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第三章第六話【3つの選択肢】

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山本一成はあれから昏睡状態に陥っていたようだ。

3日3晩、見知らぬ部屋の古びた黒いベッドで眠り続けたというのはその後の話しで分かった。

彼はふと思い出すあの時、馬に乗って彼は都市と真逆の進行方向である南へ下った事を、彼が南へ下ったには理由があった。

都会の喧騒とした集合体に彼の防衛反応が起動した。

「管理、支配、命令、そなたの嫌うものか。」

「誰だ?」彼は問うた。

にわかに頭がズキズキ痛む。

「頭の傷は大事ない、あれからそなたは私が差し出した豚足を一気食いしてそのまま3日3晩が経過したってとこだな」

「ああ思い出したぜギルドがどうとか言ってたなあ。」

彼の頭には包帯が巻かれていて、時折、一成は両手で押さえるように傷を労った。

女戦士はコーヒーを淹れシガレットを彼に手渡した。

「悪い俺の好きなものを差し出してくれて。
それに介抱までしてくれて。。」

一成はコーヒーをすすりながらシガレットに火を付けた。

至福の時を頂戴した一成は、一気にエナジーが満たされた。

その直後、彼は、女戦士から3つの選択肢を否応なしに迫られた。

一、私の婿になってくれ。

一、魚を3日で80匹納めてくれ。

一、私を連れ出してくれ。


つづく
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