パーカーの中のきみのぜんぶ

海花

文字の大きさ
4 / 4

《おまけ》日本酒禁止※性描写含みます

しおりを挟む
「しぃーのぉーぶぅー」

真っ赤っかになった顔で、先輩がおれの腕に抱きつく。

「ちゅーしようかぁー?」

嬉しそうに覗き込む潤んだ瞳に、俺は思わずゴクリと唾を飲み込んだ…………。

今日先輩は、ゼミの仲間との飲み会で少し前にやっと帰ってきたところだ……。
時刻は午前3時…………。
しかも─── 泥酔状態………………


潤んだ瞳がおれを見つめ……
本当はすぐにでもキスしたい。
押し倒したい。
先輩の──あの顔を…………。

けど───今はダメだ。

こんなに酔っ払って……飲み会で何も無かったのか、聞き出さなければならないからだ。

性欲魔人になってしまうおれは『アルコールは3杯まで』そう決められている。
しかし実は先輩も『外では日本酒は飲まない』そう約束していた。
理由はひとつ。日本酒に弱く、それを飲むことによって人が変わるから……
普段“今にも噛みつきそうな子犬”みたいな先輩が、ただの“人懐っこい可愛い子犬”のようになってしまうから。

しかも子犬のクセに発情期のおまけ付きときている……。

「しぃのぉぶぅ……ちゅうしよう?」

おれがキスしないもんだから、今度は身体に抱きつき甘えるようにねだる……

───めちゃくちゃ可愛い…………けどっ!流されたら負けだ…………

「……先輩?今日、日本酒飲みましたね……?」

つい探るような視線を向けてしまったおれから、先輩はすぐに視線を逸らした。

「………………のんでない……」

「…………飲みましたよね……?」

「…………………のんでないし…………」

飲んでなければ、それはそれで問題だ。
過去日本酒以外でこんな風になる先輩を見たことが無いからだ。

「………………誰かに……ちゅうしようって……言ってないですよね?」

「……言ってない…………ちゅうしたい……」

「…………ちゅうしたいんですか?」

「ちゅうしたい……」

「…………本当のこと言ったら、ちゅうします。日本酒飲みましたね?」

俺に抱きつき、拗ねるように見つめていた瞳が、突然涙で濡れだした……。

「───だって小林がぁー!日本酒のもうって言うからぁ……」

───あのクソ男………………

「それで───誰かにちゅうしようって言ってないですか!?」

「言ってない!!……しのぶと……ちゅうしたいって思ったから帰ってきたんだし…………」

大きな瞳からぽろぽろと涙を流す先輩が可愛くて…………。
おれは先輩を抱き上げ膝の上に乗せると、とりあえず……先輩の匂いを嗅ぐ。
首元、うなじ、腕……
瞳と頬を涙で濡らしながら「くすぐったい」そう言って笑う先輩に感じながらも……
他のヤツの匂いがしないか……入念に確かめる。

「───しのぶ…………ちゅうしよう?」

その言葉に返さず匂いを嗅ぎ続けるおれに、さすがに先輩もしびれを切らしたのか、おれの顔を両手で押さえ自分に引き寄せた。

「ちゅうッ!しぃよぉおッ!」

…………この可愛さに……勝てる奴がいたらお目にかかりたい…………

結局おれは……先輩の誘惑に勝てず、その甘えている唇を塞ぎ、我慢していた分熱い舌を求めた。
先輩も普段では考えられない程、甘く……それ以上に激しくおれの口の中を舐め回す。
そして部屋着のズボンからおれの昂りきったそれを出すと、手で扱き始めた。

「…………待っ……て…………光流…………」

いつもとは逆転した立ち位置が、妙に身体を熱くする……。

「───ぁッ…………ン…………」

思わず声を漏らすおれに、嬉しそうに笑い、首筋に胸に舌を這わせる光流が……
エロくて…………エロすぎて…………

「──しのぶのぉ……おっきいのぉ……俺に入りたいって……」

おれの耳を舐めながらそう囁き…………

「どーーーーんッ!!」

────え…………!?……

光流の口から発せられた擬音と共に、おれは肩を突き飛ばされ無理矢理倒された。
すると光流はさっさと自分の下を脱ぎ

「──おれの“ココ”も…………しのぶが……欲しいって……」

自分で解しながら、おれのそれを口で濡らしていく……。

ここまでの光流は……なかなか…………見たことが無くて…………
おれは言葉も発せられず……ただされるがままになっていた。

「…………きもひ…いい……?」

おれのを口に含み……上目遣いの瞳が……まだ微かに濡れている。
言葉が出ないおれは、1度だけ頷いた。

だって…………
一生懸命おれを気持ち良くしながら……
自分で自分を解かしている光流が…………
エロいわ……可愛いわ…………
もう……頭がパニックを起こしかけている……

「──ンん……」

荒い息遣いが、時々漏れる光流の声が何も考えられなくさせる。

───もうダメだ………入れたい…………

そう思うのと同時に光流がおれのモノを口から出した。

「……しのぶの…………入れたい……」

「──ちょッ…………光流……ローション……」

「いらなぁい」

────え…………あッ…………!……

嬉しそうにおれの身体に跨り……光流の柔らかく解された窪みが……ゆっくりとおれを呑み込んでいく……。

「────あッ!──ンッ…………」

「────ぁん…ンッッ…………ぃい…………」

ローションを足されないそれが、いつもよりキツく締め付け、光流の顔も微かに歪んでいる。

「……どうしよう…………しのぶ……ちょっと…………痛い……」

そう言いながらも腰を動かし、痛みで歪めた表情の中に……時々…陶酔したように目を閉じている。

「────ぃいよォ…………」

甘い声が……荒い息遣いが…………
痛みと……快感に……身を捩りながら、身体を動かす光流が…………

「───ダメッ……光流…………おれ……イきそう…………」

思わず光流の腰をグッと押さえた。
これ以上動かされたら……秒でイク…………。

「…………いいよ…しのぶ…………俺の中に…全部出して…………?」

小首を傾げ……これ以上無い程色っぽい瞳でおれを見下ろす光流に……頭の中で何かが弾け飛んだ……。



「…………俺…………昨夜……なんかした……?」

ベッドから起き上がることも出来ずにいる先輩が、笑顔を歪めて俺を見ている。
もう夕日も沈みかけ、窓の外は薄暗くなり始めている。

「………………覚えてないんですか……?」

あの後…………結局先輩は……おれの理性を全て奪い去り………
普段見ることの出来ない先輩と…………
先輩の意識が飛ぶまで……あんなことや…こんなことや………………

「………………えっと……飲み会で…………帰りたくなったのは…………覚えてるんだけど……」

「……………もう二度と、外で日本酒飲まないでくださいね」

おれの冷やかな視線に、先輩が“ゴクッ”と喉を鳴らした。

「…………あ………………はい…………」

おれのいないところで先輩があんな風になったら……
あんなに……妖艶で…………
あんなに……エロ可愛くて…………
そう思うだけで先輩をアパートから出したくなくなる……。
でもまさか……そういう訳にもいかず……。

「……先輩?……次からは飲み会の時、おれが送り迎えしますから」

「────え………………?」

「いいですね?」

「……あ…………」

「いいですよね……?」

「………………はい…………」

きっと……これでしばらくは大丈夫なハズだ。

けど………………家でなら…………2人きりでなら…………時々日本酒を飲もう……。
そう心に決め、おれは先輩にキスをした。



しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

職業寵妃の薬膳茶

なか
BL
大国のむちゃぶりは小国には断れない。 俺は帝国に求められ、人質として輿入れすることになる。

黄色い水仙を君に贈る

えんがわ
BL
────────── 「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」 「ああ、そうだな」 「っ……ばいばい……」 俺は……ただっ…… 「うわああああああああ!」 君に愛して欲しかっただけなのに……

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

聖女を演じた巻き添え兄は、王弟殿下の求愛から逃げられない

深嶋(深嶋つづみ)
BL
谷口理恩は一年ほど前、妹と一緒に異世界に転移してしまった。 聖女として魔術の才を開花させた妹・世奈のおかげもあって、二人はアルゼノール王国の大教会に保護され、不自由のない暮らしを送ることができている。が、最近は世奈の奔放さに理恩は頭を抱えることもあった。 ある日、世奈の仕事を肩代わりした理恩は、病に臥せっている幼い第二王子・イヴァン王子のもとに参じることに。 ――「僕が大人になったら、僕の妃になってくれませんか」。 何度も謁見を重ねるうちに理恩に懐いた彼は、目の前の聖女が偽者であることに気付かぬまま、やがて理恩に求愛する。 理恩は驚き、後ろめたい気持ちを抱きながらも、「大人になっても同じ気持ちでいてくれたなら」と約束を交わした。 その直後、何者かの陰謀に陥れられた世奈の巻き添えとなり、理恩は辺境の地へと飛ばされてしまい……。 ――数年後、アルゼノール王国を出て世界中を巡っていた理恩は、とある国で偶然、王弟・イヴァンと再会する。 傷心の旅をしているのだという彼は、どういうわけか理恩との交流を持ちたがって――?

罰ゲームって楽しいね♪

あああ
BL
「好きだ…付き合ってくれ。」 おれ七海 直也(ななみ なおや)は 告白された。 クールでかっこいいと言われている 鈴木 海(すずき かい)に、告白、 さ、れ、た。さ、れ、た!のだ。 なのにブスッと不機嫌な顔をしておれの 告白の答えを待つ…。 おれは、わかっていた────これは 罰ゲームだ。 きっと罰ゲームで『男に告白しろ』 とでも言われたのだろう…。 いいよ、なら──楽しんでやろう!! てめぇの嫌そうなゴミを見ている顔が こっちは好みなんだよ!どーだ、キモイだろ! ひょんなことで海とつき合ったおれ…。 だが、それが…とんでもないことになる。 ────あぁ、罰ゲームって楽しいね♪ この作品はpixivにも記載されています。

処理中です...