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薬
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家に帰ってきて既に一時間以上過ぎている。
全ての引き出しの中身をひっくり返し、鞄の中身も片っ端から出したが見つからない。
──葵がスマホを持ったのが高校入学と同時だったからまだ半年も経ってないのに!
俊輔に言われて確かに紙に書いて貰ったのを思い出した。しかし、その時既に犬猿の仲で受け取りはしたが登録はしなかった。
───だって葵に連絡する事があるなんて思わなかったもん!
結衣の部屋は足の踏み場もない程になっている。
───誰か……葵の連絡先知ってる人……
考えるが思いつかない。葵が親しい友達にしか教えないのもあるし、そこは年齢も性別も違うだけに共通の友人もいない。プールに一緒に行ったあずみにも確認したが結局連絡先は聞けていないと言っていた。
焦れば焦る程時間が経つのが早く思える。
──どうしよう……。
結衣が泣きそうになりながら座り込む。するとスマホが鳴り出し俊輔からのラインが表示された。
───……とりあえず探そう!
結衣は立ち上がり再び小さなメモを探し出した。
「結構……びびった」
部屋の明かりをリモコンで付けながら薫がボソッと呟くと
「ね……。俺も……」
俊輔も苦笑いを返した。
俊輔が来てから既に1本、ホラー映画を見終わっていた。ずっと気なっていてまだ観ていないから…と、俊輔が選んだ実在した心霊研究家の夫婦の映画だ。
二人は食事を摂るのもそこそこに見入っていた。
「次は俺の選んだヤツね」
既に冷めきったハンバーガーを口にしながら、薫が選ぶ為にご機嫌にタブレットをいじり出す。
───あ……イケね……結衣に連絡しなきゃ……。
俊輔がスマホを取り出し結衣にスタンプを送る。映画を観ながらも送ってこれで既に二度目だ。怠れば心配した結衣がここまで訪れかねない。
「───弟?」
タブレットを操作しながら薫が横目で見ている。
目が合った瞬間スマホを持っていた俊輔の手が一瞬ビクッと震えた。
「え………いや……結衣…」
薫の目がいつもと違った気がして、正体の知れない違和感に気持ちが焦り出す。再びタブレットを操作する薫からはもう違和感が感じられなくなっていて、その『違い』の正体が分からない。
「結衣、まだ課題終わってなくて…。時々聞いてくるからその返信」
聞かれてもいないのに言い訳をしている自分に気付く。
連絡をしている理由のせいか…さっきの違和感のせいか……、黙っている事が居心地が悪く感じる。薫の家でそう感じるのは初めてだった。
「あ、これどう?……かなり古いけど観たことかる?」
「どれ?」
俊輔がタブレットを覗き込む。
話が変わった事にホッとしていた。それでもまだ鼓動が少し早くなっている。
「多分、観たことない。それにしよう」
俊輔が笑顔で答え、大して食べたくもない冷めきったポテトを口に運ぶ。
とにかく部屋の空気を、自分に纒わり付く違和感をどうにかしたかった。
「あ……そうだ……」
薫が突然立ち上がり机の引き出しから小さい瓶を取り出し、中から錠剤を取り出すと俊輔に一錠差し出した。
「なに?これ?」
俊輔が指で持ち眺めてから薫に視線を戻し首を傾げた。
「海外の総合ビタミン剤。俺野菜嫌いだからサプリで摂るんだよね」
そう言って薫が口に入れる。
「舌下薬だから舐めてればいいよ」
「ふぅーん。俺は別に野菜好きだけどね」
そう言って笑うと俊輔も口に含む。
「……酸っぱいのかと思ったら…味しないんだね」
俊輔が味わっているらしく感想を述べる。普段薬を飲みつけているだけあって薬に対しての抵抗感はあまり無い。
「……そうかもね」
薫が俊輔に微笑み「映画観ようぜ」とタブレットを机のスタンドの上に戻し再び灯りを消した。
全ての引き出しの中身をひっくり返し、鞄の中身も片っ端から出したが見つからない。
──葵がスマホを持ったのが高校入学と同時だったからまだ半年も経ってないのに!
俊輔に言われて確かに紙に書いて貰ったのを思い出した。しかし、その時既に犬猿の仲で受け取りはしたが登録はしなかった。
───だって葵に連絡する事があるなんて思わなかったもん!
結衣の部屋は足の踏み場もない程になっている。
───誰か……葵の連絡先知ってる人……
考えるが思いつかない。葵が親しい友達にしか教えないのもあるし、そこは年齢も性別も違うだけに共通の友人もいない。プールに一緒に行ったあずみにも確認したが結局連絡先は聞けていないと言っていた。
焦れば焦る程時間が経つのが早く思える。
──どうしよう……。
結衣が泣きそうになりながら座り込む。するとスマホが鳴り出し俊輔からのラインが表示された。
───……とりあえず探そう!
結衣は立ち上がり再び小さなメモを探し出した。
「結構……びびった」
部屋の明かりをリモコンで付けながら薫がボソッと呟くと
「ね……。俺も……」
俊輔も苦笑いを返した。
俊輔が来てから既に1本、ホラー映画を見終わっていた。ずっと気なっていてまだ観ていないから…と、俊輔が選んだ実在した心霊研究家の夫婦の映画だ。
二人は食事を摂るのもそこそこに見入っていた。
「次は俺の選んだヤツね」
既に冷めきったハンバーガーを口にしながら、薫が選ぶ為にご機嫌にタブレットをいじり出す。
───あ……イケね……結衣に連絡しなきゃ……。
俊輔がスマホを取り出し結衣にスタンプを送る。映画を観ながらも送ってこれで既に二度目だ。怠れば心配した結衣がここまで訪れかねない。
「───弟?」
タブレットを操作しながら薫が横目で見ている。
目が合った瞬間スマホを持っていた俊輔の手が一瞬ビクッと震えた。
「え………いや……結衣…」
薫の目がいつもと違った気がして、正体の知れない違和感に気持ちが焦り出す。再びタブレットを操作する薫からはもう違和感が感じられなくなっていて、その『違い』の正体が分からない。
「結衣、まだ課題終わってなくて…。時々聞いてくるからその返信」
聞かれてもいないのに言い訳をしている自分に気付く。
連絡をしている理由のせいか…さっきの違和感のせいか……、黙っている事が居心地が悪く感じる。薫の家でそう感じるのは初めてだった。
「あ、これどう?……かなり古いけど観たことかる?」
「どれ?」
俊輔がタブレットを覗き込む。
話が変わった事にホッとしていた。それでもまだ鼓動が少し早くなっている。
「多分、観たことない。それにしよう」
俊輔が笑顔で答え、大して食べたくもない冷めきったポテトを口に運ぶ。
とにかく部屋の空気を、自分に纒わり付く違和感をどうにかしたかった。
「あ……そうだ……」
薫が突然立ち上がり机の引き出しから小さい瓶を取り出し、中から錠剤を取り出すと俊輔に一錠差し出した。
「なに?これ?」
俊輔が指で持ち眺めてから薫に視線を戻し首を傾げた。
「海外の総合ビタミン剤。俺野菜嫌いだからサプリで摂るんだよね」
そう言って薫が口に入れる。
「舌下薬だから舐めてればいいよ」
「ふぅーん。俺は別に野菜好きだけどね」
そう言って笑うと俊輔も口に含む。
「……酸っぱいのかと思ったら…味しないんだね」
俊輔が味わっているらしく感想を述べる。普段薬を飲みつけているだけあって薬に対しての抵抗感はあまり無い。
「……そうかもね」
薫が俊輔に微笑み「映画観ようぜ」とタブレットを机のスタンドの上に戻し再び灯りを消した。
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