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───兄上の元に…………戻らなくては………
そう頭を掠めた途端、体を丸める様に横になっていた幸成のちょうど腹の上に
───“ドスンッ”
音と共に重たい何かが落ちてきた。
「────うッ…………」
思わず喉から声が漏れ、その衝撃に顔を歪めた幸成に掛けられていた布団を、誰かが勢いよく逸いだ。
「───ゆちなりッ!」
目の前に現れた顔が、嬉しそうに満面の笑みを浮かべている。
「──蒼玉……」
琥珀と翡翠が言い争いをしているのをいい事に、二人の間をこっそりと抜け
「おっちしよ!」
幸成の上に完全に乗っかり、早く起きろと言っているのだ。
「…………蒼玉…………」
小さな手が幸成の頬を撫でる。
嬉しそうに、愛しそうに……。
そしてなんの前触れもなく嬉しそうな笑顔が近付き、幸成の頬に『ちゅッ』と音を立てた。
「───あーッ!蒼玉ズルだぞッ!」
それを見つけた翡翠が琥珀の身体を押し退けると、一目散に幸成の上に蒼玉と一緒になって覆い被さった。
「───うゎッ…………」
その重みでまだ喉の奥から声とも言えない声が漏れる。
いくら子供と言えども、細い身体に二人も乗られては息すらまともに出来ない。
しかし、布団を通しても伝わる温もりが、苦しい筈の幸成の胸の中まで温めていく。
「───おいッ!お前等……幸成が潰れちまうだろッ!!」
慌てて自分の上から二人を退かす琥珀が
「蒼玉だけズルじゃんッ!おれもちゅーする!」
文句を言っている翡翠の顔も、離されまいと必死に自分にしがみつく蒼玉も……
皆の顔が幸せに満ちている。
それが、自分の帰りを喜んでくれていると解る。
いや、昨夜から解っていた……。
───それなのに………俺は今……一体何を……
ぼんやりとした頭の中で自分の声が囁いた言葉にゾッとした。
「幸成!?大丈夫か!?」
「──え…………」
突然肩を抱かれ、自分の意思とは関係無く起こされた幸成を心配そうな顔が覗き込んだ。
「どこか痛むか?」
「……え………………あ、いえ……大丈夫です……」
優しい声が、気遣う瞳が、胸を締め付け咄嗟に目を逸らした。
「……幸成……?」
「本当に……大丈夫です」
頭の中で囁いたのは確かに自分の声だった。
あれ程嫌悪したのに
抱かれながら憎いとすら思っていたのに。
───なんで………………
迷いすらなかった。
疑いもしなかった。
『俺は兄上のモノ』だと…………。
そう頭を掠めた途端、体を丸める様に横になっていた幸成のちょうど腹の上に
───“ドスンッ”
音と共に重たい何かが落ちてきた。
「────うッ…………」
思わず喉から声が漏れ、その衝撃に顔を歪めた幸成に掛けられていた布団を、誰かが勢いよく逸いだ。
「───ゆちなりッ!」
目の前に現れた顔が、嬉しそうに満面の笑みを浮かべている。
「──蒼玉……」
琥珀と翡翠が言い争いをしているのをいい事に、二人の間をこっそりと抜け
「おっちしよ!」
幸成の上に完全に乗っかり、早く起きろと言っているのだ。
「…………蒼玉…………」
小さな手が幸成の頬を撫でる。
嬉しそうに、愛しそうに……。
そしてなんの前触れもなく嬉しそうな笑顔が近付き、幸成の頬に『ちゅッ』と音を立てた。
「───あーッ!蒼玉ズルだぞッ!」
それを見つけた翡翠が琥珀の身体を押し退けると、一目散に幸成の上に蒼玉と一緒になって覆い被さった。
「───うゎッ…………」
その重みでまだ喉の奥から声とも言えない声が漏れる。
いくら子供と言えども、細い身体に二人も乗られては息すらまともに出来ない。
しかし、布団を通しても伝わる温もりが、苦しい筈の幸成の胸の中まで温めていく。
「───おいッ!お前等……幸成が潰れちまうだろッ!!」
慌てて自分の上から二人を退かす琥珀が
「蒼玉だけズルじゃんッ!おれもちゅーする!」
文句を言っている翡翠の顔も、離されまいと必死に自分にしがみつく蒼玉も……
皆の顔が幸せに満ちている。
それが、自分の帰りを喜んでくれていると解る。
いや、昨夜から解っていた……。
───それなのに………俺は今……一体何を……
ぼんやりとした頭の中で自分の声が囁いた言葉にゾッとした。
「幸成!?大丈夫か!?」
「──え…………」
突然肩を抱かれ、自分の意思とは関係無く起こされた幸成を心配そうな顔が覗き込んだ。
「どこか痛むか?」
「……え………………あ、いえ……大丈夫です……」
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「……幸成……?」
「本当に……大丈夫です」
頭の中で囁いたのは確かに自分の声だった。
あれ程嫌悪したのに
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───なんで………………
迷いすらなかった。
疑いもしなかった。
『俺は兄上のモノ』だと…………。
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