49 / 49
第49話 とても……愛してる!
しおりを挟む
カレンに菜乃を好きだとはっきりと告げた。
するとカレンはめげずにVtuberを目指すと言う。
冗談だと思ったがどうやら本気らしく、幼馴染みのよしみで今度付き添って面接に行くと約束した。
◇
「それで一緒に行くことになったの?」
「あんまりカレンがしつこいから、NG出されるつもりで栗原専務に電話したんだ。そしたら行ってあげろってさ」
俺と菜乃は駅前にある喫茶店で、放課後のひと時を過ごしていた。
前に来たことがある喫茶店。
ここは、菜乃が昔から行きつけにしてるらしい。
彼女はカウンターにいるマスターへ会釈してから、迷いなく小さなテーブルのあるふたり席へ座った。
もう夕方で、あと30分もすれば日が暮れる。
客は俺たちだけで店はとても静かだった。
彼女とふたりだけで過ごすティータイム。
こんな身近な場所でのデートが俺にとっては最高の幸せだ。
「栗原専務には何か考えがあるんじゃない? でも、よかった」
「何が?」
俺の問いに菜乃が微笑んだ。
笑顔の彼女は本当に美しい。
「健太は美崎さんへ、ハッキリ私を好きだって言ったんでしょ?」
「ああ。でもカレンは、とっくに俺の気持ちを分かってるようだったけどな」
「いいえ、よかったわ。ハッキリ言ってくれたのが何より嬉しい」
「そうなのか?」
「だって、健太にとって美崎さんは幼馴染みだから。あれだけいろいろされても、健太は彼女を完全に拒絶したりしなかったでしょ。だから、実はまだ未練があるのかなと……」
「ないよ。ない。俺は菜乃のことしか見てないから」
「うふふ。知ってる!」
「知ってたの?? いや今、俺の顔を見てカレンに未練があるのかなって、不安そうにしたよね?」
俺の反応を楽しむように菜乃が笑った。
「うん。健太は私を好きだって知ってるけど、そうやって口に出して言ってもらいたかったの!」
「い、言わせた?」
「うん、言わせた」
「うぐっ。言わされてしまった。ふ、不公平だ!」
「不公平?」
「そう、不公平。俺はちゃんと言ったぞ」
「もしかして、私にも愛をささやいて欲しい?」
「そ、そりゃあ……」
菜乃に素直な気持ちを伝えると、彼女は俺に顔を寄せた。
小さなテーブルの向かいには、とびきり可愛い彼女の顔がある。
菜乃は俺にもこっちへ顔を近づけろと要求する。
「もうちょっと近くに」
「こ、こう?」
少し身を乗り出すようにして、目の前の菜乃へ顔を寄せる。
彼女は自分の口元に片手を当てて、俺の耳に近づけた。
そう、内緒の話でもするかのように。
誰かに聞こえたら困る様子で。
彼女は小声で俺の名を呼ぶ。
「健太っ」
「うん」
「私ねっ」
「うん」
「好きよ」
「俺も」
「大好きっ」
「俺もだよ」
菜乃は俺の返答を聞くと顔を離した。
好きと言われて嬉しくなり彼女をみると、不満があるときにするあの顔をしていた。
可愛く口を尖らせて、眉を寄せている。
俺は彼女の可愛らしさに思わず微笑んだあと、今度は自分の口を片手で隠して菜乃を見つめた。
俺のしぐさに彼女はすぐ微笑む。
それから頬を赤らめて、俺の近くへ耳を近づけた。
「俺は菜乃が大好きだ!」
「知ってるよ。もっと言って欲しいな……」
「好きだよ、菜乃」
「嬉しい! でも、もっと素敵な言葉でお願い♡」
「素敵な言葉?」
「もう。また、言わないと分からないの?」
彼女は少しうつむくと上目遣いで顔を赤くした。
それから菜乃は小声でささやいた。
小声で、俺がかろうじて聞き取れるくらいの本当に小さな声で。
「愛してる、でしょ?」
それを聞いた俺も緊張する。
これから俺がささやく言葉だからだ。
軽く生唾を飲み込んでから、息を整えた。
俺のささやきを待っている彼女の横顔が可愛い。
「菜乃」
「は、はい」
「大好きだよ、菜乃。とても……愛してる!」
「わ、私もっ!」
外はもう夕暮れ。
俺たちは喫茶店にほかの客がいないのをいいことに、互いを愛する気持ちを確認し合った。
喫茶店のマスターは変わらず新聞を読んでいたので、多分聞こえていないはず。
それでも、できる限りの小声で愛をささやいた。
なのに……。
なのに、マスターが心なしか笑顔の気がする……。
も、もしや……聞かれた!?
俺の愛のささやきが!
あまりの恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じた。
俺の様子を見た菜乃が耳打ちしてくる。
「マスターはね、いつもああやって、聞こえてないフリをしてくれるのよ」
「い、いつから聞こえてたのかな??」
「たぶん……さ、い、しょ、か、らっ!」
最初からっだって!?
そ、それって、菜乃はマスターに聞かれるのを知ってて「好き」と先に言ってみせて、俺に「愛してる」と言わせたのか⁉
や、やられた……。
この場でたったひとりのリスナー。
菜乃はその視聴者の前で見事に俺をハメて見せた。
顔から火が出るほどの恥ずかしさだが、迷惑どころか天に昇るほどの幸せを感じる。
俺はカレンに言うべきことを伝えられ、菜乃との相思相愛を実感できたためか急に肩の力が抜けた。
今までの俺にはカレンの影響が残ってただろうし、菜乃があまりに美し過ぎるのもあって、無意識に気を張ってたんだと思う。
目の前のコーヒーを見る。
もう苦いのを我慢するのはやめて、素直に砂糖とミルクを入れてからカップに口をつけた。
菜乃はそんな俺に「うふふっ」と微笑むと、じっと見つめてくる。
「健太がちゃんと愛してるって言ってくれたら、しようって心に決めてたことがあるの」
「何?」
「もらって欲しいものがあるんだ。ねぇ、いい?」
「もらって欲しいもの? 菜乃がくれるなら、なんでも嬉しいよ!」
「よかった。じゃあ、この後に私の家であげるね」
「え? ここでじゃないの?」
「うん。今日はママいなくて、私ひとりなの。だから部屋で……ね?」
「な、菜乃!? ま、まさか……」
菜乃が上目遣いで瞳を潤ませる。
「私の一番大切なものを今日、健太にあげるから♡」
了
※大変すみませんが「青春ボカロカップ」の選考を考慮して、ここでいったんの完結とします。
するとカレンはめげずにVtuberを目指すと言う。
冗談だと思ったがどうやら本気らしく、幼馴染みのよしみで今度付き添って面接に行くと約束した。
◇
「それで一緒に行くことになったの?」
「あんまりカレンがしつこいから、NG出されるつもりで栗原専務に電話したんだ。そしたら行ってあげろってさ」
俺と菜乃は駅前にある喫茶店で、放課後のひと時を過ごしていた。
前に来たことがある喫茶店。
ここは、菜乃が昔から行きつけにしてるらしい。
彼女はカウンターにいるマスターへ会釈してから、迷いなく小さなテーブルのあるふたり席へ座った。
もう夕方で、あと30分もすれば日が暮れる。
客は俺たちだけで店はとても静かだった。
彼女とふたりだけで過ごすティータイム。
こんな身近な場所でのデートが俺にとっては最高の幸せだ。
「栗原専務には何か考えがあるんじゃない? でも、よかった」
「何が?」
俺の問いに菜乃が微笑んだ。
笑顔の彼女は本当に美しい。
「健太は美崎さんへ、ハッキリ私を好きだって言ったんでしょ?」
「ああ。でもカレンは、とっくに俺の気持ちを分かってるようだったけどな」
「いいえ、よかったわ。ハッキリ言ってくれたのが何より嬉しい」
「そうなのか?」
「だって、健太にとって美崎さんは幼馴染みだから。あれだけいろいろされても、健太は彼女を完全に拒絶したりしなかったでしょ。だから、実はまだ未練があるのかなと……」
「ないよ。ない。俺は菜乃のことしか見てないから」
「うふふ。知ってる!」
「知ってたの?? いや今、俺の顔を見てカレンに未練があるのかなって、不安そうにしたよね?」
俺の反応を楽しむように菜乃が笑った。
「うん。健太は私を好きだって知ってるけど、そうやって口に出して言ってもらいたかったの!」
「い、言わせた?」
「うん、言わせた」
「うぐっ。言わされてしまった。ふ、不公平だ!」
「不公平?」
「そう、不公平。俺はちゃんと言ったぞ」
「もしかして、私にも愛をささやいて欲しい?」
「そ、そりゃあ……」
菜乃に素直な気持ちを伝えると、彼女は俺に顔を寄せた。
小さなテーブルの向かいには、とびきり可愛い彼女の顔がある。
菜乃は俺にもこっちへ顔を近づけろと要求する。
「もうちょっと近くに」
「こ、こう?」
少し身を乗り出すようにして、目の前の菜乃へ顔を寄せる。
彼女は自分の口元に片手を当てて、俺の耳に近づけた。
そう、内緒の話でもするかのように。
誰かに聞こえたら困る様子で。
彼女は小声で俺の名を呼ぶ。
「健太っ」
「うん」
「私ねっ」
「うん」
「好きよ」
「俺も」
「大好きっ」
「俺もだよ」
菜乃は俺の返答を聞くと顔を離した。
好きと言われて嬉しくなり彼女をみると、不満があるときにするあの顔をしていた。
可愛く口を尖らせて、眉を寄せている。
俺は彼女の可愛らしさに思わず微笑んだあと、今度は自分の口を片手で隠して菜乃を見つめた。
俺のしぐさに彼女はすぐ微笑む。
それから頬を赤らめて、俺の近くへ耳を近づけた。
「俺は菜乃が大好きだ!」
「知ってるよ。もっと言って欲しいな……」
「好きだよ、菜乃」
「嬉しい! でも、もっと素敵な言葉でお願い♡」
「素敵な言葉?」
「もう。また、言わないと分からないの?」
彼女は少しうつむくと上目遣いで顔を赤くした。
それから菜乃は小声でささやいた。
小声で、俺がかろうじて聞き取れるくらいの本当に小さな声で。
「愛してる、でしょ?」
それを聞いた俺も緊張する。
これから俺がささやく言葉だからだ。
軽く生唾を飲み込んでから、息を整えた。
俺のささやきを待っている彼女の横顔が可愛い。
「菜乃」
「は、はい」
「大好きだよ、菜乃。とても……愛してる!」
「わ、私もっ!」
外はもう夕暮れ。
俺たちは喫茶店にほかの客がいないのをいいことに、互いを愛する気持ちを確認し合った。
喫茶店のマスターは変わらず新聞を読んでいたので、多分聞こえていないはず。
それでも、できる限りの小声で愛をささやいた。
なのに……。
なのに、マスターが心なしか笑顔の気がする……。
も、もしや……聞かれた!?
俺の愛のささやきが!
あまりの恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じた。
俺の様子を見た菜乃が耳打ちしてくる。
「マスターはね、いつもああやって、聞こえてないフリをしてくれるのよ」
「い、いつから聞こえてたのかな??」
「たぶん……さ、い、しょ、か、らっ!」
最初からっだって!?
そ、それって、菜乃はマスターに聞かれるのを知ってて「好き」と先に言ってみせて、俺に「愛してる」と言わせたのか⁉
や、やられた……。
この場でたったひとりのリスナー。
菜乃はその視聴者の前で見事に俺をハメて見せた。
顔から火が出るほどの恥ずかしさだが、迷惑どころか天に昇るほどの幸せを感じる。
俺はカレンに言うべきことを伝えられ、菜乃との相思相愛を実感できたためか急に肩の力が抜けた。
今までの俺にはカレンの影響が残ってただろうし、菜乃があまりに美し過ぎるのもあって、無意識に気を張ってたんだと思う。
目の前のコーヒーを見る。
もう苦いのを我慢するのはやめて、素直に砂糖とミルクを入れてからカップに口をつけた。
菜乃はそんな俺に「うふふっ」と微笑むと、じっと見つめてくる。
「健太がちゃんと愛してるって言ってくれたら、しようって心に決めてたことがあるの」
「何?」
「もらって欲しいものがあるんだ。ねぇ、いい?」
「もらって欲しいもの? 菜乃がくれるなら、なんでも嬉しいよ!」
「よかった。じゃあ、この後に私の家であげるね」
「え? ここでじゃないの?」
「うん。今日はママいなくて、私ひとりなの。だから部屋で……ね?」
「な、菜乃!? ま、まさか……」
菜乃が上目遣いで瞳を潤ませる。
「私の一番大切なものを今日、健太にあげるから♡」
了
※大変すみませんが「青春ボカロカップ」の選考を考慮して、ここでいったんの完結とします。
46
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
かつて僕を振った幼馴染に、お月見をしながら「月が綺麗ですね」と言われた件。それって告白?
久野真一
青春
2021年5月26日。「スーパームーン」と呼ばれる、満月としては1年で最も地球に近づく日。
同時に皆既月食が重なった稀有な日でもある。
社会人一年目の僕、荒木遊真(あらきゆうま)は、
実家のマンションの屋上で物思いにふけっていた。
それもそのはず。かつて、僕を振った、一生の親友を、お月見に誘ってみたのだ。
「せっかくの夜だし、マンションの屋上で、思い出話でもしない?」って。
僕を振った一生の親友の名前は、矢崎久遠(やざきくおん)。
亡くなった彼女のお母さんが、つけた大切な名前。
あの時の告白は応えてもらえなかったけど、今なら、あるいは。
そんな思いを抱えつつ、久遠と共に、かつての僕らについて語りあうことに。
そして、皆既月食の中で、僕は彼女から言われた。「月が綺麗だね」と。
夏目漱石が、I love youの和訳として「月が綺麗ですね」と言ったという逸話は有名だ。
とにかく、月が見えないその中で彼女は僕にそう言ったのだった。
これは、家族愛が強すぎて、恋愛を諦めざるを得なかった、「一生の親友」な久遠。
そして、彼女と一緒に生きてきた僕の一夜の物語。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる