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皇帝との対峙
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「ここはおそらく塔ですね」
「塔?」
皇帝の元へと向かっていたレイリックとジュリアンは、宮殿近くにある塔に辿り着いた。
「はい。宮殿の西側に位置するのですが、塔と宮殿は繋がっていて、秘密通路を通って行き来できます。もっとも秘密通路の場所は一部の者しか知りませんが」
「それでジュリアン皇子は知っているの?」
「はい。昔、祖父に教えてもらったので」
ジュリアンの祖父は前皇帝陛下だ。民からの信頼も厚く、優秀な人だった。
「ここですね」
デコボコになっている壁があり、数カ所を押すとガコンッと音が鳴り、空間が現れた。これが秘密通路のようだ。その秘密通路の中に入り、中から通路を閉じた。中は真っ暗なため、魔法で周囲を照らしながら進む。中も迷路のような構造になっている。
「くれぐれも周りのものに触れないようにしてください。罠が仕掛けられているので」
周囲の壁や一部の床にも仕掛けられているらしい。
「魔法で飛んだらダメなの?」
「ダメですね。強い魔力を検知すると攻撃が飛んで来るので」
「地道に行くしかないということか」
そこから数十分かけて歩き、大きく広がった場所へと出た。
「見えました。王宮への入口です。そこを通ると皇帝陛下の執務室の近くに出ます」
レイリックたちはその入口を通った。そこは皇帝の執務室を覗くことが出来る場所だった。中からはレイリックたちの様子は見えない仕組みとなっているらしい。
そして、再び壁を幾つか押して、開いた瞬間一斉に突入した。
「何事だ!?」
「誰だ、お前たちはっ!!」
皇帝と騎士がいきなり現れたレイリックたちを見て驚き、叫んでいる。
「お久しぶりですね。陛下」
「お前は、ジュリアンかっ!! 早くその侵入者どもを殺せ!!」
「お断りします」
ジュリアンはあっさりとそう答えた。
「なっ!! 貴様、何のために生かしてやったと思っているのだ!!」
「何のためですか?」
「決まっている。いざというときに私の盾にするためだ。そのぐらいでしか役に立てない愚か者が」
その言葉を聞いてジュリアンはふっと笑った。もっとも目は笑っていないが。
「その愚か者にやすやすと侵入を許すなんて随分と緩い警備ですね」
「貴様!! そもそもどうやって入って来たのだ」
「見ていて分かりませんでしたか? 秘密通路を使ったに決まっているでしょう」
「秘密通路だと!? 伝説ではなかったのか」
「はい?」
予想だにしていない反応に、素っ頓狂な声を出した。
「どうやら皇帝陛下はお父上から教えてもらえなかったようだね」
「お前は確か、アルマーニの王太子か!! なぜここにいる!? 不法侵入するなど王太子としてあるまじき行為だ。抗議させてもらう」
ようやくレイリックの存在に気が付いたようだが、訳の分からないことを言っている。
「先に不法侵入したのは帝国の方だ。急に魔法陣から人が現れたのだからね」
「仮にそうだとして、私の指示だという証拠はあるのか? ありもしないのに勝手なことを」
余程自信があるようで、偉ぶった様子で言う。
「いや、証拠ならあるよ」
事前にジュリアンが用意していた皇帝が指示を出している様子が映った映像球を流す。
「……はははっ、だったらなんだ? 今頃アルマーニは大変なことになっているだろうな。王太子ともあろう者が国を捨てて帝国に恩でも売りに来たのか?」
「はぁ、全く呆れるよ。僕がそんな真似するとでも? それに王国の騎士を舐めないでもらいたい」
レイリックは冷たい目で言い放った。
リリカ嬢が危険な目に遭ったこと、公爵は相当腹に据えかねている様子だったし、瞬殺だろうね。
とレイリックは思っていた。まさしく、その通りだった。
「ふんっ。それで何をしに来たというのだ」
椅子に踏ん反り返りながら皇帝は言う。
「我が国のためにも皇帝、貴方を倒す」
「塔?」
皇帝の元へと向かっていたレイリックとジュリアンは、宮殿近くにある塔に辿り着いた。
「はい。宮殿の西側に位置するのですが、塔と宮殿は繋がっていて、秘密通路を通って行き来できます。もっとも秘密通路の場所は一部の者しか知りませんが」
「それでジュリアン皇子は知っているの?」
「はい。昔、祖父に教えてもらったので」
ジュリアンの祖父は前皇帝陛下だ。民からの信頼も厚く、優秀な人だった。
「ここですね」
デコボコになっている壁があり、数カ所を押すとガコンッと音が鳴り、空間が現れた。これが秘密通路のようだ。その秘密通路の中に入り、中から通路を閉じた。中は真っ暗なため、魔法で周囲を照らしながら進む。中も迷路のような構造になっている。
「くれぐれも周りのものに触れないようにしてください。罠が仕掛けられているので」
周囲の壁や一部の床にも仕掛けられているらしい。
「魔法で飛んだらダメなの?」
「ダメですね。強い魔力を検知すると攻撃が飛んで来るので」
「地道に行くしかないということか」
そこから数十分かけて歩き、大きく広がった場所へと出た。
「見えました。王宮への入口です。そこを通ると皇帝陛下の執務室の近くに出ます」
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そして、再び壁を幾つか押して、開いた瞬間一斉に突入した。
「何事だ!?」
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「お前は、ジュリアンかっ!! 早くその侵入者どもを殺せ!!」
「お断りします」
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「なっ!! 貴様、何のために生かしてやったと思っているのだ!!」
「何のためですか?」
「決まっている。いざというときに私の盾にするためだ。そのぐらいでしか役に立てない愚か者が」
その言葉を聞いてジュリアンはふっと笑った。もっとも目は笑っていないが。
「その愚か者にやすやすと侵入を許すなんて随分と緩い警備ですね」
「貴様!! そもそもどうやって入って来たのだ」
「見ていて分かりませんでしたか? 秘密通路を使ったに決まっているでしょう」
「秘密通路だと!? 伝説ではなかったのか」
「はい?」
予想だにしていない反応に、素っ頓狂な声を出した。
「どうやら皇帝陛下はお父上から教えてもらえなかったようだね」
「お前は確か、アルマーニの王太子か!! なぜここにいる!? 不法侵入するなど王太子としてあるまじき行為だ。抗議させてもらう」
ようやくレイリックの存在に気が付いたようだが、訳の分からないことを言っている。
「先に不法侵入したのは帝国の方だ。急に魔法陣から人が現れたのだからね」
「仮にそうだとして、私の指示だという証拠はあるのか? ありもしないのに勝手なことを」
余程自信があるようで、偉ぶった様子で言う。
「いや、証拠ならあるよ」
事前にジュリアンが用意していた皇帝が指示を出している様子が映った映像球を流す。
「……はははっ、だったらなんだ? 今頃アルマーニは大変なことになっているだろうな。王太子ともあろう者が国を捨てて帝国に恩でも売りに来たのか?」
「はぁ、全く呆れるよ。僕がそんな真似するとでも? それに王国の騎士を舐めないでもらいたい」
レイリックは冷たい目で言い放った。
リリカ嬢が危険な目に遭ったこと、公爵は相当腹に据えかねている様子だったし、瞬殺だろうね。
とレイリックは思っていた。まさしく、その通りだった。
「ふんっ。それで何をしに来たというのだ」
椅子に踏ん反り返りながら皇帝は言う。
「我が国のためにも皇帝、貴方を倒す」
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