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幕間 遭遇
時間稼ぎ
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「……何だよ、これは」
自分の置かれている状況すら忘れ、思わずフウマは呟く。
女は振り向いて、クルーに叱責する。もはやその様子は、最初のカリスマ性のあるキャプテンさは、感じられなかった。
〈お前たちっ! 静かにしていろ! 今は私が話しているんだ! ……それに映像から離れろ、邪魔じゃないか!〉
〈でも……キャプテンばっかり、ずるい! 独り占めなんて〉
〈いいから、言う通りにしろ! 私の言うことが聞けないのか!〉
しぶしぶ、クルー達はディスプレイから離れた。
再び、フウマに向き直る女。
女は軽く、咳払いを一つする。
〈……すまない。変な所を見られてしまったな。私はこのクロスメタル海賊団をまとめる、キャプテン・サイクロプスだ。名前の由来は、この左目を見ればわかるだろう?〉
そう言う女船長、キャプテン・サイクロプスの左目が、音を立てて伸縮する。
「……うん、まぁね」
フウマは戸惑いながらも、何とか受け答えをする。
先ほどのクルーもだが、サイクロプスもよく見れば……さっきのクルーと同じく、嬉しそうな様子が見え隠れしていた。
全員の手前、それを見せないようにしているはしているらしいが、微妙に顔がほころんでいるのが分かる。
本人もそれを悟ったらしく、サイクロプスはふっと微笑む。
〈……それにしても、こんな形にしろ、あのフウマ・オイカゼに会えるなんてな。君の活躍は、いつも海賊団を挙げて、応援させてもらっているぞ。
何しろ私たちは――宇宙レーサーであるフウマの、大ファンだからな!〉
意外な言葉に、フウマは驚く。
「……うん、応援してくれて……僕も、嬉しいよ」
しかし、誰であろうと、せっかくのファンを無下に出来ない彼は、無理して笑みを見せた。
〈ふふっ、驚かせてしまったか。だが無理する必要はないぞ、我々は君のファンであると同時に、やはり海賊だからな。
しかし、その厚意の礼だ、君が落ち着いて話が出来るまで、待っていてやろう〉
サイクロプスはそう提案した。
〈勝手なことは許さないぞ、サイクロプス! さっさと捕獲しないか! おい、聞いているのか!?〉
途端、この場に似つかわしくないスーツ姿の男が現れ、何やら彼女に抗議する。サイクロプスの考えが気に入らなかったのだろうが、当の本人はまるで誰もいないかのように、全く無視を決めている。
この時間はフウマ達にとって、とても有難かった。
「さてと、システム復旧は、まだ続いているよね?」
ミオは頷く。
「復旧は進んでいるわ。でも、まだ動くようになるには……時間がかかるかも」
モニターを確認すると、復旧状況は30%にも達していない。いくらサイクロプスが待ってくれると言っても、さすがに復旧が完了するまで、待ってくれるはずがない。
――だが……相手は自分のファンだと言っていた。これは使えるかも――
少し考えて、フウマはこんな事を伝える。
「ミオ、お願いがあるんだけど……復旧作業を手伝って貰ってくれないかな。そうすれば復旧も早く終わるはずさ」
「それは大丈夫だけど、時間が少しかかるのは変わらないわよ?」
フウマは平気だと、軽くはにかんでみせる。
「平気さ。何とか、時間を稼いでみせるさ」
自分の置かれている状況すら忘れ、思わずフウマは呟く。
女は振り向いて、クルーに叱責する。もはやその様子は、最初のカリスマ性のあるキャプテンさは、感じられなかった。
〈お前たちっ! 静かにしていろ! 今は私が話しているんだ! ……それに映像から離れろ、邪魔じゃないか!〉
〈でも……キャプテンばっかり、ずるい! 独り占めなんて〉
〈いいから、言う通りにしろ! 私の言うことが聞けないのか!〉
しぶしぶ、クルー達はディスプレイから離れた。
再び、フウマに向き直る女。
女は軽く、咳払いを一つする。
〈……すまない。変な所を見られてしまったな。私はこのクロスメタル海賊団をまとめる、キャプテン・サイクロプスだ。名前の由来は、この左目を見ればわかるだろう?〉
そう言う女船長、キャプテン・サイクロプスの左目が、音を立てて伸縮する。
「……うん、まぁね」
フウマは戸惑いながらも、何とか受け答えをする。
先ほどのクルーもだが、サイクロプスもよく見れば……さっきのクルーと同じく、嬉しそうな様子が見え隠れしていた。
全員の手前、それを見せないようにしているはしているらしいが、微妙に顔がほころんでいるのが分かる。
本人もそれを悟ったらしく、サイクロプスはふっと微笑む。
〈……それにしても、こんな形にしろ、あのフウマ・オイカゼに会えるなんてな。君の活躍は、いつも海賊団を挙げて、応援させてもらっているぞ。
何しろ私たちは――宇宙レーサーであるフウマの、大ファンだからな!〉
意外な言葉に、フウマは驚く。
「……うん、応援してくれて……僕も、嬉しいよ」
しかし、誰であろうと、せっかくのファンを無下に出来ない彼は、無理して笑みを見せた。
〈ふふっ、驚かせてしまったか。だが無理する必要はないぞ、我々は君のファンであると同時に、やはり海賊だからな。
しかし、その厚意の礼だ、君が落ち着いて話が出来るまで、待っていてやろう〉
サイクロプスはそう提案した。
〈勝手なことは許さないぞ、サイクロプス! さっさと捕獲しないか! おい、聞いているのか!?〉
途端、この場に似つかわしくないスーツ姿の男が現れ、何やら彼女に抗議する。サイクロプスの考えが気に入らなかったのだろうが、当の本人はまるで誰もいないかのように、全く無視を決めている。
この時間はフウマ達にとって、とても有難かった。
「さてと、システム復旧は、まだ続いているよね?」
ミオは頷く。
「復旧は進んでいるわ。でも、まだ動くようになるには……時間がかかるかも」
モニターを確認すると、復旧状況は30%にも達していない。いくらサイクロプスが待ってくれると言っても、さすがに復旧が完了するまで、待ってくれるはずがない。
――だが……相手は自分のファンだと言っていた。これは使えるかも――
少し考えて、フウマはこんな事を伝える。
「ミオ、お願いがあるんだけど……復旧作業を手伝って貰ってくれないかな。そうすれば復旧も早く終わるはずさ」
「それは大丈夫だけど、時間が少しかかるのは変わらないわよ?」
フウマは平気だと、軽くはにかんでみせる。
「平気さ。何とか、時間を稼いでみせるさ」
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