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皇帝との戦い
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レイリックたちが皇帝と対峙していたその時、バンッと大きな音を立て扉が開き、侵入者が出たという連絡を受けた数人の衛兵が駆け込んで来た。
「お前たち、早くこの者たちを殺せっ!!」
命令を受けた衛兵は一斉に、「はっ!!」と返事をして攻撃を開始する。
宮殿内では一部の者以外魔法を使うことが出来ないようになっているが、多少の魔法なら使えるらしい。自分一人を防御魔法で護ることぐらいなら出来るようだ。そのような状況下なので、衛兵とレイリックの騎士は必然的に剣での打ち合いとなる。
「お前たちの相手は特別に私がしてやろう」
皇帝はそう言うと、加減なく攻撃魔法をレイリックとジュリアンに向けて放った。そう、一部の者、それは皇帝を含む皇族だ。皇族は基本的に宮殿内でも自由に魔法を使える。
しかし、レイリックやジュリアン、王国の騎士が皆避けたため、その後ろにいた帝国の騎士に当たり「ぎゃあっ!!」と悲鳴を上げている。
……自滅した。
「な、何をしているのだ!! 役立たずども」
「……それは貴方に言いたいね」
大切な婚約者が巻き込まれたことに憤り、乗り込んだレイリックだったが、こればかりは呆れるしかなかった。
「皇帝陛下の相手は俺に任せてもらえませんか?」
「でも君は……」
「ええ、俺は皇族ですが宮殿内では魔法はろくに使えませんが、これが最後になるでしょうから……」
仮にも父親だ。色々と思うところはあるのだろう。
「……分かった。任せるよ」
「はい。必ず倒します」
「ふっ、ははははっ!! お前ごときが私の相手になるとでも思っているのか」
「……」
「いいだろう。実力の差というものを思い知らせてやる」
そう言って皇帝が魔法を繰り出す。その魔法がことごとく帝国の騎士に命中し、窓ガラスは割れ、壁は吹き飛び、悲惨なことになっている。
大変だね、この国の騎士は。
レイリックもこの惨状にさすがに同情した。
ジュリアン皇子は今のところ、どうにか防いでいるって感じかな。でも、魔法が上手く扱えない環境でも至近距離からの攻撃を防ぎ、避けることが出来ている。まあ、彼が得意なのは魔法じゃなくて剣だろうけどね。
そのとき、パリンッとジュリアンの防御魔法が壊れ、ジュリアンは慌てて避けた。
「この程度か? お前は昔から皇族のくせに魔法もまともに使えない奴だからな」
人には向き不向きがある。ジュリアンはたまたま魔法を苦手としていただけだ。元々魔法を使った戦いは向いていないのだろう。そこに皇族だから、というのは全く関係ない。
ジュリアンが剣が得意にもかかわらず使わないのは、魔法を剣で防いだ場合、余波が周囲に来る。このような広くはない部屋の中で使用した場合、爆風などによる影響が計り知れないからだ。
「剣を使ってもいいよ。必ず防ぐから」
そのことに気づいたレイリックが伝え、ジュリアンは剣を構えた。
「何を使おうが無駄だ」
そう言って、皇帝は魔法を放った。その魔法に向けてジュリアンは剣を振り下ろした。魔法は真っ二つに割れて、爆風が起こっている。
「あれ、なんともない?」
爆風が起こっているはずなのに風すら感じなかったことを疑問に思った騎士が言う。レイリックがきちんと防御魔法を使い、皆への爆風を防いでいたのだ。
「すごい……」「一体どうやって……」
口々に驚きの声が上がる。
レイリックは魔力量が多いため、宮殿内でも自由に魔法が使えたのだ。
ジュリアンは皇帝に向かって剣を振り下ろした。
「これで終わりです、皇帝陛下……いえ、父上」
皇帝はついに敗れた。
「ぐはっ。貴様っ、よくも私をこんな目に!! 実の父親に対して、こんなことをして許されるとでも思っているのか!!」
「先に俺を何度も殺そうとしたのは貴方だ」
淡々とジュリアンは言う。
「私とお前では立場が違う!!」
「では貴方なら民を傷つけても何をしてもいいと?」
「当然だ。我が国の民をどう使おうと私の勝手だ」
意気揚々として語る姿に冷ややかな目が向けられていることに、未だ気がついていないようだ。皇帝は自分勝手な暴論を振りかざしている。そのとき、突然侍従と思われる者が部屋に入って来た。
「陛下、大変です。陛下の映像が外に流れています!!」
おっ、ようやく気が付いたかな。
レイリックは黒い笑みを浮かべる。
「私の?」
「はい、先程の彼らとの会話全てです。現在も流れ続けています!!」
「な、なんだと!? ジュリアン、お前の仕業か!!」
「えっ、なんのことです? 俺はそんなことは」
ジュリアンは困惑した様を見せる。
「嘘をつくな!!」
「事実だよ。それを流したのは僕だ。民も知るべきだと思ったからね」
映像を見せていることをジュリアンに知らせなかったのは皇帝と対峙したときの素の彼の姿を民に見せるためだ。民を護るために、皇帝と戦い、勝った。今、帝国民に求められているのは単なる優秀さではない。皇帝のように搾取しない、自分たちを護ってくれる存在だ。これで次期皇帝として相応しいということを充分に証明出来ただろう。
まあ、仮にジュリアン皇子が民に相応しい姿を見せられなかったら、帝国がその後崩壊しようが放置するつもりだったけど。
レイリックも帝国に対して、相当憤っていたのだ。
そうして、ジュリアンを除いた皇帝を始めとする宮殿内にいる帝国の者全員が捕らえられ、牢屋に閉じ込められた。
「お前たち、早くこの者たちを殺せっ!!」
命令を受けた衛兵は一斉に、「はっ!!」と返事をして攻撃を開始する。
宮殿内では一部の者以外魔法を使うことが出来ないようになっているが、多少の魔法なら使えるらしい。自分一人を防御魔法で護ることぐらいなら出来るようだ。そのような状況下なので、衛兵とレイリックの騎士は必然的に剣での打ち合いとなる。
「お前たちの相手は特別に私がしてやろう」
皇帝はそう言うと、加減なく攻撃魔法をレイリックとジュリアンに向けて放った。そう、一部の者、それは皇帝を含む皇族だ。皇族は基本的に宮殿内でも自由に魔法を使える。
しかし、レイリックやジュリアン、王国の騎士が皆避けたため、その後ろにいた帝国の騎士に当たり「ぎゃあっ!!」と悲鳴を上げている。
……自滅した。
「な、何をしているのだ!! 役立たずども」
「……それは貴方に言いたいね」
大切な婚約者が巻き込まれたことに憤り、乗り込んだレイリックだったが、こればかりは呆れるしかなかった。
「皇帝陛下の相手は俺に任せてもらえませんか?」
「でも君は……」
「ええ、俺は皇族ですが宮殿内では魔法はろくに使えませんが、これが最後になるでしょうから……」
仮にも父親だ。色々と思うところはあるのだろう。
「……分かった。任せるよ」
「はい。必ず倒します」
「ふっ、ははははっ!! お前ごときが私の相手になるとでも思っているのか」
「……」
「いいだろう。実力の差というものを思い知らせてやる」
そう言って皇帝が魔法を繰り出す。その魔法がことごとく帝国の騎士に命中し、窓ガラスは割れ、壁は吹き飛び、悲惨なことになっている。
大変だね、この国の騎士は。
レイリックもこの惨状にさすがに同情した。
ジュリアン皇子は今のところ、どうにか防いでいるって感じかな。でも、魔法が上手く扱えない環境でも至近距離からの攻撃を防ぎ、避けることが出来ている。まあ、彼が得意なのは魔法じゃなくて剣だろうけどね。
そのとき、パリンッとジュリアンの防御魔法が壊れ、ジュリアンは慌てて避けた。
「この程度か? お前は昔から皇族のくせに魔法もまともに使えない奴だからな」
人には向き不向きがある。ジュリアンはたまたま魔法を苦手としていただけだ。元々魔法を使った戦いは向いていないのだろう。そこに皇族だから、というのは全く関係ない。
ジュリアンが剣が得意にもかかわらず使わないのは、魔法を剣で防いだ場合、余波が周囲に来る。このような広くはない部屋の中で使用した場合、爆風などによる影響が計り知れないからだ。
「剣を使ってもいいよ。必ず防ぐから」
そのことに気づいたレイリックが伝え、ジュリアンは剣を構えた。
「何を使おうが無駄だ」
そう言って、皇帝は魔法を放った。その魔法に向けてジュリアンは剣を振り下ろした。魔法は真っ二つに割れて、爆風が起こっている。
「あれ、なんともない?」
爆風が起こっているはずなのに風すら感じなかったことを疑問に思った騎士が言う。レイリックがきちんと防御魔法を使い、皆への爆風を防いでいたのだ。
「すごい……」「一体どうやって……」
口々に驚きの声が上がる。
レイリックは魔力量が多いため、宮殿内でも自由に魔法が使えたのだ。
ジュリアンは皇帝に向かって剣を振り下ろした。
「これで終わりです、皇帝陛下……いえ、父上」
皇帝はついに敗れた。
「ぐはっ。貴様っ、よくも私をこんな目に!! 実の父親に対して、こんなことをして許されるとでも思っているのか!!」
「先に俺を何度も殺そうとしたのは貴方だ」
淡々とジュリアンは言う。
「私とお前では立場が違う!!」
「では貴方なら民を傷つけても何をしてもいいと?」
「当然だ。我が国の民をどう使おうと私の勝手だ」
意気揚々として語る姿に冷ややかな目が向けられていることに、未だ気がついていないようだ。皇帝は自分勝手な暴論を振りかざしている。そのとき、突然侍従と思われる者が部屋に入って来た。
「陛下、大変です。陛下の映像が外に流れています!!」
おっ、ようやく気が付いたかな。
レイリックは黒い笑みを浮かべる。
「私の?」
「はい、先程の彼らとの会話全てです。現在も流れ続けています!!」
「な、なんだと!? ジュリアン、お前の仕業か!!」
「えっ、なんのことです? 俺はそんなことは」
ジュリアンは困惑した様を見せる。
「嘘をつくな!!」
「事実だよ。それを流したのは僕だ。民も知るべきだと思ったからね」
映像を見せていることをジュリアンに知らせなかったのは皇帝と対峙したときの素の彼の姿を民に見せるためだ。民を護るために、皇帝と戦い、勝った。今、帝国民に求められているのは単なる優秀さではない。皇帝のように搾取しない、自分たちを護ってくれる存在だ。これで次期皇帝として相応しいということを充分に証明出来ただろう。
まあ、仮にジュリアン皇子が民に相応しい姿を見せられなかったら、帝国がその後崩壊しようが放置するつもりだったけど。
レイリックも帝国に対して、相当憤っていたのだ。
そうして、ジュリアンを除いた皇帝を始めとする宮殿内にいる帝国の者全員が捕らえられ、牢屋に閉じ込められた。
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