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「お前みてぇな……神を謀り愚弄する者がいるせいで………“神殺し”などと馬鹿げた事を目論む輩が現れる……そうは思わねぇか……?」
冷たい言葉が幸成の胸中を抉り……
鋭い爪が皮膚を抉る………
「……神に近付きてぇか…………?それとも……神を地に貶めてぇか…………?」
───そうだ…………俺は…………真神のことを…………
「───何してる……」
音もなく開いた襖の向こうから琥珀の声が響いた。
昨夜耳元で聞かされた、身体の奥を溶かす様な甘美な声とはまるで違う。
抑揚が全く感じられない、しかし確実に怒りを孕んだ声に、今や幸成に覆い被さる様に馬乗りになっていた男はゆっくりを顔を上げた。
「……なんもしてねぇさ。……お前がまた人間を引っ張りこんだと、烏達が騒ぐもんでよぉ……様子を見に来ただけだ」
柔らかい言葉とは真逆に金の瞳が琥珀を見据える。
「てめぇには関係ねぇ……そこを退け」
「……また色呆けか?……しかも……またこんな人間如きに現を抜かしやがって……」
「そいつから離れろ……」
「そう熱くなんなよ……たかが人間じゃねぇか。代わりなんぞ……蛆の様に湧いてくらぁ………そうだろ?」
男は明らかに琥珀を挑発していると、幸成にも解った。
そして普段は穏やかな琥珀色の瞳が一瞬で紅く染まり、人間と同じであった身体が狼のそれに変わり始めた。
大きな耳と、赤く裂けた口から、一体どれだけの命を奪ってきたのかと思える程、鋭く光った牙が剥き出しにされた。
「…………幸成から離れろ……」
───……琥…………珀………………
今までの恐怖など比べ物にならない程の脅威が幸成を襲った。
肌という肌がビリビリと痺れるような戦慄。
奥底にいる本能が近付くなと告げている。
「…………こんな虫けらの為に俺と本気でやり合おうってか…………」
笑いながらゆらりと立ち上がった男の背中から風と共に漆黒の大きな羽が現れ、金の瞳が鈍く光った。
しかしその言葉すらもう琥珀には届いていないように見える。
「面白ぇ!!──受けて立ってやらぁ!!」
冷たい言葉が幸成の胸中を抉り……
鋭い爪が皮膚を抉る………
「……神に近付きてぇか…………?それとも……神を地に貶めてぇか…………?」
───そうだ…………俺は…………真神のことを…………
「───何してる……」
音もなく開いた襖の向こうから琥珀の声が響いた。
昨夜耳元で聞かされた、身体の奥を溶かす様な甘美な声とはまるで違う。
抑揚が全く感じられない、しかし確実に怒りを孕んだ声に、今や幸成に覆い被さる様に馬乗りになっていた男はゆっくりを顔を上げた。
「……なんもしてねぇさ。……お前がまた人間を引っ張りこんだと、烏達が騒ぐもんでよぉ……様子を見に来ただけだ」
柔らかい言葉とは真逆に金の瞳が琥珀を見据える。
「てめぇには関係ねぇ……そこを退け」
「……また色呆けか?……しかも……またこんな人間如きに現を抜かしやがって……」
「そいつから離れろ……」
「そう熱くなんなよ……たかが人間じゃねぇか。代わりなんぞ……蛆の様に湧いてくらぁ………そうだろ?」
男は明らかに琥珀を挑発していると、幸成にも解った。
そして普段は穏やかな琥珀色の瞳が一瞬で紅く染まり、人間と同じであった身体が狼のそれに変わり始めた。
大きな耳と、赤く裂けた口から、一体どれだけの命を奪ってきたのかと思える程、鋭く光った牙が剥き出しにされた。
「…………幸成から離れろ……」
───……琥…………珀………………
今までの恐怖など比べ物にならない程の脅威が幸成を襲った。
肌という肌がビリビリと痺れるような戦慄。
奥底にいる本能が近付くなと告げている。
「…………こんな虫けらの為に俺と本気でやり合おうってか…………」
笑いながらゆらりと立ち上がった男の背中から風と共に漆黒の大きな羽が現れ、金の瞳が鈍く光った。
しかしその言葉すらもう琥珀には届いていないように見える。
「面白ぇ!!──受けて立ってやらぁ!!」
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