこ
みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。
ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。
更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。
テンプレの罰ゲーム告白ものです。
表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました!
ムーンライトノベルズでも同時公開。
うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。
春雨
BL
前世を思い出した俺。
外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。
愛が重すぎて俺どうすればいい??
もう不良になっちゃおうか!
少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。
初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫です。
※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。
もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。
なるべく全ての感想に返信させていただいてます。
感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます!
ビッチです!誤解しないでください!
モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃
「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」
「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」
「大丈夫か?あんな噂気にするな」
「晃ほど清純な男はいないというのに」
「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」
噂じゃなくて事実ですけど!!!??
俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生……
魔性の男で申し訳ない笑
めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる